閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

256 / 606
最凶誕生!?2つの最強を手にし者 

壮絶な大技のぶつかり合いの果て

 

 

双方とも限界まで力を消耗するも

 

 

尚も戦おうとするかぐらだったが、そこに佐介たちと奈楽が現れた

 

 

佐介たちの説得でも止めるには至れず、どうすべきかと思い悩んでいたその時

 

 

奈楽が今までひたすらに抑え込んでいた本当の気持ちを打ち明けた

 

 

その思いを知ったかぐらは奈楽の涙と佐介たちの思いを組み

 

 

ついに戦うことをやめ、晴れて佐介たちにとっての勝利となったのである

 

 

かぐらの件が片付いたことで一行は帰路に就くこととなり

 

 

佐介と飛鳥は休息を取った後に行方が未だ分からない半蔵を探すことを考えたりしながら話しに花を咲かせる

 

 

一方のかぐらたちも今後についてのことを話しあうべく帰ろうとした矢先

 

 

どこからともなく現れた道元がかぐらを襲撃し、一行を驚愕させる

 

 

道元は驚く一向にこれまでの全てが自身のシナリオ通りなこと

 

 

この戦いによってかぐらが消耗するタイミングを見計らい

 

 

隙をついてかぐらから力を奪うことが目的であることを明かす

 

 

そして道元はかぐらから力を抜き取り、それによってかぐらがその場に倒れこむのだった

 

 

 

 

 

 

騒然とする現場の中、佐介たちは言葉を失っていた

 

 

佐介たちの視線の先には力尽きたように崩れ落ちるかぐらと

 

 

不敵な笑みを浮かべている道元の姿があった

 

 

どさっという音とともにかぐら地面に倒れた

 

 

「か、かぐら!?」

 

 

「うっ…うぅ…」

 

 

奈楽が慌てて呼びかけるとかぐらは苦しそうにうんうんと唸っている

 

 

「…ついに、ふふふふふふふっ」

 

 

一方で道元の方はかぐらから抜き取った自身の手に握られた光の塊を眺めながら不敵な笑みを零す

 

 

「道元!」

 

 

「っ?」

 

 

刹那、自分の名を叫ぶ声に視線を向けるとそのすぐ後に矢が飛んできた

 

 

矢を放ったのは光牙だった

 

 

「ふっ!」

 

 

自分めがけて飛んできた矢を道元は後退することで交わした

 

 

「今のうちだ。かぐらのもとに行ってやれ」

 

 

「っ、すまない!」

 

 

光牙が道元を遠ざけることに成功し、すかさず奈楽が急ぎかぐらの元へ駆けつける

 

 

「かぐら!大丈夫か!?」

 

 

「な…なら、く」

 

 

「しっかりしろ!しっかりするんだかぐら!?」

 

 

「うっ…っ……」

 

 

奈楽の呼びかけも虚しくかぐらは力尽きたように気を失ってしまう

 

 

その際、力を抜き取られた影響からか覚醒の姿から一気に最初に会った時のような子供の姿に戻ってしまった

 

 

「……許せません!」

 

 

「「っ!!」」

 

 

「よくも、よくもかぐらを!」

 

 

かぐらをこんな目に合わせた道元を皆が睨みつけていた

 

 

「ふん、貴様らがそのような顔をしたところでどうということはない、私はついに念願の力を手にしたのだからな」

 

 

道元は手にしたかぐらから抜き取った力の塊を眺めながら吐き捨てる

 

 

「さて、これですべての準備は整った。見るがいい!」

 

 

続けざまに道元は何も手にしていない反対側の手で懐から何かを取り出す

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

この瞬間、その何かを見た一同は凍り付いたように驚く

 

 

視線の先、つまり道元の左腕に握られていたものは禍々しい気を放ちながら

 

 

どくんどくんと鼓動が脈動している赤い何かだった

 

 

「この邪悪な気配、貴様、まさかそれは?」

 

 

「あぁ、察しと通りさ、そうともこれは怨桜血(オロチ)の心臓だ」

 

 

「「「「「怨桜血(オロチ)の心臓!?」」」」」」

 

 

道元の見せつけたもの、それは覚醒直後のかぐらに襲い掛かり

 

 

彼女の妖魔を滅する力によって消滅したと思われていた怨桜血(オロチ)の心臓だったのだ

 

 

「あの時、消耗する直前に私がすかさずこれだけは回収しておいたのだよ。これも私にとって大切なピースの一つだからね」

 

 

手にしている怨桜血(オロチ)の脈動する心臓を眺めながら道元はそう語った

 

 

「さぁ、そこで刮目するがいい!そして世紀の瞬間に立ち会えることを光栄に思うがいい!」

 

 

そういうと共に道元が自身の体に両手に握っている二つの力を押し込んだ

 

 

「ぐぅ!ぬぅうぅ!!」

 

 

強引に押し込みながら2つのエネルギーを自身の体内にへと取り込んでいった

 

 

やがて2つの力をは完全に道元の体内に吸収された

 

 

「ぐぅ…ふっふふふふ!さぁ、見るがいい!これが世紀の瞬間の幕開けだぁぁぁぁぁ!!」

 

 

刹那、力を取り込んだ道元の体が凄まじい光を放った

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

道元からあふれる禍々しい妖気を孕んだ光の光波が周囲に広がっていく

 

 

光波の勢いの凄まじさによって佐介たちはその場から動くこともできそうになかった

 

 

そんな彼らを他所に道元の体に徐々に異変の兆候が見えてくる

 

 

しかしこの光波のせいでそれを直視することが非常に困難な状況だった

 

 

「ふんんん!!…ふぁぁぁぁぁぁぁ!」】

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

次の瞬間、道元が声を張り上げるとともに先ほどよりも強い光波が押し寄せ

 

 

佐介たちはあまりの威力にたじろいでしまった

 

 

数秒後、光波の勢いが収まりを見せていき、光牙が先んじて恐る恐る状況の確認を行う

 

 

「……なっ!?」

 

 

光牙がそれを目にした瞬間、驚愕の表情を浮かべる

 

 

「「「「っ?……っ!?」」」」

 

 

続くように他の皆も光牙と同じ先を見るとともに彼と同様の表情を浮かべる

 

 

【「ふぅ~……ふふふふ、驚いているようだね諸君?」】

 

 

「貴様、道元…なのか?」

 

 

【「あぁその通りだよ。どうかな?この美しく悍しい私の姿は?」】

 

 

一向が見た先にはかぐらとオロチの力を取り込み

 

 

人と妖魔が混じり合い、それでいて禍々しい形をした道元の姿があった

 

 

その姿を一言で表すとするならまさに「異形」という言葉が相応しいとすら思えるほどに

 

 

【「素晴らしい、素晴らしいぞ。体の底から力があふれ出てくる!」】

 

 

異形の姿となった道元が自身の手に入れた力に歓喜の声を上げる

 

 

佐介たちに至ってはその凄まじい力をあふれ出している道元の姿にただただ驚くしかできずにいるのが現状だった

 

 

【「さて、では早速手に入れた力を試してみるとしよう…お前たちという実験体でね」】

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

手に入れた力の試運転を兼ねて道元は視線を目の前にいる佐介たちに向ける

 

 

すると少しずつ道元の体が宙に浮かんでいった

 

 

見る見るうちに佐介たちが見上げなければならないほどの高さまで浮かんでいった

 

 

【「ふぅぅぅぅぅん!」】ゴォォォォォ!

 

 

十分な高さまで到達すると道元は両手を構えるとともに力を集中させる

 

 

やがて邪なエネルギーを帯びた球体を生成した

 

 

【「くらえっ!【ナルミカヅチ・妖】!!」】

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

道元の放ったそれが佐介たちめがけて飛んでいくのだった

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。