閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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強敵、十一座、十二座

佐介を取り戻した飛鳥たちは街を襲う妖魔たちを退治するべく手分けして事にあたっていた

 

 

そんな中、異様な気配を察知してやってきた佐介たちを街受けていたのは

 

 

妖魔たちを呼び寄せ、街を混乱の渦に叩き込んでいた黒幕であり、かつて死んだと思っていた道元の姿だった

 

 

道元の野望を阻むため、撃ってかかろうとした光牙たちだったが

 

 

そんな彼らの前に妖魔衆最後にして最強の2体である妖魔衆十一座と十二座が立ちふさがる

 

 

思いがけない伏兵の出現に驚きつつもそれを光牙たちは迎え撃つ

 

 

しかし、今までの妖魔衆とは比べ物にならないほどの力を有している十一座と十二座の力に圧倒されてしまい

 

 

飛鳥、焔、光牙が次々と追い込まれる始末になってしまう

 

 

事態はこれで終わらず、追い打ちをかけるかの如く道元が飛鳥に祖父である半蔵を手にかけたのが自分だと告げる

 

 

さらにあろうことか道元がいつの間にか蓮に関すること知っており、それを隠していた佐介に語ってしまったのだ

 

 

意図せずして自分がそんなことをしていたことを聞かされた佐介は脳裏によぎるイメージも合間って混乱の渦に飲み込まれてしまうのだった

 

 

 

 

 

 

 

「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

 

「さ、佐介くん!?」

 

 

「「っ!?」」

 

 

「ふふふふふ」

 

 

道元の言葉がトリガーとなり、佐介は声を張り上げながら発狂する

 

 

「佐介くん!しっかりして!?」

 

 

「あっ…あぁぁ!?」

 

 

飛鳥が必死に呼びかけるも自分が飛鳥たちに何をしてしまったのかを聞かされてしまい

 

 

さらには脳裏に蘇る蓮としての記憶が佐介に惨い真実を突きつける

 

 

「ぼ、ぼくは…ぼくは…なんて、ことを」

 

 

「違う!違うんだよ佐介くん!」

 

 

必死に公開と罪悪感によって虚ろになる佐介に飛鳥が呼びかける

 

 

「何が違うというのかね?」

 

 

「っ!」

 

 

「いくら綺麗ごとを並べても記憶がないといえどそいつのしたことは決して許されることではないと思うのだがね?…そうだろう佐介?」

 

 

「っ!?」

 

 

しかし道元の言葉が佐介の心の隙間にできた傷をこじ開けようとしていた

 

 

「勝手なことを…そんなこと貴様が言えた義理ではないだろう!」

 

 

「私たちを…蛇女子学園を弄んだお前がそんなこと言う資格があるのか!」

 

 

佐介を言葉巧みに陥れようとする道元に光牙と焔が怒りを孕んだ口調で責め立てる

 

 

もともと光牙たちが抜け忍になったそもそもの原因は道元のせいといっても過言ではない

 

 

私利私欲のために怨櫓血(オロチ)を復活させるために

 

 

生徒たちや詠たちを贄にしたまさに外道な所業を行った男が佐介に対してそのようなことを吐いてることに光牙と焔は怒りを覚えたのだ

 

 

「ふん、お前たちの意見など求めていないのだよ。さて、おしゃべりはここまでにするとしよう、やれ十一座、十二座!」

 

 

【「「ッ!!」」】

 

 

道元からの指示を受けた十一座と十二座が再び動き出す

 

 

「光牙!」

 

 

「来るぞ!」

 

 

【「「ッツ!!」」】

 

 

「「っ!!」」

 

 

迫りくる十一座と十二座を迎え撃たんとする光牙と焔が迎え撃つ形を取り

 

 

そして再び衝突した

 

 

互いに攻防を繰り広げていく両2人組

 

 

【「「ッツ!!」」】

 

 

「ぐぅ!?」

 

 

「ぬぅぅぅ!?」

 

 

しかし、やはりさっきの二の舞というような状況下に置かれてしまい、徐々に押され始めてしまっていた

 

 

「…飛鳥!」

 

 

「っ?」

 

 

押し合いの最中、光牙が飛鳥に声をかける

 

 

「ここは俺たちが食い止める。お前は佐介を連れて逃げろ!」

 

 

「で、でも!?」

 

 

「いいから行け!今の俺たちにはそいつを庇って戦っていられる余裕はない!」

 

 

「っ!?」

 

 

置いていくなんてと思う飛鳥に光牙が叱咤をかける

 

 

確かに彼のいうことももっともだ

 

 

自分たちが苦戦を強いられるほどの強さを誇る十一座と十二座を前に精神的に戦闘不能な状態にある佐介を抱えながら戦闘を継続するのは至難の業だ

 

 

なればこそ彼を逃がすことでそのしがらみを無くせば戦闘に集中ができるのだ

 

 

だからこそ飛鳥に佐介を逃がすように指示をした

 

 

「光牙のいう通りだ飛鳥、ここは私たちで十分だ!お前は佐介を連れていけ!」

 

 

「光牙くん…焔ちゃん…うん!」

 

 

2人の呼びかけの声を聴き、飛鳥は強く頷く

 

 

「佐介くん、さぁ、一緒にここを離れよう!」

 

 

善は急げと飛鳥が佐介を連れてこの場を離れようとする

 

 

「小賢しいことを?」ギュィン!

 

 

それを見ていた道元があざ笑うかのような顔を浮かべるとともに眼光を光らせる

 

 

【「「ッ!!」」】ギュィン!

 

 

刹那、道元が眼光を光らせた瞬間、それに好悪するかのように十一座と十二座の眼光が怪しげな輝きを放った

 

 

【「「ッツ!!」」】グググ!

 

 

「「っ!?」」

 

 

すると十一座と十二座の力が急激に上がり始めて光牙と焔を押し始めだす

 

 

「くっ!?こいつら!?」

 

 

「またパワーが増しだした!?」

 

 

力が上がったことに気づいた光牙と焔に焦りが見えだした

 

 

【「「ッツ!!」」】

 

 

「「っ!?」」

 

 

直後、十一座と十二座が一瞬距離をとったと同時に怒涛の攻撃を仕掛けてきた

 

 

【「ッツ!!」】

 

 

「ぐっ、がはっ!?」

 

 

「焔ちゃん!?」

 

 

十一座の振るう荒ぶる拳の拳撃の嵐が焔を襲う

 

 

【「ッツ!!」】パシュシュシュシュ!

 

 

「ちいっ!」パシュシュシュシュ!

 

 

一方で光牙もまた十二座を相手に苦戦を強いられており、防戦一方だった

 

 

「…っ!?」ピクッ

 

 

【「ッ!!」】

 

 

「くそっ!」

 

 

光牙が十二座に追い込まれているところに焔を蹴散らしてフリーとなった十一座が攻撃を仕掛けてきた

 

 

今の十二座だけでも厄介な相手だというのにここにきて2対1という状況に追い込まれてしまう

 

 

【「ッツ!!」】ブォン!

 

 

「くっ!?」

 

 

【「ッツ!!」】パシュシュシュシュ!

 

 

「ぐぅっ!?」

 

 

十一座と十二座が休む間もなく光牙に攻撃を仕掛け

 

 

それをどうにか耐え抜こうと光牙は足掻く

 

 

【「ツ~~!!」】

 

 

「っ!?」

 

 

【「ッッッッッツ!!」】

 

 

 

ビュオォォォォォ!!

 

 

 

「ちぃっ!?」

 

 

十一座が力を溜めて佐介の必殺技である獣波拳に酷似した技を放ってきた

 

 

咄嗟に光牙がマントからエネルギーシールドを発生させこれを防御する

 

 

「ぐぅぅぅ!?」ズル…ズルルル!

 

 

しかし防ぐといっても十一座の技の威力はすさまじく光牙が徐々に後ろに後退させられてしまう

 

 

攻撃を食らい続け、シールドも限界に近かった

 

 

だが、ここで予期せぬことが

 

 

【「ッ」】シュタッ!

 

 

十二座が技を発動中の十一座に近づき、背中に手を当てる

 

 

【「ッツ!!」】ギュゥゥゥン!

 

 

さらにその直後、十二座が自身のエネルギーを十一座に注ぎだす

 

 

【「ッツツツツ~~~!!!」】ギュィィィィィン!

 

 

「な、なにっ!?」

 

 

注がれたエネルギーを吸収した十一座の技が威力を増して光牙を襲う

 

 

「ぐ、ぐぅぅぅぅぅ!?」

 

 

 

ピキッ…ピキキキィ~!

 

 

 

「…っ!?」

 

 

 

バリィィィン!!

 

 

 

「…ぐあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

 

 

「っ!?」

 

 

「…ふん」

 

 

「…光牙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

 

 

シールドが砕かれ、光牙は十一座の一撃を全身で食らってしまうのだった

 


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