閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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京都編 戸惑いの心と超・忍結界 

忍学生たちが京都にて暴れだした妖魔衆、さらにそれらが引き連れた妖魔たちを倒すべく戦場にと向かった

 

 

半蔵学院陣営と共闘状態の紅蓮竜隊は到着早々に現れた妖魔衆たちの襲撃にあうもこれを撃破して京都の街を守っていた

 

 

一方、両陣営が戦っている最中、半蔵は一人この事件を引き起こした元締めである道元と交戦していた

 

 

あと一歩までのところまで道元を追い詰めたものの、密かに忍ばせていた妖魔衆によって拘束され、そして道元の手により…

 

 

様々な事態が起こる京都内、まだまだ戦いが続いているのだった

 

 

 

 

 

 

 

京都の街のあちらこちらで忍たちと妖魔衆たちが戦っている頃のこと

 

 

「かぐら様、度重なる失態申し訳ございません」

 

 

「謝る必要はありませんよ奈楽、過ぎてしまったことは仕方ないことですし」

 

 

「…すみません」

 

 

人気のない静かな場所でかぐら陣営にて奈楽がこの騒ぎの中、彼女の覚醒に必要なアイテムである赤球がことごとく先を越した忍達によって破壊され、結果としてもう少しというところまで迫ってきているかぐらの覚醒が滞ってしまっていた

 

 

奈楽は自身のふがいなさを恥じ、かぐらに首を垂れ

 

 

それに対してかぐらは気にする必要はないというも念にとらわれているのか沈み気味な奈楽にどうしたものかと頭を抱えていた

 

 

「蓮、あなたからも何か言ってあげて…蓮?」

 

 

困ったかぐらが助け舟を求め蓮に声をかける

 

 

しかし蓮からの回答の返事がないのでどうしたのかと彼のほうを向く

 

 

そして肝心な彼はというと俯いた様子で棒立ちしていた

 

 

「(…不愉快だ。何と不愉快なんだ)」モヤモヤ

 

 

未だ時折自分の身に起こる現象についてのことを考えていたのだ

 

 

「(なぜだ?なぜ私の邪魔をするんだ!)」イラッ

 

 

飛鳥との戦いの最中、先日の奈楽との一件といい、蓮は自分の中で眠っているべきはずの佐介(魂)の妨害のことを考えると次第にこの上ないほど腹が立ってきていた

 

 

「(余計なことをするな!もう出てくるんじゃない!この体は今や私のものとなったんだ!私はかぐら様を守るためにこの身をささげなければならないのだから!)」

 

 

そうでなければあの忌まわしき過去の惨劇、後悔、悲しみを味わうことになってしまうからだ

 

 

通じていなかったとしても自分の想いを吐かずにはいられなかった

 

 

こうでもしなければ気が狂いそうな気がしてならないからだ

 

 

「n…ん…蓮!」クワッ!

 

 

「っ!?」

 

 

刹那、自分の名を呼ぶ声にハッと我に返った蓮はこちらを見て少々起こった様子を見せているかぐらを見た

 

 

「か、かぐらさまどうなさったのですか?」

 

 

「どうかしたかではないわ。さっきから呼んでいるのに全然答えてくれないんですもの。無視するなんてひどいわ」プンスカ

 

 

「あっ、も、申し訳ありません。考え事をしておりまして気が付かなかったです」

 

 

「もう、次は本気で起こるからね」

 

 

かぐらからおしかりを受け、蓮はシュンとなってしまう

 

 

「…」

 

 

一方でかぐらに叱られてる蓮を見ていた奈楽はあの時のことを思い返していた

 

 

「(昨日のあれはいったい何なんだ?)」

 

 

『「命を…粗末にしないで…」』

 

 

「(あの時の蓮は蓮ではない、あいつがあんな事を言うわけがない)」

 

 

この数日で蓮という人間をある程度理解したつもりだからこそ奈楽はそう思った

 

 

蓮は自分と同じだ。かぐらを守るためなら手段を択ばないような人であると

 

 

だがあの時の彼は彼ではなかった

 

 

自分のことを心から心配してくれているような優しげな声

 

 

そう、まさにこの街で最初に会った時のようだった

 

 

「(いったいどういうことなんだ?どっちが本当のあいつなんだ?)」

 

 

あの時の囁かれたあの言葉を聞いてからというもの奈楽は彼の存在がわからないといった様子だった

 

 

「奈楽、奈楽」

 

 

「っ、な、なんでしょうかかぐら様?」

 

 

考え事をしてる矢先に声をかけられて奈楽はハッと我に返るとともに返事をする

 

 

「先ほど近くに妖魔の気配を感じました。もしかしたら赤球を手にできるかもしれないわ」

 

 

「本当ですかかぐら様?」

 

 

「こうしてはいられない、すぐに向かいましょう。一刻も早く次の赤球を手にするためにも」

 

 

「は、はい。わかりました。参りましょう」

 

 

どこかもやもやが残る中、かぐら一行は次なる赤球を手に入れるべくその場を後にするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

次の赤球を探すべくかぐらたちは街を行きかう

 

 

「可笑しい、妖魔の姿がないように思える?」

 

 

「かぐら様、どうでしょうか?何か感じますか?」

 

 

「…いいえ、なにも感じないわ」

 

 

「ということはまさか?」

 

 

現場に到着するなり妖魔を探すも見当たらない

 

 

この状況をいち早く察した蓮が周囲を見る

 

 

「よう」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「こんなところで会うとは奇遇だな?」

 

 

三人が振り返る先には焔がいた

 

 

彼女の姿を見るなり警戒態勢を取る

 

 

「前ばかり気にしてる場合ではないぞ?」

 

 

「「「っ?」」」

 

 

「俺がいることも忘れないでほしいな」

 

 

今度は後ろから声がするので振り返るとそこには光牙が立っていた

 

 

「おっと、まだ驚くのは早いぜ…ここにいるのが私たちだけだと思うなよ…なぁ、"飛鳥"?」

 

 

「うん!」

 

 

焔の呼びかけに答えるかのように塀の上から飛鳥が現れた

 

 

「妖魔を退治していれば来るとは思っていた。思い通りに行ったようだ。探す手間が省けたな」

 

 

前門の虎後門の狼のような状況になってしまった

 

 

「っち、不覚を取ったか!」

 

 

「かぐら様、お任せください、絶対にお守りします!」

 

 

かぐらを守るために蓮が前に出る

 

 

「そうか、なら……守って見ろ!」

 

 

 

パシュン!

 

 

 

「っ、はぁっ!」気爪天凱発動

 

 

「っ!」

 

 

「てぇい!」

 

 

「ふん!」

 

 

 

カキィィン!

 

 

 

光牙の攻撃をかわすとともに接近すると同時に気爪天凱を展開し、攻撃を仕掛ける

 

 

そこから鍔迫り合いに発展した

 

 

「蓮!」

 

 

光牙と交戦する蓮をかぐらが心配そうに声を荒げた

 

 

「さて、こっちもおっぱじめようぜ!」

 

 

「かぐら様!」

 

 

「っ!?」

 

 

こちらもというかのように六爪を展開した焔が仕掛ける

 

 

かぐらを守り、迎え撃とうとする奈楽が行く手を阻む

 

 

「ぐぅ!」

 

 

「おらおらおらおら!!」

 

 

怒涛の攻撃が奈楽を襲う

 

 

「くそっ、かぐら様を守らなくては!」

 

 

その様子を見ていた蓮が加勢に入ろうとする

 

 

「そうはさせん!はっ!」

 

 

「なっ!?うわっ!?」

 

 

しかしそれを獅子するかのように光牙が粒子で構成したロープを展開しそれを巻き付け拘束する

 

 

「よし、捕らえた。これで逃げ場はない!」

 

 

「な、何を!?」

 

 

「飛鳥!」

 

 

「うん!」

 

 

蓮を拘束したと同時に光牙が飛鳥に合図を送る

 

 

そして飛鳥が2人の元に駆け付ける

 

 

「行くぞ!超・忍結界!!」

 

 

「なっ!?」

 

 

動きを封じている隙を突いて光牙が結界を展開し

 

 

2人は蓮を強制的に結界に閉じ込めることに成功した

 

 

「蓮!?」

 

 

「おっと!あいつらの邪魔はさせないぜ!」

 

 

慌てて向かおうとするかぐらの前に焔が立ちはだかる

 

 

「かぐら様、お下がりを!ここは自分が!」

 

 

「へっ、たぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

そうして焔と奈楽が再び死闘を開始し、現場は緊迫の状況が続くのだった

 

 

 

 

 


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