閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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京都編 二十一章 蓮の目覚め 

飛鳥たちや妖魔衆の追跡から逃亡しているかぐら一行、そんな中、奈楽が蓮に対するイライラを募らせ

 

 

そのきっかけになった出来事を思い出していた

 

 

佐介が蓮と名乗るようになってしまったその出来事についてを…

 

 

 

 

 

 

 

手ごろな洞窟を見つけ、そこで連れてきた瀕死の佐介を奈楽が手当てをした

 

 

佐介を手当てする中でいくつかの疑問点が浮上したものの、彼を助けてほしいというかぐらの願いを優先することにした

 

 

そうしてしばらくして無事にできうる手当てが完了し、かぐらと奈楽は一息ついたところだった

 

 

 

「う~ん…う~ん…?」

 

 

「かぐらさま、お気持ちはわからくはありませんが、そうあまり根をつめていては持ちませんよ?」

 

 

「わかってる…だけど、心配なんだもん」

 

 

奈落の気遣いを受けつつも未だ意識が戻らないことを心配してなのかかぐらがそばに寄り添う

 

 

「…かぐらさま、尋ねてよろしいでしょうか?」

 

 

「なに奈落ちゃん?」

 

 

「先ほどもお聞きしましたがなぜその男を助けると申されたのですか?やはり自分にはわかりかねます?」

 

 

確かに助けてもらったことに感謝するというのは人としては当然ではある

 

 

しかし、彼は自分たちにとって敵側の人間であり、助けてもいいことなどないと今も奈楽は思う

 

 

そんな自分のその提案を蹴って、必死に懇願するほどに助けるようと要求するあの時の姿が脳裏をよぎった

 

 

かぐらの様子を見る限り、明らかにただの恩義によって頼んだわけではないと思うほどの彼女の必死さに奈落は疑問を抱かずにはいられなかった

 

 

「……あの時」

 

 

「っ?」

 

 

「よくわかんないんだけど、さっきもそうだったけど、なんかこの人と初めて出会った時から不思議な気持ちになったの?」

 

 

「不思議な気持ち?」

 

 

口を開いたかぐらの言ったその言葉に奈楽は困惑する

 

 

「うん。うまく説明できないけど…私はこの人をずっと前から知ってる気がするの?」

 

 

「っ?」

 

 

かぐらのその言葉を聞いた奈落は驚く

 

 

彼女と佐介はここ京都で初めてあったはず、それなのにかぐらは佐介のことを知ってるかも知れないというのだ

 

 

いったいどういうことなのかわからない状況だった

 

 

すると、そんな時だった

 

 

「うっ…うぅ…?」

 

 

「あっ!な、奈落ちゃん!」

 

 

程なくして意識を失っていた佐介がうんうんと唸りだした

 

 

そしてすぐ後、佐介がまぶたを開き、目を覚ました

 

 

「奈落ちゃん!やったよ!目が覚めたよ!」

 

 

「はい、そうですね…」キリッ

 

 

目が覚めたことに喜ぶかぐらとは対照的に奈落は警戒心を強めた。いつ襲いかかるかもしれない彼から命に変えてもかぐらを守らなくてはと内心そう思っていた

 

 

「…ここは?」キョロキョロ

 

 

「よかったよ。気がついてくれて?」

 

 

「っ?」

 

 

回りを見わたす佐介にかぐらが心配した様子で声をかけてきた

 

 

「大丈夫?」

 

 

「…っ!?」アセアセ

 

 

尋ねられた佐介はなにやら面を食らったかのような顔で自分の状況がどうなっているのかを確認する

 

 

「どうしたの?まだどこか悪いの?」

 

 

「…さま?」

 

 

「えっ?」

 

 

「かぐら…"さま"?」

 

 

一瞬、時が止まったかのような状況になる

 

 

当然だ。目を覚ましたと思いきやいきなりかぐらをさま付けで呼んでくるのだ

 

 

驚かないほうが可笑しいくらいだ

 

 

「かぐらさま、間違いない、かぐらさまではありませんか!」

 

 

「えっ?…えっ?」

 

 

急なことでかぐらは動揺する

 

 

「おい、貴様何をふざけている!かぐらさまに近寄るな!」

 

 

この状況を危惧した奈楽がすかさず割って入る

 

 

「君は…誰だ?」

 

 

「頭のおかしな奴に名乗るななどない!」

 

 

一触即発になりそうな空気が流れだす

 

 

「この子はね奈楽ちゃんっていうんだよ」

 

 

「かぐらさま!?」

 

 

「まぁまぁ、奈楽ちゃん落ち着いて。奈楽ちゃんはね私のことを守ってくれる"守り人"って人なんだ」

 

 

「守り人!?」

 

 

かぐらから奈楽が守り人だと聞いた瞬間、目を疑うように彼女を見る

 

 

「なんだその目は?」

 

 

「…どういうことだ?守り人、その役目は私に与えられた役職のはず?それをどうして君が?」

 

 

「だから、さっきから何をふざけたことを言っている?自分が守り人であることがそんなに不満か?…自分は代々より受け継がれてきたこの重役を仙台から任された政党な後継人だ。数百年に及ぶかぐらさまの目覚めの時を見守り、目覚めたこの方をお守りすることが私の役割だ」

 

 

信じられないような顔を浮かべる彼に奈楽が真っ向から異議申し立てをし、自分の生い立ちを告げる

 

 

「数百年?…数百年とはどういうことだ?今は平安の世のはず?」

 

 

「…ここまでとは?今は平安ではない、今は平成だ」

 

 

「なにっ?」

 

 

理解できないことを語る彼に頭を抱えながら奈楽が今の年号を伝える

 

 

「平成?」

 

 

「そうだ…ほら、これが証拠だ」

 

 

奈楽はスマフォの画面を見せると確かに今の年号である平成と西暦が書かれていた

 

 

「…な、なん…だと?」

 

 

未だに信じられないような顔を浮かべ、驚愕していた

 

 

「これでわかったか?わかったら「待って」っ?」

 

 

スマフォをしまおうとした奈楽にいきなり声をかける

 

 

「…こ、これは…なんだ?」

 

 

「っ?」

 

 

驚いた様子を見せる様子を見てどうしたのかと思った奈楽がスマフォを見ると画面が消えて黒くなっていただけで他に何も変わった様子はなさそうであった

 

 

しかし彼のほうは相当に驚いているようだ

 

 

「今、今鏡のようになったその小箱に映っていたのは"誰の顔だ"?」

 

 

「っ?」

 

 

どうやら自分の顔を見て驚いているようであることがうかがえる

 

 

不審に思った奈楽がカメラモードを起動して再び彼に近づける

 

 

「な…なんだこれは?」アセアセ

 

 

さっきよりも繊細に見えるようになり、画面を見て慌てて自分の顔をあっちこっち触る

 

 

「…これは…誰だ?」

 

 

「何をふざけたことを?お前だろうに?」

 

 

「これが…私?」

 

 

まるで自分の顔ではないというかのような驚きっぷりを見せる

 

 

もはや何が何だかわからないといった顔を浮かべはじめる

 

 

ここまでの口ぶりと動揺っぷりから奈楽は記憶が欠落しているのではないかと思いたった

 

 

「貴様は半蔵学院の忍学生で他の奴らとともにいた佐介とかいう忍、それがお前だ」

 

 

「佐介?…半蔵学院…っ?」

 

 

自分の名と学校名を聞かされてキョトンとなる

 

 

「…なるほど、おかげで、ある程度の理解できた」

 

 

「それはどういうことだ?」

 

 

「どうやらここは私がいた時代よりもはるか先の時代なのだな?」

 

 

いきなり理解できたといったり自分のいた時代ではないと語ってくるので奈楽は困惑する

 

 

「いきなり何を言っているんだ?」

 

 

「言葉通りさ、私は君の言っていたその佐介とやらではない」

 

 

「はぁ?…突然なにを?自分のことを否定するのか?」

 

 

「言いや違う…私の名は"蓮"。君に言って聞かせるとするならその数百年前の時代にかぐらさまをお守りしていた守り人だ」

 

 

「「っ!?」」

 

 

2人は告げられた衝撃的な発言に驚愕した

 

 

これが佐介もとい蓮の目覚めの瞬間だったのであった

 

 

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