閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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負けたくない、負けられない思い 

忍結界を舞台に光牙と飛鳥対蓮の決戦が繰り広げられていた

 

 

飛鳥と光牙はそれぞれ覚醒転身した状態でこの戦いに臨み

 

 

光牙の指示の元、飛鳥は彼とともに連携攻撃で蓮との勝負を加速させていく

 

 

しかし、その連携に業を煮やした蓮が今のままでは分が悪いと判断し、奥の手を使うことを決める

 

 

そして蓮は隠し玉として温存をしていた技を満を持して発動させた

 

 

術が完成し、露になった姿に光牙と飛鳥は驚愕する

 

 

2人の前に現れた蓮の姿は佐介の切り札の姿である極限魂(オーバーソウル)に酷似していたのであった

 

 

 

 

 

 

 

蓮と対峙する飛鳥と光牙は信じられないものを見たかのように驚いていた

 

 

無理もない、今自分たちの目の前には極限魂(オーバーソウル)に酷似した姿の蓮がいるのだから

 

 

しかし蓮の変身したそれは佐介のといくつか相違点も確認できる

 

 

佐介の極限魂(オーバーソウル)はライガーを彷彿とさせる姿と模様が特徴的

 

 

だが、蓮の場合は似てこそいるが佐介のより尻尾が短くなっており、口には八重歯のようなものが見えている

 

 

さらに体格も先ほどよりも少々筋肉質にすらなっている様子も伺えた

 

 

「どうした?私が切り札を出したことに怖気ずいたのかな?」

 

 

自身の姿に驚いている2人に蓮は挑発めいた言葉を贈る

 

 

「くそっ、誤算だった。俺としたことが考えを怠っていた」

 

 

「仕方ないよ。だってこんなの…まるっきり想定外だもん…けど」アセアセ

 

 

「あぁ、わかってる…状況がすこぶる悪い方向に行ってしまったな」

 

 

先ほどまで優勢だったことに舞い上がっていた気持ちが今ので一気に落ちていった気分だった

 

 

それほどまでに覚醒転身した蓮が脅威なのだということを感じさせられる現状なのだ

 

 

「どうした?来ないのか?」

 

 

「「っ!」」

 

 

「そうか、そっちがその気なら…こちらから行く!」

 

 

しびれを切らした蓮が2人に向かっていく

 

 

「させるか!秘伝忍法【シューティング・フォトン・ブラスター】!」

 

 

光牙が矢を持つ手を離すと矢じりから無数の粒子の光弾が発生し、一直線に蓮目がけて点で行く

 

 

「小賢しい!」

 

 

地面に着弾する弾幕の中を蓮はかわせるものはかわし、避けられない光弾ははじき返すなどして弾幕の中を進んでいった

 

 

「くっ、なんて奴だ!?」

 

 

「はっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

「はぁっ!たあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

弾幕の中を掻い潜り、見事間合いに入った蓮がすかさず跳躍し、両手にエネルギーを集約させ、十分に溜まったところでこれを連続して投げつけていった

 

 

「飛鳥」

 

 

「えっ?」

 

 

「悪く思うな!ふん!」

 

 

「きゃっ!?」

 

 

刹那、光牙が飛鳥を蹴り飛ばす、その直後、光弾の標的が光牙と飛鳥から光牙だけに変わる

 

 

「ぐっ、ぬぅぅぅぅぅぅぅ!?!?」

 

 

「光牙さん!?」

 

 

蹴り飛ばすことで光弾からの攻撃から飛鳥を守り、代償に自身が集中砲火の真っ只中に置かれてしまった

 

 

「うっ…うう…」シュゥゥ~

 

 

「…光牙、さん」

 

 

集中砲火が止み、静まり返ったそこには相応のダメージを負った光牙が地に跪いていた

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……っ!?」

 

 

「っ!」シュン!

 

 

「なっ!?」

 

 

「遅い!はあっ!!」

 

 

 

バキィン!

 

 

 

「うわぁぁ!?」

 

 

「光牙さん!?」

 

 

ダメージを追って動けなくなっている隙を突いて蓮が勢いよく蹴りを繰り出す

 

 

「ぐぅぅぅぅぅ!?」ザザァァ!!

 

 

なんとか受け身を取り、体勢を立て直すことに成功する

 

 

「危ない、光牙さん逃げて!」

 

 

「っ!?」

 

 

刹那、飛鳥の声にハッとなり、視線を向けるとそこにはすでに間合いに入っている蓮が今にも拳を突き出そうと飛び掛かっていた

 

 

「はぁっ!」

 

 

「ちぃっ!?」

 

 

「ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「てぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!」

 

 

追い込もうとラッシュを繰り出す蓮の猛攻に応戦するように光牙も攻撃を繰り出す

 

 

「はっ!」

 

 

 

ドゴォォォォォン!!

 

 

 

蓮の繰り出した拳が地を割り、砕く

 

 

しかしながら光牙は寸でのところでこれを回避した

 

 

「っ、調子に乗るな!」

 

 

光牙は反撃せんと弓のスイッチを押し、両端の先端に粒子の刃を発生させる

 

 

「【フォトン・ブーメラン】!!」

 

 

そして今展開したその弓を勢いよく投げつける

 

 

投げられた弓は回転の勢いを乗せ、功を描くように蓮に向かって飛んでいった

 

 

「舐められたものだ…っ!!」

 

 

 

パシィン!ジャキン!

 

 

 

「あっ!」

 

 

それを蓮は気爪天凱を展開してはじき飛ばす

 

 

「こんなもので私がやれると思ったら……っ!」

 

 

 

シュン!

 

 

 

「思ったら、なんだ?」

 

 

「なっ!?」

 

 

蓮は光牙が背後を取ったことに驚いていた

 

 

「(馬鹿な、いつの間に私の背後を!?)」

 

 

この間、わずか5秒程しかたっていなかった

 

 

「クラウ…!」

 

 

「っ!?」

 

 

「ソラス!!」

 

 

ジャキィィィィィィン!!

 

 

 

「ぐぅぅぅぅぅ!?」ザザァァ!

 

 

聖剣の手刀による斬撃波が蓮を襲う

 

 

気爪天凱で防御こそしているが至近距離からの一撃ということもあり、凄まじい力が加わっていた

 

 

「ぐぅぅぅぅぅ、ふぅぅぅん!!」

 

 

 

バキュゥゥン!

 

 

 

「あっ!?」

 

 

「……ふぅ~」

 

 

「(そんな、光牙さんの一撃を至近距離で食らったのにはじき返すなんて)」アセアセ

 

 

飛鳥は蓮が至近距離からなる光牙の一撃を凌ぐとともにはじき返すという荒業を見せたことに驚愕していた

 

 

「(なんださっきの動きは?全能力を開放した私が間合いに入られるまでとらえきることができなかった?)」アセアセ

 

 

「(さすがに驚いているようだな?これはこのモードのスピードと抜き足の成す歩行術を組み合わせた合併技。例え能力を強化したからといってとらえるのは非常に困難だろう)」

 

 

素早さに忍学生の中でも光牙の速度はトップクラス

 

 

そこに抜き足を使うことで音なく相手に近づくことが可能だ

 

 

「(しかしここで仕留めきることができなかったのは痛いところだな)」

 

 

本来の算段ではこの一撃で取るつもりだったがこれを駆使しても蓮を倒すまでには至らなかった

 

 

「(これで奴もこちらの動きにさらに警戒を強める。故にこの奇襲戦法は使えない)」

 

 

不意打ち先方に特化したこの戦法が破られてしまった以上、警戒心を強めている今の蓮に再びこれを仕掛けるのは難しいと判断し、どうすべきかと次なる手を考える

 

 

「…っ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

「ちっ!…ふぅぅぅん!!」

 

 

しかしその隙に蓮が攻撃を仕掛けてきた

 

 

「先ほどのには驚いたよ!でも次はそうはいかない、またやられる前に早々に潰させてもらう!」

 

 

「~っ、あぁ…そうかよ!!」

 

 

光牙に次なる手の考える時間を与えまいと攻撃を繰りだす蓮に光牙は応戦を余儀なくされた

 

 

そんな中、2人の戦闘を見ていた飛鳥は考えを巡らせていた

 

 

 

 

「(私も戦うんだ!)」

 

 

意を決したように飛鳥は二本の小太刀を握り締める手を更に強く握りしめる

 

 

「……たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

飛鳥が蓮に向かって突っ走る

 

 

「っ?」

 

 

「飛鳥?」

 

 

「てぇぇぇぇぇぇぇぇい!」

 

 

間合いに入ると同時に蓮に向かって飛鳥が斬撃を繰り出すのだった


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