閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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新・蛇女子学園編 第二十二章 2人揃えば負ける気がしない 

姉弟だろうと敵対すれば倒さなければならないという忍の定めに納得ができない相馬はついに弾け、自分が光牙を倒して雅緋たちのところに連れて行くと宣言した

 

 

しかし光牙の忍としての実力を前に相馬はなすすべなく圧倒されてしまう

 

 

そんな中、相馬の思いに思うところがあった蒼馬も光牙を雅緋たちの元に連れて行くべくこの戦いに身を投じる

 

 

相馬の時とは打って変わり互角の勝負を繰り広げるも、光牙の隠し球にしてやられ相当なダメージを負ってしまうのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!ふっ!せいや!」

 

 

「くっ!」

 

 

静かな林の中で尚も蒼馬と光牙の乱闘は続いていた

 

 

「っ!?」

 

 

「はぁぁっ!」

 

 

ジャキン! ギギギギ… ドサンッ!

 

 

光牙の振り下ろした斬撃が蒼馬の背後に立っていた木を切り倒す

 

 

「っ!えぇい!」

 

 

「ぐっ!」

 

 

次はこちらの番と言わんばかりに蒼馬が光牙にタックルを仕掛ける

 

 

勢いに任せて光牙を押していく

 

 

「ふっ!せやっ!」

 

 

「ぐはっ!」

 

 

そこから瞬時に回し蹴りを繰り出し光牙を吹き飛ばす

 

 

「今が好奇!」

 

 

光牙へ大ダメージを与えるチャンスと捉え蒼馬は駆け出しながら巻物をヴァイザーにセットする

 

 

 

《Burning》

 

 

 

「秘伝忍法!」

 

 

ボタンを押すとヴァイザーに巻物のエネルギーが溶け込み力を増す

 

 

「はあっ!」

 

 

高らかにジャンプすると同時にヴァイザーを突き出し、落下の勢いを乗せながら光牙に突きを繰り出す

 

 

「っ!!」スッ

 

 

 

バキィィィィィン!

 

 

 

蒼馬の突きに対し、光牙は全霊の力を持ってそれを返そうとする

 

 

加速と降下の勢いも相まって凄まじい力に光牙は必死に耐え続ける

 

 

堪えるたびに足元の地面が凹んでいく

 

 

『おぉ!これならいけるぞ!』

 

 

「あぁっ!」

 

 

「ぐっ!!」ボコン!ボコン、ボコン!

 

 

この状況からこのまま押し切れれば勝てると2人は勝利を確信し始める

 

 

「光牙、お前の負けだぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

さらに勢いをつけ、光牙を圧倒しようとする

 

 

「……図に、乗るな!」グググ

 

 

「っ!?」

 

 

だが、押されているはずの光牙が突然巻き返し始める

 

 

真・粒子変化(ネオ・フォトランス)!!」

 

 

 

ギュオォォォォォォ!!

 

 

 

『な、なんだ!?』

 

 

「これはいったい!?」

 

 

突然、凄まじい衝撃と瞬い光が辺りに広がる

 

 

「ぐっ…うああっ!」

 

 

衝撃と風圧に耐えきれず、蒼馬は吹き飛ばされてしまった

 

 

そして光が徐々に弱まっていくとともにその中にいたであろう光牙の姿が露わになった

 

 

髪は先ほどよりもメッシュの部分が広がり、衣服の黒かった部分は真逆の白色に変わっていた

 

 

「なんだあの姿は?」

 

 

『なんだかわかんないけどスゲェヤバそうだぞ?』アセアセ

 

 

光牙の変化に蒼馬と相馬は驚きを隠せずにいた

 

 

「まさか奥の手を使わされるとは思わなかったが…こうなったからにはお前は終わりだ。これまでの数十倍にまでパワーアップした俺が相手ではお前に万に1つも勝ち目はない」

 

 

そう言い放つ光牙が身構える

 

 

「っ!」

 

 

何かくる。そう直感した蒼馬が距離を取ろうとした瞬時

 

 

「秘伝忍法・クラウソラス!」ジュウゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

 

「っ!?」ジャキィィィィン!

 

 

 

それは一瞬の出来事だった。自分と光牙の距離はそれほど近い訳ではない

 

 

だが蒼馬が恐る恐る自分の体を見てみるとそこには斬撃によってつけられた大きな傷とその傷から流れ出る血だった

 

 

「ガハッ!」ドバッ

 

 

事の重大さに気づくとともに口から大量の血反吐を吐き出しながらよろけた

 

 

「っ!!」

 

 

そんな中、光牙が手刀を一回はらうとともにこちらに向かって駆け出してきた

 

 

攻撃を食らった直後のせいで簡単に間合いを詰められてしまった

 

 

「はあっ!」

 

 

そして光牙が手刀を下から振り上げるように振るってきた

 

 

「くっ!」

 

 

とっさにヴァイザーを盾に身構える

 

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

今度は至近距離の斬撃が蒼馬を襲う

 

 

「くっ、うううぅぅぅ!!!」

 

 

必死に堪えようともがく蒼馬だったが

 

 

「ぐぁっ……ぐああぁぁぁぁっ!!」

 

 

しかし、光牙の斬撃の威力によってそれは凌駕されてしまい、蒼馬はその勢いによって吹き飛ばされてしまった

 

 

「くっ…くそっ!…うぅっ!」

 

 

大技を食い続けたことによって蒼馬は劇しく消耗していた

 

 

「どうした?もう終わりか?」

 

 

手刀の先端を光らせながらゆっくりと歩み寄っていく

 

 

「…俺たちでは、勝てないのか?」

 

 

光牙の実力を目の当たりにした蒼馬が諦めかけようとした時

 

 

『バカやろう!』

 

 

「っ!?」

 

 

『何弱音吐いてんだよ!しっかりしろよ!俺たちが諦めちまったら誰が雅緋たちを元気づけるんだよ!』

 

 

「…ソウ」

 

 

弱きになっている自分に全力で喝を入れてくる相馬に蒼馬は言葉を失う

 

 

そして思い出した。自分たちが今こうしているのは暗く閉ざされそうになっている雅緋たちをもう一度笑顔にしてやることなのだと

 

 

「…そうだったな。こんなところで終わるわけには行かなかったな」

 

 

『おう!その意気だぜ!』

 

 

蒼馬はなすべきことを思い出し、再び闘志に火をつける

 

 

「この勝負、絶対に負けない!」

 

 

「あぁ…必ず」

 

 

『あいつらを』

 

 

「『笑顔にするために!』」

 

 

二人の想いが一つとなった

 

 

その時だった

 

 

 

シュィィィィ

 

 

「っ?」

 

 

『な、なんだなんだ?』

 

 

すると脇のホルダーにさしている巻物の一つが光り輝いていることに気づき恐る恐るそれを手にした

 

 

『これって?』

 

 

「わからない、俺も初めて見るやつだ」

 

 

『とにかく、なんだかわかんないけどこの状況をひっくり返すことが出来るなら使うに越したことはないぜ!』

 

 

「あぁ、わかっている」

 

 

どんな能力なのかもわからない未知の文様、しかし今の蒼馬たちに残された手はこの巻物の能力に賭ける他ない

 

 

「俺たちに……力を!」

 

 

蒼馬が巻物をヴァイザーにセットした

 

 

 

ピカァァァァァァァン!

 

 

 

眩い光があふれだす

 

 

吉と出るか凶と出るか。すべてはこれにかかっていた

 

 

 

《Division》

 

 

 

ヴァイザーに文字が浮かび上がる

 

 

 

「何をするつもりだ?……っ!」

 

 

その時、光牙が蒼馬の身体に起きた異変に気づいた

 

 

蒼馬の胸が光り輝くとともに足元にある影が2つ浮かび上がっていたのだから

 

 

そして光が消えると同時にそれは起きた

 

 

一瞬にして肉体が2つにわかれたのである

 

 

「ば、馬鹿な?……ど、どういうことだ?」

 

 

突然の現象に光牙は驚きを隠せなかった

 

 

「おっし!」フンフン

 

 

「…ふん」スッ

 

 

「……んっ?」キョトン

 

 

「……むっ?」キョトン

 

 

そして佇んでいた2人が呆気に取られたかのように隣にいる互いに視線を向けた

 

 

「…はえっ?」

 

 

「…んぁっ?」

 

 

自分たちですらわからない状況に思わず声をだす2人だった

 

 


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