道元の野望を阻止し、かぐらを破滅の運命から解き放つために街を疾走する佐介たち
しかしその彼らの行手を阻むように風と共に疾風が現れる
佐介たちは疾風にここに現れた理由を問うと
彼は自分がここにきた目的が佐介を連れて行くためだと語る
そして妖魔とかぐらの件を自分が解決させること、その見返りに佐介を自分に引き渡せとの要求だった
当然そんな要求を飲むわけがないと飛鳥たちは疾風の要求を蹴り
交渉が決裂したことで疾風は実力行使に切りかえ
予想通りの結果になったことで佐介たちは疾風との戦いに発展する
だが、一番手として挑んだ焔を簡単に拘束し、身動きを取れなくさせ
序盤からペースを崩させられてしまう
続いて佐介と光牙のタッグでむかえうとうとするも
佐介の繰り出した技は疾風に軽くかわされ、追撃に放った蹴りの一撃も簡単に止められてしまい
たったの数分で4人を劣勢に追い込んでしまうのだった
「ぐぅっ…うぅぅ…」
「佐介くん…」アセアセ
疾風によって瓦礫の山に投げ飛ばされ、その瓦礫の中に埋まりながらうんうん唸っている様子に
加勢に行きたい気持ちを抱きつつも焔を自由にしなければというジレンマに飛鳥は悩んでいた
「ふっ…」
瓦礫に埋もれて身動きが取れない佐介のもとに疾風が歩み寄ろうとする
パシュン!
「おっと!?」
「ふぅん!!」
「わっと!…あぶねぇあぶねぇ~」
刹那、自分目がけて飛んできた矢を寸でのところでかわすとともに
直後に斬りかかってきた光牙の攻撃も避け、後方に下がって間合いを取る
「佐介、大丈夫か?」
「うっ、…うぅぅ…は、はい、なんとか…」
光牙の声をかけると瓦礫にめり込んで動けなくなっていた佐介の手を取り
瓦礫の中から佐介を引っ張り出して自由にした
「今のでわかったろう?奴は生半可な相手ではない」
「えっ、えぇ…そのようですね」
ここまでの一連の流れから疾風がとてつもないほど強い相手であることを実感した
「佐介、全力で行くぞ」
「っ?」
「奴を倒さなければ俺たちは先に進むことはできない、俺たちが成すべきことを果たすためにもこんなところで躓いているわけにはいかない」
「…そうですね。出し惜しみして勝てる相手ではありませんもんね」
疾風は強い、様子を伺うなんて悠長な暇を与えてくれる相手でないことをはっきりと理解した上で佐介と光牙がは最初から全力で臨むことを
「飛鳥、焔を連れて離れろ」
「えっ?」
「奴は俺と佐介で相手をする。だからお前は焔を連れてこの場から離れるんだ」
本気で行くことを佐介と示し合い、同時に飛鳥と焔から離れることを支持する
「な、何を言ってるんだ光牙!私も一緒に戦う」
「動けないくせに強がりを言うな!」
「っ!?」
納得できないと言いたげに焔が反論するも
そんな彼女へ光牙が叱咤をかける
彼のその一言で焔は言葉を失う
「この戦い、相当激しくなるやもしれん。動けない奴は足手まといだ。すっこんでろ!」
「…光牙」
光牙と焔が互いを見つめ合う
「焔ちゃん。確かに今は光牙くんのいう通りだよ、行こう」
「……あぁ、わかった」
そうして2人の意をくんだ飛鳥と焔が手を借りながらにその場から離れた
「おやおや、せっかくあんなに心配してくれてんのにそれを無下にしちまうとは随分と冷てぇじゃねぇか?」
一連の流れを見物していた疾風からそのような指摘を受ける
「黙れ、貴様ごときに俺たちのことをとやかく言われる筋合いなどない。俺たちには俺たちだけの絆と結束がある。こんな言葉一つでで崩れ去るような安い代物ではないんだ」
「ふぅん…そうかよ」
しかし光牙はこれに反論し、自分たちの絆と結束がそん女装子らのものではないことを主張し、言い放つ
「…行くぞ、準備はいいか?」
「はい、いつでも行けます!」
佐介と光牙はすかさず巻物を手にする
「っ?」
「忍、
「
そして2人はそれぞれ巻物発動への解号を叫ぶ
次の瞬間、力が解放されるとともに凄まじいエネルギーの波が押し寄せる
暫しの沈黙が時を刻み、数秒後に立ち込める煙が一気に晴れる
するとそこには強化形態に転身を完了させた2人が佇んでいた
「ほう、そうくるか?…まっ、そうでなくちゃ面白みもないからな。いいぜ、かかってこい」
「その減らず口、すぐに叩けなくしてやる!」
先ほどとは逆に今回は光牙のほうが突っ込んでいく
「っ、薙
それを見た疾風が横に薙ぎ払いをするようにチェーンを光牙目がけて繰り出した
「【抜き足し・煌】!!」
だがそれに応じて光牙は抜き足し・煌を使用し、その光速の移動技で一気に疾風の背後の宙へと飛んでいき
降下しながら弓を構え、矢を放つ
「
シャリリリリ!パシュン!
「なにっ!?」
「甘いぜ光の児?そんなんで俺の隙をつけたと思ってるのか?」
「ちぃっ」
先の一撃、あわよくば背後をとった隙を突いてとるつもりでいたが
やはりそこは疾風、一筋縄ではいかない
「忘れちゃいないだろうな光の児?お前は1度その姿で俺にやられちまったことをよ!」
以前にあったことを突きつけながら疾風が
「あの時はしてやられたが今度はそうはいかんぞ!」
「ふぅん、言うじゃねぇか…っ?」
「僕もいること、忘れないで下さい!」
「ぬぅっ!」ザザァァ!!
疾風の注意が光牙にそれてるうちに佐介が間合いに入ると同時に正拳突きをお見舞いし
咄嗟に手をクロスさせて防御姿勢を取った疾風に拳の一撃が放たれ、その身を後方にへと飛ばす
「ちったぁ~驚いたぜ?」
「っ!」
渾身の一発を打ち込んだというのにしたとっては驚いた程度でしかないのだと聞かされ驚く
「確かにお前らのその姿、伊達にパワーアップしてないっていうのはわかるが、そんなもんで俺様を倒せると思ってんのか?この程度、俺にはなんてことはないんだよ。もっと本気でかかってきな?」
強化形態の2人を相手に余裕のある笑みを浮かべてさらには挑発的な言葉を吐き捨てる
「言われなくてもそうするさ!」
光牙が弓を引き、矢を放つ
「おっと!」
「やあっ!!」
「はい残念!」
「ぬあっ!?」
飛んできた矢を華麗にかわし、追撃に来た佐介も軽くいなす
「食らいな!【
「ぐぅぅっ、うああぁぁぁ!!」ドサッ!
「佐介!?」
さらにはそれによってよろけた隙を突かれて連続の連打を受けて吹き飛ばされた
「おいおいどうした?もう終わりか?まだまだパーティはここからだぜ?」
劣勢に追い込まれつつある2人に向けて疾風はそう言い放つのだった