閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十七章 人形にも心はあるんです

あるところに、忍として名門の一つである一族がいた

 

その一族の特徴は代々選ばれしものが開眼すると言われる「華眼」だった

 

華眼には特別な力があり、一族は長きに割らりこの力を使い成果を上げていった

 

そんな一族の中に一人の女の子がいた

 

女の子は末っ子であり彼女の上にはたくさんの姉や兄がいた

 

姉や兄たち、もちろん両親も彼女をたいそう可愛がっていた

 

しかしその幸せな家族をある不運が襲った

 

それは、姉や兄たち全員が華眼を開眼することができなかったことである

 

姉や兄たちがあれだけ頑張ったと言うにも関わらず

 

そしてそれから数日し少女に異変が起き、知らされた事実

 

なんと彼女が華眼を開眼したのである

 

家族は総出で喜んで少女を称えた

 

しかし少女にとっては喜ばしいことではなかった

 

なぜあんなに努力した姉や兄たちではなく劣っている自分が開眼してしまったのかと

 

だからこそ、少女は決めた姉や兄、両親たちの期待を裏切らないためにも頑張ると

 

そう、誓いを立てたのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えへへ~いっぱい買っちゃった~♪後で柳生ちゃんと佐介くんを誘おうっと♪」

 

雲雀は1人お菓子を買って満足げに帰りの道を歩いている途中だった

 

そんな中

 

ポチャン

 

「うん?」

 

雲雀の鼻先に水滴が落ちてきた

 

空を見上げると先程まで晴れていたのにポツポツと雨が降り始めた

 

「うえぇぇぇん濡れちゃうよ~」

 

このままびしょびしょで帰ったら佐介に怒られちゃうと急いで寮に向かう

 

佐介は洗濯などもしてくれている(下着などは顔を赤らめながら)

 

なのであまり派手に汚すとおしかりを受けるのだ

 

ちなみにおしかりは「めっ!」と怒るらしい

 

そんなこんなで帰り道を走る雲雀だったが、ふと、あるものを見つける

 

それはごみ捨て場に捨てられた外国産のような金色の髪に蒼い瞳の人形だった

 

雲雀は少し佇むとそれを手に取る

 

パーツが壊れて腕が取れており、衣服もポロポロで綺麗な顔は埃をかぶっていた

 

「可愛そう、お人形さん捨てられちゃったんだね……」

 

雲雀は人形の瞳を眺めるとなんだか寂しそうにしていそうな気がした

 

そう思うと雲雀は人形を持って帰ることにした

 

人形とお菓子を手に帰り道をかけていくのだった

 

 

 

 

 

「ひばりちゃん。めっ!ですよ」

 

「はい…ごめんなさい」

 

寮に戻った雲雀を待っていたのはプンプン顔で仁王立ちしていた佐介と

 

その佐介からのお説教だった

 

しかし今回は理由を話したことですぐに許してもらえた

 

さらに佐介が人形の手首パーツを補強したり、服を綺麗に縫い合わせたり、人形を綺麗にしてあげた

 

「はい。治ったよ」

 

「わ~ありがとう佐介くん」

 

「ううん。いいんですよ…それにしても腕の壊れかたといいよっぽどひどい扱いをされてたみたいだね」

 

「わかるの?佐介くん」

 

佐介が人形の状態を分析していることに雲雀が問う

 

「ある程度、推察ならね…」

 

「ひどいよ…お人形さんが可愛そうだよ」

 

「そうだね。大事にしてあげないとね」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

雲雀は部屋に戻ると人形を机に起き、目を見て話しかける

 

「お人形さん。もう大丈夫だからね。ひばりがずっと一緒にいてあげるからね」

 

優しく人形に言い聞かせると時間も時間なので雲雀は人形を隣に寝かせ一緒に寝るのだった

 

しかしこの時、寝ている雲雀は気づかなかった

 

人形から怪しげな光が湧き出していることに

 

 

 

 

 

 

朝になり雲雀が目を覚ました

 

「ふぁ~……よく寝た」クシクシ

 

眠そうな目をこすると

 

「お人形さんおはよう…ってあれ!?」

 

人形に挨拶をする。しかし昨日確かに横に寝かせていた人形の姿がそこになかった

 

「お人形さん!…お人形さんどこ!?」

 

雲雀があたりをキョロキョロ探していると

 

「こっちだよ」

 

「えっ?」

 

知らない声が聞こえ向いた先にはなんとあの人形が自らの足で立ち、話しかけている姿だった

 

「おっ、お人形さん?」

 

「そうだよ。昨日あなたに拾われたお人形さんだよ」

 

「すごいお人形さんが喋ってる!」

 

「えへへ、ありがとうね。ひばりのおかげで私は救われたわ」

 

お人形が感謝を述べる

 

「いいんだよ。お人形さんが寂しそうにしてるのがほっとけなかったんだもん」

 

「ひばりは優しいね。これからは私たち友達だよ」

 

「うん。お友達だよお人形さん♪」

 

 

そして雲雀と人形は楽しく遊んでいたが、学校の時間が近づいていた

 

 

「あっ、もうこんな時間、学校に行かないと」

 

「…行っちゃうの?」

 

「大丈夫だよ。お人形さん学校が終わったらまた遊ぼう」

 

「約束よ!約束を破ったらダメだからね!」

 

雲雀と人形は指切りをして約束を交わした

 

さらにもう一つとして雲雀以外の人とは関わりたくないとのことで他の人に自分のことを教えないようにとも言われたのだった

 

 

 

 

 

 

「今日の授業はここまでとする」

 

「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」

 

霧夜に礼をし、今日の授業が終わった

 

「ひばり」

 

「あっ、柳生ちゃん」

 

「前に話してお前が楽しみにしてたケーキショップがオープンしたんだが行かないか?」

 

「えっ?本当!?」

 

以前、有名なケーキショップのチェーン店が近くにできると聞いて雲雀は楽しみにしていた

 

だが、喜んでいるのも束の間、人形との約束を思い出した雲雀は行きたいという気持ちを押し殺すように首を横にふると

 

「せっ、せっかくだけどひばりちょっと用事があるから先に帰るねそれじゃ!!」

 

「おっ、おいひばり!?」

 

柳生の声も耳に入れずに雲雀は1人急いで帰っていった

 

「どうしたんでしょうね、ひばりちゃん。いつもならケーキってきけば喜んでついてくるはずなのに」

 

柳生の横に佐介が来た

 

「何かあったのか?」

 

不安そうな顔をする柳生だった

 

 

 

 

「おかえりなさいひばり」

 

「お人形さんごめんね。待たせちゃって」

 

「さぁ遊びましょ!」

 

「うん!」

 

 

 

 

こうして雲雀と人形との生活が続いてくがそれによりあまりみんなと触れ合わない雲雀の行動にみんなが疑問を抱き始める

 

尚、以前から佐介は雲雀によく人形のための洋服を作ってくれるよう頼まれていた。昨日もそうだった

 

「佐介くんお願いお人形さんの洋服を作って欲しいの」

 

「はい、いいですよ」

 

「ありがとうね佐介くん」

 

そう言って佐介は洋服を作り始める

 

もくもくと、それでいて丁寧に洋服を作っていく

 

「やっぱりひばり。佐介くんのこと大好き」

 

「えっ?なっななななな、何を言うんですかひばりちゃん!?」

 

佐介は雲雀から大好きと言われたことに慌てる

 

「掃除も御料理もお裁縫もできるし、お勉強も教えてくれる。それにひばりとちゃんと向き合ってくれるから」

 

「…だって、ひばりちゃんも僕にとっては家族のような存在だから…みんなのために頑張ろうってそう思うんだ」

 

「っ…」

 

そう言う佐介の思いが自分と似ているということを思わさせるとひばりは感じた

 

「じゃあひばりも佐介くんを見習おうっと」

 

「こんな僕でも見習ってくれるならありがたい限りです。はいどうぞ」

 

「ありがとう佐介くん」

 

というようなやり取りのもと洋服を作ってあげたのを思い出した

 

 

 

 

 

「ここ最近ひばりちゃん用事といいながらすぐに寮に戻ってるよね?」

 

「はい、そんな感じです」

 

「それになんかだれかと会話したり遊んでるような声がするんだよな~?」

 

「でも理由を聞いても教えてくれないんです」

 

どうしてそんなことになってるのかと不思議に思い同時に雲雀を心配するみんな

 

「俺、ちょっと行ってくる!」

 

「あっ柳生ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

雲雀の後を追って寮にもどるとさっそく雲雀の部屋に行く

 

 

「ひばり、俺だ居るか?」

 

戸を叩いても返事がない

 

「まだ帰ってないのか?」

 

そう思いドアノブに手をかけるとドアが開いていた

 

「ひばり?」

 

柳生が部屋に入るとやはり雲雀の姿はない

 

「どこかに出かけたのか?…うん?」

 

ふと、柳生の目に入ったのはあの人形だった

 

「こいつはたしかひばりが拾ってきたっていう人形だったな?…良く出来てるな」

 

柳生が人形を手に取り眺めていると人形の目が怪しく光りだした

 

「うっ…なっ、なんだ…!?」

 

すると突然、息苦しさを感じ悶える

 

「ただいま~…って柳生ちゃん!?」

 

雲雀がお菓子の袋を手に帰ってくると柳生が苦しそうにしている場面に出くわした

 

「大丈夫柳生ちゃん!?」

 

慌てて雲雀が駆け寄るとだんだんとそれは収まっていき、柳生がゆっくりと息を整える

 

「だっ、大丈夫だ…」

 

雲雀に支えられ柳生は立ち上がると人形を見る

 

おそらくあれは人形の仕業に違いないと柳生は確信した

 

「ひばり、悪いことは言わない。この人形は捨てたほうがいい」

 

「えっ!?柳生ちゃんいきなり何を言うの!?」

 

「この人形は普通じゃない。このままだと大変なことになるかもしれないぞ」

 

雲雀の身を案じる柳生の助言だが雲雀はそれを認めなかった

 

「違うよ柳生ちゃん。お人形さんがそんなことするわけないよ!」

 

「だが現に俺がこいつを見つめたら妙な息苦しさを感じたんだ」

 

「それはきっと柳生ちゃんが疲れてるだけだよ!お人形さんがそんなことにするわけないもん!!」

 

「おっ、おいひばり!?」

 

柳生を無理やり追い出すとドアを閉じ鍵を閉めてしまった

 

『ひばり!開けてくれひばり!!』

 

雲雀は柳生の呼び声にも耳を傾けてはくれなかった

 

「そんなことないもん…絶対にないもん!」

 

人形がそんなことをしてないと信じるひばり

 

そしてそんな彼女を見つめる人形の眼差しは怪しく光っていた

 

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