閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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道元を叩け、行け三強者!

かぐらとの壮絶な戦いが終わりを告げた矢先

 

 

彼女を襲い、奪い去ったその力と怨桜血(オロチ)の心臓を使い

 

 

二つの最強の力を手に、異形なる存在へとその姿を昇華させた道元が佐介たちを襲い始める

 

 

その力に対抗しようにも佐介たちは度重なる戦闘によって体力も限界を迎えているせいで

 

 

とても戦える状態ですらない、ゆえに手をこまねいているほかできなかった

 

 

しかしそれを見て奈楽が咄嗟に自分が道元を足止めする代わりにかぐらを連れていくよう言いだした

 

 

佐介たちが断るもそれすら待つつもりなしと襲い掛かろうとする道元を

 

 

突如としてどこからともなく現れた影が攻撃してきた

 

 

影の正体は疾風であり、さらに直後続くかのように現れた大導寺と凛も加勢に入った

 

 

次から次へと急転する展開の中

 

 

道元は自分を拘束する大導寺と凛を気ではねのける

 

 

疾風、大導寺、凛という加勢の到着とともに戦いは新たなる流れを生み出すのだった

 

 

 

 

 

 

仕留めるつもりで仕掛けた大導寺と凛だったが道元の思わぬ一手によって失敗に終わってしまう

 

 

「読みが甘かったようね?まさか奴が我々の拘束をあのような形で防いでくるなんて?」

 

 

「少々不覚を取ったな?」

 

 

取る自信があったというのにこの失態かと大導寺と凛は少しながら自身が情けないなと感じていた

 

 

「そう落ち込みなさんな姉ちゃんたち、そう簡単に首取れるんだったらこいつらも苦労してねえだろ?」

 

 

「「っ?」」

 

 

最中、背後から歩み寄ってきた疾風が2人にそう言い放つ

 

 

「奴は今かぐらの力も得ちまってるんだ。生半可な奴じゃねぇよ」

 

 

「だったらどうするつもりだ?お前は何か策を持っているとでも?」

 

 

「策なんかまどろっこしいもんはねぇよ。やることはただ一つ…あいつを全力でぶっ飛ばす、ただそれだけだ!」

 

 

「…」ジド~

 

 

かっこよく言っているように見えるがその実はただ無策なだけでしかないということかとわかり

 

 

凜は半ば呆れたような顔を浮かべる

 

 

「なんという無策…だが、嫌いではない。我もその意見に賛同だ」

 

 

「ちょ、大導寺まで?」

 

 

なんだか妙に同調してる2人に凜は困惑の顔を浮かべていた

 

 

「あぁそれと、お前ら危ねぇから離れてな?ろくに戦えねぇ奴らは足手まといになるだけだからよ」

 

 

「なっ、なんだと!?」

 

 

自分たちを足手まといと称する疾風の言葉に焔はムッとなる

 

 

「焔、落ち着け。残念ながら今のこの状況ではこいつの言ってることのほうが正しい、もう体力も限界に近いそんな状態で加勢されたら我々とて庇いきれん」

 

 

こればっかりは凜も疾風の意見に賛同している様子だった

 

 

「凜まで?」アセアセ

 

 

「あいつらの言ってることはもっともだ。ここは言うとおりにしよう。駄々をこねたところで俺たちが何もできない状況なのはまごうことない事情なのだからな」

 

 

「…わかったよ」

 

 

なまじ相手が相手だ、下手に加勢してもまともに戦えない自分たちがいてはかえって3人の戦いの邪魔をしてしまうことはだれの目からも明らかなことである

 

 

焔は凜と光牙の説得を受けて渋々了承し、その場から少し離れた

 

 

「…さて、待たせたな?じゃあいっちょ始めようぜ?」

 

 

「「っ!」」スッ

 

 

【「くるがいい。跡形も残さず塵にしてやろう」】

 

 

準備は整い、双方は戦闘体制に入る

 

 

佐介たちが見守る中、暫しの沈黙が流れる

 

 

「さぁ、行くぞ…っ!!」

 

 

「先走るなよ大導寺!」

 

 

「わかっておる!」

 

 

最初に動きを見せたのは大導寺と凛だった

 

 

「やれやれ、本当、血気盛んな嬢ちゃんたちだこと…っ!」

 

 

2人は勢いよく駆け出すとともに左右からそれぞれ道元に向かっていった

 

 

その二人の後を追うように疾風も駆け出す

 

 

【「猪口才な…ふん!!」】

 

 

 

ビュビュビュビュビュ!!

 

 

 

道元が大導寺と凜、疾風に向かって両手から同時に光弾を連射する

 

 

その嵐の中を大導寺と凛を尚も勢いを止めず突き進む

 

 

「ふっ、はあっ!!」

 

 

すかさず凜が反撃と言わんばかりに所持している巨大手裏剣を道元に向けて投げつけた

 

 

【「小賢しい…っ!」】

 

 

しかしそれに気づいた道元が防御壁を展開しこれを防いだ

 

 

「ちいっ!」

 

 

【「この程度の攻撃では私に触れることもできぬぞ?」】

 

 

「ならばこれならどうだ!獣波拳!!」

 

 

続いて大導寺が獣波拳を繰り出す

 

 

【「無駄だ!」】

 

 

それに対しても道元は防御壁を展開してこれを防いだ

 

 

【「ふん、貴様ら如きの技が私に届くものか。残念だったな?」】

 

 

嘲笑うかのように道元がそう言い放つ

 

 

「おっと、無駄かどうか決めつけるのはまだ早えんじゃねぇの?…っ!!」

 

 

この攻防を利用していつのまにか間合いに入り込んでいた疾風が道元に仕掛けた

 

 

【「はあっ!!」】

 

 

「ぐっ!?」

 

 

だが、疾風が仕掛けるよりも先に道元が気の波動を放ち

 

 

それによって疾風の不意打ちは失敗に終わる

 

 

【「性懲りもなく背後を攻めに来たか?いかにも姑息なネズミのやりそうなことだな?」】

 

 

「薄汚ねぇゲスよりかは遥かにマシってね。はぁっ!」

 

 

【「っ!?」】

 

 

不意打ちは防がれたものの、それでうろたえるような疾風ではない

 

 

すかさず次なる一手に動きだす

 

 

回転(スイング)突撃(ラッシュ)三日月(クレッセント)!!」

 

 

チェーンを駆使した怒涛の蓮撃を次々と繰り出していく

 

 

回転(スピア)!!」

 

 

【「っ!」】ガシッ!

 

 

「なっ!?」

 

 

【「ぬぅぅあ!」】

 

 

疾風の放ったチェーンをかわすとともにそれを掴むとともにそのまま回転を加えて投げ飛ばす

 

 

「ふぅぅん!!」

 

 

【「ぬぐっ!?」】

 

 

だが、休む暇を与えまいと跳躍によって空から落ちてきた大導寺が蹴りを道元に膝裏の関節部分にぶつける

 

 

「ふん!!ふぅん!たあっ!!」

 

 

【「っ!?…くぅぅん!」】

 

 

「ぐっ!?」

 

 

膝を付き、よろけた隙に連続の打撃を顔面にぶつけていく

 

 

しかし道元も負けてはおらず、反撃の蹴りを繰り出し、それを見た大導寺が急ぎ受け身を取るもその勢いの凄まじさに大きく後方へ吹き飛ばされる

 

 

【「ふぅ…っ!?」】

 

 

「やあっ!!」

 

 

大導寺が退いたと思ったら今度は凜が仕掛けてきた

 

 

「せいっ!やあっ!」

 

 

【「ちぃっ!?」】

 

 

パワーでゴリ押す大導寺とは対照的にスピードを駆使して凜は攻め立てていく

 

 

【「っ!」】

 

 

「ぬぅっ!?」

 

 

道元が反撃を仕掛け、それによって手裏剣の片方が宙を舞う

 

 

「~…っ!!」バッ!

 

 

【「なっ!?」】

 

 

凜はそれに怯むことなく、道元の懐に潜り込むと同時に彼の体を踏み台として自身も宙へと飛び上がる

 

 

「はあっ!!」パシン!

 

 

【「ぐっ!?」】ズシュッ!

 

 

直後、先んじて宙を舞っていた手裏剣をかかと落としの要領で蹴り飛ばし

 

 

手裏剣は道元の頬をかすめた

 

 

【「ぬあっ!!」】

 

 

「がはっ!?」

 

 

これに怒った道元が反撃のブローを繰り出し、凜は吹き飛ばされるも受け身を取って衝撃を殺すことに成功する

 

 

「凜さん!」

 

 

「大導寺!」

 

 

彼女の元に大導寺と疾風が駆けつける

 

 

一方の道元は凜につけたられた傷口を摩る

 

 

【「…それだけやってもこの程度か」】

 

 

3人の奮闘を嘲笑うかのような発言をした直後、頬の傷が凄まじい勢いで治癒されていった

 

 

「…化け物が」

 

 

「やっぱ、一筋縄じゃねぇな?」

 

 

「…手強い」

 

 

 

実力者である3人ですら苦戦を強いられる異形と化した道元

 

 

果たして彼をを倒す術があるのか?

 

 


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