閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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許さない、怒り狂う道元の大技! 

蓮が託した力によって生まれた忍、佐合牙(サーガ)の爆誕により劣勢に追い込まれていた事態は大いに片りんを見せた

 

 

佐合牙(サーガ)の力は想像を絶するほどのものであり

 

 

飛鳥や焔、その他の者たちが挑んでも尚倒すには至らずにいた化け物のような強さを持った道元を次々と圧倒していいった

 

 

これに対して当然怒りを表す道元だったが、どの攻撃をも佐合牙(サーガ)

 

 

かわす、受け流す、防ぐといった戦法で翻弄するに怠らず

 

 

そこに生じた隙を的確につき、カウンターによるダメージを当てていった

 

 

抵抗しても抵抗しても返り討ちにあってしまう、それは自身の力を佐合牙(サーガ)が上回っているに他ならない

 

 

だが、かぐらと妖魔、怨櫓血(オロチ)の力を取り込み

 

 

自身を最強であると自負していた道元がこの現実を受け入れるはずもなく

 

 

戦法を切り替え、光弾による遠距離からの攻撃を繰り出してきた

 

 

接近戦を封じられ、防戦一方になる佐合牙(サーガ)

 

 

しかし、光牙の意思が佐介の意思を鼓舞し

 

 

さらにシンクロ率を上げたと同時に目にも止まらぬ速さによる蹴りの一撃が道元に直撃されたのだった

 

 

 

 

 

 

バシコォォォォン!!!

 

 

 

【「がうっ!?」】

 

 

『「「…てえぇぇぇい!!」」』

 

 

【「ぬあぁぁぁぁぁぁ!?!?」】

 

 

顔面が歪むほどの勢いをつけた蹴りを食らい、そこからすかさず後方めがけて吹き飛ばしをし

 

 

道元は苦難の声を上げながら吹き飛ばされた

 

 

【「うがっ!~っ…くぅ」】グヌヌ

 

 

数秒後、道元が瓦礫の中から這い出てきた

 

 

【「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」】

 

 

だが、度重なる佐合牙(サーガ)によるダメージと疲労によって道元は見るからに息切れを起こしているようだった

 

 

「ねぇ焔ちゃん。今の見えた?」

 

 

「いや、さっぱりだ。次に気づいた時にはもう道元が蹴り飛ばされてたぞ?」

 

 

戦闘を傍観していた飛鳥たちだったが先ほどまで光弾の嵐に押されていた佐合牙(サーガ)

 

 

次に気づいた時にはいつの間にかその道元を顔面から全力で蹴り飛ばしていたのだから

 

 

この間に飛鳥と焔はその姿を一切視界に捉えられてはいなかった

 

 

「…あの技、十中八九「抜き足」ね?」

 

 

「なにっ?」

 

 

春花はここでこの一瞬の出来事が光牙の「抜き足」であると読んだ

 

 

この「抜き足」は過去に光牙が習い受けた古武術の一つであり

 

 

一瞬にして相手の無意識領内に入ることによって相手の視界から消えたように見せるというのがこの技のはずであり

 

 

本来であれば対面している道元だけが見えず、他の者たちには見えるはずのものなのだ

 

 

だが、先ほど行われたそれは道元はおろか飛鳥たちにすら佐合牙(サーガ)の姿は目視できなかった

 

 

「…疾風さん。あなた光牙くんと戦った際に抜き足を使用した光牙くんを追い詰めたらしいわね?だとしたらあなたならさっきの動き見えたのでは?」

 

 

春花は光牙から疾風が自分の使用した抜き足を見抜いたとともにその速度と互角に渡り合い、彼を追い詰めたことを本人から聞いていた

 

 

故に疾風なら先ほどの佐合牙(サーガ)の動きを見ることができたのではないかと尋ねたのだ

 

 

「春花ちゃん。そう思ってるところ悪いが……残念ながら俺にも見えなかった」

 

 

「「っ?」」

 

 

疾風ははっきりと自分の口から見えなかったと答える

 

 

「確かに俺は光牙の使った技を見抜いていた。だが、あれは最早次元が違いすぎる。俺でも肉眼でとらえるのは困難だ」

 

 

佐合牙(サーガ)の抜き足の速度は光牙の時の比ではないと疾風は断言した

 

 

それほどに佐合牙(サーガ)がすごいのだとわかることだった

 

 

【「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」】

 

 

『「「…っ」」』

 

 

【「ぐ、ぐぞぉぉっ!」】

 

 

『「もう終わりだ。道元、どう足掻いても俺たちに勝ち目はない」』

 

 

シンクロ率が高ければ高いほどに進化と真価を発揮する佐合牙(サーガ)に手も足も出せない

 

 

これが今の道元が置かれている立場であった

 

 

【「…認めてやる。貴様は強い、私をここまで追い込むとはその強さまさしく最強と言える。…だが!」】

 

 

 

ビュイィィィ!!

 

 

 

道元が静かに佐合牙(サーガ)のことを最強であると口にする

 

 

しかし、その直後、手から光弾を繰り出してきた

 

 

『「光牙くん!」』

 

 

『「無駄なことを!」』

 

 

『「「はあっ!」」』

 

 

佐合牙(サーガ)は飛んできたその光弾をすぐさま手刀で弾き飛ばした

 

 

弾かれた光弾はどこへともなく飛んでいき、そこで着弾し爆発した

 

 

『「往生際の悪い奴め…っ?」』

 

 

『「道元が……いない?」』

 

 

光弾をはじき返す佐合牙(サーガ)だったが

 

 

その間にいつの間にか道元の姿を見失ってしまっていた

 

 

消えた道元の行方を佐合牙(サーガ)は探す

 

 

『「っ、上から熱源を感じる?」』

 

 

『「なにっ?」』

 

 

佐介の意思が頭上のほうから熱源の気配を感じ取り、光牙の意思とともに真上を見る

 

 

『「「っ!?」」』

 

 

頭上を見上げた佐合牙(サーガ)は驚きの顔を浮かべる

 

 

【「ふはははははははは、油断したな!だがもう遅いわ!!」】

 

 

佐合牙(サーガ)の視界に移ったのは凄まじいエネルギーを蓄積させた大技を

 

 

今にも繰り出さんとしている道元の姿があったのだ

 

 

『「まずいぞこれは?」』アセアセ

 

 

「えぇ、とてつもないほどまずいですね?」アセアセ

 

 

この状況に対して佐合牙(サーガ)は焦りを覚える

 

 

無理もない、もしもここで道元があの馬鹿でかいエネルギーを放出でもしようものならこのあたりは跡形もなく吹き飛ぶことは間違いない

 

 

もしそうなれば自分はおろかここにいる飛鳥たちが危険な目にあってしまう

 

 

そんなことは断じて許されることではないと佐合牙(サーガ)は思った

 

 

【「ふふふ、避けられるものなら避けてみるがいい。仮に貴様が助かったとしてもここら一帯は確実に消滅するぞ!」】

 

 

『「くそっ!」』

 

 

道元ははなっからこれを狙っていたのだ

 

 

もはや消去法で佐合牙(サーガ)を倒すことができないと考えたが故に

 

 

ならばサーガのみならず他の者も巻き込むほどの一撃を放つことを考えたのだ

 

 

これならばサーガは助かっても飛鳥たちはこの攻撃によって吹き飛ぶことは避けられない

 

 

『「道元め!」』

 

 

『「光牙くん。こうなったら僕らがやるべきことは1つです」』

 

 

『「わかってる…守り抜くぞ」』

 

 

『「はい!」』

 

 

この状況で2つの意思が考えつく答えはただ一つだった

 

 

迎えうつ、この一点のみだった

 

 

「佐介くん…」

 

 

「光牙…」

 

 

その様子を近場で見ていた飛鳥と焔は互いに大切な人の名を口にする

 

 

「(頼むわよ。サーガくん…いえ、光牙くん、佐介くん。この戦いの運命は今あなたたちの次の手にかかってるわ)」

 

 

「(負けるなよ、負けたら呪ってやるぞ)」

 

 

皆、佐介と光牙の勝利を信じてこの後に起こるであろうことに運命を委ねるのだった

 


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