閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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京都編 第十章 妖魔掃討忍務 

今だ佐介の安否すらわからず、かぐら、彼女の存在が何を意味するのかも分からないまま

 

 

飛鳥たちは霧夜を通して上層部から授けられた任務により、京都に出没する妖魔の退治を行っていた

 

 

「秘伝忍法・【二刀繚斬】!てやぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

 

 

スッ!ザシュゥゥゥゥン!

 

 

 

【【【ギャァァァア!!】】】

 

 

襲いかかってきた妖魔を飛鳥が二本の小太刀で切り裂いた

 

 

「食らいなさい!秘伝忍法・【凰火炎閃】!」

 

 

 

シュイィィィィ!ピヤァァァァァ!!!

 

 

 

【【【ギュイイイイイ!!】】】

 

 

炎を灯した飛燕を振るい、斑鳩が妖魔を焼き払う

 

 

「しゃあっ!行くぜ!秘伝忍法・【トルネード・シュピンデル】!」

 

 

 

ビュオォォォォォ!

 

 

 

【【【ガウァァァァァ!!】】】

 

 

ブレイクダンスを行いながら吹きすさぶ風を操り、妖魔を次々と吹き飛ばした

 

 

「失せろ!秘伝忍法・【薙ぎ払う足】!」

 

 

 

シュルル…バシバシバシバシ!

 

 

 

【【【ギュルルルル!!】】】

 

 

傘を広げ、召喚したイカと共に回転し、10本の長い足で妖魔を文字通り薙ぎ払う

 

 

「忍兎〜!」

 

 

フワフワフワ~ ピョコン

 

 

「ぶーんぶーん!いっけー!!」

 

 

 

ビリリリリリリリ!

 

 

 

【【【ギャギャギャギャギャ!!??】】】

 

 

呼び寄せた忍兎との連携で妖魔達を雷で感電させた

 

 

そして彼女たちにやられた妖魔たちが次々と跡形もなく消滅していった

 

 

同時に空間が元に戻っていた

 

 

周囲に敵がいないことを確認すると武器を仕舞い、一息つく

 

 

「ここら一帯の妖魔はあらかた片付けたようですね」

 

 

「しかしまたいつ現れるかわからん…油断は禁物だ」

 

 

「へっ、何度出てきたってアタイ達にかかればどうってことねぇさ!」

 

 

「うん、ひばりももっといっぱい頑張るよ〜!」

 

 

妖魔を倒し、勢いをつける斑鳩たち

 

 

「なぁ、佐介!この調子でガンガンいこu…あっ!」

 

 

「「「っ…」」」

 

 

しかし、無意識に葛城が放ったその一言で空気が変わる

 

 

妖魔たちと戦うことで気を紛らわせていたが、葛城の放ったその一言で重い空気が漂う

 

 

「そう、…ですわね」

 

 

「きっとここにいたらこういうと思う「あと一押しです。皆さん頑張りましょうって」いうと思う」

 

 

「あぁ、そうだな。そうに違いない」

 

 

今この場にいない佐介を思い、彼がいいそうなことを言い当てながら暗い会話がこの場を包み込む

 

 

「……す、すまねぇみんな、アタイが余計なこと言っちまったせいで」

 

 

不可抗力とはいえ、自分のせいで話しが蒸し返してしまったことに葛城は自責の念を感じた

 

 

「ううん、かつ姉は悪くないよ」

 

 

「飛鳥?」

 

 

そんな葛城を勇気づけるかのように飛鳥が語りかける

 

 

「みんなだって佐介くんへの思いは一緒だもん。でも、くよくよしてもいられない、こんな私たちを見たら再会した佐介くんがきっと不安がっちゃう。佐介くんとは笑顔でもう一度会いたいから」

 

 

「「「「っ!」」」」

 

 

飛鳥のその言葉に皆がハッとなる

 

 

「そうだな。飛鳥の言う通りだな。おっしぁ!気合いの入れ直しだ!」

 

 

「そうですわね。これ以上悩んでいても仕方ありませんわね!」

 

 

「あぁ、あれこれ考えるのは後回しにするとしよう」

 

 

「うん!ひばりも佐介くんと笑顔で再会したいし!」

 

 

これにより落ち込んでいた空気が一転し、しっかりと気持ちを切り替えて事に当たることを決めあった

 

 

「さぁ~て、んじゃさっそく次に行こう。まだまだ妖魔はたくさんいるんだから!」

 

 

「「「「おー!」」」」

 

 

すっかり気持ちをリセットした半蔵学院のメンバー

 

 

葛城の号令とともに全員が気持ちを高ぶらせたのだった

 

 

 

 

そんな時だった

 

 

 

 

キィィィィン!

 

 

 

「「「「「っ!」」」」」

 

 

周囲が再び、不気味な空間に包まれた

 

 

「これ…この感じって!」

 

 

この忍結界の反応には覚えがあった

 

 

「あっ!」

 

 

「どうしたひばり?」

 

 

「みんな!あれ見て!」

 

 

ひばりが突然声を上げ、彼女が指差す方を見てみると

 

 

 

シュン!シュンシュンシュンシュン!

 

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

自分たちの数メートル先で建物から建物へ飛びながら移動している妖魔衆の姿があった

 

 

「やはりこの結界は妖魔衆のものでしたか!」

 

 

「妖魔衆がここにいるってことは近くにかぐらがいるってことか!」

 

 

「みんな、急いで追いかけよう!」

 

 

「「「「おー!」」」」

 

 

飛鳥たちはかぐらの行方を掴むためにも妖魔衆を追いかけていった

 

 

 

 

 

 

その頃、一歩先に春花の武装と告知した武器を操る妖魔衆。第十座がかぐらと奈落の前に現れた

 

 

【「フシャアアアアアア!!!」】

 

 

「ふっ、まんまとおびき寄せられたな妖魔衆!」

 

 

「奈落ちゃん」

 

 

「心配いりませんかぐらさま、ここは自分にお任せください…さぁかかってこい、自分が相手だ!」

 

 

かぐらを守るべく、奈楽が妖魔衆との戦いに身を投じる

 

 

【「シャアアアア!!」】

 

 

妖魔衆・十座が奈落に迫り来る

 

 

「ふっ、やあっ!!」

 

 

 

ドゴオオォォン!

 

 

 

【「グアァァァァァ!!??」】

 

 

だが、奈楽は足を大きく横に振るうと共にその先についている巨大な鉄球を十座にぶつけた

 

 

鉄球の直撃を受けた十座が大きく吹き飛んでいき、その先にあった建物に激突した

 

 

「ふん、この程度か妖魔衆?所詮群れをなさなければこの程度といったところか」

 

 

【「プシュゥアァァァ!!!」】

 

 

「ふん。吠えるだけは一人前だな」

 

 

流れは完全に奈楽に寄ってより、十座は完全に手のひらの上だった

 

 

「さて次は…「おいみんな。こっちの方から音がしたぞ」っ?」

 

 

するとそこに十座を追ってやってきた飛鳥たちが駆けつけてきた

 

 

「…誰かと思ったらお前たちか?」

 

 

「あっ、やっぱりいたんだねかぐらちゃんに奈落ちゃん」

 

 

「まったく、妖魔衆を引き付けるつもりが余計なおまけまでついてきてしまうとは。とんだ誤算だ」

 

 

飛鳥たちの登場は想定してなかったのか奈落が苦い顔をする

 

 

【「プ、プシャアアアアア!!」】

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

その時、この形勢は不利と判断した十座が飛鳥達を蹴散らして逃げ失せようとする

 

 

「斑鳩、仕留めるぞ!」

 

 

「はい!逃がしませんわ!」

 

 

「でやぁぁぁぁ!!」

 

 

「はあぁぁぁぁ!!」

 

 

 

ダダダダダダ! ジャキィィィィン!

 

 

 

【「プ、プシャアアアアア!!!」】

 

 

だが、即座に反応した葛城と斑鳩の手によってそれは阻止され、十座は悲痛な叫びをあげながら消滅した

 

 

「やったな斑鳩!」パン

 

 

「はい!」パン

 

 

互いに素晴らしいコンビネーションであることを称えるハイタッチをするのだった


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