閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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かの地に集う、心強き仲間たち!

強大な力を手に傍若無人を尽くす道元を食い止めるべく

 

 

大導寺と凜、そして疾風の三強がこれを迎えうつ

 

 

3人を相手に力を見せつける道元に対し

 

 

即席とはいえ、よい連携を取りながら戦いを繰り広げる大導寺と凜、疾風

 

 

だが、遊びは終わりというかのように道元がとうとうその牙を本格的に向き出した

 

 

それによって3人は一気に劣勢に追い込まれ、それにおよって大導寺と凜がやられてしまった

 

 

たった一人で道元と戦うことを余儀なくされた疾風はこの危機を打開できる可能性を秘めた

 

 

起死回生の一手「エアロ・バスター」を繰り出した

 

 

風膨大なのエネルギーの波の直撃をお見舞いした疾風は逆転の希望を抱く

 

 

しかし、それは土煙を払いのけて現れた道元の姿を見たことで杞憂に終わってしまった

 

 

そして自分に屈辱を与えた疾風に怒りを露わにし、せめてもの抵抗する彼をもろともせず襲い掛かり

 

 

とうとうその猛威の前に疾風も敗れてしまった

 

 

3人を倒した道元は勝ち誇るかのように笑みを浮かべ

 

 

次なる標的を佐介たちに定め、じりじりと歩み寄っていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大導寺、凜、疾風。3人の邪魔者を排除し終えた道元が佐介たちのほうに迫りよる

 

 

「どうしよう佐介くん、大導寺先輩たちが!?」

 

 

「まさか師匠たちがやられてしまうだなんて」アセアセ

 

 

「信じられねぇ」

 

 

「くそっ、化け物めっ」

 

 

彼女たちの実力を知ってるからこそ道元に倒されてしまったという事実が信じられないといった思いだった

 

 

しかし、そんな彼らの思いとは裏腹に道元は着々と近づいてきた

 

 

まだ戦えるほど体力が回復していない状況で道元を相手になどできようはずもなかった

 

 

「…っ!」バッ!

 

 

「あっ、奈楽ちゃん!」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「今度こそここは自分に任せてかぐらを連れて逃げろ、奴は自分が命をとしてでも食い止める!!」

 

 

先ほどは疾風たちが駆けつけたことでその役目を彼らに託した

 

 

だが、その彼らがやられてしまった以上、現時点で戦えるのは奈楽のみだった

 

 

「こい怪物め!今度は自分が相手だ!」

 

 

【「ふん、貴様ごとき雑魚が私の相手になるとでも思っているのか?命知らずの馬鹿が」】

 

 

「何とでも言え!自分には守りたい人がいる。大切な友達が!…そのためならこの命、いくらでも賭ける!」

 

 

かぐらを守るためにもここで命尽き果てるとしても

 

 

彼女を、友達を守れるのならと奈楽は進んで自身よりも何倍も強い存在である道元に挑む

 

 

「やぁぁっ!」

 

 

【「ふん」】

 

 

勢いを乗せた飛び蹴りを繰り出す奈楽だが、道元はそれをあっさりとかわす

 

 

「ちぁ…っ!?」

 

 

【「はぁっ!」】

 

 

「っ!?」

 

 

蹴りが不発に終わり振り返った奈楽が次に見たのは自分目掛けて拳を突き出している道元の姿だった

 

 

拳が当たる寸前に間一髪のところでなんとか逃げることに成功する

 

 

先ほどまで自分がいた場所は道元の繰り出した拳の一撃で跡形もないほど粉々に粉砕されていた

 

 

まともに食らっては命はない、奈楽は絶対に攻撃を受けてはいけないと自身に言い聞かせる

 

 

「…たあっ!」

 

 

そのことを胸に秘めて再び道元に向かっていった

 

 

「たあっ!ていっ!」

 

 

【「そのようなこそばゆい攻撃が私に効くとでも思っているのか?」】

 

 

奈楽が繰り出す攻撃を羽虫を払うかのように道元はあしらった

 

 

「だったら、これならどうだ!」

 

 

そう言うと奈楽は足の鉄球を巨大化させる

 

 

「くらぇぇぇえ!!」

 

 

自身の持てる渾身の一撃というべき大技を道元に放つ

 

 

上空から奈楽に突き出される勢いを乗せて鉄球が落下する

 

 

「たぁぁぁっ!」

 

 

【「小賢しい……っ!」】

 

 

「なっ!?」

 

 

鉄球が目の前まで来た瞬間

 

 

剛腕を使って道元が鉄球を軽く受け止めてしまった

 

 

奈楽の渾身の1発がこうもあっさりと防がれてしまったのだ

 

 

「くそっ!?」

 

 

【「こんなおもちゃで私は倒せん…見るがいい!!」】グォォォォ!

 

 

道元がそう言い放つと同時に鉄球を掴んでいる手を伝って鉄球に力を流し込む

 

 

 

ピキッ…ピキキキ!…バリィィィィィン!!

 

 

 

「っ…!?」

 

 

刹那、轟音とともに道元から力を流し込まれた鉄球が粉々に砕け散ってしまった

 

 

 

【「っ!!」】ガシッ!

 

 

「がはっ!?」

 

 

鉄球が粉々に破壊されたことに驚いている隙を突き、道元が奈楽の首根っこを鷲掴みにする

 

 

「ぐっ…ううっ…!?」

 

 

【「貴様のような雑魚ごときがどう足掻いたところで所詮結果は変わりはしないのだよ」】

 

 

苦しむ奈楽の様を見ながら実力差の前では奈楽の行動は無意味なものなのだと道元は嘲笑う

 

 

【「その浅はかさを悔やみながら死ぬがいい…っ!」】ググググ

 

 

「ぶぅ!?…あぅ、あぁ…」

 

 

首根っこ掴む力を強めると奈楽は意識が朦朧とし、落ちる寸前までになっていた

 

 

「(くそっ…くそっ…なんて無様なんだ……結局私は、かぐらを守ることすらできないのか?このまま惨めに死ぬだけなのか?……悔しい…悔しい…ごめんな、かぐら、せっかく本当にの友達に…なれたのに)」

 

 

意識がなくなってしまいそうになる中、奈楽はあれだけ短歌を切ってでたというのに

 

 

結局、時間稼ぎに満足にできず、かぐらのためにできることをしようとしたのがこの座間だと思うと

 

 

あまりの悔しさに瞳から涙をこぼさずにはいられず、かぐらに心の中で思いを呟いた

 

 

【「…くたばれ」】

 

 

そんな奈楽の思いなど知らない道元はこのまま彼女の首をへし折るべくさらに力を強めようとした

 

 

だが、その時だった

 

 

 

 

バキィィィィィィン!

 

 

 

 

【「(~~…な、なにぃ…ぐあっ!?)」】

 

 

突如として道元は頬に強烈な激痛を覚え、掴んでいた奈楽から手を離したとともによろけながら後ろに下がっていった

 

 

【「…っ?」】

 

 

数歩下がって体制を立て直した道元が自分が殴られたほうに視線をむける

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

「お、おまえ…?」

 

 

そこには奈楽を守るように佇む佐介の姿があった

 

 

「奈楽さん、大丈夫ですか?」

 

 

「あっ、あぁ…」

 

 

「よかった…」

 

 

奈楽の無事を確認した佐介はとても安心したような顔を浮かべる

 

 

【「おやおや、誰かと思ってみればよもや君とはね?」】

 

 

「…これ以上、あなたの好きにはさせませんよ道元、ここからは…僕が相手です」

 

 

佐介はそういうと奈楽を守らんとするかのように身構える

 

 

【「ふふふふ…ふふふふ、は~っはっはっはっは!馬鹿か君は?…いや、愚か者というべきか?なんにせよ実に滑稽だ。鈴音たちならいざ知らず、まともに戦う体力すらない君がどうやって私と戦うというのかね?今の君などそこの小娘以下でしかないわ」】

 

 

傷つき、体力も十分に回復してない半端な状態でこの場に露われた佐介を見て道元は小ばかにしたような言い方で煽りを誘う

 

 

「っ…」

 

 

「悔しいが奴のいうとおりだ。自分の状態を理解しているのか?今のお前は私から受けたダメージが残っているんだぞ?そんな状態で戦えるわけがないだろう!」

 

 

こればかりは道元の意見に奈楽も賛同する

 

 

今の状態の佐介ではまともに戦えるはずもない

 

 

最悪はあっという間に殺されてしまう可能性も十分にあった

 

 

「…わかってはいます。今の自分がどういう状況かくらい」

 

 

「だったら」

 

 

「でも、だからって手が届くのに手を伸ばさなかったら死ぬほど後悔する。僕はそんな真似はできない。だから僕は死ぬ瞬間のその時まで死ノ美を燃やし続ける!」

 

 

「…っ」

 

 

佐介は心からの思いを声を大にして叫ぶ

 

 

「佐介くん、少し言い方が違うよ。そこは僕はじゃなくて“僕たち“でしょ?」

 

 

「飛鳥の通りだ。それにお前だけにかっこつけさせるほど俺たちも大人しくはない」

 

 

「確かにな。おいしい場面を独り占めはさせないぞ」

 

 

直後、2人の後方から声が聞こえ、振り替えるとそこにはこちらに向かって歩み寄ってくる光牙たちにの姿があった

 

 

そうして3人は奈楽、さらにその後方で瓦礫にもたれかかるかぐらを守るべく道元の前に立ちはだかる

 

 

【「なるほど、愚か者が一気に3人も増えたか?…それで?だから何だというのかね?燃えカスにも等しい君たちで私を同行できると本気で思っているのか?身の程知らずにも程があるぞ?」】

 

 

光牙たちがきたことにもさほど気にも留めておらずただごみが増えた程度にしか思っていない道元がそう言い放つ

 

 

「本当に悲しい奴だお前は」

 

 

【「なにっ?」】

 

 

「自分以外の全てのものをただの道具としか考えられない、そんな考えしかもてないからお前は独りよがりな夢しか見てないんだ」

 

 

しかしそれを光牙と焔が反論する

 

 

【「偉そうな口を聞きおって、今のお前たちに何ができるというんだ!」】

 

 

「さっき私が言ったこともう忘れちゃった?」

 

 

【「っ?」】

 

 

「私がいった“僕たち”っていうのはなにも私たち3人だけを指してるわけじゃない、私たち“全員”って意味だよ」

 

 

飛鳥が意味深な言葉を述べた直後だった

 

 

 

 

キュピン!

 

 

 

 

上空に光輝くものが見える

 

 

 

キュピンキュピンキュピンキュピン!

 

 

 

最初の光を皮切りにその直後に新たな光が輝く

 

 

 

「っ!」ヒュ~!スタッ!

 

 

『「っ!」』スタタタタタタ!

 

 

刹那、佐介たちの周りに続々と降り立つ影が現れた

 

 

「…はあっ」ニッコリ

 

 

佐介、そして飛鳥たちは現れた影の正体に気づき、安どの表情を浮かべる

 

 

「大変お待たせいたしました。ですが…やっと到着しましたわ」

 

 

この戦場に駆け付けた影たちの正体、それは佐介たちにとってかけがえのない仲間たちの勇姿だったのだから

 

 


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