あるところに互いに忍として生まれ生きてき、出会い愛し合った二人の男女がいた
やがて二人は夫婦となり、二人の間にはたまのように可愛い女の子が生まれた
その子の笑顔は幾度となく二人に幸せな思いを味あわせてくれた
……だが、そんな幸せな日々はふとしたことで一瞬にして崩壊する
二人はとある任務に失敗し、抜忍となり、かつての仲間だった人や上層部たちからは罵声や白亥などの仕打ちも受けた
女の子は悲しかった。自分の両親は立派な忍だと信じて疑うことはなかった彼女にとってこの状況はあまりにも酷だった
そして思い悩んだ少女は決心した。いつか強き立派な忍になる。そうすればみんなももう一度両親を認めてくれるに違いないと
こうして彼女は忍となるために門を叩いたのだった
バババババババババ!
「敵、敵。ターゲットロック!!」
バキューン!
「うわっ!あぶねぇぞこの野郎!」
現在、半蔵学院の忍学生の1人葛城は霧夜から任務解禁の命を受け、とある任務の真っ最中で佐介、斑鳩とともに任務にあたっていたがいけると思ったのか慢心し、単身1人で悪忍と交戦していた
現在応戦中であるこの悪忍は右手が鋼の擬似手であり、様々な所から武器弾薬を盗みだした武器を使っており、民家を襲うなど数々の悪行を繰り返す男だった
「撃つ、叩く、ぶっ飛ばしてやる~!」
バズーカ砲を連発する
「くそ~危なっかしいやつだぜ」
「撃つべし!撃つべし!」
カチャ…カチャ
「あっ、やべ…弾切れ」
「無闇矢鱈に撃ちまくるからだぜ!隙有り!!」
葛城は勢いよく悪忍の顔面を蹴る
「おっし、手応えありだぜ!」
「うん…」クラクラ
「もう一発!」
「…へっ!」
悪忍は葛城の放った二発目の蹴りを受け止めた
「なっ!?」
「こんなもんか。笑わせんな!」
ドシン!
「ぐあぁぁ!」
鋼鉄の擬似手を振り下ろし葛城を地面に叩きつける
「今度はこっちの番だ」
「ぐっ、ぐぅぅ…」
「おらおらおらおら!」
「うわぁぁぁ!!」
そのまま葛城を殴る蹴るで追い詰めていき
最期は木に叩きつけられた
「ぐっ、くそぉぉ~『ガチャ』っ!?」
「これでおしまい」
弾を補充したのか葛城の頭に銃口が向けられる
引き金が引かれようとしていたその時
「秘伝忍法・凰火炎閃!!!」
ピヤアァァァァァ!!
悪忍に向かって鳳凰を模様した炎が迫り来る
「うごっ!うぬ!」
バキューーン!
ドバーーン!!
バズーカ砲と凰火炎閃がぶつかり合り爆発する
「葛城さん。大丈夫ですか!?」
「いっ、斑鳩…」
「まったく、1人で突っ走って。もう少し到着が遅かったらどうするつもりだったんですか!」
斑鳩に単身で挑んだことを責められ言葉を失う
「何余裕かましてるか知らないけど、そんなもん俺の武器には勝てないもんねぇ~」
「あなたを倒すために放ったんじゃありませんからね」
「なぬ!?」
最初から凰火炎閃は囮であり、本当の目的は佐介がその隙に悪忍の背後を取るためだった
「ナイスです斑鳩さん」
「いってください佐介さん!」
「はあぁぁぁ!はい、せい、やぁぁ!」
腹に肘打ち、顎に掌底、脳天にかかと落としが綺麗に決まる
反撃しようとするも佐介のほうが一枚も二枚も上手ですぐに返されカウンターを食らう
「くっ、この!」
負けじと銃口を向ける悪忍だが
「はい!」
佐介が後ろ回し蹴りで銃を蹴り、その勢いで悪忍の体もぐらつく
「秘伝忍法 真・螺旋脚!」
通常よりも強力な螺旋脚が悪忍に炸裂すると
宙をくるくる回転し地面にその巨体を沈め沈黙した
「はぁぁ……はぁっ!!」
佐介は悪忍の擬似手を粉々に粉砕し、その体にロープを巻き付け拘束を完了させた
「終わりました」
「お疲れ様です佐介さん」
「はい…かつ姉もお疲れ様です」
「あっ、あぁ…お疲れ~」
葛城は佐介を見つめた
自身の攻撃ではびくともしなかった相手をいとも簡単に倒してしまった佐介の強さを見ておのが弱さに悔しさを感
じた。さらに悪忍のあの時の言葉が脳内に蘇った
『こんなもんか。笑わせんな!』
「(くそっ!舐めやがって…アタイは絶対に強くなるんだ。見てろよ~誰もそんな台詞が履けなくなるくらい強くなってやる!…そうときまりゃ)」
キュピーンと目を光らせる葛城の視線には佐介がいた
♦︎♦︎♦︎
「今日の修行はここまでだ。みんなよく頑張ったな」
そしてとある日、いつものように霧夜の授業を終えた生徒たち
今日より2日間の休みなので飛鳥たちは更衣室に戻っていく最中予定を立てる話をしていた
「さてと、僕も…『バサッ!』ふぇっ?」
そんな中、佐介は突然背後から袋に包まれてしまった
「むぁ~むぁんでふかこふぇ~!?(な~なんですかこれ~!?)」
悲鳴も虚しくそのまま担がれて運ばれていってしまった
シュルルルルルルルルルル
「ぷは~!なんなんですかだれなんですかどこなんですか!?」
「おいおい、一気に3つも質問すんなよ」
「かっかつ姉?これはいったいどういうことですか?」
佐介は事のいきさつを尋ねる
「わりぃんだけどさ佐介…頼むアタイと付き合ってくれねぇか!!」
「…へっ?つ、つつつつ付き合う~!!?」真っ赤
突然の自体に混乱する佐介だった
「かかかかかつ姉!いったいどうしたんですかいきなりそんな!そそそそれはまぁかつ姉は美人ですから付き合えたら嬉しいといえば嬉しいかもですが!ここここういうのは場所を考えて」
「あ、わりぃ。付き合ってくれねぇかってのは修行なんだわ…」
「えっ?修行ですか?」
キョトンと佐介は首を傾げる
実は葛城はこの数日自分なりにトレーニングに励んでいたが1人だけでは限界があると思い佐介に協力を頼んだのだった
「そうそう」
「どうして僕に?」
「お前は強いからな。お前とならいい修行が出来ると思ってな。なっ頼むよ!お礼はすっからさ!」
葛城は真剣にお願いしてるようだと気づいた佐介は心良く承諾することにした
「…いいですよ。僕でよければお安い御用です」
「本当か!ありがとう~!」
ダキ
「かっ、かつ姉くっつきすぎでふ!むむむ胸があたってまふ!!」アセアセ
「相変わらず可愛いやつめ~(なんとか平常心保てたけど佐介、さっきの台詞はなんだよ!?アタイと付き合えたら嬉しいって…じゃあもしアタイが本当に付き合ってって言ったらアタイと佐介は…あ~何考えてんだアタイは!もうこの天然タラシめ~!)」
必死お願いをする葛城を見て佐介は心良く承諾してくれたはいいが
葛城の脳内に佐介の言葉がループしてヒート寸前だった
こうして二人は葛城が以前修行したという山へと修行に出かけた
♦︎♦︎♦︎
「へ~。ここがかつ姉が半蔵に来る前に修行してた山ですか」
「おう、そうだぜ…っとちょいまってな佐介。山に入る前にお参りお参り~」
葛城は山の入口にある仏壇にお祈りをする
「これは?」
「なんでもこの山には昔、怪物が住んでてこの山に入る奴を襲ってたんだってさ。で、それをみた山の神様がその怪物を退治してこの山の奥の祠に封印たんだってよ。だからこの山に入る時は山の神様にお参りするようにって父さんと母さんから教わってな」ナムナム
「そうなんですか。なら僕も」ナムナム
二人はお参りを澄ますと山へと入っていった
「497!!」
「498!!」
「499!!」
「500!!」
さっそく修行に取り掛かった二人は巨大な大木を使って蹴りの連発する修行や
「…はぁ!せいや!!」
「うぉぉぉ~おらぁぁ!!」
蹴りで岩を砕いてく修行などを行い、朝から晩まで修行に明け暮れた
「はぁ~疲れた~」ゼェハァ
「いい汗かきましたね~」ゼェハァ
地べたに横になり息を整えながら夕日で赤くなった空を眺めた
そんな時
ギュゥゥゥ~
「あっ…」
葛城のお腹がなった
「ふふふ、かつ姉。お腹がすいたんですか?」
「みっ、みたいだなw」
「確かに朝から何も食べてませんしね。ご飯作りますか」
「おう!」
こうして修行を終えた二人は夕食にすることにした
「かつ姉、僕は料理の準備しますのでかつ姉は繰べれそうな枝なんかを持ってきてください」
「おう。まかせとけ♪」
♦︎♦︎♦︎
「おりゃ!」
葛城は佐介に頼まれた今夜の料理を作る準備のために自慢の足を駆使し1本の木を小さく砕いて行く
そして十分なかずが揃い、最期の一本を足で割るも勢い余って割れた半分が宙を飛ぶと
どこからか謎の影が現れ、それを葛城に向かって蹴りとばす
「うわっ、っと!」
葛城はそれを回避する
「誰だ!!」
「こっちや」
声のする方をむくと1人の女が1本の木の太い枝に座っていた
「命令やさかいちと相手したってや」ジュルリ
女はそう言うと自分が手にしたナイフを舌でペロッと舐める
「…あんた強いのか?」
「強い?まぁ強いと言われたら強いんとちゃうん?」
「へっ、ならちょうどいい、修行の成果を試すいい機会だぜ…忍転身!」
忍装束を纏いて戦いへと望む
「準備できたよやね。ほんならいくで!!」
「上等!!」
葛城の蹴りと女のナイフがぶつかり合う
「っ!?…ぶつかり合う二つの気。一つはかつ姉だけど、もう一つは…敵!」
佐介は気を感知し、急ぎ葛城のもとへ急ぐ
♦︎♦︎♦︎
「どりゃぁぁ!!」
飛び蹴りで木が倒れるも女は回避していたためノーダメージだった
「逃がすか!!」
葛城は追撃の攻撃を繰り出す
「隙だらけやね」ニヤ
ザシュン!
「っ!?」
だが、自身の攻撃はかするばかりで逆に自分は食らってばかりいた
「はぁ…はぁ…こっちだってかなり当てたのに」
「ふふふ」
「このーー!!」
「あんた、単純すぎやね。…終わりや秘伝忍法!」
短刀に黒きエネルギーをまとわせて 突進しながら葛城を切り裂いた
「ぐあぁぁぁ!!」
身体はぼろぼろに。衣服はズタズタにされてしまった
「ぐっ、くそ~」
「あんためっちゃ弱いな~。相手にならへんわ」
「!?」
「ほんならこの辺でええやろ。わしはいとまするで」
そう言うと女は葛城の前から消え失せた
「まっ…て、うっ…」
「かつ姉!どこですかかつ姉!…はっ、かつ姉!!」
佐介が駆けつけた時には既に気を失っていた
「ひどい怪我。待っててください今手当しますから!」
「…さ、すけ…」
葛城を抱えて急ぎ野宿場所にもどるのだった