閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十二章 最悪の再会 

かぐらの身柄を拘束するという上層部からの任を受けた飛鳥たち

 

 

そんな中、さっそくかぐらを見かけたとの目撃情報が寄せられ、行った先でかぐらと奈楽

 

 

さらには彼女たちを追ってきていたであろう妖魔衆「十座」との交戦へと発展する

 

 

一体であっても相当に強い妖魔衆を相手に苦戦を強いられる飛鳥たちだったが

 

 

持ち前の仲間同士のコンビネーションが徐々に十座を押していき

 

 

最終的に斑鳩と葛城の連携攻撃が決め手となり見事十座を倒すことに成功した

 

 

十座を倒すことができた飛鳥たちは本来の目的であるかぐらを連れていこうと彼女に近づく

 

 

しかしその直後、かぐらの呼び声に好悪するかのように突如として現れた何者かが飛鳥達の前に立ちはだかる

 

 

なんと自分たちの前に立ちはだかる者とは安否不明で行方を眩ませていた佐介だったのだから…

 

 

 

 

 

 

 

思いがけない人の乱入によって事態の流れは一気に変わった

 

 

「…っ」

 

 

飛鳥は…否、飛鳥だけではない、この場にいる半蔵学院のメンバー誰もが目を見開いていた

 

 

「ね、ねぇみんな…あれってそうだよね?見間違いじゃないよね?」アセアセ

 

 

「何言ってんだよ?見間違うわけないだろう」

 

 

「あぁ、間違いない」

 

 

「よかった…ご無事で…」

 

 

目の前に現れた彼の姿を見て葛城たち4人が思い思いの言葉を述べる

 

 

一方、飛鳥もまた目の前に立つ彼の姿を見て驚きのあまり言葉を失っていた

 

 

「佐介…くん…」

 

 

自分の目に瞳に移る彼の姿を見続ける中、飛鳥の体がかくかくと震える

 

 

「生きて…生きてて…くれたんだ」

 

 

失ったと思っていた悲しさ、生きていたんだと知った安堵、それらの思いが彼女の全身を駆け巡る

 

 

「…佐介くん!」バッ!

 

 

ついに堪えきれずに彼のもとに駆け寄ろうとした

 

 

「…っ」スッ!

 

 

だが、その直後、こちらに向かってくる飛鳥を見た彼が突如構えを取る

 

 

そして次の瞬間

 

 

「…っ!」バッ

 

 

「…えっ?」

 

 

 

ビュォォォォォォ!

 

 

 

「っ!?きゃあぁぁぁぁ!!??」

 

 

「「「「あ、飛鳥(さん)(ちゃん)!?」」」」

 

 

刹那、前方から拳圧が飛鳥目がけて飛んでいき

 

 

拳圧の衝撃を正面から受けた飛鳥が後方に吹き飛ばされる

 

 

突然の事態に度肝を抜かれた他のメンバーだったがすぐさま我に返り、急ぎ飛鳥のもとに駆け付ける

 

 

「大丈夫ですか飛鳥さん!?」アセアセ

 

 

「痛いところとかないか!?」アセアセ

 

 

「う、うん…大丈夫だよ」

 

 

駆け付けた皆に気遣われ、手を貸してもらいつつ飛鳥は立ち上がり、再度彼のほうを見る

 

 

しかしながら彼女たちの目には飛鳥に向けて拳圧を放ったと思われる彼の姿がはっきりと映っている

 

 

どうして?という言葉が頭をよぎらずにはいられなかった

 

 

「ど、どういうことなんだ?なぜ佐介が飛鳥にこんなことを?」アセアセ

 

 

「何がどうなってるの?」アセアセ

 

 

現実が受け入れられていない彼女たちは困惑する以外できなかった

 

 

「佐介くん…佐介くん!」

 

 

自分にこんなことをする彼のとったことが未だに信じられない飛鳥は今一度彼に駆け寄ろうとする

 

 

「それ以上近づかないでください」

 

 

「っ…!?」

 

 

だが、その直後彼の口から近づくなという言葉が飛んできて飛鳥はぴたりと歩みを止め、驚愕した顔を浮かべながら視線の先にいる彼を見つめる

 

 

「これは最後通告です。これ以上こちら側に近づこうというのならこちらも相応の対処をさせていただく」

 

 

「…えっ?」アセアセ

 

 

飛鳥にそう告げる彼の目が先の言葉が本気であることを物語る

 

 

次に近づけば容赦はしない、そうはっきりと言い放つ彼の言葉を聞いて飛鳥は自身の耳を疑う

 

 

「蓮!」

 

 

そんな彼女たちを他所にかぐらが彼のもとに駆け寄る

 

 

「ありがとう蓮、助かったよ♪」

 

 

「…いいえ、あなたを守ることが"私"の役目ですから」

 

 

「えへへ♪」

 

 

彼の言葉と笑みをもらい、かぐらも嬉しそうに微笑みを見せる

 

 

「奈楽さん、あなたのほうは大丈夫ですか?」

 

 

「…ふん、自分の心配など無用だ。それにお前が来なくともかぐら様は自分がお守りしていた」

 

 

奈楽に対しても安否を気遣うも当の彼女は彼が来たことに少々不満を抱いているか皮肉めいた言葉で受け答えをする

 

 

「もう、奈楽ちゃん、そういう言い方はよくないよ?危ないところを獅子丸が助けてくれたのは事実なんだから」プンスカ

 

 

「…も、申し訳ありません」ショボン

 

 

「ま、まぁまぁお二人とも私は別に気にしてませんから」アセアセ

 

 

そんな奈楽の態度を見たかぐらが彼女に説教じみた言葉を送り

 

 

かぐらからその言葉を受けた奈楽はしょぼんとした表情を浮かべ、軽く頭を下げ、そんな二人を彼はなだめようとしていた

 

 

「お、おいおい、いったい何がどうなってるんだよ?なんで佐介の奴あいつらとあんな親しそうにしてるんだ?」アセアセ

 

 

「…そんなことオレたちにわかるわけないだろう?」アセアセ

 

 

「どういうことなの?」アセアセ

 

 

葛城たちは目の前で起こっている事態に言葉を失う

 

 

この事態に困惑する飛鳥たちとは対照的になぜか彼はかぐらたちと親しげに話しているのだから

 

 

それを見てどういうことなのかと思わないほうがおかしいと思えるほどに

 

 

「(どうして?…なんで?)」

 

 

彼がここまでのやり取りで言い放った言葉や今かぐらたちと親しそうにしている姿が脳内にてフラッシュバックしていく

 

 

信じられないことの連続で飛鳥の脳内の思考回路は激しく狂っていた

 

 

「佐介くん!」

 

 

「…っ!」キリッ

 

 

「っ!」ビクッ

 

 

たまりかねた飛鳥が再び声をかけた瞬間、それに気づいた彼が先の時のようにキッとした目で明らかにこちらに敵意の目を向けている

 

 

「佐介くんどういうことなの!どうしてかぐらちゃんたちと一緒にいるの?もうわけがわかんないよ!?」

 

 

ここぞとばかりに飛鳥が今自分の胸に張り付くもやもやを彼に言い放った

 

 

きっとこれは何かの間違いに違いないと言い聞かせるしか他に理性を保つ手を思い浮かべられそうになかった

 

 

「…」

 

 

「なんで…なんで何も答えてくれないの!?」

 

 

だが、そんな飛鳥の訴えに彼はだんまりを決め込んでおり、飛鳥はそれに対して答えを要求する

 

 

そこからしばしの沈黙が流れ、飛鳥を含む半蔵学院メンバー全員が固唾を呑んでいた

 

 

「…君は」

 

 

「っ?」ピクッ

 

 

ここでついに彼が飛鳥に対して口を開くと同時に飛鳥が彼のほうを見る

 

 

「…君は誰だ?」

 

 

「……えっ?」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

刹那、彼の放ったたった一言によって半蔵学院メンバー全員が凍り付いた

 

 

「誰?…誰って…どうしちゃったの佐介くん!?私だよ!飛鳥だよ!?そ、それにほらみんなだって!斑鳩さんにかつ姉、あと柳生ちゃんにひばりちゃんだって!?」

 

 

彼の言ったい一言が効いてしまったのか動揺を隠しきれない様子で飛鳥が訴える

 

 

「…よくわからないが少なくとも私は君たちのことなど知らない」

 

 

「そ、そんな」

 

 

「あと気になっていたんだが…その"佐介"というのは私のことを言っているのかな?」

 

 

「えっ?」

 

 

自分たちを覚えてないということすら相当にショックだったにも関わらずさらに追い打ちをかけるかのように続けざまに彼が言った一言が更なる絶望に彼女たちを叩き落とす

 

 

「…な、なにを…言ってるの?さ、佐介…くん?」

 

 

「佐介、佐介…少しうるさいですよ?私は佐介などという名ではない。私の名は蓮。かぐら様をお守りする守り人だ」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

飛鳥達に対し、自らはかぐらを守る守り人であり、名を蓮と主張する

 

 

「かぐら様、今のうちです」

 

 

「えっ?奈楽ちゃん?」

 

 

「ひとまずここは安全な場所に避難すべきです。しからば!」

 

 

「あっ、ちょ、奈楽ちゃん!?」

 

 

かぐらを抱え上げ、奈楽がこの場から立ち去る

 

 

「蓮!蓮も早く~~!」

 

 

最中、かぐらが佐介もとい蓮に声をかける

 

 

その言葉を受け、蓮もまた去ろうとする

 

 

「待って!」

 

 

「っ…」

 

 

「いか…行かないで」カタカタ

 

 

もはや平常心はなく、ただただ行ってほしくなさそうに飛鳥は声をかけるしかできなかった

 

 

「……」シュン!

 

 

「佐介くん!?」

 

 

だが、そんな声で止まるわけもなく最後は無言のままかぐらたちを追うように彼女たちの前から立ち去って行ってしまった

 

 

彼女たちはあまりのショックに言葉を失うことしかできなかったのだった

 

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