閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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とっておき!未来、渾身の一撃! 

異形なる姿へとその身を昇華させた道元によって疾風たちが倒されてしまい

 

 

万事休すの佐介たちの元に増援として駆け付けた半蔵学院と紅蓮竜隊の仲間たち

 

 

春花たちが負傷者の救護をする間、残りの面々で道元に仕掛けることになる

 

 

しかし疾風たち以上の多勢で仕掛けるもその状況はあまり変化を起こすことはなかった

 

 

強すぎる道元の手によって早くも柳生と雲雀がやられてしなった

 

 

仲間をやられたことで敵を討つ意を固める他の者たちだったが

 

 

今度はその仕掛けに際して後方支援をしていた未来に魔の手が及び

 

 

うっとおしいと称して未来をエネルギー弾を放ち、攻撃をする

 

 

エネルギー弾の着弾を受けてしまった未来は服も体もボロボロになり、立っているのもやっとなほどの状態だった

 

 

痛々しい彼女を助けるために駆け付けようとする詠だったが未来はこれを拒み、言葉を発さずともその思いを告げる

 

 

未来の意思を組んだ日影の諭しによって詠は思いに応えるべく再び道元の元へと向かっていった

 

 

同時に未来は意識が飛びそうになるのを必死にこらえながらこの状況を打破するための秘策を考え付くのだった

 

 

 

 

 

皆が道元と戦っている中、春花たちは佐介たちの回復に勤しんでいた

 

 

「くそっ!…おい春花、まだなのか?まだダメなのか!?」

 

 

「落ち着いて焔ちゃん、気持ちはわかるけど私だってあなたたち全員をいっぺんに相手して手一杯なんだから」

 

 

「でもよ、このままじゃ」

 

 

次々と仲間たちが傷つく様を見て焔は本来なら今からでも皆の元に向かいたいという思いであったが

 

 

それを春花に止められており、とても悔しい気持ちを抱いていた

 

 

「焔、落ち着け、お前の思いももっともだ。ここにいる全員が皆同じ気持ちだ。だからこそ俺たちはあいつらが今も必死になって作ってくれているこの間に春花に回復してもらい少しでも早く戦線復帰できるようにすべきなんだ」

 

 

「ぐぅ……わ、わかってるよ」

 

 

光牙の説得もあって焔は落ち着きを取り戻す

 

 

「ありがとう光牙くん」

 

 

「大したことはない…だが、春花も愛花もできれば急いでくれ、俺たちも早く加勢しに行きたい気持ちではあるからな」

 

 

「えぇ、承知してるわ、できる限り急ぐわね」

 

 

「ししょー、焔お姉ちゃん。それに半蔵学院のお兄さんとお姉さんもそれまで耐えくださいね」

 

 

回復が早く終わればその分彼女たちへの加勢にいくまでのロスタイムを軽減できる

 

 

そう考えれば多少の我慢は仕方ないことだと割り切れた

 

 

「(皆さん、無茶だけはしないでください)」

 

 

「(俺たちも耐える。だからそれまで持ちこたえていてくれ)」

 

 

逸る気持ちを必死に抑えながら春花たちの頑張りに身をゆだねるしかなかった

 

 

佐介と光牙は互いに今尚道元と交戦をしている彼女たちの身を案じながら内心そうつぶやくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃぁぁぁぁ!!」

 

 

【「ふっ!!」】

 

 

「ふっ!!」

 

 

【「…はあっ!!」】

 

 

葛城と日影の同時攻撃を剛腕で受け止めつつ、気で吹き飛ばす

 

 

「【鳳火炎閃】!!」

 

 

「【ニヴルヘイム】!!」

 

 

道元が2人を跳ねのけた隙を突いて斑鳩と詠が遠距離から攻撃を繰り出せる技を放つ

 

 

詠の放った手裏剣や苦無を斑鳩の鳳凰を象った炎が飲み込むという連携技だ

 

 

【「その程度の技で…ふぅん!」】

 

 

 

ボシュゥゥゥン!!

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

【「ふははは!!」】

 

 

しかしこれを道元がエネルギー弾を繰り出すことで相殺させてしまった

 

 

「弱ったな~…隙が見当たらんわ」

 

 

「あぁ、あの野郎、馬鹿力なくせに防御力も半端じゃねぇ。厄介だぜ」

 

 

「ですがだとしても」

 

 

「このままは引き下がってることなんてできませんわ!」

 

 

攻守共に強力な道元に攻めあぐねる葛城たちだが、このままでいるつもりも毛頭なかった

 

 

「よし、だったらここは4人同時の秘伝忍法で行くぞ。奴の鉄壁を崩すにはそれしかねぇ!」

 

 

「なるほど。確かにそれはいい案かも知れませんね!」

 

 

「2人での時は防がれてしまいましたが4人同時ならば」

 

 

「やる価値はあるな」

 

 

葛城の策に他の3人も賛同の意を示す

 

 

「決まりだな……んじゃみんないくぜ!」

 

 

「「「っ!」」」

 

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

 

「「「~~~~っ!!」」」

 

 

刹那、葛城が勢いよく全身に気合いをいれる

 

 

同時に他の3人も力を引き絞る

 

 

【「面白い。貴様らの全力とやらを見せてみろ、あっという間に無意味なものにしてやるわ!」】

 

 

これを見ていた道元も彼女たちに宿る僅かな希望すら粉々にしてやるという意思の元

 

 

彼女たちがこれから繰り出さんとしようとしているであろう技を受ける姿勢を取っていた

 

 

「おっし!限界まで溜まり切ったぜ!」

 

 

「わたくしも準備万端ですわ!」

 

 

「同じくですわ!」

 

 

「わしもええで」

 

 

己の限界まで力を引き絞り、体から気をあふれ出させる4人が一斉に道元に視線を向ける

 

 

「いくぜ!絶・秘伝忍法【デッドスクリュードラゴン】!!」

 

 

「絶・秘伝忍法【絶華鳳凰閃】!!」

 

 

「絶・秘伝忍法【ラグナロク】!!」

 

 

「絶・秘伝忍法【荒ぶり】!!」

 

 

葛城、斑鳩、詠、日影の順に絶・秘伝忍法を発動させる

 

 

さらに葛城を除く3人の技が途中で混ざり合い、一つの技となる

 

 

混ざり合った技が葛城の技に吸収され、さらなる強力な技となった

 

 

「すごい、これならいけますわ!」

 

 

「えぇっ、決めてください葛城さん!」

 

 

「いけや葛城!」

 

 

自分たちの技が葛城に力を与えたところ見て3人は

 

 

これならばと希望を抱き、葛城にエールを送る

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

皆の声援に葛城も応えるべく一直線に道元に向かっていった

 

 

【「ふっ、いくら技を合わせようと私には勝てんぞ!」】

 

 

道元は葛城たちの合体技を受け止めようと両手を突き出す

 

 

だがその時だった

 

 

【「なんだ?この感じは?」】

 

 

この瞬間、道元は何か妙な気配を感じ、その気配のする方に視線を向ける

 

 

【「っ!?」】

 

 

するとその先に映る光景に思わず驚愕する

 

 

「ナイス…タイミングだよ…みんな」

 

 

道元が見据えた先には自分の攻撃によってボロボロな体でもう限界を当に超えているはずの未来が何か巨大なものを構えてこちらを狙っていた

 

 

「「「「未来(さん)!?」」」」

 

 

【「貴様、まだ動けたのか!?それに、なんだそれは!?」】

 

 

未来がまだ未だに倒れていないこともそうだが、それ以上に未来の持っているその武器に道元の注目はいった

 

 

「ふ、ふふふ…お、驚いたようね。当然よね。だって…まだだれにも話していなかったからね…っ!」

 

 

驚く道元の顔を見てニヤッと笑いながら未来はまだこれを誰にも教えてないことを明かすと同時に再度構える

 

 

「あたしのとっておき、食らえぇぇぇぇ!!」

 

 

満を持して未来がトリガーを引く

 

 

 

バキュゥン!

 

 

 

 

…ズゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 

 

 

ビュオォォォォォォ!!

 

 

 

【「~~~っ!?」】

 

 

未来の放ったそれが超スピードで道元に向かっていくのだった

 

 


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