疾風を禁術「獅死奮靭」によってあと一歩のところまで追い込んだ
しかしそれでもまだ疾風を完全に倒すことはかなわずそれどころかタイムリミットを迎えてしまったことによって
獅死奮靭の反動ダメージを受けて動けなくなり、光牙も手が出せないという最悪な状況の中
そんな戦場に颯爽と現れたのは大導寺と凛だった
現れた大導寺と凛は佐介と光牙にこの場を速やかに離脱し、明日香たちの元に向かうよう指示し
少々ごねたものの2人の意思を組みとりその場を後にした
飛鳥たちに合流すべく急ぐ佐介と光牙は同中に半壊したバイク店でバイクを動かし街を疾走する
最中、妖魔が現れるも光牙の起点によってなんとかこの場を切り抜け、先へと突き進む
目指すはかぐら、及び道元が待ち構えているであろう決戦の地だった
ブルン!ブロロロロロロ!!!
道中妖魔の妨害があったが危機を脱してバイクを走らせ先へと進む光牙と
その光牙に掴まり、同じく街を走る佐介がずんずんと前進していた
妖魔を蹴散らしてから早数キロ走った時だった
ドバァァァァァン!!
「「っ!?」」
遠くのほうからとてつもない怒号が響く
「あれは…」
怒号が響くほうへと佐介と光牙は視線を向ける
「光牙くん、あれを!」
「っ!」
ふとここで佐介が何かに気づいいた様子で指さした先を光牙は見る
カキン!キンキン!バシィィィィン!!
「「ぐっ!?」」
「っ!!」
すると二人の視界に移ったのは前に見た時よりもさらに強さを増していると思われるかぐらの姿と
その彼女に対抗するために真影、紅蓮の姿へと転身した飛鳥と焔が今まさにかぐらとの戦いに身を投じていた
さらなるパワーアップを果たしていると思わしきかぐらに負けじと応戦しているようだが
いかんせん苦戦を強いられている様子だった
「まずい、かぐらのパワーが勝っている。このままでは」
「光牙くん、早く2人を助けに行きましょう!」
「いわれなくても了解だ!」
戦闘の様子を確認するとともに彼女たちの元に向かうべく光牙がバイクを走らせる
「…っ?」
キキィィィィ!!
「うわっ!…こ、光牙くん?」
急にブレーキをかけて急停止したことに驚いた佐介が何事かと光牙に呼びかけながら視線を彼と同じほうへと向ける
「…あれはっ?」
佐介たちの視線に先に移ったのは見慣れた人物の後ろ姿
「…っ?」
「お前は…?」
「奈楽さん?」
こっちの気配に気づいたのか振り替えったその人物とはかぐらの守人である奈楽だった
「…お前たち、なぜここに?」
奈楽は佐介たちがここに現れたことに驚いた様子だった
「それはこちらのセリフだ。お前こそなぜここに?」
自分たちがここにいることを尋ねる奈楽に対して光牙は質問を質問で返す
それによって光牙と奈楽が互いを睨みつける
「ぼ、僕たちは疾風さんと戦って師匠たちの協力もあってここに来たんです。かぐらちゃんを救うために」
「疾風だと?」
「おい佐介…」
直後、仲裁するかのように佐介がこれまでの経緯を話しだした
光牙はそれに対して少々KYではないかと思うかのように呆れた顔を浮かべている
佐介からだいたいの話しを聞いた奈楽はここまでの出来事の中で疾風が自分たちの前に現れたこと
かぐらを説得しようとしたが結局彼女に拒まれてしまい、かぐらと奈楽はその場に彼を置いていったことを思い返した
「…そうだったのか」
事情を知った奈楽は理解できる範囲で納得をした様子だった
「…で、こちらの事情はあらかた佐介が語った通りだ。次はこっちの質問に答えてもらうぞ、今焔たちがかぐらと戦っているようだし、何よりさっき見た時のかぐらと姿が若干異なっているようだがこれはどういうことだ?」
光牙は奈楽にこの状況の経緯を聞き出そうと問いただす
「あいつらがここにやってきてお前たちと同じようにかぐらさまを説得しようと試みたが生憎かぐらさまの意思はあいつらの説得程度で揺るぎなどしない、すでにここまででかぐらさまはその手で数多くの妖魔を滅したことで己の限界を超えられた。そのかぐらさまを相手にあいつらごときが勝てるわけがない、すぐに決着はつく、そうしてかぐらさまが勝利した暁には残る妖魔を滅し、その役目を果たされることだろう」
奈楽は少し興奮している様子でこれまでのことを語って聞かせた
自分たちが疾風と対峙している最中、ここにたどり着いた飛鳥と焔は妖魔を滅し、引き換えに自らを犠牲にしようとするかぐらを説得した様子
しかしそれを聞き入れぬかぐらとの交渉決裂によって2人は彼女と戦うことを決め、戦闘に入った
その際にこの戦いの中でかぐらの力が覚醒し、新たな姿へと昇華し、その猛威を振るっているとのことである
ここまでの流れの一部始終を見ていた奈楽は今のかぐらの強さが2人よりもさらに上であり
もうすぐかぐらが勝利することを確信し、それが果たされることになれば予定通りに事が進むということまで2人に説明をした
「わかったか?もう何をしようと手遅れだ。お前たちが勝つと信じているあいつらはかぐらさまの手によって倒され、かぐらさまは使命を全うされるんだ!」
奈楽はすべてが無駄な努力なのだと2人に対してそう言い放つ
「そんなことはさせん、そうなる前に俺たちが止める。邪魔はさせんぞ!」
まだダメージが残ってこそいるがかぐらと戦う飛鳥と焔に加勢し
4人で攻めればまだ勝機はあると考え、光牙は今すぐにでも飛鳥と焔の元に向かおうとする
「かぐらさまの邪魔は!」
当然、それに対して奈楽も阻止を試みようとする
「…待ってください」
「「っ?」」
しかしその最中、佐介が光牙を静止させるかのように手をかざす
「おい佐介、何のつもりだ?」
それに対してなぜ自分を止めたのかを佐介に問いただす
「…少し、奈楽さんと話しがしたいんです。お願いします」
「佐介…」
自分を見つめる佐介の顔を見て何か考えがあるようだと光牙は直感した
「…わかった。好きにしろ」
「ありがとうございます光牙くん」
光牙から許しを得た佐介は視線を奈楽のほうに向ける
「っ!」
当然、奈楽のほうは警戒心バリバリで身構えている
「警戒しないでください。僕はただ君と話しがしたいんです」
「自分と話しだと?」
「はい」
奈楽に対して話しがしたいと語る佐介
はたして彼は奈楽に何を語ろうというのだろうか?