閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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思いを継投げ、連合軍の絆 

とどまりを見せない道元の猛威に追い込まれていく佐介たち

 

 

しかし、そのピンチの最中、満を持すがごとくこの戦場に別々に戦っていた仲間たちが集結を果たす

 

 

そして春花の式の元、チェルシー、レイナ、愛花の3人が彼女のサポートとして負傷者の救護を請け負い

 

 

残りのメンバーはその時間を十分に稼ぐために道元と対峙する

 

 

多勢というアドバンテージを生かし、道元に攻撃を仕掛ける

 

 

だが、大導寺と凜、疾風の強者3人を倒した道元にとってそれはさほど問題ではなかった

 

 

ちまちまと技を繰り出す彼女たちだが、そのほとんどが道元にはこそばゆいようなものばかりだった

 

 

ここで動きを見せたのは柳生であり、冷気を纏った墨を駆使して道元を凍結させようとする

 

 

冷気を駆使して戦うも道元はそれすらはねのけながら向かってくる

 

 

直後、彼女を助けるべく秘伝忍法で巨大化した雲雀が道元を下敷きにした

 

 

暫しの沈黙が訪れたことで勝利を確信していたみんなだったが

 

 

それもつかの間、雲雀を持ち上げる道元の姿を見た瞬間、それは杞憂に終わってしまう

 

 

反撃を仕掛ける道元によって雲雀が倒され、直後にエネルギー弾を放った瞬間

 

 

雲雀を守るために駆け付けた柳生を巻き込み、エネルギー弾が着弾し、火柱を上げるのだった

 

 

 

 

 

ボバァァァン!

 

 

 

 

「柳生ちゃん!ひばりちゃん!?」

 

 

『「っ!?」』

 

 

着弾と同時に立ち込める火柱に一同は騒然となる

 

 

やがて火柱が消滅していき、それとともに煙が少しずつ晴れていった

 

 

2人のことが気がかりだと皆は息を飲んでいた

 

 

そして煙の中から人影が見えた

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

『「あっ!?」』

 

 

「柳生ちゃん!?」

 

 

煙の中から現れたのはエネルギー弾の着弾によって衣服も体もボロボロになり、全身をガクガクと震わせている柳生の姿があった

 

 

そして彼女の足元には目立った外傷のない雲雀が横たわっている

 

 

柳生はあの凄まじい攻撃から雲雀を身を挺して守り切ったのだ

 

 

「…うっ…うぅ…」

 

 

しかしそれによって力を使い果たした柳生は力尽きたように地面に倒れた

 

 

「柳生!?」

 

 

「そんな…柳生が」

 

 

彼女が倒れる姿を見た一同は言葉を失う

 

 

「…よくも、よくも柳生さんを!」

 

 

「許しませんわ!」

 

 

仲間たちを傷つけられたことで彼女たちは道元に対し、怒りを浸透させていた

 

 

「みんな、柳生とひばりの敵討ちだ!気合い入れていくぞ!」

 

 

「「「「っ!」」」」

 

 

葛城の号令で皆の式は高まり、道元を標的に一斉に身構える

 

 

【「ふん、貴様らごとき蛆虫らが束になろうと無駄なこと、結局最後には奴らと同じ末路よ」】

 

 

「アタイたちをあんまり舐めてると痛い目にあうぞ!!」

 

 

「「「っ!!」」」

 

 

その言葉を合図に先行する葛城の後を追うように斑鳩、詠、日影の3人も駆け出す

 

 

「あたしだってやってやるわ!」

 

 

さらに後方から援護射撃を引き受けるように未来が銃火器を展開する

 

 

「ファイヤー!!」

 

 

未来の掛け声とともに道元に向かって銃火器の一斉射撃が開始される

 

 

【「うっとおしい…はあっ!!」】

 

 

 

バシュゥゥゥゥン!!

 

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「未来さん!?」

 

 

「っ!?」

 

 

全火器による攻撃を仕掛けながらに道元は片手にエネルギーを蓄積させ、砲弾を放つ

 

 

砲弾は迫り来ている葛城たちを素早く通り越して彼女たちの後方

 

 

すなわちターゲットである未来に向かって飛んでいった

 

 

直後、砲弾が着弾したのか先ほど柳生を再起不能に追いやった火柱が再び立ち込める

 

 

葛城たちが慌てて後方を見るとともに未来の身を案じる

 

 

やがて火柱が消え、立ち込める煙も晴れていき、その先が露わになる

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

煙が晴れた先では瀕死の状態の未来が体をガタつかせながら辛うじて倒れまいと踏ん張りを見せていた

 

 

【「ほう、まだ立っていられるとはな?ごみのくせによくやるな?」】

 

 

「てめぇ!」

 

 

「一度ならず二度までも…もう許せません!」

 

 

必死に倒れないように踏ん張りを見せている未来に対して侮辱的な言葉を贈る道元に葛城と斑鳩が怒りを見せ

 

 

再び道元に向かって駆け出す

 

 

「おりゃっ!」

 

 

「せいっ!」

 

 

【「ふっ!」】

 

 

同時に2人が一斉に技を繰り出し、道元と打ち合いになったと同時に攻防が開始される

 

 

 

「未来さん!」

 

 

詠が未来の元に向かおうとする

 

 

「…っ!!」バッ

 

 

「っ!?」

 

 

しかしその直後、未来は無言のまま苦しそうに息をしながらもまったの手をかざし、詠がこちらに来ることを拒絶する

 

 

彼女の目には「あたしのことは心配ない、だからみんなは真っ直ぐ向かって」という意思を感じ取れるようだった

 

 

「…未来さん」

 

 

未来が必死の訴えをする中、詠はどうしたらいいのかと迷いを浮かべている

 

 

「詠さん」

 

 

「っ?」

 

 

「…ぼさっとせんでいくで?」

 

 

「日影さん…でも」

 

 

その時、日影が彼女の肩を叩き、先に道元の元に向かい、今彼と戦闘を繰り広げている葛城たちに加勢するように促す

 

 

「…未来の想いを無駄にする気なんか?」

 

 

「っ!?」

 

 

「未来はわしらのために後方支援を買って出たんや、わしらはそんな未来の想いに応えなあかん、もしここで立ち止まってしもうたら未来の頑張りを否定することになってしまうんや」

 

 

日影も日影なりに未来の思いを汲み取ってのことだった

 

 

彼女の頑張りを水の泡にしないためにも自分たちがすべきことは引き返すことではなく進み続けることなのだと詠に言って聞かせる

 

 

「日影さん………わかりました。わたくしも未来さんの想いに応えて見せます!」

 

 

詠は日影の言葉によって目的を再認識し、道元と戦うことを選んだ

 

 

「その意気やで詠さん…いくで!」

 

 

「はい!」

 

 

遅れた分を取り戻すという思いを感じさせるほども2人は勢いよく駆け出し、道元の元へ

 

 

「斑鳩さん、葛城さん!」

 

 

「遅くなってすまんの!」

 

 

「詠さん!」

 

 

「おせぇぞ日影!」

 

 

合流と同時に互いにコンタクトを取る

 

 

「覚悟してください、未来さんの受けた屈辱、わたくしたちが晴らして見せますわ!」

 

 

「感情のないわしやけど、今回ばっかりは胸の中のむかむかが収まらんのでな…さっさといねや!」

 

 

それと同時に2人も戦闘に加わり、4人で道元に仕掛ける

 

 

「「「「はああぁぁぁぁぁぁ!!」」」」

 

 

【「ふん、羽虫が勢い突いたところでどうともならん!」】

 

 

道元もまたそんな彼女たちに応戦するのだった

 

 

一方、その様子を未来は遠くから眺めていた

 

 

「(…ま、まだ、あたしは、やれる。柳生たちの思いを無駄にしないためにも……あれを…使う!)」

 

 

未来は心の中で何か秘策を思いついている様子だった

 

 

 


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