蓮によって意識を取り戻し、春花の薬、飛鳥たちの援護を経て復活を果たす佐介と光牙だが
まだそれでは根本を解決するまでには至っておらずどうすべきかを思い悩む
そんな彼らの前に蓮が現れ、自らの消滅と引き換えに佐介と光牙の巻物を一つに重ね合わせ新たな巻物にその姿を昇華させる
戦える術を手に入れた佐介は道元を倒すために巻物を使う
巻物が力を発揮したその瞬間、光を帯びた用紙がどういうことか佐介のみならず隣にいた光牙までも巻き込んでしまい
困惑する2人を他所に巻物が佐介と光牙を包み込んだ
やがて光の中から佐介と光牙の容姿を併せ持った忍が現れ、皆そのことに驚きを覚える
自分の姿を見たその忍が慌てた声を放つと佐介と光牙の声が聞こえ
この忍が佐介と光牙の合体した姿であることが判明する
2人が1つとなり、凄まじい力を得たことで道元を倒せる希望が生まれる
そして満を持して道元に相対するその忍は
蹴散らしてやると意気込むが如く、襲い掛かってきた道元の剛腕を防いだと同時にカウンターの一発を繰り出すのだった
ドゴォォォォォォン!!
【「があっ!?」】
『「「…」」』
「「「「っ!?」」」」
刹那、世界が静止したかのようにその瞬間がゆっくりと動いていく
やがて道元の腹部に直撃していた拳がゆっくりと離れていく
ビュゥゥン!!!
【「ぬあぁぁぁぁぁぁ!?!?」】
そしてまるで止まった時が動き出したかのように道元が後方めがけて一気に飛んでいった
凄まじい勢いのまま後方の瓦礫の山に激突していった
「…す、すごい!すごいよ
道元をたった1発の拳で向こうまで吹き飛ばしたその光景に飛鳥は思わず声を荒げて称賛する
「あの化け物じみていた道元がなんの抵抗もできないなんて…さすが光牙と佐介が合体しただけはあるな!」
「えぇ、まさかこれほどだなんてまるっきり予想外だわ」
飛鳥に続くように焔も春花も
ひょっとしたらこのまま道元を圧倒したまま勝利を得ることができるのではないのかという希望を抱くほどに
『「すごい、凄まじい力だな?」』
『「はい、僕らの想像を遥かに超えてますね?」』
たった拳一発で皆が瀕死寸前にまで追いやられても倒すことgsできずにいた道元を吹きとばすほどの威力を持っている
合体したこの
『「いける。いけますよ光牙くん!これならば!」』
勝ち筋を見いだせたことに佐介の意思が興奮を抑えきれずにいる
『「あぁ…だが?」』
『「っ?」』
浮かれる佐介を他所に光牙の魂は
『「…佐介、どうやらこの姿、パワーがあるのはいいが少し問題点もあるようだ」』
『「問題点?どういうことですか?」』
『「どうにもこうにも、さっきから俺の意思で動こうにも思いのほか素直に言うことを聞いてくれないんだ」』
光牙の意思は自分だけの意思で
しかし、実際はまるで麻痺をしているかの如く軽く動かせる程度で思うように動かすことができなかった
『「っ!~っ!……本当だ。僕だけでも動かすのは難しそうですね?」』
話を聞いて佐介の意思が試してみたが結果は光牙の意思の時と同じ結果になってしまっていた
『「これから察するにこの
『「さっきの一発は俺とお前の意思が道元をぶっ飛ばしたいと思ったから成り立ったものだ。力を存分に発揮させるには互いの呼吸を合わせることが必須になるな」』
この力の使い方はいかに互いに呼吸を合わせ、シンクロするかによって真価が問われることを認知する
『「なるほど、でも大丈夫です。僕は光牙くんのこと信じてますから」』
『「……ふっ、お前というやつは」』
恥ずかしいことを平気でいうなと思いつつそんな佐介の意識の自分を信頼しているという気持ちに嬉しさを覚えた
故に光牙の意思の迷いは吹っ切れた
『「行くぞ佐介、俺たちのコンビネーションを生かして奴を倒す!」』
『「はい!」』
もはや何の問題もない、二つの意思が掲げるものはただ一つ
目の前にいる道元を倒し、皆の未来を守ることだから
その意気を胸に2人は意思を同調させ、
【「調子に乗るな!!」】
対して道元もまた
瞬く間に両者が互いに間合い入る
『「「はあっ!!」」』
【「ふぅん!!」】
『「「たあっ!!」」』
【「でやぁっ!!」】
バシコォォォォン!!
声を荒げながら両者共に拳を振るう
『「「はあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」』
【「ぬおぉぉぉぉぉぉ!!!」】
互いの拳がぶつかり合うとともに周囲に凄まじい衝撃が響く
「す、すごい衝撃だ!?」
「みんな、飛ばされないように注意して!?」
当然戦いの様子を見ている飛鳥たちのほうにも影響があり
発生した衝撃に吹き飛ばされてしまいそうなところを必死に踏ん張っていた
『「「っ~~…でやっ!!」」』
【「なっ、ぐおっ!?」】
拳のぶつかり合いの中、先に動きを見せたのは
攻撃に集中している道元の隙に技と力を抜いてよろけた道元の懐に潜り込むとともに強烈なアッパーを腹部に決める
『「「たああぁぁぁぁぁ!!」」』
【「がっ!?ぬあぁぁぁぁぁぁ!?!?」】
さらにそのアッパーによる一撃によって怯んだ道元の顔面に回し蹴りを繰り出す
綺麗に決まったと同時に勢いよく蹴り飛ばしたことで道元は後方に吹き飛んでいった
【「ぐぅ…ちぃっ!」】
瓦礫に激突した道元は痛みによる唸り声をあげながら自身をこのような目に合わせた
『「どうした道元、まだ戦いは始まったばかりだぞ?それとももう手一杯か?」』
【「調子に乗るなと…いったはずだ。貴様ら、この程度が私の本気だと思うなよ。覚悟しろ、私を怒らせたからには貴様らには死よりも恐ろしい地獄を味合わせてやる!」】
『「それは面白い、ぜひやって見せてほしいものだな?」』
『「たとえ何が来ようと僕たちは負けません」』
それを聞いてこちらも全力で迎え撃つ構えを取る