閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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新・蛇女子学園編 第二七章 蒼き脚と赤き拳の螺旋

学園や生徒、そして雅緋たちが操られたこと

 

 

すべては自分を追い出した蛇女への復讐を企てた道元の計画だった

 

 

道元によって操られてしまった仲間たちと戦うことを余儀なくされ

 

 

その戦いに身を投じる蒼馬たち

 

 

しかし、蒼馬以外の2人は操られていても妹を傷つけたくない思いが災いし押されてしまった

 

 

追い詰められた2人を救うべく相馬の指示のもと、蒼馬は光牙の時に使ったクレストの力を使い、2人に分裂し忌夢と両奈を間一髪のところで救うことに成功した

 

 

そして忌夢と両奈に安全な場所まで離れるよう言い聞かせ、残った相馬と蒼馬が雅緋、紫、両備を相手にするのだった

 

 

 

 

 

 

 

「はあぁっ!」

 

 

「やあっ!」

 

 

「ふっ!」

 

 

「ちぃっ!」

 

 

蒼馬が雅緋と両備に向かって走り出す

 

 

それを迎え撃とうと振るった雅緋の斬撃をかわし、逆に彼女を押し倒す

 

 

「っ!」カチャ!

 

 

それを見ていた両備がライフルを構え、蒼馬を狙う

 

 

「そうはいくかっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

両備が自分を狙っていると気づいた蒼馬はヴァイザーを構え、それを両備が撃つよりも先に放つ

 

 

「ぐっ!?」

 

 

仕掛けるよりも先にしかけられてしまい動きが鈍った

 

 

「決める…!秘伝忍法!」

 

 

掛け声とともに蒼馬は巻物を差し込みヴァイザーのボタンを押した

 

 

「せいっ!はぁっ!」

 

 

 

ギュィィィ!バキュウゥゥゥゥゥゥン!

 

 

 

「きゃあぁぁぁっ!?」

 

 

光弾が命中した両備が大きく後方へと吹き飛ばされた

 

 

「っ!」バッ!

 

 

「っ!?」

 

 

そこへすかさず倒れていた雅緋が斬りかかる

 

 

だが、蒼馬はそれに臆することなく対処し徐々にペースを奪っていった

 

 

「はあっ!!」

 

 

「うっ!?」

 

 

僅かな隙きを突き、まわし蹴りをヒットさせた

 

 

「秘伝忍法!」

 

 

ここですかさず二度目の秘伝忍法を発動させ、ヴァイザーのボタンを押す

 

 

蒼馬の左足にエネルギーが蓄積していく

 

 

「はっ!でぃぃぃやあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「っ!?ぐ、ぐあぁぁぁぁぁ!?」

 

 

放たれた強力な飛び蹴りをもろに食らったため雅緋は起き上がることができず、最後は力つき気絶した

 

 

「こっちは片付いたな。……ソウは?」

 

 

自分の方が終わったことを確認すると蒼馬は紫と交戦中の相馬の方がどうなっているのか気になって仕方なかった

 

 

 

 

 

一方、相馬は尚も紫と交戦していた

 

 

互いに相手の出方を伺っているようだった

 

 

「たぁぁぁっ!」

 

 

すると先に動いたのは相馬だった

 

 

一直線に紫に向かっていく

 

 

「…えい!」

 

 

紫は向かってくる相馬に向けて手裏剣を飛ばす

 

 

「よっ!おっと!」ヒョイヒョ

 

 

しかしそれをかわしながら尚も相馬は突き進んだ

 

 

「はぁっ!」バッ!

 

 

すかさず相馬が飛び上がる

 

 

「っしゃ、今度はこっち番だ。いくぜぇぇっ!」

 

 

反撃の一撃を込めた拳を身構える

 

 

「燃えろ、ファイヤーフィスト!!!」

 

 

急降下とともに勢いよく拳を突き出した

 

 

「っ!!」

 

 

 

バキィン! ジジジジジジジジ!

 

 

 

とっさに紫がその攻撃を手裏剣でガードする

 

 

「っ!」シュン

 

 

まだ一息足りないのか攻めきれず相馬は一旦距離を取った

 

 

「はぁぁぁぁぁ!!!」ギュオォォォォォォ

 

 

反撃と言わんばかりに紫が全身から力を高めばしめる

 

 

すると紫の前方に忌夢の時とは比べものにならないほどの巨大な球体状のエネルギーの塊が出来上がる

 

 

「てやぁぁぁぁぁあ!!!!」バキュゥゥゥゥン

 

 

そして、高らかに叫ぶとともにその球体状のエネルギーを放つ

 

 

「イイネ~!このヤバイ状況、激ってくるぜ!」

 

 

これを迎え撃つべく相馬が再び身構える

 

 

そんな中、球体がすぐそこまで迫りくる

 

 

「唸れ、フレイムパンチ!!!」

 

 

腹の底から声を上げるとともに突っ込み、螺旋が渦巻く拳を思いっきり叩きつける

 

 

「ぐぅぅぅぅ!!!!」

 

 

球体と相馬の拳が激しくぶつかり合う

 

 

 

ピキッ…ピキキキキ

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

だが、先ほどのよりも威力の上がった相馬の拳に耐え切ることができず、徐々に球体に亀裂が走り出していく

 

 

「おるぅぅぅあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

バリィィィィン!

 

 

 

「っ!?」

 

 

「だあぁぁぁぁっ!」

 

 

 

ドスゥゥゥゥン!

 

 

 

「いやああぁぁぁぁ!!!」

 

 

球体を木っ端微塵に砕くとともにそのまま紫に全力の一発を決めた

 

 

それによって紫は後方へと大きく吹き飛ばされ、やがて気を失った

 

 

「っしゃ!やったぜ!」ガッツ

 

 

「…そっちも終わったみたいだな」

 

 

「おう、まあな」

 

 

「ふっ」シュィィィィ

 

 

軽い言葉を交わすと互の体が光りだし、やがて相馬1人に戻った

 

 

「さ~てと!」

 

 

紫を倒した相馬が次に目を向けたのは道元だった

 

 

「これであんたを守るやつは誰もいないぜ!観念しなおっさん!あんたをぶっ飛ばして雅緋たちを元に戻させてやる」

 

 

「ふん、笑止」

 

 

「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

相馬が一直線に道元に向かって突っ走る

 

 

「おりゃあぁぁぁ!」

 

 

そして渾身の一撃を食らわすべく拳を突き出す

 

 

 

シュウゥゥゥゥゥ

 

 

 

「な、なに!?」

 

 

「ふふふふふ」

 

 

だが、どうしたことか相馬は攻撃を当てるどころか体をすり抜けてしまった

 

 

「ど、どうなってんだ!?も、もしかして…お、おおおお!O★BA★KE!!!???」ヒエェェェェ!

 

 

実体がないとわかった瞬間、大のお化け嫌いな相馬はあわてふためく

 

 

『おちつけソウ!そうか…そういうことだったのか』

 

 

「気づいたようですね。そう、今ここにいる私はただの幻にすぎません」

 

 

『(本体は別の場所から術を使って俺たちを見ているというわけか。姑息な手を)』

 

 

自ら戦いの場に赴かずこういった手を使う道元のやり方に蒼馬は不快感を抱く

 

 

「往生際が悪いぞ!お前の計画は俺たちの手によって阻止されたんだぞ!」

 

 

「いいえ、まだ終わってはいませんよ。むしろ今も進行中なのですから」

 

 

『なに?』

 

 

道元の呟いたその言葉に蒼馬は疑問を抱く

 

 

「では私はそろそろ失礼させていただきます。それでは」

 

 

「あっ、待ちやがれ!」

 

 

相馬の叫びも虚しく道元は消えてしまった

 

 

「くそっ、逃げられたっ!」グヌヌ

 

 

『やつめ、いったい何をしようとしてるんだ?』

 

 

逃がしてしまったことを相馬は悔しがり

 

 

先ほどの言葉がどうにも気になって仕方がない蒼馬は考えていた

 

 

「おそらくやつは評議会の間にいるはずだ」

 

 

『「っ!」』

 

 

その時、突然声が聞こえ向いた先には腕を抱えながら立っている鈴音がいた

 

 

「鈴音さん、無事だったんすね!」

 

 

「はぁ…はぁ…あぁ、なんとか自力で抜け出してきた」

 

 

「ところで鈴音さん、さっき言ってたことだけど」

 

 

「言ったとおりだ。やつは学園のみならず、自分から何もかもを奪った評議会に復讐するつもりだ」

 

 

道元が言っていたことの意味がようやく理解できた

 

 

「何とかして止めなければ…」ズル…ズルル…

 

 

「って、そんな体じゃ無茶ですよ!」ワタワタ

 

 

「私とてこのまま道元を見過ごすわけにはいかん。教師として学園や生徒たちをこんなにしたやつを頬っておくことなどできん!」

 

 

相馬の静止も聞かず、傷ついた体を引きずりながら鈴音が評議会に向かおうとする

 

 

その時、ふと肩に違和感を覚える

 

 

「やめろ鈴音」

 

 

「…蒼馬か」

 

 

振り向くと相馬とチェンジした蒼馬が鈴音をいい止めていた

 

 

「俺もソウと同意見だ。今のお前が行ったところで道元に勝つ可能性はゼロに近い」

 

 

「だ、だが」アセアセ

 

 

「ここは俺たちに任せろ」

 

 

「なに?」

 

 

鈴音は蒼馬の言ったその言葉に驚く

 

 

「奴には知らなければならないことがある。この学園をめちゃくちゃにした者がどうなるのかを知らなければならない」

 

 

「っ…」

 

 

「忌夢、両奈、鈴音を頼む。俺達は道元を追う!」

 

 

「わかった。ここは任せろ」

 

 

これで安心だと蒼馬はゆっくりと立ち上がる

 

 

「蒼馬」

 

 

「心配するな。蛇女の平和は必ず取り戻す。俺が…いや」

 

 

『「俺たちが」』

 

 

その時、蒼馬の背後に相馬の姿が映ったような気がした

 

 

そして蒼馬はこの戦いに終止符を打つべく評議会の間へと急ぐのだった

 

 


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