閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第二十一章 今度は負けません!

いつもと変わらぬ朝を向かえ、生徒たちは各々の学生生活を送る。ここ国立半蔵学院

 

しかし平和な時はいつ壊れるかわからないもの、そして今、半蔵学院の平和な時が音を立てて崩れようとしていた

 

敵側の潜入した6人の忍によって…

 

 

 

テニスコートにてテニスの練習を行う生徒たちの様子を緑色の髪をした少女が見ていた

 

さらに屋上にて学院の様子を伺う二人組の姿が

 

「何もかも持ち、幸せな日々をただ無駄に塗りつぶし、それが当たり前とでも言わんばかりに振舞う…本当、不愉快極まりませんわね」

 

「うふふ。みんなお人形にしたらさぞ面白いかも知れないわね~…任務じゃなければ今すぐにでもそうしてたところねぇ」

 

「ところで。焔さんたちはうまく探せてるでしょうか?」

 

「大丈夫、あの子たちの隠れ家なんてすぐに見つかるわ」

 

金髪少女がくるくるロールの女性に他の仲間の行方を尋ねるとくるくるロールの女性は心配いらないと告げた

 

そして同時刻にてポニーテールの女の子こと焔と柳生とは反対側の目に眼帯をつけた少女が

 

「早く見つけ出さないとな奴らの隠れ家を」

 

「しかしなんでまた普通の学校に忍部屋を作るのかしら?おかげで探すのがめんどくさいわね」

 

「よく言うだろ。木を隠すなら森の中、石を隠すなら川原ってな、一般の学校なら見つかる危険性が低まるんだろうさ」

 

「ふぅん。よっぽど暇を持て余してるってことね」

 

眼帯少女のいうことに「ちがいない」と焔がくすりと笑う

 

「春花さまたちはもう見つけてるかしら?」

 

「さぁな。あいつらはまだだろうが…」

 

「えぇ。きっと光牙なら今ごろ『見つけたぞ奴らの隠れ家を』…ほ~ら」

 

「噂をすればなんとやら…ってことか。なら行くとするか」

 

指令を受け、5人が光牙のまつ場所に急行する

 

 

 

 

 

半蔵学院旧校舎

 

そこに佇み、仲間の到着をまつ男の姿が

 

「光牙!」

 

「……遅かったな」

 

「ごめんなさいね。で、見つかったの?」

 

光牙が顔を軽く2回ほどその建物にむける

 

「関係者以外の立ち入りを禁ずる…ふふふ。確かに臭うわね」

 

「攻め込むんやったらはよせん?」

 

「ここが本拠地なら簡単に入れるとは思えないな」

 

「じゃあここは私の出番かしらね?うふふふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、半蔵学院の忍部屋では佐介たちが霧夜から忍術に関する教えをうけていた

 

 

「そもそも忍術とは心の技である。肉体はあくまでその補助に過ぎん。だが強い肉体があってこそさらに強力な忍術を扱うこともできる。この二つは切っても切り離せない重要なものなのだ」

 

だが、あまりにも長い話であるが故に佐介と斑鳩、柳生以外の3人はその話しについて行けてなかった

 

そんな時だった

 

 

プォォォ~ン プォォォ~ン

 

 

「これは!?」

 

「警報が鳴ったみたいですわね!」

 

急ぎ霧夜が確認するとどうやら入口に普通科の学生が屯っているようだった

 

「ふむ。普通科の学生か…特に問題はなかろう…俺が戻るまでその場で待機。戻り次第授業を再開する…」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「…葛城。次居眠りしたら許さんぞ?」

 

「Zzz~…うぇ~?」

 

居眠りしていた葛城に霧夜が特に注意を促し

 

忍部屋から出ていった

 

「や~為になる話だったな~」

 

「ほぼ寝てた人がなにを言ってるんですか?」

 

「えへへ~そう硬いこと言うなって~」

 

いつもと他愛ないやり取り、そうなるはずだった

 

…だが

 

 

ズゥゥゥゥゥ~ン

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

突如として旧校舎一体が忍結界に閉じ込められたのだった

 

「おい、これって!?」

 

「忍結界ですわ!!」

 

「一体何が…っ!?」

 

「どうしたの佐介くん?」

 

佐介は結界の中にとてつもなく大きな気を感じた。しかもその気、忘れることはない自分に敗北を味あわせた。彼の気だと

 

「佐介くん!?」

 

「おいどうしたんだよ!?」

 

「佐介さん!」

 

いきなり駆け出した佐介を全員で追いかけた

 

「旧校舎全体が忍結界に包まれてる」

 

「馬鹿言ってんじゃねぇよ。こんな馬鹿でかい結界つくるなんて」

 

「1人では無理でも複数の結界を同時に発動させたのなら納得行く話です」

 

そうでなければこんなに大きな結界を作るのは難しいことなのだ

 

「っ殺気!?…みなさん戦闘準備を敵が来ます!!」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

すると天上から傀儡がすり抜けながら落ちてきた

 

「忍、転身!!」

 

佐介は忍転身すると傀儡を攻撃していく

 

「わたくしたちも!」

 

「「「「うん(おう)(あぁ)!!」」」」

 

「「「「「忍転身!!」」」」」

 

他のみんなも忍装束をまといて傀儡を蹴散らしていく

 

だが、それは罠だった

 

「っ!?」

 

気づかぬうちに敵の空間に囚われみんな離れ離れになってしまった

 

「しまった…まんまと罠に…っ!?」

 

 

シュゥゥゥゥゥゥン!

 

 

佐介の背後に背後から矢が迫ってきていた

 

慌てながらもそれを回避する

 

「この攻撃は…!」

 

光で作られた矢。間違いない

 

「光牙くん!」

 

佐介が名を呼ぶと潜んでいた場所らしきとこからこちらに飛んできた影が

 

「ふん…」

 

「っ!?」

 

「久しぶりだな…」

 

あの顔、そして凛々しい姿、間違いなく彼だった

 

佐介に敗北に追いやったあの光牙だ

 

「なぜ、光牙くんがここに?」

 

「ふん。素直に教えるとでも?」

 

「…そうですね。ならば拳で語るのみです!」

 

佐介は構える

 

「そうこなくてはな…今度こそ貴様を狩るとしよう!」

 

そう言うと光牙が粒子の弓を生成すると佐介に向けて構える

 

互いに一歩も動かずにらみ合いを続ける

 

「っ!!」

 

「ぬっ!」

 

先に動き出したのは佐介だった

 

佐介は光牙に弓を打たせまいと距離を積める

 

「はっ!!」

 

光牙が佐介の動きを予測し矢をはなつ

 

だが、それを佐介はかわした

 

「(以前の時よりもスピードが上がっている?)」

 

前回、戦った時よりもスピードが上がっていることに驚きを感じる

 

「だが、その程度では!!」

 

再び弓を引き矢をはなつ

 

すると矢が飛んでいる途中で6つに拡散し、佐介に襲いかかってきた

 

「っ!?」

 

さすがによけれないと判断したのかバックステップでかわす

 

だが、佐介もただではやられまいと最後の矢をかわすその瞬間に構えると

 

「獣波拳!!」

 

 

ガォォォォォォォォ!!

 

 

光牙にむけて気弾をはなつ

 

だが、光牙もまたこれをかわす

 

互いに一撃もヒットさせられずだった

 

「少々できるようにはなったようだが、その程度では俺はやれんぞ」

 

「確かに…いまのままでは光牙くんに勝つのは難しい…だから。本気で行きます!!」

 

そう言うと佐介が秘伝忍法書を突き出す

 

「そんなものを取り出して何をする気だ?」

 

「これが僕が手に入れた新しい力です!…忍、(ソウル)転身!!」

 

そう叫ぶと佐介の体が炎に包まれた

 

「はぁぁぁぁ…はあぁ!!」

 

そして赤く染まった髪と鳳燕を片手にもった姿へと身を変えた

 

「佐介、(ソウル)斑鳩!!」

 

「(なんだあの姿は?(ソウル)転身だと?そんなの聞いたことないぞ)」

 

「これが私の新しい力、仲間たちとの絆が生んだ力です!いきますわ!!」

 

佐介が走り出す

 

「もう忘れたのか!俺の間合いには入らせん!!」

 

再び放った矢を拡散させて佐介を狙う

 

「秘伝忍法・凰炎王閃!!!」

 

 

ピヤァァァァァァァァ!!!!!

 

 

刀を大きく振るい鳳凰を模様した炎を放つ

 

その強大な力に負けた粒子の矢が炎に焼かれ消え去った

 

「なに!?…っ!?」

 

光牙が炎に包まれた

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!??」

 

「っ…」

 

「うあぁ……うぅ…うぅぅぅ~」

 

想像以上のダメージを喰らい光牙がよろめく

 

「こ、これが…お前の新たな力か…?」

 

「そうです。これが私たちの絆の力です」

 

「絆だと?…そんなもの、おのが力に比べればなんの価値もないわ!!」

 

光牙は叫びながらに光刃を生成すると佐介に襲いかかる

 

「仲間と紡いだ力が価値がないわけはないのです!」

 

そう言うと佐介は(ソウル)斑鳩を解除する

 

(ソウル)転身!!」

 

「なに!?」

 

吹きすさぶ風に動きを封じられる

 

「佐介、(ソウル)葛城!!」

 

「その力、一つだけじゃないのか!?」

 

「当然だ。オイラたちの絆が一つだけなわけ無いだろうが!!」

 

「くっ!?」

 

佐介と光牙の格闘戦が続くもやはり力の差が歴然だった

 

「うぉりゃあぁぁぁ!!」

 

「ぐあぁぁぁぁ!!?」

 

光牙が腹に蹴りをくらい吹き飛ばされた

 

「決めるぜ!…秘伝忍法!!」

 

佐介は空へ飛び叫ぶと

 

「テンペストシュピンデル!!」

 

風を纏い、自身の体をドリルのように回転させ蹴りをかます

 

粒子変化(フォトランス)!?」

 

粒子の盾を展開し攻撃を盾で受けるも

 

 

ピキキキキ

 

パリィィィィィン!!

 

「っ!?」

 

「おりゃぁぁぁ!!!」

 

「があぁぁぁぁぁ!!!!」

 

盾でいくらか勢いを殺せたこともあり、光牙はなんとか宙返りし体制を立て直す

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

しかしここまで佐介が強くなってるとは思いにもよらず光牙にとって大きな誤算だった

 

「どうだ!!」

 

「…楽しい。実に楽しいぞ!」

 

「へへん!そう来なくっちゃな!」

 

「(こんなにも楽しい戦いは久しぶりだな…しかし俺がここまでやられるなんて…しかしこの力を…封印を解くわけには…)」

 

光牙が躊躇しているそんな時

 

結界に歪みが生じ始めた

 

「なんだ?」

 

「これは…」

 

『ピピピッ…ピピピピ』

 

それから直ぐに通信が入ったので光牙は出てみた

 

「…春花か?なんだ?」

 

どうやらそれは仲間からだったようだ

 

「…そうか。未来がやられたか…わかった」

 

通信を切ると光牙は構えるのをやめた

 

「なにを?」

 

「どうやらここまでのようなんでな。引かせてもらうことにする」

 

そうして光牙は佐介に背を向けて歩き出す

 

だが、ふと立ち止まると佐介を見る

 

「一つだけ貴様に宣言する。次にあったときこそ貴様とは真なる決着をつける!…覚えておけ」

 

そう言うと結界から光牙は消えると同時に結界も消え去ったのだった

 

そして(ソウル)転身を解除すると

 

「はぁ…『ドックン』ぐっ!…かばっ!?…やっやはり、(ソウル)転身の多用は体力の消耗がはげ、しい…はぁ…はぁ…」

 

すさまじい力を持つ(ソウル)転身をあろうことか一度の戦闘で2つも使ったことで佐介の気力と体力は限界まで来ておりその場に膝をついて倒れてしまった

 

痛む胸を押さえながら佐介は只々、光牙が消えていったほうを見つめるのだった

 

「佐介くん!!」

 

「はぁ…はぁ…飛鳥ちゃん?」

 

「大変だよ柳生ちゃんが!」

 

「なっなんだって!?」

 

柳生の身に何かあったようで飛鳥に連れられ柳生のもとに佐介は痛みを堪えながら柳生の元に急ぐのだった

 


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