閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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新・蛇女子学園 第十三章 休まる時はすぐに消え失せる

蛇女の勝利となった月閃女学館との戦い

 

 

終結後、鈴音は雅緋たちを学園に戻るように命じ、まだ戻らぬ蒼馬を探しに出た

 

 

しかし、そんな彼女が見つけたのは以前とは似ても似つかぬほどの態度の蒼馬だった

 

 

自身を蒼馬ではなく相馬と言い張り興奮する彼を落ち着かせようとするも

 

 

そんな鈴音を振り切り、いずこかへと走り去っていってしまう

 

 

相馬は自分の帰るべき場所を目指し、たどり着いた先でかつて離れ離れになった幼馴染、楓と再会する

 

 

だが、再会の宵に浸る暇すら与えられず、彼を連れ戻しにきた蛇女の追っ手が相馬と楓を襲う

 

 

楓は相馬を守ろうと戦うも敗北し、絶体絶命に陥った時、無意識化に相馬が敵を蹴散らし楓を救う

 

 

しかし、我に帰った相馬は自身の身に起きている何かに不安を感じるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遠慮せずあがんなさいよ」

 

 

「あぁ、ありがとう」

 

 

悪忍の追っ手の襲撃を振り切った相馬は

 

 

楓に連れられて一旦彼女の家に行くことになった

 

 

「おじさんとおばさんは?」

 

 

「今日も仕事で忙しいみたいで明日まで帰ってこないから」

 

 

「そっ、そうか…」

 

 

楓の両親は忍であると共に漫画関係の仕事をしてるため帰りが遅かったりすることが多々あるため家には楓1人でいることが多かった

 

 

 

 

 

「はいこれ」

 

 

「あぁ、サンキュー…」

 

 

リビングのソファーに腰掛けながら楓が持ってきたココアを一口飲む

 

 

「なぁ、楓…お前って」

 

 

「うん。もう隠せないからいうけど、私、忍なの」

 

 

「……知らなかったよ。お前が忍だったなんてよ」

 

 

「なるべく無関係な人に知られるわけにはいかなかったから」

 

 

知られれば自分たちの関係者にも被害が及ぶ、忍として生きるにはそうせざる終えない定めだから

 

 

「…そっか」

 

 

納得したと共に相馬はおもむろに自分の手を見る

 

 

大体の事情を楓から聞いていた自分たちを襲った奴らをこの拳でねじ伏せ、追い払ったということを

 

 

「(楓が手も足もでなかった奴らをどうやって俺が?)」

 

 

あの時の記憶が曖昧過ぎて楓から聞いてもまだ信じられないと言う顔を浮かべる

 

 

「それにしてもさ、あんたこれからどうするのよ?」

 

 

「そこなんだよな〜…しばらく帰れなかったせいで俺のいたアパートの部屋、別の人が使ってたんだぜ、これからどうすれば〜」

 

 

仕方なかったとは言えこの何年も帰らなかったことが災いし、アパートの大家さんが別の人に自分の部屋を貸しあたえてしまい、相馬は帰る家を失ってしまったのである

 

 

「げっ、元気出しなさいよ相馬」

 

 

落ち込む相馬を楓が必死に慰める

 

 

その時、楓が一つ案を考えた

 

 

「しゃあない、ここは私が一肌脱いでやるわよ」

 

 

「えっ?」

 

 

「あんたが次の住まいを見つけられるまで家にいられるようにお父さんたちに言ってあげるわ」

 

 

「ほ、本当か楓!?」

 

 

相馬にとっては願っても無いことである

 

 

「まっ、まぁ、なんだかんだ言ってもあんたにはいろいろ世話になってたし…一緒にいられるわけだし///」

 

 

「なんか言ったか?」

 

 

「っ!?ちっ、ちかいわよ馬鹿///!」

 

 

「ふぎゃあー!?なぜに〜!?」

 

 

そわりとする自分に顔を近づける相馬に恥ずかしさで顔を真っ赤にした楓がその顔面に全力パンチをお見舞いするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相馬が楓の家に着いた同時刻

 

 

どこかのビルの上に佇む無数の影が、その正体は先ほど相馬と楓を襲った輩だった

 

 

「はい、任務は順調です…はい…御意のままに」

 

 

「隊長、こっちは準備OKでやさ。次の命令は?」

 

 

「あぁ、死なない程度になら痛めつけてつれてこいとさ」

 

 

連絡を終えると隊長は邪な笑みを浮かべる

 

 

それを見るや隊員たちも同じように顔をにやつかせる

 

 

「さて、任務開始だ。行くぞ野郎ども!」

 

 

『おー!』

 

 

隊員の先導で部隊が行動を開始する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り楓の家に

 

 

 

 

「ふ〜、さっぱりしたぜ、ありがとうな楓」

 

 

「ちょ!?なんて格好で出てくんのよ///!?」

 

 

「風呂上がりなんだからしょうがねぇだろ?」

 

 

「ちょっとは恥じらいを持てこの馬鹿相馬!」

 

 

バスタオル一丁で風呂から出て来た破廉恥な格好をする相馬に楓が説教する

 

 

「たくもう…とりあえずこれ着替え用意したから早く着替えなさいよ!」

 

 

「そっ、そんなに怒鳴らなくても…」

 

 

楓のご立腹な顔を見て少し怯えながらも渡された着替えを着る

 

 

「うん。案外大丈夫そうね。お父さんのだからあうかどうか心配だったけど」

 

 

「あぁ、ありがとうな楓」

 

 

「いいわよ別に」

 

 

相馬にお礼を言われて少しこそばゆい気分になった

 

 

「じゃあそろそろ布団とか用意しなきゃ…っ?」

 

 

「どうした楓?」

 

 

 

ズウゥゥゥ〜ン

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

2人が気配に気づいた時には手遅れだった

 

 

「楓、これって!?」

 

 

「忍結界!…まさか!?」

 

「きひひひ、そうだぜ〜」

 

 

「「っ!?」」

 

 

忍結界が発動されると共に床をすり抜けるように敵が現れた

 

 

「あ、あんたさっきの!?」

 

 

「逃げたんじゃねぇのかよ!?」

 

 

「冗談言うな。俺たちに逃げるなんて選択肢はねぇのさ」

 

 

不敵な笑みを浮かべながら獲物を狙う獣のような眼光をむける

 

 

「楓、逃げるぞ!」

 

 

「えっ?でも!?」

 

 

「あいつらの強さはさっき戦ってわかってんだろ!まともにやって勝てる相手じゃねぇんだ、ここは逃げることが先決だ!」

 

 

「で、でも相馬!」

 

 

何かを言おうとする楓に耳を貸さずに相馬は手を掴んで玄関まで駆け出した

 

 

そして玄関を突き破り、外に出た2人だったが

 

 

「やぁやぁ〜、お二人さん、こんな夜遅くにお出かけかな〜」

 

 

「「っ!?」」

 

 

しかし、すでに家の周囲は敵に包囲されていた

 

 

「お前たちに逃げ場なんてどこにもないんだよ」

 

背後にも敵が

 

 

「かっ、囲まれた!?」

 

 

「くぅっ!?」

 

 

周囲は敵に囲まれ、逃げ場もない、この状況はまさに最悪だった

 

 

「一応、最後に警告してやる。大人しく俺たちについてこい」

 

 

「だ、誰がお前たちなんかと!」

 

 

「あ〜ぁ、最後の忠告を無下にするとはな〜…ほんじゃ仕方ねぇ。やっちまえ!」

 

 

『おぅ!』

 

 

隊長の合図と共に隊員たちが襲いかかる

 

 

「相馬はやらせない!」

 

 

「楓!」

 

 

忍転身し、敵に突っ込む楓だったが、やはり相手が悪すぎた

 

 

「きやぁぁぁぁ!!」

 

 

叩きのめされ、地べたに倒れこむ

 

 

「楓!しっかりしろ楓!」

 

 

「そう…ま、にげ…て」

 

 

「お前をおいていけるかよ!」

 

 

倒れる彼女を抱き抱えながら相馬はその頼みを断る

 

 

「きししし…はぁぁ!」

 

 

「っ!?」

 

 

隊員1人が相馬たちに襲いかかる

 

 

 

シュリリリリ!

 

 

ザシュン!

 

 

 

『っ?』

 

 

 

しかし、一本の風魔手裏剣が割って入るようにそれを阻止した

 

 

それに面をくらいながら恐る恐る手裏剣が飛んできた方を見てみると、そこには忍装束を纏った鈴音が立っていた

 

 

「貴様ら、何をしている?」

 

 

鈴音の覇気にその場の空気がざわめく

 

 

「これはこれは鈴音先生、随分と遅い到着でしたな」

 

 

「ふん…それよりこれはどう言うことか説明してもらおうか?なぜ蒼馬も殺そうとした?我々の任務は蒼馬を連れて帰ることのはずだぞ?」

 

 

鋭い視線で部隊長に問いただす

 

 

「きししし…なぜかって?それは簡単なことですよ鈴音先生、任務の内容が変わったからですよ」

 

 

「何?」

 

 

「対象が抵抗するようなら死なない程度に痛めつけて構わないってね。ですから任務遂行のためには仕方ないんでやさ」

 

 

「…やはりな」

 

 

彼の言葉を聞いた鈴音は確信した

 

 

「……貴様ら何者だ?誰の命令で動いている?」

 

 

部隊長を睨みつけながら鈴音は問うた

 

 

「何を言いますかと思えば何者ですって?頭おかしくなりましたか〜?我々は評議会の命を受けてこの蒼馬をつれてk」

 

 

「先ほど捜索隊から緊急の救援要請があり行ってみたらそこには隊員たちが瀕死の重傷を負っていた。そして聞いたところによると何者かの襲撃を受け、そいつらは自分たちに成りすましたとのことだ」

 

 

でっち上げを語る部隊長を論破する

 

 

「もう一度問う。貴様らは誰の命令でこんなことをする?何が目的だ?」

 

 

「…………くふふふ、あ〜あ、なーんだ生きてたのか〜、まぁバレちまったら仕方ねぇ、野郎ども!どんな手を使っても構わねぇ!是が非でもやつを捕まえるぞ!」

 

 

『おー!』

 

 

化けの皮が剥がれた途端、隊員たちが相馬たちに攻撃を仕掛けるのだった

 

 


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