閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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私たちは最強の友達、飛鳥と焔の底力! 

佐介と光牙が奈楽との戦いを対話によって終わらせている中

 

 

真なる力へと覚醒を果たしたかぐらと戦う飛鳥と焔は互いの持てる力を駆使して戦闘を繰り広げていた

 

 

蓮を二度も失うという悲劇がトリガーとなって真なる力を覚醒させてしまったことで

 

 

かぐらは自身の存在を妖魔を滅することを使命とし、そのためなら命を失うことも厭わないという使命と宿命の囚人と化してしまう

 

 

そんなかぐらを焔が真っ向から否定し、本当の強さが何かを知らしめると明言し、彼女と交戦する

 

 

しかし、いいところまで追い込むも隙を突かれ、やられかけたところを飛鳥に救われるという結果に

 

 

続いて今度は飛鳥がかぐらに挑み、速度を駆使した戦法で追い込もうとするも

 

 

動きを見切られてしまったと同時にかぐらからホノイカズチの力を拳に纏わせた「ホノイカズチ・撃打」をくらってしまうのだった

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォン!

 

 

 

「きやぁぁぁ!?」

 

 

「飛鳥!?」

 

 

ホノイカズチ・撃打による一撃を受けた飛鳥が地面目掛けて吹き飛んで行った

 

 

「〜〜っ、ふっ!」

 

 

落下の最中、なんとか体勢を立て直すことに成功した飛鳥が受け身をとってなんとか地面に着地という形で降り立った

 

 

「飛鳥、無事か!?」

 

 

「はぁ…はぁ…うっ、うん…なんとか…」

 

 

駆け寄ってきた焔に対してそう告げる飛鳥だったがそれは嘘である

 

 

すでにこの時点で彼女の体は肋骨のいくつかに幅が入っており、苦しい状態になっていた

 

 

しかしながら2人で交互に攻めたにも拘わらずこうして自分たちの一手先をいってしまうかぐらの実力にはほとほと驚かされる

 

 

だが、弱気になってもいられない、飛鳥と焔はこの勝負、決して負けるわけにはいかないのだ

 

 

ここで負けてしまえばかぐらは妖魔を滅し、この街を巻き込んでまた深い眠りについてしまい

 

 

またこの負の連鎖を続けるという鎖に縛られ続けてしまう

 

 

何より飛鳥と焔にはもう一つの理由もある

 

 

仲間たちから託された思い、そして佐介と光牙にとの約束のためにも

 

 

負けられない倒れてしまうわけにはいかないのだと2人の心が、魂が訴えているのだ

 

 

「うっ…うぅぅ!!」

 

 

「飛鳥…そうさ、そうでなくちゃな!」

 

 

先のかぐらの攻撃を受けても尚折れることのない飛鳥の闘志と姿に焔も負けられないと立ち上がりを見せる

 

 

「懲りない奴らだ?これほどにまで実力を見せつけられてまだ折れないか?」

 

 

「いっただろう。私たちはお前のように諦めたりするような軟な鍛え方はしてないって、必ずお前にそれを見せつけてやるってな!」

 

 

「かぐらちゃん、私たちは決して負けないよ。あなたを運命の鎖から解き放ってあげるまで、何度でも立ち上がって見せる!」

 

 

こちらを見下ろしながら囁くかぐらに飛鳥と焔は先程も言った言葉を改めて言い放つ

 

 

2人の目には未だ消えぬ闘志の炎が燃えている。ここで諦めるなどできないとそれが物語っているのだ

 

 

「戯言を、もうお前たちを相手にするのも飽きた。今度こそ安藤を渡してくれる。その減らぬ減らず口も含めてな!」

 

 

何度も立ち上がると豪語する飛鳥と焔とこれ以上の戦闘は拉致が開かないと感じたかぐらが今度こそケリをつけることを宣言する

 

 

「飛鳥、かぐらのやつ今度こそ本気で私たちを潰す気みたいだぜ?」

 

 

「うん……でも私たちは負けるわけにはいかない。だから私は最後の一瞬まで戦い続けるよ!」

 

 

「それでこそ私のライバルだ!」

 

 

かぐらがこの戦いに終止符を打つと宣言したことを受け、飛鳥と焔も同じくこの戦いにケリをつけることを意識する

 

 

「いくぞ!」

 

 

「「っ!」」

 

 

刹那、しばしの沈黙を破り、かぐらが飛鳥と焔に向かって急降下してきた

 

 

「焔ちゃん!」

 

 

「わかってる!残る全ての力を出し切るぜ!」

 

 

「だね。いくよ!」

 

 

「あぁ!」

 

 

迫りくるかぐらに応戦するべく焔とともに飛鳥が残る全ての力を刃に込める

 

 

「「っ!!」」バッ!!

 

 

そして迫りくるかぐらに向かって自分たちも跳躍とともに急接近する

 

 

「ふっ!」

 

 

「「はあぁぁぁぁぁ!!」」

 

 

間合いに入ると同時に激しいぶつかりを見せる飛鳥と焔、そしてかぐら

 

 

「「「…っ!!」」」シュン!

 

 

刹那、目で追うのがやっとといえるほどの速度の衝突があちらこちらで繰り広げられる

 

 

飛鳥と焔の掲げる意思、約束かぐらの背負う宿命、運命

 

 

双方の戦う意味と思いがどんどんとぶつかっていった

 

 

「決めるぞ飛鳥!!」

 

 

「うん、焔ちゃん!!」

 

 

「っ!?」

 

 

この一撃でこの戦いに決着を

 

 

その意思を胸に2人が持てる力の全てをその刃を握る手に込めた

 

 

「くらえかぐら!」

 

 

「これが私たちの全力の一撃だよ!」

 

 

「…かかってくるがいい、私もまた全力の一撃でお前たちを完膚なきまでに叩きのめす!」

 

 

全身全霊の力を込めた飛鳥と焔が自身に向かってくるのを見てかぐらは

 

 

同じく全身全霊の技で受けて立つ構えをとる

 

 

「「秘伝忍法!【真紅】!!」」

 

 

真影の飛鳥、紅蓮の焔

 

 

今の2人が織りなす最大最強の必殺技がかぐらに繰り出された

 

 

「そんなもので負ける私ではない【イザナミ】!!」

 

 

対するかぐらもまた今の自身が持てる最大最強のイザナミを繰り出した

 

 

そして双方の大技と大技がぶつかり合った

 

 

「「はぁぁぁぁ!!」」

 

 

「ふぅぅん!」

 

 

真紅とイザナミ、どちらも引けを取らず、まさに一進一退の攻防が繰り広げられる

 

 

 

 

ギュイイィィィィイン!!

 

 

 

 

刹那、力と力のぶつかり合いによってその中心が眩い光を放ちだす

 

 

「「「〜〜〜っっつ!!!??」」」

 

 

飛鳥と焔、そしてかぐらがその光に飲み込まれ、あたり一面が光に支配された

 

 

その数秒の後、周囲を照らしていた光が徐々に薄くなり、再び世界を映した

 

 

光が消え、視界が開けたその先には

 

 

「「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」」

 

 

苦しそうに息をし、真影と紅蓮の姿が解けてしまっている飛鳥と焔が

 

 

さらにその2人が見据える先には

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

同じく荒々しく息を吐いているかぐらの姿があった

 

 

双方の大技の激闘は互いに想像以上の負荷とダメージを合わせたようである

 

 

もはや立っているのも辛いほどに

 

 

「…まっ、まだだ、まだっ…」

 

 

「「っ!?」」

 

 

ボロボロになりながらもかぐらはダメージによって重くなった足を無理やり動かしながらも飛鳥と焔に向かって前進する

 

 

「まだやろうってのかよ?」

 

 

「かぐらちゃん、もうやめて!これ以上はかぐらちゃんの身がもたないよ!」

 

 

「…言った、はずだ…私は、妖魔を1匹、残らず滅するまで…倒れる、わけには…行かないんだと!」

 

 

飛鳥の決死の静止にも耳を傾けず、一歩、また一歩とかぐらは歩み続ける

 

 

そんな彼女にどうしていいのかと考えを見いだせずにいた時だった

 

 

「そこまでです!」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

刹那、彼女たちに呼びかける大きな声が聞こえる

 

 

3人はその声のするほうに視線を向ける

 

 

「さ、佐介くん!」

 

 

「光牙!」

 

 

「…奈楽?」

 

 

視線の先にいたのはこの場に駆け付けた佐介と光牙、そして奈楽の三人だった

 

 

 


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