閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

212 / 604
激戦の戦場にて 

忍結界の中で光牙と飛鳥が蓮との戦いに身を投じていた

 

 

初めは優位に立ちまわっていた2人だったが最中に蓮が奥の手である能力強化系術を使用し

 

 

その姿を佐介の極限魂(オーバーソウル)と似たものに変化させる

 

 

これを受け、大勢は一気に崩れ、徐々に徐々に劣勢に追いやられ始めてしまった

 

 

最中、光牙は蓮と激しい戦いを繰り広げだし、次第に飛鳥は気後れしてしまっている状況に

 

 

蓮の猛攻を食い止めながらも光牙は戦いに臨む

 

 

だが、やはり少しずつ蓮に追い込まれてしまう

 

 

そんな彼らの戦いを目の当たりにしていた飛鳥はこの状況下で見ているしかいない自分を恥じ、戦う前に誓った自らの言葉と思いを再確認し

 

 

佐介を助ける。その自分の遺志を胸に再び手にする刃に思いを込め、今一度この戦いに身を投じるのだった

 

 

 

 

 

「たぁぁあああ!!!」

 

 

「(飛鳥!?)」

 

 

「っ!?」

 

 

真っ直ぐに蓮に向かって突き進む飛鳥が小太刀を手に切りかかる

 

 

「やあっ!」

 

 

「猪口才な!」

 

 

「てぇぇぇぇぇぇぇぇい!」

 

 

「ふうううぅぅぅぅん!!」

 

 

 

ガギゴオオオオォォォォン!!!

 

 

 

「ぬぅ…なんて衝撃波だ!?」

 

 

飛鳥と蓮の攻撃がぶつかり合い、凄まじいほどの衝撃があたりに広がる

 

 

「無駄だ!お前では私を押し込むことなど!…っ!?」

 

 

目いっぱい力を籠めて押し出そうとする飛鳥に蓮が諦めるよう促そうとしたがその瞬間声が詰まる

 

 

なぜなら押し返そうとしている自分の力で抑え込めないほどの力で飛鳥が押し出ているからだ

 

 

「な、なに!?」

 

 

「っ…はああああぁぁぁ!」

 

 

「ぐぅ!?」

 

 

声を荒げると同時に飛鳥の推す力がさらに強さを増していく

 

 

それによって蓮が徐々に押されだした

 

 

「(なんだこの力は?さっきまでとはまるで違う!?)」

 

 

「ぬぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

 

「(なぜだ!?なぜなんだ!?)」

 

 

突然の状況の変化に蓮は戸惑いが隠せなかった

 

 

「たあっ!!」

 

 

「ちぃっ!?」

 

 

だが、その様子を見ていた光牙は気づいていた

 

 

飛鳥の急激な成長の訳を

 

 

「(そうか今、お前は皆の想いも一緒に背負って戦っているんだな?)」

 

 

「たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「ぐぅぅぅぅぅ!?」

 

 

「(自分一人だけではなく皆の「佐介を取り戻したい」という思いがあいつに力を与えているんだ)」

 

 

戦いの中で迷いを捨て、そして尚且つ同じ思いを抱く仲間たちの想いや願いとともに飛鳥は戦っている

 

 

その彼女の想いがこの誰も予期せぬ信じられないような力を彼女に与えているのだと光牙は結論付ける

 

 

「図に!」

 

 

「っ!?」

 

 

「乗るなあぁぁあああ!!」

 

 

「っ、ふぅぅぅん!!」

 

 

 

ガギィィン!!

 

 

 

再び互いの攻撃がぶつかり合いを見せ、大きな衝撃を生む

 

 

「ふっ!はっ!ええええい!!」

 

 

「ぐぅぅぅ!?」

 

 

飛鳥の怒涛の連撃がさらに蓮に苦悶の表情を浮かべさせる

 

 

「このっ!ふっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

こままでは状況がこちらが不利と判断した蓮が距離を取る

 

 

「零刺ああぁぁぁ!!」

 

 

そしてすかさず飛鳥に向かって気爪天凱・零刺を放つ

 

 

「…っ!!」

 

 

しかし飛鳥はそれにひるむことなく、ただただ真っ直ぐに蓮に向かって突っ走っていく

 

 

「なにっ!?この気砲の中を何の迷いもなく!?」

 

 

攻撃の中をためらいもなく掻い潜っていく飛鳥の姿に蓮は驚愕する

 

 

そんな動揺から生まれた彼の隙を飛鳥は見逃さなかった

 

 

「はっ!」

 

 

「なっ!?」

 

 

間合いに入る寸前、足を曲げ、彼のいる宙目がけて勢いよくジャンプした

 

 

「【古式半蔵流乱れ斬り】!」

 

 

術を発動し、自身の持つ刀に力を籠め、飛鳥は刃を振るわんとする

 

 

「負けるものか!【気爪天凱・乱】!!」

 

 

これを見た蓮もまた術を発動させ、飛鳥を迎え撃つべく突進する

 

 

 

ガキィィン!

 

 

 

三度目のぶつかり合う音が音響き渡る

 

 

 

ガキキキキキキン!!!

 

 

 

さらにそこからものすごい奥州が繰り広げられていく

 

 

「はあああぁぁぁぁ!!」

 

 

「てやああぁぁぁぁ!!」

 

 

互いに一歩も譲らない止まらないラッシュが続いていく

 

 

「ぬっ、ぬぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

 

「たああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

だが、次第に飛鳥のほうが勢いを増していき、少しずつ蓮が押されていく

 

 

「っ、うおおおおぉぉぉ!!」

 

 

なんとか形勢を逆転させようとした蓮が気爪を突き出す

 

 

「っ~~~!!!」

 

 

刹那、飛鳥がそれを小太刀で受け止める

 

 

「~~っ、ふぅぅぅん!!」

 

 

「なにっ!?」

 

 

「たああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

ザシュン!

 

 

 

「ぐぅ!?」

 

 

そこから攻撃をいなすとともにじりじりと小太刀を滑らさせ、その勢いで蓮を切り裂く

 

 

「はあああぁぁぁぁ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

「はあぁぁぁ!!」

 

 

「うああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

ドスウウゥゥゥゥン!!

 

 

 

畳み掛けるように飛鳥が追撃の一撃を繰り出し、蓮は咄嗟に受け身を取るが防ぎきることができず、地面に向かって落下したのだった

 

 

「うっ、うぅぅ…ば、ばかな」

 

 

落下とともに出来上がったクレーターの上で横たわりながら蓮は自分がここまで追い込まれてしまっていることができずにいた

 

 

「今だ飛鳥!奴はさっきよりも消耗している!これならいけるはずだ!」

 

 

「うん!」

 

 

光牙から助言を受け、飛鳥はすぐさま行動に移す

 

 

「(今度こそ、今度子絶対に成功させる!)」

 

 

印を結ぶと同時に意識を集中させ、飛鳥は力を溜める

 

 

そして技の準備が整い、残すは放つのみとなった

 

 

「いっけえええ!!!!」

 

 

「っ!?」

 

 

勢いよく声を張り上げながら飛鳥が再び意心伝心を蓮に向かって放つ

 

 

放たれた意心伝心の波動が蓮目がけて一直線に飛んでいった

 

 

「馬鹿め、無駄だということがまだわからないのか!そんなもの消し飛ばしてくれるわ」

 

 

意心伝心の波動が向かってくる最中、蓮もまた構えを取り、力を高める

 

 

「っ、はあああぁぁぁぁ!!」

 

 

そして溜め切った力を意心伝心の波動が目前に迫る手前で放った

 

 

蓮から放たれた気砲もまた目の前の標的目がけてまっすぐに飛んでいった

 

 

 

 

ドバアアアァァァァァン!!

 

 

 

 

飛鳥の放った波動と蓮の放った気砲が接触と同時にぶつかり合う

 

 

 

メシッ…メシシシシシシ!

 

 

 

「っ!?」

 

 

それに伴うかのように結界内に亀裂が生じ始めていく

 

 

「(まずい、このままでは結界が持ちそうにない!?)」

 

 

ここまでの戦闘によって発生したダメージの蓄積によって結界の強度は徐々に限界を迎え始めようとしていた

 

 

「ふぅぅんっ!!」

 

 

何とか結界の継続を維持するべく光牙が結界の崩壊を防ごうと動き出した

 

 

「はあああぁぁぁぁ!!」

 

 

「ふぅぅぅぅん!!」

 

 

一方でそんな状況などつい知らない2人は互いの大技が激しくぶつかり合いを繰り広げるのだった

 

 

この勝負、決着の時は近い


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。