閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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京都編 第四章 悪しき集団その名は「妖魔衆」  

傷ついた奈落とかぐらと接触した佐介は駆けつけた飛鳥たちと合流し、再び京都の街を歩いていた

 

 

しかし、前半のような浮かれ気分はなく、みなどんよりとした空気の中、予約している宿に向かうべく歩を進めていた

 

 

そんな中、佐介は霧夜との会話を思い出していた

 

 

かぐらたちが去った後、佐介は合流した霧夜に今までのことを話した

 

 

話しを聞いた霧夜は佐介たちに宿に先に行くように告げ、京都の忍本部に向かっていった

 

 

「あ~ぁ、しかし楽しい旅行になるはずがへんなことになっちまったな」

 

 

「ほんとだよね~」

 

 

「ちょっと葛城さん!」

 

 

「チェルシー!」

 

 

思わず口を滑らせてしまった2人は徐ろに佐介を見てみると佐介はなにか深く考え事をしているようだった

 

 

「…佐介くん」

 

 

そんな彼を飛鳥たちは心配していた

 

 

「(…あの女の子と連れの人、大丈夫かな?)」

 

 

心配する飛鳥たちを他所に佐介は少女たちの身を案じていた

 

 

応急処置をしたとは言え、彼女は動いていい体ではない。無茶してはいないだろうかと気がかりだけが頭をよぎっていた

 

 

「みなさん。もうすぐ低泊する旅館につきますわよ」

 

 

「おっ、ようやくか」

 

 

「どんなとこなんだろ楽しみだね~」

 

 

「あぁ、そうだな」

 

 

もうすぐ旅館につくと分かり、さっそく向かおうとした時だった

 

 

 

キイィィィィン!

 

 

 

『っ!?』

 

 

直後、周囲に忍結界が張られた

 

 

「忍結界?なんで?」

 

 

「周囲に忍の気配がありません。これはいったい?」

 

 

なぜ忍結界が張られたのに忍の気配がしないのかと皆困惑していた

 

 

その時だった

 

 

 

シュン!

 

 

 

『っ!?』

 

 

突如、佐介たちの前を通り過ぎる人影が

 

 

「何今の?」

 

 

「さぁ?」

 

 

「なんだってんだ?」

 

 

いきなりのことで驚きを隠せずにいた

 

 

「(今のって)」

 

 

そんな中、佐介はいち早く気づいた自分たち前を横切ったのがさっきであったかぐらと奈落だったことを

 

 

「(どうしたんだろう?随分と慌てていた様子だったけど?)」

 

 

まるで何かに追われているようだと思っていると

 

 

 

シュン! シュンシュンシュンシュン!

 

 

 

『っ!?』

 

 

通り過ぎていったかぐらたちを追う複数の影が

 

 

「何がどうなってんだよ?」

 

 

「さ、さぁ?「っ!!」あっ、佐介兄さま!?」

 

 

すると佐介が一目散にかぐらと奈落を追う影を追った

 

 

「どうしたの佐介くん!」

 

 

「やはり今日の佐介さんは様子が変ですわ」

 

 

「とにかく早いとこ佐介を追いかけようぜ」

 

 

葛城の提案に皆も同意し、急いで追いかけようとする

 

 

「お前たち!」

 

 

「霧夜先生?」

 

 

そこに霧夜が駆けつけた

 

 

「皆無事のようだな…ん?佐介はどうした?」

 

 

「それがさっき私たちの前を横切った影を見たと思ったら1人でそれを追いかけに」

 

 

「なるほど……実はお前たちに本部より忍務が下された。心して聞け」

 

 

霧夜が飛鳥たちに本部からの忍務内容を伝えるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、追手に追われている奈落とかぐらはとうとう追手に囲まれてしまった

 

 

追手の正体、それはかぐらたちを付け狙う謎の集団、妖魔衆だった

 

 

「くそっ!妖魔衆め、しつこい奴らだ」

 

 

「奈落ちゃん」ガクガク

 

 

「大丈夫です。かぐらさまはこの身に変えてもお守りします!」

 

 

奈落はかぐらを守るため、戦うことを決めた

 

 

その時だった

 

 

 

「はぁぁぁ…獣波拳!!」

 

 

 

ガォォォォォ!!

 

 

 

上空から獅子を象ったエネルギーが飛んできた

 

 

妖魔衆たちは慌てて距離をとった

 

 

そしてかぐらたちのもとに佐介が降り立った

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「お、お前は!」

 

 

「お兄ちゃん!」

 

 

佐介に早くも再会したことに奈落は驚き、かぐらは笑みを浮かべた

 

 

そんな中、佐介は周囲を取り囲む妖魔衆を見わたす

 

 

「…彼らは一体何ですか?」

 

 

「奴らは妖魔衆。かぐらさまを狙う下郎どもだ!」

 

 

「なるほど、では尚の事見過ごすわけには行きませんね。あなたはその子を守ってあげてください、ここは僕が引き受けます!」

 

 

かぐらを守るように奈落に申し出ると佐介は構えた

 

 

「行きますよ。勝負です妖魔衆!!」

 

 

佐介が先手を取り、妖魔衆に攻撃をしかける

 

 

【「「「「「「っ!!」」」」」」」】シュンシュンシュン!

 

 

「っ!」

 

 

それに反応した計12体の妖魔衆が一斉に飛び出してきた

 

 

【「「「「っ!!」」」」】

 

 

「ふん!」

 

 

【「「「「「っ!!」」」」」】

 

 

「たあっ!」

 

 

多勢に無勢という絵図らの中、妖魔衆たちを相手に佐介は攻防一体の戦いを繰り広げる

 

 

【「っ」】バッ

 

 

「っ!?」

 

 

【「っ!」】シャキキキキン!

 

 

「うわっと!?」

 

 

刹那、佐介が乱戦を続ける最中、一体の妖魔衆の一体が急接近し佐介に攻撃を仕掛けてきた

 

 

手にしている二本の棍棒を巧みに操るように技を繰り出してく

 

 

「(っ、ちょっとまってこの動きって!?)」

 

 

妖魔衆の攻防を繰り広げるその最中、佐介はあることに気づいた

 

 

この妖魔衆が繰り出す技や動きを自分がよく知ってることに

 

 

「(やっぱり間違いない、あれは"飛鳥"ちゃんの刀術に非常に告知している!)」

 

 

飛鳥と同じ剣術を妖魔衆が扱うことに驚きを隠せない

 

 

【「っ!」】パシュン!

 

 

「うわっ!?」

 

 

今度は少し離れた場所から矢による狙撃が

 

 

「(これは光牙くんの!?)」

 

 

【「っ!!」】シュシュシュシュン!

 

 

「(これは焔さんの!?)」

 

 

次から次へと押し寄せる強襲の中、その攻撃が光牙と焔を彷彿させるものであることを感じた

 

 

「ちぃ!?」

 

 

【「っ!」】グッ

 

 

「しまっ!?」

 

 

休みなく繰り出される攻撃の嵐に佐介の気力と体力がどんどん削られる中

 

 

佐介のその隙をついて一体の妖魔衆が間合いに入るや引き絞った拳を突き出す

 

 

【「っ!」】ドゴッ!

 

 

「ぐっ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

間一髪で防御姿勢を取るもその勢いに押されてしまい大きく後方へ吹き飛ばされた

 

 

「ぐっ!?」クルン、ザザァァァァ!

 

 

何とか受け身を取り、地面に落下を防ぐことに成功する

 

 

「(い、今のは僕の?)」アセアセ

 

 

自分に攻撃仕掛けてきた妖魔衆のあの技が自分の技に告知していることから今度は自分の妖魔衆が出たのだと察した

 

 

「(妖魔衆…あの武器といい戦い方といい…まるで僕や飛鳥ちゃんたちや光牙くんたちをいっぺんに相手にしてるみたいだ!)」

 

 

戦いの中で佐介は妖魔衆が自分たちに関連したものがあるのではと推察した

 

 

【「っ!!」】

 

 

「っ!?」

 

 

しかし、いくら強いとは言え、考え事をするまでの余裕は佐介にはなく、徐々に追い込まれていく

 

 

「(こ、このままじゃ!)」

 

 

焦る佐介

 

 

その時だった

 

 

「佐介くん!」

 

 

「っ!」

 

 

苦戦を強いられている佐介のもとに遅れて飛鳥たちが駆けつけた

 

 

「みなさん。来てくれたんですね!」

 

 

「当たり前だよ!佐介くんだけに戦わせはしないよ!」

 

 

「ここからはわたくしたちも加勢しますわ!」

 

 

「おっし!みんな行くぜ!」

 


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