飛鳥達が忍務中に妖魔衆ならびにかぐらや奈落、そして記憶喪失になってしまった佐介こと蓮と騒動を起こしていた時と同時刻
別の場所にて光牙たちも出現する妖魔達を駆除していた
キィィィン!
【グエ…グエェ〜!】
かぐらを捕らえるべく妖魔衆が発動させた忍結界が周囲からたくさんの妖魔を呼び寄せていく
「もう、せっかく観光の途中だったのに飛んだ邪魔が入ったものね!」
「あたしたちの観光を邪魔しようなんていい度胸じゃない!全部まとめてぶっ飛ばしてやるわ!」
未来に続くように光牙たちも武器を構えた
「ふっ、はぁっ!」
グググ…パシュン!
「おりゃあぁぁぁ!」
ザシュン!
「はぁあぁぁぁぁぁ!」
ドスゥゥゥゥン!!
「いねや!」
ザシュザシュザシュン!
「ぶっ飛べ!」
ダダダダダダ!
「さぁ、お仕置きよ〜♪」
ギギギギ バシバシバシバシ!
【【【ギャァァァア!!】】】
光牙達の乱撃によって妖魔達が次々と倒されていく
「へっ、どんな問題!」
「いえ、あれを見て!」
「っ!」
ギュイィィィィ
【【【グエッ…グエッ…グエエ…】】】
地面から文様が浮かび上がるとともにそこから妖魔が現れた
「また現れましたわ!」
「はっ、何匹こようとも私たちの手にかかれば妖魔なんかお茶の子さいさいだぜ!」
「こら、油断しないの、敵は妖魔、この他に何が出てくるかは未知数なんだから」
「わ、分かってるよ!」
調子に乗っている焔に春花が注意を促す
「ともかくやるぞ!」
「「「「おう!」」」」
再び現れた妖魔たちに光牙たちは向かっていった
次々と現れる妖魔たちを蹴散らしていく紅蓮竜隊だったが
戦いの最中、光牙は違和感を感じていた
「どうした、光牙さん?」
戦闘の最中、自分のもとにやってきた日影が背中合わせに光牙に尋ねる
「心なしか先ほどよりも妖魔の数が増えているように感じる」
「…言われてみればそうかもな?」
紅蓮竜隊全員でかなりの数を倒していると言うにそれに比例するかのように次から次に新たな妖魔が現れ、それに伴い強さも増している
「光牙、これってどう言うことなのかしら?」
その会話に駆けつけてきた未来も加わる
「少し待て…」
光牙はゆっくりと目を閉じ、精神を集中させる
気を探知するうちに向こう方面にいくつかの気を感じた
「(周囲に7つの人の気。それに混ざるように邪気が1つ、さらに7つの気の内、片方は5つに、もう片方は2つと分かれてる。……ということは)」キュピン
調べてみた感じで光牙はそれらの情報から答えを導き出す
「どうやら向こうにかぐらがいるようだな。さらにその近くに半蔵学院の奴らの気や妖魔衆の気を感じる」
「なんだと?」
妖魔がこれほどまで溢れているのはそれが原因であると光牙は説明した
「なるほど、かぐらちゃんがいるせいでそれに反応した妖魔たちが次々と現れたわけね」
「その通りだ」
「なるほどな。しかしそうであっても私たちのやるべきことは変わらない…だろ?」
「ふっ。確かにな…みんな一気に殲滅するぞ!!」
その後も、次々と光牙たちは妖魔退治を行っていく
「はぁっ!」
【ギャァァァア】シュウゥゥゥ
「…ふぅ」
「お疲れ様です光牙さん」
「とりあえずはこの付近の妖魔は倒したか」
光牙の一撃によって最後の1匹も消滅するとともに周囲を覆っていた結界も消滅していった
「ふぅ〜、さすがにちょっと疲れたな」
「結構な数を倒したからね」
ようやく一息つけると焔たちはその場にへたり込んだ
「みなさーん!」
「あぁ、愛花」
そこに戦闘中に身を隠していた愛花が駆けつける
「大丈夫ですか?」
「あぁ、何ともないさ」
「よかった~」
みんなが怪我無くいてくれて安堵の表情を愛花は浮かべた
「みんなもお疲れ様ね」
「春花さんもな」
「うふっ、ありがとう♪」
焔紅蓮竜隊が互いに苦労を労う
「しかし、これほどの数の妖魔が溢れてくるとなるとこの京都にいる人たちに危険が及ぶかもしれんな」
「そうね。…みんな、ここは手分けして一般人を町から避難させましょう!」
このままでは町が危険だと判断した光牙と春花は町の人の避難を行うよう通達する
「了解だ」
「わかりました!」
その提案に賛同し、早速行動を起こそうとした
「…っ?」ピクッ
「どうしました光牙さん?」
突然、驚いたような顔をしている光牙に気づいた詠が声をかけるも、光牙はそのまま固まってしまった
心配する詠を他所に光牙は静かに神経を研ぎ澄ませ、かぐらがいるであろう方面に目を向けた
「(一個の気がさっきよりも少し膨れ上がった…これはいったい?)」
「あいつ、赤玉食って力が少し戻ったみたいだな?」
「っ!」
「あっ、あそこにいるのって!」
突然声が聞こえ向いてみるとそこには
「「「「「「疾風!?」」」」」」
「よっ。また会ったな」
建物の屋根の上からこちらを見下ろす疾風の姿があった
「なんであなたがここに?」
「いやなに、ちょっと観光していたらいきなり結界が発生して妖魔どもが現れるもんだからさ、ちょいと掃除をな」
春花の質問に対し自分は観光していた途中で妖魔と遭遇したのでその排除を行っていたと語る
疾風。これまで何度も姿を見せてはいるが一向に謎多き人物である
ここで出会ったことをチャンスと捉えた光牙は疾風に尋ねることにした
「ちょうどいい、貴様には聞きたいことがあったからな手間が省けた」
「ん?俺様になんか聞きたいのか?」
光牙がいきなり自分に聞きたいことがあると言い出し疾風はキョトンとなった
「お前は一体何者なんだ?お前は妖魔衆からかぐらを守り、、かぐら捕獲の忍務を受けていた半蔵のやつらにも牙を向けようとしていた…貴様はなぜそこまでかぐらにこだわる?」
「…それを聞いてどうしようってんだ?」
「っ、質問を質問で返すな」シャキン
「光牙さん!?」
疾風に質問するが質問を返され、カチンときた光牙はならば力づくと言わんばかりに弓を構えた
「おやおや~?俺とやろうってのかい?そっちがそうしてぇってんなら構わねぇけどよ。やるからには覚悟はしとけよ?」チャキン
それを見た疾風も応戦すべく武器を手にする
緊迫した状況が周囲を包み込んだ
「こ、光牙さん落ち着いてください!」
「そうだよむやみに争うのは良くないって!」
「…わかった」
詠と未来の説得で光牙は武器をしまった
「でも確かに気になっていたのよね。なぜあなたが彼女を守ろうとするのか、よければ教えてくれないかしら?」
「ふぅん。美女に言い寄られると悪い気はしねぇがな。だが生憎とそいつは言えねぇんだ。悪いな」
春花が少し誘惑気味に問いかけるもそれでもガードは硬いようである
「どうしてなんですか?」
「そうだな。あえていうなら…ダチとの約束のためかな?」
「ダチだと?」
「そう、ダチだ」
疾風の言っている意味がよくわからないと言った顔を浮かべる光牙たち
その時だった
「「っ!」」ピクッ
突然、2人が何かを感じた
「(この気は…まさか?)」
「(…ふふっ)」ニヤリ
向こう側、かぐらたちがいる方から感じられるこの強い気に光牙と疾風は反応した
「(やはり生きていたか、佐介)」
半蔵学院の現状を知る由もなかった光牙は友の帰還を内心喜んでいた
「…わりぃがちょっと野暮用が出来たみたいだ。てなわけで俺様はそろそろ失礼させてもらうぜ」
「なんだと?」
「じゃあなまた会おうぜ」
「あっ、待てまだ話は!」
ビュウウゥゥゥゥゥゥ!!!
呼び止めも聞かず疾風は風を操り、その場から消え去ってしまったのだった
「っち」
せっかく手がかりが掴めそうだったのにと光牙は悔しさを噛み締めるのだった