奇襲によってかぐらから力を奪い去った道元が
同じく事前に所持していたオロチの心臓を手に入れたかぐらの力とともに自身の中に取り込み吸収した
二つの最強の力を取り込んだことによって異形なる姿へとその身を昇華させた道元は
手に入れた力の程を確かめるべく佐介たちに攻撃を仕掛けてきた
道元の放った二つの性質を練り合わせた技の威力を目の当たりにした佐介たちはあまりの威力に恐怖する
どうにかしようにも体力が消耗している自分たちが道元に挑もうとしたところで返り討ちにあうことは明白
しかし道元をこのまま放置もできないと悩んでいる中
奈楽が殿として道元の足止めをすること、その間に佐介たちにかぐらを逃がすよう申し出る
当然佐介たちはこれを拒むも奈楽の叱咤、並びにそれをさせまいとする道元の動きによってもはや万事休すな状況だった
だが、その直後、技を放とうとする道元の背後から何者かの影が出現し
発生させた6つの竜巻を繰り出し道元を攻撃してきた
気づいた道元だったが一歩遅く、襲い来る竜巻の一撃を受けるのだった
ビュオォォォォォォ!!!
【「なにっ!?ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」】
吹きすさぶ6つの竜巻が道元を直撃し
その一撃を受けた道元は勢いのままに一気に地面にたたきつけられてしまったのだった
「な、なんだ?」
「いったいどうしたの?」
突然の事態に理解が追い付かず皆が困惑する
一方で佐介と光牙はすかさず道元を攻撃した人影のほうに視線を向ける
シュン!
「なっ!?」
「消えた!?」
視界から突如消えた影の行方を必死に探す
「慌てんなって。俺ならここにいるぜ?」
「っ!?」
「お前は!?」
気が付く暇すらなく瞬く間に自分たちの傍まで現れたことに驚くとともに
その人物は佐介と光牙たちには見知った人物だった
「よぉ」
「疾風!?」
「「「「っ!?」」」」
佐介たちの前に現れたのはなんと疾風だったのだ
「おいおい、ちょっと目を離しただけで偉くボロボロになってんじゃねぇかお前ら?」
「誰のせいだと!…って、それよりもなぜお前がここにいる!?」
「そうですよ!だってあなたは師匠と凛さんが食い止めてくださってたはず!?」
皆が驚くのも無理はない、本来なら疾風は今も大導寺と凛が自分たちを追いかけてくることを食い止めてくれているはず
故にここにいること自体がおかしいことなのだと
「落ち着けって、そう慌てなさんな?カルシウム足りてないのか?」
「話しをはぐらかそうとするな!」
「おいおいこりゃひでぇ」
「人の話しを聞け!?」
いつものようなおちゃらけた態度で場の空気を壊す疾風にここにいる理由を問うも
当の疾風はまったく説明しないどころか気を失っているかぐらのほうに行っていた
「最初に奴からかぐらの気配を感じたからおかしいとは思っていたがもよやこんなことになってるとはな」
「……あぁ」
道元から漂うかぐらの気配と彼女の現状を見て疾風らある程度を察しったように理解を示す
「たくっ、人がちょっと来れないことをいいことに好き勝手やってくれやがったなあのクソ野郎が?」
「(疾風さん相当怒ってる?)」
物静かに言っているがその実はかぐらを傷つけた道元に対して怒り心頭の様子であることを佐介は感じた
ドゴォォォン!!
「「「「「っ!?」」」」」
直後、道元が吹き飛んだところから物凄い音が響き、そのすぐ後に再び道元が再び現れる
【「貴様、随分とやってくれたな?不意打ちとは卑怯な奴め!」】
現れて早々に自分を吹き飛ばしたのが疾風であることを察したのか彼に対して怨みつらみを吐き捨てる
「不意打ち?卑怯?…はっ、妖魔衆をけしかけてかぐらとこの嬢ちゃんを襲わせた奴が言えたことか?それによう、戦いにおいて卑怯もへったくれもあるのかよ?」
【「ぬぅ〜、貴様。許さんぞこの虫けらが!」】
「こっちのセリフだ。かぐらをこんな目に合わせやがって…ぶち殺すぞおっさん?」
怒りを見せる道元に対して疾風もまた帽子の内に隠している鋭い眼光を見せながらそう言い放った
【「この私をぶち殺すだと?はっ、無駄だな。不意打ちを食らったことは失態だったが貴様程度が加わったところで私がやられるとでも思っているのか?身の程知らずにも程があるというものだ」】
「おまえこそちっともわかってないようだな?」
【「なにっ?」】
「ここに来たのが俺だけだと思ってんのか?」
疾風が意味深な言葉を呟いたその時だった
シュンシュン!
【「っ!?」】
「「っ!」」
「あっ!?」
「あれは!」
突然、道元の左右から現れた新たな人影によって瞬く間に動きを封じられた
「久しぶりだな道元、よもやこんなところでお前と会うことになるとは思いもよらなかったぞ?」
【「…鈴音か、それに貴様は半蔵学院の?」】
「大導寺だ」
道元の左右から現れ、動きを封じた者たちの正体は疾風同様にいつの間にかこのこの場に来ていた大導寺と凛だった
「師匠、それに凜さんも?」
「どういうことだよ?まったく状況がつかめねぇぞ?」
次から次へと変化する現状に佐介たちは頭を抱える
「あの姉ちゃんたちとドンパチやってたら妙な気配を感じ取ったんでひとまず利害の一致でここに来たってわけよ」
疾風も大導寺と凛も突如として佐介たちの方角に道元の得た二つの力が合わさった邪悪な気配を感知し
双方ともに現場のことが気掛かりということもあり、一先ず休戦としてこの場に来たということなのだ
「…どういう風の吹き回しだ?」
「ん?」
その直後、光牙が疾風に声をかけてきた
「大導寺と凛ならばわかる。だがどうしてお前が俺たちを助ける?」
先ほどまで死闘を繰りほろ毛ていた相手が今度は自分たちを助けてくれた
異形と化した道元が感知できないほど間合いに入れるほどの男だ
彼がその気ならかぐらだけ救ってあとは野放しという選択肢すらあったはず
光牙はどうにもモヤっとした様子で疾風に問うたのだ
「相変わらず詮索が好きな奴だな〜……別に深い意味はねぇよ」
質問に対してそう受け答えする疾風だったが、光牙はそれが嘘であることは十分わかっていた
だが、帽子で顔を隠しながらどこか寂しげな声を出す疾風を見てこれ以上の詮索をすることをやめた
【「お前たちもここに来るとはな。命知らずな奴らだ?」】
「笑止、忍とは死に様を如何に咲かせるかで決まる。死を恐れてなんとする?」
「貴様を倒してこの騒動を止める。我々の役目はそれだけだ」
大道寺と鈴音は決してそんな言葉に屈するような者ではなかった
【「そうか、そんなに死に急ぎたいと言うのなら…望み通りにしてやろう!」】
ギュオオォォォ!!!
「「っ!?」」
道元の体から溢れ出す気によって大道寺と鈴音は吹き飛ばされてしまった
「「「「「っ〜〜っ!?」」」」」
「野郎….」
「ちぃっ!」ザザァ!
「不覚っ!」ザザァ!
凄まじい気圧が周囲を覆う
【「さぁ、来るがいい。まとめて片付けてやるぞゴミどもが」】
自分を罠に嵌めようとした疾風と大道寺と凛、そしてその後ろにいる佐介たちに向けてそう宣言する道元だった