閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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京都編 第二章 出会い 

ここは京都。日本でも有数の観光地である

 

 

昔の町並みの風景を残しつつ、金閣寺やら舞子さん、鹿にせんべいをあげたりするなども特徴的である

 

 

そんな京都の地を善忍の忍校「国立半蔵学院」の忍学生たちが訪れていた

 

 

 

 

 

 

 

「でも嬉しいな。忍学校にも修学旅行があるなんて」

 

 

「忍学生も学生だからな。修行する時は修行し、楽しむ時は楽しむ。何事もメリハリが大切なのだ」

 

 

京都に来られたことを喜ぶ飛鳥に霧夜はメリハリが大切だということを教えるのだった

 

 

「う~ん♪やっぱり八ツ橋は最高です~♪このもっちとした食感とあんこの甘さが絶妙です♪」

 

 

「だよね~♪ひばりもお口の中が幸せだよ~♪」

 

 

歩きながら八ツ橋を食べている佐介とひばりはその美味しさに満足気だった

 

 

「ポリポリポリ……この千枚漬けもなかなかにうまいぞ」

 

 

「そうなんですか!僕にも食べさせてください!」キラキラ

 

 

すると柳生が自分が食べている千枚漬けも美味しいと告げた途端、佐介は目をキラキラさせてそう告げた

 

 

「まっまぁ、お前が食べたいというのなら……ほら、一つやろう///」

 

 

「ありがとうございます柳生ちゃん♪あむっ♪」

 

 

お礼を述べながら佐介は渡された千枚漬けにかぶりついた

 

 

「べ、別にお礼をいわれるようなことはしてないぞ」

 

 

「えへへ、柳生ちゃんほっぺが赤いよ~♪」

 

 

「ち、違うぞ!これはちょっと体が少し熱くなっただけだ!」アタフタ

 

 

ひばりに指摘された柳生が慌てた様子でそれを否定する

 

 

「まったく、みんな、食べ物ばっかりじゃないか。もうちょっと京の情緒にも関心を持てよな」

 

 

「情緒?…それって舞妓さんを触ることですか?」

 

 

「違うぞ斑鳩、アタイは舞妓さんを触りたいんじゃない。もみもみしたいんだ♪」

 

 

「それ、余計たち悪いですよ」

 

 

葛城に対して斑鳩がジド目を向けながらそう言った

 

 

「いや~京都旅行なんて最高じゃん♪まさにテンションMAXだねレイナ♪」

 

 

「あはは。そうだね。でもチェルシーあんまりはしゃぎ過ぎはダメだよ。テンションrelax~」

 

 

京都についてはしゃぐチェルシーを宥めるレイナだった

 

 

と言った感じに京都の街を観光していた時だった

 

 

「もぐもぐもぐ………っ?」ピクッ

 

 

先ほどまでほんわかしていた佐介が一瞬で真顔になった

 

 

「どうしたの佐介くん?」

 

 

「…霧夜先生」

 

 

「どうした佐介?」

 

 

「…近くに2つの気を感じます」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、和やかな空気が一気に張り詰めた

 

 

すかさず佐介は感知能力をフル活用する

 

 

「1つの気は特にどうと言うことはないとしてももう1つの方はだいぶ弱々しい感じです……僕、ちょっと見て来ます!」

 

 

「あっ、佐介くん!」

 

 

「佐介、勝手な行動はっ!」

 

 

佐介は霧夜の静止を聞かず、飛鳥たちをその場に残して気配のする方へと走り去ってしまうのだった

 

 

 

 

 

 

 

飛鳥たちと別れた佐介は気の信号を頼りに先を急ぐ

 

 

「…まずい、さっきよりも気が弱くなってきている。急がなきゃ!」

 

 

このままでは気の主が危ない、その思いが佐介の足をさらに早めた

 

 

「あの角を曲がればっ!」

 

 

佐介が建物の角を曲がると

 

 

「っ!?」

 

 

「うっ…うぅぅ……」クラッ

 

 

「奈落ちゃん、大丈夫?」

 

 

「だ、大丈夫ですかぐらさま…少しめまいがしただけです」

 

 

頭から血を流し、ふらふらな様子で壁を支えになんとか立っている状態の女性と

 

 

その女性を心配そうに見る少女が

 

 

「大変だ!」スタタタタ

 

 

佐介は急いで彼女達の元に向かう

 

 

「そこの人たち、大丈夫ですか!」

 

 

「っ?」

 

 

その呼びかけに少女が反応した

 

 

「……っ」

 

 

「っ?」

 

 

佐介と小さい少女互いを視界にいれた瞬間、何か不思議な感覚に襲われた

 

 

だが、佐介がいち早く我に返り女性の元に駆け寄る

 

 

「しっかりしてください…酷い怪我だ。すぐ手当てしなければ」ガサガサ

 

 

「じ、自分には必要ない…それにこんなところで立ち止まっているわけには」

 

 

「ダメですよ!こんなボロボロな体で動くだなんて」

 

 

「自分に構うな!」ペシッ

 

 

奈落はあくまでも手当てを拒み続ける

 

 

「奈落ちゃん。手当てを受けて…お願い」

 

 

「っ?」

 

 

「かぐらさま!?」

 

 

かぐらの思わぬその一言に佐介と奈落は驚いた

 

 

「なぜですかかぐらさま!?こんな得体の知れない奴の手当てを受けろだなどと、何をするかもわからないんですよ!?」

 

 

「わたしにもよくわかんないんだけど…この人なら信じられるような気がするの」

 

 

なんの根拠もないことではあったがかぐらは真剣な目をしていた

 

 

「わかりました。かぐらさまの命に従います……ほら、やるならさっさとやれ」

 

 

「あっ、はい」

 

 

かぐらから許可を受け、佐介は奈落の手当をする

 

 

「はい、応急処置は終わりましたよ」

 

 

「ふん。まぁよくやったな」

 

 

「もう奈落ちゃん。手当を受けておいてその言い草はあんまりだよ!」プンスカ

 

 

「はっ、申し訳ありません」

 

 

手当を受けて尚邪険にするような奈落をかぐらが叱りつけると

 

 

奈落がかぐらにぺこっと頭を下げた

 

 

「…ところであなたたちは誰なんですか?どうしてそんなケガを?」

 

 

「答える必要はない。自分たちを助けたことには礼を言う。だがこれ以上自分たちに関わるのはやめてもらおう…さぁかぐらさま早いところ場所を移動しましょう。グズグズしているわけにも参りませんから」

 

 

「うん、そうだね」

 

 

そういうと奈落はかぐらを連れて行こうとする

 

 

「ま、待ってください応急処置したばかりでもう動こうだなんて!」

 

 

「いったはずだぞ、これ以上自分たちに関わるなと!」

 

 

「っ!?」

 

 

なんとか2人にキチンとした手当を受けさせてあげたい佐介だったが

 

 

そんな佐介を奈楽が冷たい目で睨みつける

 

 

「ではいきましょうかかぐらさま」

 

 

「うん。…ありがとうねお兄ちゃん。またどこかで会えたら嬉しいな」

 

 

「っ」

 

 

移動する際、かぐらは佐介にそう言い残し、そのまま奈楽に連れられてその場から消え去っていってしまった

 

 

「…あの子はいったい?」

 

 

 

ジジジジ

 

 

 

「うっ!?」

 

 

2人が去った後、取り残された佐介は突然、頭痛に襲われた

 

 

そして脳裏に一瞬黒い長髪の女性がニッコリと笑う映像が過ぎった

 

 

「…こ、これは?」グヌヌ

 

 

「佐介く~ん!」

 

 

「っ?」

 

 

頭痛に悩まされていた直後、自分を追ってきた飛鳥たちと合流した

 

 

「み、みなさん」グヌヌ

 

 

「ど、どうしたの!?」

 

 

「な、なんでもありません…少し頭痛がしただけですから」アセアセ

 

 

心配をかけまいと佐介は飛鳥たちにそう説得するのだった

 

 

 

 

 

 

 

一方佐介の元から去っていった奈落とかぐらは…

 

 

 

 

 

「しかし自分にはどうにも解せません。なぜあなた様があのような者を信じようと思ったのか」

 

 

「ごめんね奈楽ちゃん……でも、あのお兄ちゃんを見た時どうしてかそう思ったの。なんだか私、あのお兄ちゃんのこと"知ってるような"気がするの」

 

 

はじめて佐介を見た時から感じていた違和感を隠さずすべて奈落に伝えた

 

 

「まさか…そんなはずありませんよ。かぐらさまは目覚めた時から自分と一緒だったんですよ?仮に会っているのであれば自分も知ってるはずですから」

 

 

「そう…だよね」

 

 

「ともかく急ぎましょう。また妖魔衆に邪魔される前に"目的"を達成せねばなりませんから」

 

 

「うん。わかってるよ奈落ちゃん」

 

 

自分たちの目的を改めて確認するとともに奈落とかぐらは移動を続けるのだった


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