閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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霧夜からの伝言 

蓮との激闘の戦いを経て飛鳥と光牙は辛くも勝利を収め、結界内から帰還した

 

 

飛鳥達によって蓮が倒されたことを知り、怒りに身を任せ襲い掛かろうとするかぐらだったが

 

 

間一髪のところで駆け付けた仲間たちの到着によって撤退へと追いやることができた

 

 

かぐらたちを退けた飛鳥たちが救出後も意識を取り戻さぬ佐介の身を案じる

 

 

そしてついにその時が訪れ、佐介が眠りから目を覚ました

 

 

彼が目覚めたことで皆が歓喜の声を上げ

 

 

この上ないほどにまで喜んで飛鳥たちに至ってはこれでもかというほどに抱きつくのだった

 

 

 

 

 

佐介が目を覚ましてからしばしの時が流れた

 

 

「佐介くん、具合はどう?気分はどう?痛いところとかない?」

 

 

「だ、大丈夫だから少し落ち着いて飛鳥ちゃん」アセアセ

 

 

「でも?」

 

 

今までの不安感のせいか飛鳥がぐいぐいと詰め寄り、そんな彼女に佐介は少々困った顔を浮かべる

 

 

「そこまでにしておけ」ペシッ

 

 

「あ痛!?」

 

 

「光牙くん?」

 

 

するとそこに十分に回復して一人で立てるほどにまでなった光牙がやってきて詰め寄る飛鳥が彼に制裁の脳天チョップを食らわされた

 

 

「佐介の言う通りだぞ、お前の気持ちもわかるが本人がいいって言っているのに強引に迫るのはありがた迷惑というものだぞ?」

 

 

「うっ…うぅ…ごめんなさい」シュン

 

 

「あっ、飛鳥ちゃんそんなに落ち込まないで。僕は別に気にしてないから」アセアセ

 

 

光牙から説教を受け、しょぼんとなっている飛鳥に佐介が必死にフォローを入れるのだった

 

 

 

そんな彼らのやり取りを少し離れたところで焔たちが見ていた

 

 

「飛鳥のやつよかったな」

 

 

「えぇ、佐介さんが戻ってきてくれて本当に良かったですね。ねっ斑鳩さん?」

 

 

「…はい♪」

 

 

詠はおもむろに隣にいる斑鳩に声をかけ、斑鳩も斑鳩で佐介が目覚めてくれたことがとても嬉しいようだった

 

 

「でもまぁ、驚いたな?まさか蓮の時の頃の記憶が殆どないんだもんな?」

 

 

「はい、それはわたくしたちも同意です」

 

 

焔たちは佐介が目覚めてからすぐのことを話題にする

 

 

佐介が目覚めて少しして皆は佐介にこれまでのことについての心境報告などによる情報収集を試みてみた

 

 

しかしいざ話しになるとどうやら佐介は記憶を持っていないとのことだった

 

 

蓮や疾風の名を出してもまったくわからないといった顔を浮かべるだけ

 

 

明確に覚えているのはかぐらを守るために飛び出して斬られてしまい、川に落ちてから以降は記憶が明確ではなくとぎれとぎれのものでしかなかないとのことだった

 

 

「…心配ですわね?」

 

 

「いや、でもこれはある意味ラッキーだったんじゃねぇか?」

 

 

「どういうことですか?」

 

 

記憶を失ってしまったことがラッキーだという焔にその言葉の意味を尋ねる

 

 

「…もし自分が蓮ってやつに意識を乗っ取られ、支配されて私たちを、引いては飛鳥を殺そうとしたなんて知ったら」

 

 

「あっ…」

 

 

いくら自分の意思ででなくとも気の優しい佐介のことだ。この話しを聞いてしまえば自分を責めてしまうかもしれないとそう焔は危惧しているのだ

 

 

「…確かにそうかもしれませんね」

 

 

理由を聞いた斑鳩はその通りかもしれないと納得した

 

 

「せやかて伝えなあかんこともあるやろ?知らせとかあかん重要なことやからな?」

 

 

不意に日影が会話に割って入り、そう告げる

 

 

すると斑鳩や他の皆も一気に暗い表情を浮かべだす

 

 

「うん?どうしたんだお前ら?急に暗い顔なんか浮かべて?」

 

 

彼女たちがどうして暗い顔を浮かべているのかわからない焔がどうしたのかと心配そうに言う

 

 

「…焔さん。報告しないといけないことがあるので佐介さんたちを呼んできてくれませんか?」

 

 

「報告しないといけないこと?」

 

 

「はい」

 

 

「…よっぽどのことのようだな?わかった」

 

 

頷く斑鳩の表情を見てただ事ではないと察した焔は言われた通りに3人を呼びに動いた

 

 

 

そうして焔に連れられて3人もこの場に集まった

 

 

「どうしたの斑鳩さん?何かあったの?」

 

 

「重要な話しがあると聞いたが?」

 

 

呼び出されたことの理由を飛鳥と光牙が問う

 

 

話しとは何だろうという顔を浮かべる4人に対して皆とても気まずそうにしていた

 

 

「皆さん。落ち着いて聞いてください……実は」

 

 

意を決するかのように斑鳩が口を開く

 

 

刹那、4人が戦慄したかのように唖然となる

 

 

信じられないような顔を浮かべながら

 

 

「ど、どういうことなの?」

 

 

「先も述べた通りです…半蔵さまが消息を絶ったとのことです」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

今一度、斑鳩の口から語られるその内容に佐介たちは言葉を失う

 

 

半蔵が消息を絶ったと聞いて驚かずにはいられなかった

 

 

「…そ、それは本当なの斑鳩さん?」

 

 

「…はい、先ほど霧夜先生からご報告を受けましたので間違いはないかと」

 

 

「…そ、そんな」アセアセ

 

 

斑鳩からすでに霧夜から確認を得ていると知ってさらに驚いた

 

 

「なんでも半蔵様がいたと思われる場所から戦闘を行ったと思われる痕跡が見つかったとのことだ」

 

 

時間軸からしては自分たちが妖魔衆たちと戦闘を行い、撃破及び赤球の破壊、さらにこの4人に至ってはかぐらたちと接触し、蓮との壮絶な戦いを繰り広げていたのとほぼ同時刻あたりとのことだった

 

 

「じっちゃんが誰かと戦ってたってこと?」

 

 

「うん、そうらしいの」

 

 

半蔵のそこまでの経緯、状況証拠からして誰かと戦っていたことはほぼ立証できるものだとのこと

 

 

「それでいて尚且つ当の半蔵が行方不明になっていると…」

 

 

光牙はあらかた話しを聞いて少し考え事をしていた

 

 

彼がどこに行ったのか、そして彼が戦っていた相手とは誰なのかと

 

 

「…じっちゃん」

 

 

「飛鳥ちゃん…」

 

 

飛鳥は祖父である半蔵が行方不明だと聞かされてとても動揺していた

 

 

そんな彼女を見ていた佐介もまたこんな一大事に自分は何をしているんだと悔やんでいた

 

 

「…それで、霧夜は他に何か言っていたのか?」

 

 

「はい、とりあえずは半蔵さまの行方は自分に任せろと、そしてわたくしたちには引き続き街で暴れる妖魔、並びに妖魔衆の討伐に努めるようにとのことです」

 

 

「そうか、了解した」

 

 

半蔵が行方不明なことに関しては驚きを隠せないが現状の問題もまだ残っている

 

 

下手なことをするべきではない

 

 

その点、霧夜ならば半蔵の捜索の件を任せても問題はない

 

 

「飛鳥、お前の気持ちはわかるが今は霧夜を信じて俺たちは俺たちで動くべきだ」

 

 

「光牙くん?」

 

 

「忘れたか?俺たちは二つの目標の内、佐介救出を無事に成功させた…だがもう一つは終わってない」

 

 

残るもう一つの目標であるかぐらを救うという目標がまだ達成されてない

 

 

今もまだ街には妖魔たちや彼女を狙う残る妖魔衆もいる

 

 

まだ自分たちに休んでいる暇はないのだ

 

 

「…うん、そうだね。わかったよ」

 

 

「いい返事だ」

 

 

「さすが飛鳥だ」

 

 

半蔵のことはひとまず霧夜に任せ、自分たちは自分たちの出来ることをすることを決めるのだった

 

 

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