閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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新・蛇女子学園編 第七章 俺の中にあるこの記憶はいったい?

半蔵学院を攻め、その選抜メンバーである佐介たちに学炎祭を仕掛けた蒼馬たちの激闘が続く中

 

 

蒼馬は佐介と激しいぶつかり合いを演じていた

 

 

互いに己が能力を駆使し、超加速の世界での戦いを繰り広げる

 

 

一歩も引かずの戦いであったが、一瞬の隙をついた蒼馬の攻撃を受け

 

 

佐介は徐々に押されていった

 

 

なおも負けじと挑む佐介であったが、もはや佐介の行動パターンを把握した蒼馬の前にはなすすべもなく

 

 

ボウガンから放つ空気弾を何発も浴びせ。佐介を行動不能にさせてしまった

 

 

そしてとどめの一撃を放った蒼馬がその場を去ろうとした時

 

 

佐介がはなった懺悔のつぶやきを聞いた蒼馬は思うところがあったが

 

 

任務終了に伴い、蛇女へと帰還するのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

半蔵学院との戦いが終わってから数日の時が過ぎた

 

 

任務を終えた雅緋たちはそれぞれの日々に戻っている中

 

 

1人、自分の部屋の窓のところにすわりこみ、空を眺める蒼馬の姿があった

 

 

そして蒼馬はぼんやりと空を眺めながら佐介との戦いのことを思い出していた

 

 

「あいつはなぜあそこまで他人のために戦おうとしていたんだ?」

 

 

学院や仲間を守ろうと自分に挑み、敗北こそすれど、戦いの中であっても、その瞳には一切の迷いがなかった

 

 

仲間を守るためならどんなことも耐え抜くと言わんばかりの真剣な眼差しだった

 

 

「なぜだ?なぜ奴はそんなことができるんだ?……わからない。どうして?」

 

 

佐介の行動や言葉の数々が蒼馬の心を揺らがせていたのである

 

 

そしてそんな蒼馬の脳裏に過ぎったのは佐介の最後の言葉だった

 

 

散り際に佐介は敗北したことを自分たちが追っている光牙に向けて謝っていた

 

 

意識を失うまでなんどもなんども、それを連呼していた

 

 

「約束…大切な約束…うっ…っ!?」

 

 

約束という言葉を呟くたびに蒼馬の脳裏に少女の姿が浮かびあがる

 

 

「(なぜだ?…知らないはずなのに、俺はあの子を知っている気がする。…なのに、思い出せない…くそっ!)」

 

 

脳裏に浮かぶ少女を知っている気がするのにそれを確かめるすべもない

 

 

そんな自分の歯がゆさに苛立ちを覚える蒼馬は唇を噛み締める

 

 

「蒼馬」

 

 

「っ!?」

 

 

シャキン!

 

 

「っ!?」

 

 

突然声をかけられ、驚いた蒼馬は仕込んでいた苦無を素早く取り出すとともに声をかけた者の首元に突きつけた

 

 

「……っ、雅緋か」

 

 

「いっ、いきなり何をする?」

 

 

「ノックもなしに俺の部屋に入るからだ」

 

 

「ノックならしたぞ、なのにお前が返事をしないから入ったらお前が」

 

 

声をかけたのが雅緋とわかり、苦無をしまうと彼女に文句を言うも

 

 

逆に雅緋に返事をしなかったということを注意されてしまった

 

 

「で、俺に何の用だ?」

 

 

「鈴音先生から次の任務が決まったとのことで選抜メンバーは全員集合するようにと」

 

 

「なるほど、了解した」

 

 

任務ということで蒼馬は急ぎ準備をし、雅緋とともに忍部屋にへと向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

「集まったな。ではこれよりお前たちに次の任務を与える」

 

 

忍部屋についた蒼馬たちに鈴音が次なる任務の内容を伝える

 

 

「数日後、お前たちには死塾月閃女学館に学炎祭を仕掛けてもらうこととなった」

 

 

「月閃に…っ」

 

 

次の標的が月閃と知らされ、両備はわずかに反応する

 

 

元母校を襲うことになるのだ。いくら両備と両奈でも思うところはあるようであった

 

 

「上からの話しでは最近月閃の忍学生が悪忍狩りをしているかとのこと、それを危険視した上が我々に月閃を潰すように指示を出したのだ」

 

 

「そうでしょうね。あいつらってば悪忍だってわかれば容赦しないような奴らだもん。特に雪泉と紫苑が曲者ね」

 

 

「両備、そいつらはどんな奴らなんだ?」

 

 

忌夢が両備に尋ねる

 

 

「頭でっかちのあいつらの中でもとりわけ頭でっかちな奴らよ。でも正直、雪泉のことはある程度は知ってるけど、紫苑のことはいまいちわからないのよね」

 

 

「それはなぜだ?」

 

 

「紫苑ちゃんは同じ学校の生徒たちにもあまり実力を見せてくれないんだよ〜」

 

 

雅緋の問いに今度は両奈が答えた

 

 

「成績優秀で生徒たちにもお姉さまとか言われて慕われてるし、おまけにたゆんたゆん…あぁもう!思い出しただけで腹がたつ〜っ!」

 

 

紫苑のことを話しながら自分の胸に手を当てる両備は次第に腹立たしくなり、怒りをあらわにする

 

 

「……ともかく、決行日時は一週間後だ。それまでに万全の体制を整えておけ、いいな?」

 

 

「「「「はい(はーい♪)」」」」

 

 

「……はい」

 

 

「了解した」

 

 

蒼馬たちは準備のために忍部屋を後にする

 

 

 

 

 

「一週間後に月閃との学炎祭か。今に見てろ、奴らに思い知らせてやる。我々悪忍の本当の力を、そして真に狩られるのはお前たちだということをな」

 

 

「その意気だよ雅緋、僕もやってやるさ!」

 

 

廊下を歩く中、雅緋は月閃との戦いに闘志を燃やし、忌夢がそれに賛同する

 

 

「うぅ〜私は3日といわず、ずっと部屋でのんびりしていたいよ〜」

 

 

「紫、またお前はそんなことを、少しはやる気を見せろ」

 

 

嫌そうな顔で呟く紫を忌夢が注意する

 

 

「私はただ、部屋で1人光くんの成長アルバムを鑑賞していたいだけだよ」

 

 

そう言うと紫はとあるアルバム本をちらつかせる

 

 

「ちょ!ちょっとまて紫!?お前、それは私が小さい頃からコツコツと集めた光牙の成長日記、『光牙これくしょん』ではないか!?なんでお前が持っているんだ!?」

 

 

紫が持っていたアルバムを見た瞬間、雅緋はとてつもないほどの驚きの顔を見せていた

 

 

「…この前こっそりと」

 

 

「なっ、なんだとぉ!?返せ!それは私の大切なものだ今すぐ返せ!」

 

 

「…いや、光くんの全ては私のもの!私のものは私のものなんです!」

 

 

「紫!どこぞのガキ大将のような台詞は止めるんだ!あと雅緋も落ち着いて」

 

 

互いに光牙の成長日記をかけて一歩も譲らない両者

 

 

「何やってんだかあのおバカさんたちは?」

 

 

「アルバムだったら両奈ちゃんたちも持ってるよね〜♪両備ちゃんが転んでわんわん泣いたときや小学4年生の頃までおねしょしてたこととか〜♪」

 

 

「なっ!?おっ、思い出させんじゃないわよ!せっかく忘れてたってのに!このアホ犬!バカ犬!ダメ犬!」

 

 

「はうぅ〜ん♪罵り3連発なんて両奈ちゃん絶対幸せだよ〜♪もっともっと両奈ちゃんを罵って〜♪」

 

 

両備と両奈もまたいつものごとく馬鹿騒ぎをしていたい

 

 

そんな彼女たちを他所に蒼馬はさっきのことを考えていた

 

 

「(なんなんだあの光景は?どうして俺の頭にそれらが浮かぶ?……あれらが意味するものとはいったいなんなのだ?)」

 

 

理解できないことに頭を悩ませながらも蒼馬は自分の部屋に戻ってこうとする

 

 

「まて蒼馬」

 

 

「っ?」

 

 

しかし、その時、そんな蒼馬を鈴音が呼び止めた

 

 

「…何の用だ?」

 

 

「お前に上からの指令だ」

 

 

「……っ」

 

 

突然、鈴音から放たれたその言葉に蒼馬は驚くのだった

 




緊急速報!


「久しぶりだね佐介くん」


「そんな、生きていたなんて!?」


奴は帰ってきた


新たな野暮を胸に秘めて



道元復活!



「君のーーーは頂いた!」


「くっ!?」


戦いは新たなステージへ!


「ふふふふふ!」


「逃がさない!」


道元をおい、たどり着いた先は


「ここは?」


まさかの異世界


そこで佐介が出会ったのは…


「ハンドレッド・オン!」


「ふっ!」


「テイルオン!」


様々な世界の佐介と瓜二つの姿をした3人の少年たち


今ここに時空を越えた佐介の新たな戦いが幕をあける!


次回、異世界の物語り 投稿予定!









「僕は限界を超える!うおぉぉぉぉぉぉ!!!」


佐介、新たな力覚醒?





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