閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第二十三章 あなたはまさか!?

ここは私立蛇女子学園、半蔵学院とは逆に悪忍たちの育成を目的とした学園

 

そこは毎日毎日が厳しい修行をおこなわされ、生徒たちの争いが絶えないそんな場所であった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが蛇女子学園…」

 

そんな蛇女に雲雀はついた

 

場の雰囲気からしてこわいと取れたその場所へと震える心と体に活をいれ、いざいかんとした時だった

 

「おい。貴様何者だ?」

 

「っ!?」

 

背後に気配を感じた雲雀が恐る恐る振り向くと

 

そこには光牙がいた

 

「…お前、春花が気にかけてる小うさぎか?」

 

「こ、小うさぎ?」

 

光牙の自分の認識はどうやらうさぎ扱いだった

 

「まぁいい。それで、善忍がここで何をしている?」

 

「あっ、あのひばりはその…」

 

「はっきりと答えろ。…もし俺たちの秘密を探りき来というのならば残念だったな」

 

そう言うと光牙は弓を生成し矢を構える

 

「ちっ、違うの!ひばりは春花さんに会いに来たの!(この人。怖いよ~!)」

 

「なに?…春花になんのようだ?」

 

「春花さんに言われたの蛇女にこないかって。だから!」

 

雲雀の言ったことを聞いた光牙は矢を構えたまま止まっていたが少しして矢と弓を元の粒子に戻した

 

「…こい。春花のもとに案内してやる」

 

「ひばりのこと信じてくれるの?」

 

「うるさい。お前は黙って付いてくればいいんだ」ギロ

 

「はっ、はい!?(やっぱり怖いよ~)」

 

光牙に連れられて雲雀は蛇女に入ることができた

 

 

 

忍部屋に到着すると、光牙が連絡用機器を使って春花と連絡をとる

 

「おい春花」

 

『何かしら?いま入浴中なんだけど~?』

 

どうやら春花は今、シャワー室にいるようだった

 

「そんなものさっさと終わらせて来い。お前に客だ」

 

『…来たのね』

 

「…そのようだな」

 

『わかったわ。すぐに行くから待ってて』

 

そう言うと春花は通信を切った

 

 

 

 

 

 

「お待たせ」

 

「はっ、春花さん」

 

「…ふん」

 

春花がバスローブ姿でやってきた

 

「ありがとね光牙くん。ひばりをつれてきてくれて」

 

「ふん…もういいか?ならもう用は済んだ。修行に戻る」

 

「もう、相変わらず無愛想ね~」

 

光牙は要件をすますとそそくさと修行に行ってしまった

 

「行っちゃた…ひばりのせいなのかな?」

 

「違うわ。彼、この前の戦いのことが忘れられないみたいでね。打倒佐介くんにむけて強くなろうとしてるのよ。修行時間も今までの倍に増やしてね」

 

「…佐介くんと」

 

彼もまた佐介の存在により変わった人なのだと雲雀は共感した

 

「それで…答えは出たの?」

 

春花が話しを切り替えて雲雀に問うた

 

 

 

「うん。…春花さん。ひばり蛇女に、春花さんたちの仲間になる」

 

決断した雲雀は蛇女に行くことにした

 

「そう、懸命な判断ね」

 

「(これはひばりにしかできないこと。蛇女に入って隙を見て超秘伝忍法書を取り戻してみせる)」

 

「(まぁ、魂胆は見え見えだけど、しばらくは付き合ってあげるわ。面白そうだし。ふふふふ)」

 

内心決意を固める雲雀とそれを見抜いている春花は内心ほくそ笑むのだった

 

 

 

かぽ~ん♪

 

 

 

その後春花は入浴のし直しの意味もこめ雲雀を一緒に風呂に入れた

 

「気にしないでね。私ちょうど入浴中だったから」

 

「はっ、はぁ‥」

 

「私が言ったことちゃんとわかってくれて嬉しいわ」

 

「もう、半蔵学院に居場所は…ないから」

 

操られしたこととは言え超秘伝忍法書を盗み、自分は今こうして蛇女にいる

 

自分しでがしたことは大きな事、今更戻ることはできない

 

そう思う雲雀の心に一番大きく浮かんだのは佐介と柳生の笑顔だった

 

大好きな二人を裏切ってしまったことが今の雲雀には一番、心を痛めるものだった

 

「…大丈夫よ。決して悪いようにはしないわ。私がそばにいてあげるわ。うふふふ」

 

「春花さん…」

 

春花はそう言うと雲雀を抱きしめる

 

「(秘伝忍法書を強奪する命令なんてぶっちゃけどうでもよかったのよ。私はこの子が欲しかっただけ)」

 

そう春花は内心思っていることを心の中で本音をつぶやくのだった

 

 

 

 

 

風呂から上がると春花が雲雀を訓練所に案内する

 

 

「ここが訓練所よ。ここではたくさんの生徒たちが修行に明け暮れてるのよ」

 

「…」

 

訓練所の光景に雲雀は息を飲む

 

「ほ~これは珍客だな」

 

「だれや思ったら半蔵の忍やん」

 

「このままじゃ光牙さん。懲罰ものですわね」

 

「光牙がそんなヘマするって今一想像できないんだけど…」

 

そこに春花と同じ選抜メンバーである焔たちが来た

 

「紹介するわ。今日から蛇女に転入する雲雀よ。私がスカウトしてきたの」

 

「なに?」

 

春花の言ったその言葉にメンバーは驚く

 

すると焔が雲雀に近づく

 

「本気なのか?」

 

「はっ、はい…もう半蔵には戻れませんから」

 

少々怯えた表情で焔のといに雲雀は答えた

 

「そうか、ではお前は今日から私たちの仲間だな」

 

えらくあっさりと認めたことに雲雀は驚く

 

 

 

ジャキィィィィン!!

 

ドサッ

 

 

その時、崖の上から胴体を真っ二つに切り裂かれた傀儡が落ちてきた

 

「なっなに?」

 

「お~また派手にやったもんだな」

 

「勘弁してほしいわ~。あの傀儡たち作るの大変だったのに」

 

焔が意地悪そうないい方でもの申し春花は困った表情を浮かべた

 

そして崖から人影が降りてきた

 

「…生ぬるい」

 

「ひどいわね~人がせっかく作ってあげたものにその評価なんて」

 

「ふん…」

 

「あっ、そうそう。光牙くんにも教えなきゃね。今日からひばりは私たちの仲間になったから」

 

春花がそう言うと光牙は少し驚きながら雲雀の顔を見た

 

雲雀は先程の印象のこともあり、怖さを感じていた

 

「そうか。了解した…春花。あとでちゃんとこの小うさぎのこと鈴音に報告しとけよ?」

 

「小うさぎ?…ってそれひばりのこと?」

 

「そうだが?」

 

そう光牙が言って少しして

 

「…ぷふっw」

 

「「「プハハハハハハハwwwww!!」」」

 

春花や焔たちが一斉に笑い出す

 

「ひばり、あなた光牙くんに小うさぎって呼ばれてるのww?」

 

「えっ?…あぁ。なんかそうみたいで」ワタワタ

 

「光牙、お前そんな可愛いあだ名つける趣味あったんだな。知らなかったよwwなにこのギャップ?wwだめだ完全にツボにwww」

 

「笑うな…」イラ

 

光牙は笑いまくる彼女たちにいらだちを感じていた

 

 

 

 

 

 

 

その後、いろいろな説明を受けた後、雲雀はとある部屋に招かれた

 

「お待たせ雲雀、鈴音先生よ。私たちの教官様」

 

「半蔵学院から寝返ったというのはお前か?」

 

「はっ、はい…」

 

「…にわかには信じ難いな」

 

鈴音のその言葉に雲雀は胸を痛める

 

「全例がないわけではありませんでしょ?寝返ったことでより優秀な忍となる可能性だってありますわ…ねぇ鈴音先生?」

 

「…確かに、ではその者の件はお前に任せる」

 

「御意のままに」

 

春花とつられて雲雀も頭をさげる

 

「…どちらに?」

 

「用があってな少しでる。留守は任せたぞ?」

 

「はっ」

 

そう言い残すと鈴音は部屋を出ていった

 

「ひばり、あの鈴音先生はね元善忍なのよ」

 

「えっ?」

 

「あなたのようにそう言う人もいるってことよ。でも他言はしないでね、これトップシークレットだから」

 

「…あの人もひばりと同じ」

 

春花から聴かされたそのことを深く考える雲雀だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雲雀が蛇女に転入したのをしらぬまま彼女を助けんと策を練る半蔵学院の面々

 

そんな中、佐介はいつものようにトレーニングをしていた

 

「(おそらく悪忍さんたちの拠点には光牙くんがいるはず…そうなればひばりちゃんを助けに行く際にもっとも壁になるのは彼だ。だからこそ僕は強くならなきゃならない、光牙くんたちを倒してみんなでひばりちゃんを助けるんだ!!)」

 

その思いを胸に佐介は修行に励む

 

そんな時だった

 

「っ!?」

 

何者かの気配を察した佐介はその方へ目を向ける

 

すると屋根の上から自分を見下ろす女性らしき人影が

 

「誰ですか?」

 

「半蔵学院の忍、佐介。手合わせ願おう」

 

すると女性は手にした二本の大きな手裏剣を駆使して襲いかかってきた

 

「はっ!ふぁ!!」

 

「ぐっ!?はぁぁぁぁ!!」

 

「ほう、なかなかの力だな!」

 

女性は佐介を押していく

 

佐介も負けじと挑むも、なにか戦ううちに妙な感じがすることに気づいた

 

「(なに、この感じ?この人とは今初めて会ったはずなのに…"知らない気がしない")」

 

顔、太刀筋、どことなく知らない気がしない気がしてならない

 

むしろ知っている気がする

 

「(誰なんだ?誰なんだこの人は!?)」

 

その時、ふと脳裏に蘇る1人の女性の姿が

 

そしてその女性の面影が今目の前で自分を攻撃している女性と重なる

 

「戦闘中に考え事とは!!」

 

ドスン!

 

「ぐあぁぁぁぁ!!!」

 

隙を突かれて蹴りを入れられてしまった

 

「どうした?その程度なのか?」

 

女性が佐介に煽りをかける

 

「まって…ください」

 

確かめねばならないと佐介は女性を言い止める

 

「なんだ?命乞いしようとでも言うのか?」

 

「僕は諦めが悪いって知ってますよね。……"凛さん"」

 

ダメ元で佐介は女性に尋ねると

 

「っ!?」

 

佐介のその言葉に女性は反応した

 

「やっぱり…凛さんなんですね」

 

「…いつ気づいた?」

 

「あなたに蹴りを入れられる前…です」

 

凛と呼ばれし女性は手にしている手裏剣をしまい。マスクを下ろす

 

「…久しぶりね佐介」

 

「凛さん…やっぱり生きててくれたんですね。……よかった」

 

佐介は凛が生きていたことに安堵する

 

「今までどこに?」

 

「………私は今、私立蛇女学園にて教官を勤めている」

 

「っ!?……どうしてそんな」

 

「いろいろあったのよ……にしても大きくなったわね」

 

佐介を見た凛がつぶやく

 

「…そうですねあれからもう9年経ちますか。最後にあったのはあなたが任務に行くと言って別れたきりですしね」

 

じつはこの二人は昔馴染みだった

 

まだ佐介が8歳の頃

 

佐介と飛鳥は半蔵によく修行を見てもらっていたが、一族の血統が使える伝統の技を佐介には使える訳もなくそのため間も無く飛鳥のみの修行をつける日々が続いていった、血を引いていない佐介はそういう事情で半蔵たちの謝罪と罪悪感の気持ちを察し、一人で修行に明け暮れる。そんな日々の中彼女と後に師匠と呼ぶこととなる人と出会い。二人はよく佐介の修行相手になってくれたり、凛が自分の夢も佐介に語ってくれたりもした

 

だが、そんな彼女が任務で死んだと聞かされたときにはショウを失った時と同様、途方も無く悲しんだ

 

そんな彼女が今、自分の目の前に元気な姿でいることに佐介は嬉しさを感じていた

 

「佐介…私がわざわざここに来たのはお前に頼みがあるからだ」

 

「頼み…ですか?」

 

「そうだ。…頼む、蛇女を救うため力を貸して欲しい」

 

凛が真剣な嘘偽りない眼差しをむけそう言うのだ

 

「すでに霧夜先生に蛇女の地図は渡した。これでいつでも攻め込める」

 

「凛さん…」

 

「お前なら必ずあいつらを救ってくれると信じてるぞ」

 

「……まかせてください。僕が絶対にひばりちゃんや蛇女のみなさんを救ってみせます。世界にラブ&ピース!…ですよね凛さん」

 

自分の語った夢を、諦めかけてた夢を今も抱いてくれていることに凛は嬉しさを感じた

 

「そうだな。世界にラブ&ピース…お前ならきっと」

 

そう言い残すと凛はその場を後にした

 

「…いよいよ決戦だ!」

 

佐介は蛇女との最終決戦の覚悟を決めるのだった

 

 

 

 

 


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