2人の思いが重なり合ったことによって新たなる力を手に入れた相馬と蒼馬
お互いにそれぞれ得た能力を駆使しパワーアップした光牙を圧倒する
そして同時に放たれた2人の必殺技を受けた光牙はついに敗れ去った
戦いに勝利し、光牙を連れて行こうとした相馬たちだったが、そこに忌夢たちからの通信が入り
別行動中だった雅緋、紫、両備が突然いなくなったことを知らされる
状況を把握すべく相馬は合流するため忌夢たちの元に急ぐのだった
忌夢から話を聞いた相馬は合流地点に到着する
「来たか、相馬」
「で、どういうことなんだよ?雅緋たちがいきなりいなくなったって?」
「両奈ちゃんたちにもよくわかってないんだよ〜、合流地点についても両備ちゃんたちが全然戻ってこないんだもの」
「……どうなってんだ?」
状況がまるで読み込めないと困り果てていると
カァーカァー
するとどこからかカラスの鳴き声が聞こえ、その鳴き声のする方を見てみるとそこには1羽のカラスがいた
「っ?カラス?」
「あれは鈴音先生の」
「どうしてこんなところに?」
鈴音の秘伝忍法動物がなぜここにいるのかと疑問を抱いていると
『相馬、忌夢、両奈。聞こえるか?』
「この声って?」
「間違いない、鈴音先生の声だ」
何故カラスから鈴音の声が聞こえるのかとますます疑問を募らせる
『これは忍法「生体移し」と言って自分以外の別の動物に自身の魂を一時的に移し替える術だ』
この現象を鈴音が説明したおかげでどう言うことかは理解できた
『……単刀直入に言う。お前たちは蛇女に戻るな』
『っ?』
鈴音から放たれたその言葉に相馬たちはキョトンとなる
「どう言うことなんですか鈴音先生?」
『実は……蛇女が占拠された』
「……な、なんだって!?」
「ど、どうしてそんなことに!?」
蛇女が占拠されたのであればいったい誰が?
『落ち着いて聞いて欲しい、蛇女を占拠したのは……雅緋、紫、両備の3人だ』
「「「っ!?」」」
予想外の名が出てきたことに相馬たちは耳を疑った
「み、雅緋が蛇女を乗っ取ったっていうんですか!?」
『そうだ』
忌夢の問いに鈴音ははっきりと答えた
『実のところ、私も罠にはまってしまい今は蛇女の牢屋に監禁されている。なんとか隙をついてこうしてお前たちに事の次第を伝えに来たのだ』
「な、なんですと!ならなおのこと俺たちが助けに行かなぎゃじゃないですか!」
『ダメだ。今の蛇女に戻るのは非常に危険だ。これ以上被害者を増やすわけにはいかないのだ』
断固として鈴音は相馬たちが蛇女に行くことを拒むのだった
「……っ?」
ふとそんな時、相馬は先ほどからうつむき黙り込んでいる忌夢に視線を向けた
「おい忌夢?どうした?」
心配になった相馬が顔を覗かせようとすると
「…嘘だ。嘘だ嘘だ!」
「っ!?」
突然の怒鳴り声にびっくりした
「ボクは信じないぞ!雅緋が、あの雅緋がそんなことをするはずがない!そんなの何かの間違いに決まってる!」
「おっ、おい忌夢!まてよ!」
「あ〜ん2人とも〜、放置されるのは嬉しいけど、今は置いてかないで〜!」
『おっ、おい!?』
納得がいかない忌夢はそのまま走り去ってしまう
そんな忌夢を追うべく相馬と両奈も後を追いかけに行ってしまう
『馬鹿者どもが…今の蛇女は危険だと言うのに』
走り去ってしまった相馬たちの後ろ姿を見ながら鈴音はぼそりと呟き、同時に生体移しが解除され、カラスが空に飛び去って行った
1人で走り去ってしまった忌夢を追いかける相馬たちは蛇女に戻って来た
「おっ、おい忌夢、少し落ち着けよ」
「うるさい!そんなはずないんだ!雅緋が蛇女を襲ったなんて…何かの間違いに決まってるんだ!」
そう言い切りながら忌夢が学園の門を開けた
「雅緋!……っ!?」
「……おいおい、マジかよ」
「あっ、あぁぁ…」
相馬たちが驚くのも無理はなかった
門を開けた途端、そこに広がるのは無残に破壊された校内とそこら中に倒れている生徒たちの姿だった
「ひ、酷い……」
「これを全部、雅緋たちが?」
「そんな…そんなこと」
「でもよ、この有様を見てみろよ……鈴音さんの言った通りじゃねぇかよ」
信じたくなくとも現実とは酷いものだと言うことを嫌でも思い知らされるような光景であった
「うっ……うぅぅ……」
「あっ、見てあそこ!」
両奈が指差す先には瓦礫の下敷きにされた瀕死の生徒がいた
「待ってろ、今助けてやるからな!両奈、手伝ってくれ」
「うん!」
相馬が瓦礫を持ち上げ、その間に両奈が生徒を救出した
助け出した生徒を見てみると酷い怪我だった
「大丈夫?しっかりして」
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
苦しそうに呼吸する生徒の姿を見てとても痛々しく感じられた
「だ、誰が…誰がこんなことを?」
「うっ、うぅぅ……み、み」
「ん?どうした?…おい、この子、なんか呟いてるぞ」
相馬が2人を呼びかけ、少女のぼやきに耳を傾けてみると
「み、…みやび、さま…どう…して?」
「「「っ!?」」」
唸り声をあげながら少女ははっきりと告げた
自分を襲った犯人は雅緋であると
「…これではっきりした。やっぱりここをこんなにしたのは雅緋たちなんだってことが」
「そんな…両備ちゃんが」
「うっ…嘘だ!そんな訳がない!…だって雅緋は雅緋は!」
「いい加減にしろ忌夢!」
この状況を見てもまだ否定しようとする忌夢を一喝する
そして自分のほうにゆっくりと振り返ったその顔はいつの間にか相馬ではなく、蒼馬に変わっていた
「忌夢、お前が雅緋を信じたい気持ちはよくわかる。だが、見てみろこの現状を!」
蒼馬が指す先には傷ついた生徒たちが苦しんでいた
「どんなに否定しても彼女たちをあんなに苦しめたのが雅緋たちであることに変わりはない。それなのにお前は自分が信じたくないことに耳を塞ぎ、周りの者たちを見捨てようとしているのに他ならんのだぞ!」
「っ!?」
忌夢は蒼馬に自分のしてることを咎められ、ようやく我に帰った
「…すまない、ボクは」
「わかればいいんだ……っ?」
「どうしたの蒼馬くん?」
すると急に黙り込んだ蒼馬に両奈が声をかける
「忌夢!両奈!よけろ!!」
「「っ!?」」
突然のその言葉に驚きつつも慌てて距離をとる
すると数秒後、自分たちがいた場所めがけて斬撃が飛んできた
「ケホッ!ケホッ!…い、いったいなにが?」
モクモクと広がる土煙の中に徐々に3つの影が浮かび上がる
「誰かいるよ!」
両奈が指摘するとともにだんだんと土煙は晴れていき、姿が顕になる
「「っ!?」」
「……やはりか」
3人はついにこの目で最悪の現実を見せられた
蒼馬達を攻撃し、自分たちの前に立ちはだかる3つの影
その正体は雅緋、紫、両備の3人だったのだから