閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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最後の妖魔衆

街を滅茶苦茶にしている妖魔たちを討ち取るために戦場に赴く忍学生たち

 

 

最中、出現した妖魔衆との激しい戦闘が繰り広げられ、激闘の果てに忍学生たちが見事勝利を収めることができた

 

 

一方そのころ、忍学生たちが戦いに身を投じる中、赤球を求めて行動しているかぐらとともに行動をしている奈楽は

 

 

未だ真なる覚醒の兆しの見えないかぐらの現状に疑問を抱いていた

 

 

さらに彼女の口から問いかけられた質問に奈楽は回答できないどころかその内容に関して悩みを抱えてしまっていた

 

 

自分はかぐらにどうしてほしいのか?自分はどうすればいいのか?

 

 

そのようなことばかりを考えてしまい、自問自答に苦しむ

 

 

だがそんな時、かぐらが妖魔の気配、正確には妖魔を呼び出していると思われる者の気配を感じ取った

 

 

奈楽はこれを理由に迷いを振り払い、赤球を手にしかぐらを完全覚醒させるべく消極的な彼女を半ば強制にその呼び出す者がいると思われる場所にへと向かうのだった

 

 

 

 

 

妖魔を呼び出していると思われる者の気配を察知してかぐらと奈楽が現場に到着した

 

 

「…あれは!」

 

 

「っ!」

 

 

到着した2人が見たのは今まさに妖魔を結界から呼び出している術者の姿だった

 

 

「ふふふふ、いいぞ、もっと、もっとだ。妖魔どもよ。もっと現れて街を破壊するのです!!」

 

 

術によって呼び出された妖魔たちに街を破壊するように命令を下していた

 

 

「なるほど、あ奴が妖魔を呼び寄せていた者だな?」

 

 

「いかがいたしましょう?」

 

 

この状況を見てどうするかと考えている時だった

 

 

不意に遠くから数人の駆ける足音が聞こえてきた

 

 

音のするほうへと視線を向けるとこちらに向かってくる数名の姿がある

 

 

「「「「っ!!」」」」ザザァァ!

 

 

「っ?」

 

 

「妖魔どもの発生源を突き止めるために動いていたが、よもやこんなところで貴様に会うことになるとは思いもよらなかったな。なぁ、道元?」

 

 

駆け付けたのは光牙、焔、飛鳥、佐介の残ったチームメンバーたちだった

 

 

「蓮!」

 

 

「かぐらさま落ち着いてください、今我々が出るのはよくありません!ここはおとなしく静観していましょう!」

 

 

「っ…」

 

 

妖魔や妖魔衆はかぐらを狙っている。その妖魔たちを呼び出している者がかぐらを狙っていない訳がない

 

 

今この場に自分たちが出てきては相手の思うつぼでしかないとそうかぐらに言い聞かせ、ひとまずここは彼らの様子を近くで静観することにした

 

 

 

 

一方で忍学生たちはというと自分たちの目を疑うほどに困惑する

 

 

当然だ。何しろ今自分たちの前にいるのはあの時、まだ光牙や焔たちが蛇女の生徒として蛇女子学園にいたころ

 

 

彼らを手ごまとして半蔵学院から超秘伝忍法所を奪わせ、その力と学園の乙女たちを贄として古に伝わる巨大妖魔、怨桜血(オロチ)を呼び出した

 

 

怨桜血(オロチ)を暴れさせ、佐介たちを襲い、蛇女の選抜メンバーだった光牙たちを取り込ませたりと悪逆非道の限りを尽くす

 

 

しかし佐介たちと取り込まれて尚抗った光牙たちの活躍によって怨桜血(オロチ)は消滅し

 

 

そして追い詰められた道元は利用しようとした光牙たちの報復を受けその刃にかかって倒されたはずだった

 

 

だが今自分たちの前にその死んだはずの道元が生きていることに驚かない訳がなかった

 

 

「久しぶりだね光牙、焔。そして半蔵学院の諸君」

 

 

「「「「っ!」」」」

 

 

自分たちの存在に気づいた道元が挨拶がてら声をかけてきた

 

 

「道元貴様!なんで生きてるんだ!あの時お前は死んだはずだ!」

 

 

「ふん、あの程度でこの私が死んだと本当に思っていたのですか?もしそうならとんだお笑い草だ。私が君たちごとき青二才にやられるだなどと本気で思っていたのかな?」

 

 

「っ」

 

 

道元が生きていることが今一信じられない焔が問い詰めるもそれを道元がせせら笑うように聞き返した

 

 

「落ち着け焔、やつが生きてたことなど些細なことだ」

 

 

「なんだと?」

 

 

悔しがる焔に対して光牙の言った一言により道元から笑いが消える

 

 

「些細なこととはどういう意味かな光牙?」

 

 

「そのままの意味だ。貴様が生きていてここで何をしようとさほど問題ではないことだ…なぜなら、俺たちが今から貴様を切り捨てればいいだけの話しなんだからな」

 

 

そう言って光牙は静かに道元を睨み据え、それを合図というかのように他の3人も構える

 

 

「ふん、相変わらず偉そうな口を叩くものだ。お前たちなど私の足元にも及ばないというのに」

 

 

「なら試してみるか?俺たちが本当にお前の足元にも及ばないかどうかをな?」

 

 

光牙も武器を手に構え、これにより彼らの戦闘体制は整った

 

 

「生意気な口を聞く…だが、残念だが私は忙しい身の上なのでね。お前たちごときを相手にしてる暇がないのだよ…かわりに」

 

 

シュンシュン!

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

「こいつらがお前たちの相手を務めてくれる」

 

 

道元が意味深な言葉を呟いた直後、彼の後ろから空中前転しながら地に降り立つ2つの影が現れた

 

 

「っ、こいつらは?」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「ふふふふっ」

 

 

主人である道元の前に立ち4人の前に立ちはだかる二つの人影

 

 

その姿を見た瞬間、4人は驚いた

 

 

彼らの前に立ちはだかったのは妖魔衆最後の二体であり、彼らにとっては因縁の相手だった

 

 

「お前たちの相手はこの十一座と十二座が務めてくれる。もうすでに知っているだろう?こいつらの実力のほどは?」

 

 

【「「ッ…」」】

 

 

「…」ピクピク

 

 

「佐介くん?」

 

 

道元たちとにらみ合いを利かせている最中、何やら佐介の様子がおかしいことに気づいた

 

 

「佐介くん、どうしたの?」

 

 

「あっ…ううん、何でもないよ」

 

 

心配になって声をかけてみるも心配をかけまいとしているのか大丈夫だといって誤魔化しをかけてくる

 

 

「お前たち集中しろ」

 

 

「は、はい」

 

 

「う、うん」

 

 

そんなやり取りに聞き耳を立てていた光牙が2人に戦いに集中するようにと叱咤をかけ、2人はすぐさま相手の出方を伺う

 

 

「そろそろいいかな?こちらとしても予定が立て込んでいる者でしてね。これ以上のおしゃべりは終わりとさせてもらいましょうか…と、いうことで」パチン

 

 

【「「ッ!」」】ぐぽん

 

 

「「「「っ!」」」」

 

 

道元が指を鳴らした瞬間、十一座と十二座が反応を示し、うなだれていた顔を上げるとともに怪しげに赤く光る眼光を向けていた

 

 

「…やれ」

 

 

【「「ッッツ!!」」】

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

道元のその言葉を合図に十一座と十二座が佐介たちに襲い掛かってきたのだった


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