閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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京都編 第三十三章 妖魔衆討伐劇パート3 

斑鳩と詠、葛城と日影が妖魔衆と戦っているのと同じ頃、別の場所にて柳生と未来も妖魔衆と交戦していた

 

 

 

 

【「ドゥルルルルルル!!」】

 

 

柳生と未来の眼帯コンビの前に立ちはだかるは日影を思わせる振る舞いに小刀を手にしている妖魔衆が1体、第六座

 

 

「妖魔衆だ。行けるか未来?」

 

 

「当然、あんたこそ大丈夫なの?」

 

 

「無論だ。オレはこんなところで躓いてられないんでな」

 

 

「ふふっ、あんたらしいわね…じゃあそろそろ始めようじゃない!」

 

 

勢いを乗せた声を上げながら未来が銃口を六座に向ける

 

 

「くらえ!!」

 

 

未来が六座に向かって弾丸を放つ

 

 

【「ドゥゥ!?」】

 

 

弾幕の勢いに押され六座が動きを鈍らせる

 

 

「いいぞ未来!」

 

 

「ふふん、あたしだって成長してるんだから、うかうかしてると追い抜いちゃうかもよ!」

 

 

「強気なものいいだな…だが、だからこそ頼もしい!」バッ!

 

 

未来が足止めをしている間に柳生が六座との距離を詰めていく

 

 

「はあっ!ふっ!はっ!せいっ!!」

 

 

【「ドゥルゥ!?」】

 

 

そして間合いに入るやすかさず仕込み傘による接近戦を仕掛ける

 

 

【「ドゥルル!!」】

 

 

「っち!?」

 

 

だが、六座もやられてばかりではない、日影ばりの身のこなしを駆使して柳生に反撃を仕掛けてきた

 

 

「柳生!」

 

 

援護しようと未来が銃口をむける

 

 

【「ドゥ…ドゥルッ!!」】シュンシュン!

 

 

「きゃっ!?」

 

 

だが、それを見た六座が投げつけた苦無によって狙撃は阻止され未来も負傷した

 

 

「未来!?」

 

 

【「ドゥルル!」】ブォン

 

 

 

ガキィィン!

 

 

 

「っちぃ!?」

 

 

他人の心配してる暇などない、そう言うかのように六座が再び柳生に攻撃を仕掛ける

 

 

支援を封じたことにより一気に形成が逆転、六座の容赦のない猛攻は柳生に反撃の隙すら与えてはくれない

 

 

「くそっ!たあっ!」

 

 

それでもなんとかこの状況を巻き返そうと反撃の一手を放つ

 

 

【「ッ!!」】バッ!

 

 

「なにっ!?」

 

 

だが、六座は軽い身のこなしを活かし柳生の攻撃をかわす。柳生は攻撃を仕掛けた反動で反応が追いつかない

 

 

【「ドゥル!!」】

 

 

ズシュ!

 

 

「ぐうっ!?」

 

 

六座の小刀が柳生に突き刺さり、刺された箇所からは血が噴き出す

 

 

【「ドゥルル!!」】

 

 

「っ!?」

 

 

それでもおかまいなしにと六座の追撃が柳生を襲う

 

 

「っ、ぬぇぇい!!」

 

 

渾身の力で傘を振るい、六座がひるんだ隙にようやく距離を取ることに成功した

 

 

「はぁ…はぁ…ぐぅっ!」ズキズキ

 

 

刺された箇所を抑えながら柳生は六座を睨み据える

 

 

「(……やはり、強い)」

 

 

今までの敵とは明らかに違う、強さも速さも…そして不気味さも

 

 

全てが今までにであった敵とどこか常軌を逸していた

 

 

そんなことを感がているのも束の間、六座の目が怪しく光らせるとともに再び仕掛けてきた

 

 

「っちぃ!」

 

 

迫り来る六座を迎え撃とうと柳生が構えた

 

 

 

 

 

 

 

その刹那

 

 

 

 

 

 

 

「伏せて柳生!!」

 

 

「っ!?……っ!」バッ!

 

 

 

バキュンバキュン!ドバァァァァァァァン!

 

 

 

【「ッ!?」】

 

 

突如柳生の背後から放たれた高火力の弾丸が六座に着弾した

 

 

予想だにしない攻撃を、しかもモロに受けてしまった六座は地面を大きく転がりながら吹き飛ばされた

 

 

それを見ていた柳生が後ろを振り返るとそこにはスカートから出現させたワルキューレで六座を狙撃したと思われる未来がいた

 

 

「危ないとこだったわね柳生」

 

 

「……ふっ、ヒヤヒヤさせてくれるな」

 

 

「あんたなら避けると信じたからこそよ」

 

 

嫌味っぽい言葉をかけつつもその実はお互いが信頼し合ってればこその掛け合いだった

 

 

【「ドゥ…ドゥゥゥ…」】グヌヌ

 

 

一方六座は予想を超えるダメージにより立ち上がるのも一苦労という状態だった

 

 

「今がチャンスだ。行くぞ、足を引っ張るなよ!」

 

 

「なっ!それはこっちの台詞よ!」

 

 

動きが鈍っている隙に柳生と未来が一気に畳み掛ける

 

 

 

シャリリリリリリ!

 

 

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

ビュォォォォォォ!!

 

 

 

刃を展開させた傘を大回転させ六座の身体を削っていく

 

 

「決めろ未来!!」

 

 

そしてその勢いにのせ六座を飛び上がった未来の方へと飛ばす

 

 

「言われなくても!…喰らえぇぇぇ!!!」

 

 

 

バババババババ!!

 

 

 

飛び上がった六座を待ち構えていた未来が展開させたガトリング砲を一斉に放ち滅多撃ちにする

 

 

【「ドゥ…ドゥアアァァァァア!?!?」】

 

 

 

ボバアアァァァァァァァァァァン!!

 

 

 

2人の合体秘伝忍法によって六座は断末魔とともにその身を散らした

 

 

こうして六座との勝敗は柳生、未来に軍配が上がった

 

 

「終わったわね」

 

 

「あぁ……」

 

 

会話を挟みながら柳生が六座の消滅とともに出現した赤球を拾う

 

 

「未来、頼む」

 

 

「了解」

 

 

 

バキュン!パリィィィン!

 

 

 

未来の放った弾丸によって赤球が粉々に砕け散った

 

 

「これでこっちの方は片付いたわね…みんなはどうしてるかしら?」

 

 

戦いを終えると未来は別の場所で今も戦っているであろう仲間たちのことを考えていた

 

 

「きっと大丈夫だ。あいつらが負けるはずがない。今オレたちがすべきことは1つでも多く赤球を壊しかぐらの覚醒を阻止すること。…そして佐介を取り戻すことだ」

 

 

やり遂げるという意思を表すかのように手を握り締める

 

 

「…やっぱりあんたも佐介を助けたい気持ちは同じなんだね」

 

 

「当然だ。あいつには大きな借りがある…あいつはオレを、毛嫌いし、さらには居なくなればいいと思ってさえいた。だが、そんな酷いこんなオレにもあいつはひばりやみんなと変わらない態度で接してくれた。笑顔を見せてくれた。ひばりを助けようと敵の罠にはまり窮地に追い込まれていたオレを身を呈してまで守ろうとしてくれた……あの姿を目の当たりにしてからというものいつしかあいつという存在はオレにとってひばりと同じものになった。だからこそオレはあいつの笑顔を守っていくと決めたんだ。それがオレができる唯一の恩返しなんだ」

 

 

未来はかつてひばりを守ろうとしていた時と同じ顔をしている彼女の姿を見てくすりと笑みをこぼす

 

 

「じゃあとっとと助けてあげなくちゃね…じゃないと佐介、かぐらに取られちゃうかもよ~?」

 

 

「そんなことはさせない、あいつはオレとひばりのものだからな」

 

 

「…そこは半蔵学院のみんなでじゃないの?」

 

 

「確かにあいつらは仲間だ。だがだからといってそれとこれとは話しが別だ」

 

 

そう言い放つ柳生を見て未来はますますくすりと笑みをこぼす

 

 

「なんだ、何かおかしい?」

 

 

「別に、あんたって意外と独占欲強いんだな~ってさ♪」

 

 

「な、なんだその言い草は?オレをからかっているのか!」

 

 

「アハハハ、無気になってる。おっかし~♪」キシシ

 

 

「み~ら~い~!!」

 

 

自分を面白そうに誂う未来を必死に追いかける柳生だった

 

 

 


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