閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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京都編 プロローグ 

忍…それは影に生きる闇の住人

 

 

 

 

幾多の時が流れようとも、人の世に紛れて生き、裏の世界を駆け巡るその存在は今尚必要とされ続けている

 

 

 

 

しかし、忍もまた自らの内に秘めし善と悪を秘めし存在であり、故に時にその矛盾に悩み苦しみ、その呪縛に囚われることもある

 

 

 

 

仮に呪縛から抜け出すことが出来るとすれば…それは人ならざる者だけであろう

 

 

 

 

これより始まるは善と悪の戦いの軌跡であり

 

 

 

 

厳しくも悲しい世界をひたすらに生きる忍学生たちの物語である

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」スタタタタタタタタ

 

 

【「「「「「「「「「「「ッ!!」」」」」」」」」」」」】スタタタタタタタタ

 

 

 

真夜中の空の下の元、1人の女性が小さな女の子を抱えて境内を駆け抜けていた

 

 

そんな彼女達を付け狙うかのように追いかける無数の影がそこにはあった

 

 

「くっ、なぜこんなところに妖魔衆が?」アセアセ

 

 

「大丈夫、奈楽ちゃん?」

 

 

「心配いりませんかぐら様、あなたは自分が守ります。この命にかけて必ずや守り通してみせます!」

 

 

頭から血が流れ息も荒い、そんな状態で尚必死に走るの姿を見て不安そうに自分を心配するかぐらと呼ばれる少女に奈楽と呼ばれる女性はそう言い聞かせる

 

 

【「「「「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」」」」】

 

 

だが、その時、妖魔衆達が一斉に攻撃を仕掛けて来た

 

 

「ちっ!」

 

 

奈楽は必死にかぐらを守りながら攻撃をかいくぐって行く

 

 

だが、妖魔衆達も諦める気配を見せず、それどころかどんどんと攻撃はエスカレートしていった

 

 

そして等々、奈楽は前後左右を囲まれてしまった

 

 

「ぐっ!?」

 

 

妖魔衆が奈楽とかぐらに一斉に飛びかかる

 

 

「やらせるか!はあっ!」

 

 

決死の覚悟で彼女を守らんと奈楽が必死の抵抗を見せ、妖魔衆を迎え撃つ

 

 

「くそっ、数が多すぎる!」

 

 

しかし、数の暴力が手負で且つ守りに徹している奈楽をどんどんと追い詰めていった

 

 

【「っ!」】

 

 

「なっ!?」

 

 

刹那、その隙をついて妖魔衆の一体が奈楽の間合いに侵入してきた

 

 

【「ッ!」】ドゴン!

 

 

「しまっ、がはっ!?」ドバッ!

 

 

「奈楽ちゃん!?」

 

 

妖魔衆が放った一撃を受けてしまった奈楽はたまらずその場に跪いてしまった

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

「奈楽ちゃん。もういい、もういいよ。このままじゃ」

 

 

「い、いいえ、自分はあなたの守り人です。例えこの身が朽ち果てようともあなたを守ることが自分の使命なのです!」

 

 

傷ついた彼女を見てられなくなったかぐらが奈楽に逃げるように促すも、奈楽はそれを即断った

 

 

彼女を何が何でも守り通す。奈楽の意志はそれほどにまで固かった

 

 

故に奈楽はボロボロになってもなお立ち上がろうとする

 

 

かぐらを守るために

 

 

【「「「「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」」」」】

 

 

しかし次の瞬間、満身創痍の奈楽とかぐらを今度こそ仕留めんとするかのように妖魔衆が再び一斉に襲いかかってきた

 

 

「奈楽ちゃん!」

 

 

「かぐらさま!」ガバッ!

 

 

せめてもと奈落は咄嗟にかぐらを必死に抱きしめた

 

 

妖魔衆の毒牙が今まさに迫り来ようとした

 

 

 

 

 

 

その時だった

 

 

 

 

 

ヒュゥゥゥ~~

 

 

 

「…っ、なんだ?」

 

 

突然、どこからともなく風が吹く

 

 

 

ビュウゥゥゥゥ!

 

 

 

そしてその風が急に激しい嵐を巻き起こし、2人を襲おうとした妖魔衆達を吹き飛ばした

 

 

「い、いったい何が…っ!」

 

 

恐る恐る奈落が目を開けてみると

 

 

「ひゅ~、間一髪ってとこだったな」

 

 

自分たちの目の前に銀色のかかった白く背中にまで伸びた長い髪をなびかせながら頭に被った帽子に手をかけている男が立っていた

 

 

「な、何者だ?」

 

 

突然現れた男の出現に困惑しつつも奈楽は警戒しつつ問うた

 

 

「おいおい正気か?この状況で今は俺のことなんざどうでもいいだろう?そうじゃねぇか嬢ちゃん?」

 

 

「っ…」

 

 

男の言い分は正論に近しい気がして奈楽はそれ以上のことを聞くに聞けない感じになっていた

 

 

「にしても~。嬢ちゃん中々体してんじゃねぇか、どうだいこの後俺様とランデブーでもしないか~い?」

 

 

「死ね!」

 

 

「あちゃ~、こら手厳しいこってw」

 

 

しかしそれをぶち壊すように今度は口説き文句を言ってきたのでたまらず言い返す奈楽だった

 

 

「さて、と。ともかくだ。ここは俺が何とかしておく、その間に嬢ちゃんはそいつを連れてとっとと逃げな」

 

 

「な、何?」

 

 

「聞こえなかったのか?こいつらは俺が食い止めておいてやるからって言ってんだ」

 

 

次に男はこの場を自分にまかせてかぐらを連れて逃げろと奈楽に申し出る

 

 

「貴様、なんのつもりだ?何を企んでいる?」

 

 

「そう警戒しなさんな。別に何も企んじゃいねぇよ…ただ、俺も嬢ちゃん同様そいつを守りたいだけだよ」

 

 

自分もまたかぐらを守りたいのだと主張する男の言い分が理解できなかった

 

 

「っ…」

 

 

「あっ、まって、お戻りください危険です!?」

 

 

すると今まで男をジーっと見ていたかぐらが突然まるで吸い寄せられていくかのように奈楽の制止も聞かずに歩みよっていってしまった

 

 

「どうして?」

 

 

「ん?」

 

 

「あなた、どうしてわたしたちを助けてくれるの?」

 

 

かぐらの問いは正しかった。見ず知らずの者がいきなり現れて自分たちを助けようとしてくれている。不思議と思わぬほうが不自然な事である

 

 

「それに…なんでかわかんないけどあなたとは知らない感じがしないの」

 

 

「っ…」

 

 

「ねぇ、これってなんなのかn「はいはい、そこまでだぜおチビちゃん」っ?」

 

 

自分が今も感じる違和感は何なのかを問おうとするも男がそれを止めさせた

 

 

「悪いがそこはノーコメントだ。悪いな」

 

 

そういいながらかぐらの頭をわしわしする

 

 

「それにどうやら奴さんたち、まだあきらめてないみたいだしよ?」

 

 

すると先ほど吹き飛ばした妖魔衆が再び前に現れる

 

 

「じゃあ、頼んだぜ。こっちは任せときな!」

 

 

「お、おい!」

 

 

奈落の呼ぶ声も聞かず男は妖魔衆に向かって行った

 

 

「あいつ…なんなんだ?」

 

 

「奈楽ちゃん?」

 

 

「あっ、すみませんかぐら様。こんな状況であるにもかかわらずボーっとしてしまいました」

 

 

男の登場で頭がこんがらがってしまっていた奈楽がかぐらの呼びかけでハッと我に返った

 

 

「ううん、大丈夫だよ。それよりも傷は平気?」

 

 

「えぇ、戦闘は無理ですがあなたをお連れするだけの体力は残っております。ささ」

 

 

「うん」

 

 

不安がるかぐらにそう言い聞かせながら奈楽が再び彼女を抱きかかえる

 

 

「っ?」チラッ

 

 

不意に奈楽は視線を逸らすと

 

 

【「「「「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」」」」】

 

 

「オラオラオラァ!!」

 

 

妖魔衆を相手に一人戦う男の姿が

 

 

「(そうだ。あの男が何者だろうと関係ない、自分はこの方を守るだけだ)」

 

 

落ち着きを取り戻し、自分の本来の役目を思い出した奈楽は意を決する

 

 

「奈楽ちゃん?」

 

 

「いえ、なんでもありません、ともかく先ずは安全な場所に避難しましょう!」

 

 

そう言うと奈落は再びかぐらを抱えながら夜の道を走り抜けて行くのだった

 

 

「…"かぐら"を頼んだぜ嬢ちゃん」

 

 

最中、戦闘を続けている男がこの場を去り行く奈楽の後ろ姿、もとい、その彼女に抱きかかえられたかぐらを見てそうつぶやいた

 

 

ここまでで一度も自分の前で話題にすら出なかったはずの彼女の名を呟きながら

 

 

 

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