閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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悪魔の道元、襲い掛かる魔の手 

奈楽に続きかぐらと和解することに成功し、佐介たちは実質上戦いを終わらせることができた

 

 

これ以上かぐらたちと争う必要もなくなったことで佐介と飛鳥は

 

 

仲間たちと合流して行方不明の半蔵を探すことについて話し合ったりしており

 

 

かぐらと奈楽もこれからのことについてを相談している最中

 

 

突如、何の前触れもなく、倒したと思われていた道元がかぐらの背後から奇襲を仕掛けてきたことで状況は一変する

 

 

道元はかぐらから力を奪うために彼女が弱体化するタイミングをずっと狙っていたこと

 

 

飛鳥と焔との戦いによって消耗し、戦いが終わったことで油断しているこの絶好の好機を利用し行動に出た

 

 

そして見事かぐらから力を奪い取り、さらには彼女によって消滅させられたオロチの心臓を密かに回収していたことも明かした

 

 

次々と起こる状況に周囲が困惑している中、道元は満を持したといわんばかりに手にした二つの最強の力を自身の中に取り込んだ

 

 

2つの力を手に入れたことで道元はかぐらとオロチ、双方の力を備えた異形なる者へとその身を昇華させ

 

 

湧き上がるこの力の威力を確かめるためにと佐介たちに攻撃を仕掛けるのだった

 

 

 

 

 

空へと浮かび上がり、道元が佐介達を見下ろすように視線を向ける

 

 

【「ふぅぅぅうん!」】

 

 

直後、両手を構えて中心にエネルギーを蓄積する

 

 

【「食らうがいい、【ナルミカヅチ・妖】!!」】

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

道元から放たれたその邪悪なるエネルギー弾が佐介達めがけて飛んできた

 

 

「退避しろ!?」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

すぐさま光牙が逃げるように指示を出す

 

 

しかしエネルギー弾の速度は予想より速かった

 

 

 

ドバァァァァァン!

 

 

 

「「「「「うわぁぉぁぁぁ!!??」」」」」

 

 

逃げる暇もなく、佐介達はエネルギー弾の着弾による衝撃によって吹き飛ばされてしまった

 

 

「うっ、うう……み、みんな無事か?」

 

 

「な、なん…とか」

 

 

着弾によって吹き飛ばされた佐介達はなんとか身を起こす

 

 

「み、みんな、あれ見て!」

 

 

「「っ!?」」

 

 

何かに気づいた飛鳥の向く方に佐介達も視線を向けてみる

 

 

そこには先のエネルギー弾の着弾によって黒焦げた地面と周囲に発生している黒い炎だった

 

 

「あれは間違いなくかぐらの技だ…だが」

 

 

「明らかに私たちが戦った際に使っていたのよりも威力が桁違いだぜ?」

 

 

なまじ妖魔の力を取り込んだことも作用したことでその威力は凄まじいものとなっていた

 

 

「あんなもの、まともに食らったら一発でアウトだぞ?」

 

 

「どうしよう、こっちには今戦える戦力はほとんどないよ?」

 

 

飛鳥の不安はもっともなことだった

 

 

ここまでくるまでに佐介と光牙は道中に疾風に遭遇と同時に戦闘を開始する羽目になり

 

 

最悪やられていてもおかしくない中、大導寺と凛が加勢してくれたおかげで今この場にいるのだ

 

 

しかし佐介に至ってはこれに加えて奈楽との戦闘によるダメージも加算されている

 

 

一方の飛鳥と焔も今さっきまでかぐらと壮絶な死闘を繰り広げ

 

 

力の全てを出し切るほどの大技を使ってしまったこともありとても戦闘継続は不可能だった

 

 

「くそっ、なんという最悪の事態だ!」

 

 

自分たちの目の前には力を取り込んだ道元がいる

 

 

野心家である道元のことだ

 

 

この場でなんとかしなければきっとよからぬことをしでかすに違いない

 

 

かつてない災厄を齎す恐れのある危険な存在がすぐそこにいるというのに

 

 

今の佐介たちではそれをどうにかする手立てすらないのだ

 

 

どうしたらいいのかを思い悩んでいる中で一人何かを思い立った者がいた

 

 

…奈楽だ

 

 

「…お前たち、頼みがある」

 

 

「「「っ?」」」

 

 

「奈楽さん?」

 

 

突然の呼びかけに佐介たちはどうしたのかと彼女に視線を向ける

 

 

「頼む、自分が奴を引き付けている隙にかぐらを安全な場所まで連れて行ってくれ」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

奈楽の言葉を聞いた佐介たちは驚きに包まれる

 

 

「な、何を言ってるの奈楽さん!?」

 

 

「そうだよ!危険だよ!?」

 

 

「さっきの攻撃見ただろ、今のあいつはかぐらと妖魔の力を持ってるんだぞ!お前一人でどうにかできるわけないだろ!?」

 

 

いくら自分たちを逃がすためとはいえ、二つの力を取り込み「化物」と化している今の道元をたった一人で食い止めるなんてできるはずもない

 

 

最悪の場合は殺されてもおかしくはないのだ

 

 

「ダメですよ奈楽さん、そんなの無茶です!?」

 

 

「じゃあどうしろっていうんだ!消耗しすぎて戦うこともできない今のお前たちなんか私よりも役立たずではないか!」

 

 

しばし聞き流していた奈楽だったが我慢できず反論をする

 

 

彼女のその言葉を聞いた佐介たちは事実だったがゆえにぐうの音も出なくなってしまった

 

 

「それに何より私はかぐらを守護する守人だ。たとえ対等な関係になろうとも私はこの役目事態を捨てたつもりはない、今までとは違う。私は私の意思でかぐらを守る者としてあり続けるんだ」

 

 

奈楽がかぐらと友になることができたことで自分がなりたい守人となることを決意し、それが今の彼女の姿なのだと

 

 

「例え相手がどれほどの奴だろうと私はかぐらを守る。友達として、大切な人として!」

 

 

かぐらを守ると言う奈楽の意思の強さはとても強固なものに思えた

 

 

佐介達はそんな彼女の思いに胸を打たれそうな気がした

 

 

【「くだらないおしゃべりは済んだかな?それに何やら私を食い止めると言うような声が聞こえたみたいだが…お前程度の雑魚が今の私に叶敵うとでも思っているのかな?」】

 

 

「例え敵わなくてもかぐらを守るためならこの命惜しくない!」

 

 

【「ふふふふふっ、大きく出たな?ならその域がどこまで続くか試してやろう。じわじわと痛めつけながらな」】

 

 

道元は奈楽の言葉を聞いて自分を前にして粋がる小娘を体のみならず心までずたずたにしてやろうと思い立ち

 

 

体から力を溢れ出させる

 

 

【「さぁ、どこまでやれるのか見せてみるがいい!」】

 

 

「っ!」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

そして道元が再びナルミカヅチ・妖を繰り出そうとし

 

 

奈楽は身構える

 

 

「(どうしよう、このままでは奈楽さんが!?)」

 

 

今の道元と戦えば殺されてしまう可能性は火を見るよりも明らかだった

 

 

せっかくここまで来たというのに道元によって全てを壊されてしまうのかと絶望が能理恵泳ぎる

 

 

だが、その時だった

 

 

 

シュン!!

 

 

 

「っ?」

 

 

刹那、技を放たんとする道元のはるか後方に一つの影が現れる

 

 

宙を浮いている道元の背後ということはそれよりもさらに高い位置ということになる

 

 

どうやら佐介以外のほかの皆や道元も影の存在に気づいいる様子ではなかった

 

 

佐介しか気が付いていない中

 

 

道元の背後の影が攻撃のための構えを取る

 

 

数秒の沈黙の後、その影が動きを見せた瞬間

 

 

 

ビュオォォォォォォ!!

 

 

 

突如として発生した6つの竜巻が放たれた

 

 

【「っ?…な、なにっ!?」】

 

 

その音でようやく背後からの攻撃に気づいた道元だったが

 

 

気づいた時には時すでに遅し、もう竜巻は目の前に迫っていた

 

 

【「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!?」】

 

 

押し寄せた6つの竜巻が道元に直撃

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

それを見ていた佐介たちもまた突然のことに驚きを隠せずにいるのだった

 

 

 

 


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