閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第二十五章 潜入、蛇女子学園です!

佐介たちが半蔵学院から出発している時

 

「早く、みんなに知らせないと!!」

 

蛇女では雲雀は城内を駆け回っていた

 

なぜ彼女がこのようなことになっているのかそれは数分前のことだった

 

その前から秘伝忍法書を取替さんとする雲雀はこの数日捜索活動を続けていた

 

運良く調査中に忍法書の在り所を突き止めたはいいものの

 

その部屋の内部の話し声に聞き耳をたてて見た所

 

鈴音が半蔵学院にこの場合の情報を漏らしたことで反逆者と見なされ拘束されたことを知る

 

そして二度目の調査にてその部屋に選抜メンバーが集められ、隠れながら会話を傍受したところ佐介たちがこの場合に向かっていること。もし彼らがやられたら司令官にかけられた「軛の術」なる呪いにより死を迎えることとなること

 

それらを知った雲雀は急いで佐介たちにそれを伝えようとしようとするも

 

「どこに行くのかしらひばり?」

 

「春花さん!?」

 

前方に春花が立ちふさがる

 

「どうしたの、そんなに慌てて~」

 

「あっ、いえその…道に迷っちゃって」アセアセ

 

苦しい言い訳だった

 

「うふふ。そう~。……うそつきねひばり」

 

「っ!?」

 

「はぁ!」

 

 

シュルルルルルルルルルルル

 

 

「ひやっ!?」

 

雲雀は春花に紐で縛られ吊るし上げられた

 

「なにするんですか春花さん!?」

 

「ごめんなさいね。あなたに邪魔されるといろいろ面倒なの、だから拘束させてもらうわ」

 

こうして雲雀は春花に捉えられてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、蛇女に向かっていた佐介たちが蛇女に到着した

 

「ここが秘立蛇女子学園」

 

「敵のアジトってわけだな」

 

「ここにひばりがいるんだな!」

 

「柳生さん。落ち着いてください」

 

背負っていた(カイト)を脱ぎ捨てると敵の本拠地である蛇女子学園を見た5人

 

「さぁいきましょう。ひばりちゃんたちを助けに!」

 

「「「「おーーー!!!」」」」

 

佐介の後を追うように蛇女に攻め入る飛鳥たちだった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここでおとなしくしててね」

 

「春花さん…」

 

あの後、雲雀は春花により牢屋に閉じ込められてしまっていた

 

「春花さんたち負けたら死んじゃうの?」

 

「えぇそうよ」

 

雲雀の問いに春花はキッパリと答えた

 

「そんな…そんなのおかしいよ!間違ってるよ!」

 

「この術はね。蛇女子学園に入学する者たち全員がかけられるのよ。本来この術は退学や脱走をしたり、ここの秘密を漏らそうとした時に発動するようにプログラミングされてるの、でも私たちの司令官様はこの術の仕組み、発動条件を自由に書き換えることができるの」

 

「春花さんたちは怖くないの?…だってもし万が一にも失敗したら春花さんたちは死んじゃうんでしょ?……やだよ。ひばり、そんなのやだよ!」

 

ここに来て数日、この学園で過ごし春花や他の選抜メンバーたちと関わりを持ったことで雲雀の悪忍に対する考えはガラリと変わった

 

なにより、雲雀にとっては春花は悪忍の中で初めて出来た友達であり、同時に姉のような存在になっていた

 

だからこそなおさら彼女がもし任務に失敗し、死んでしまったらと思うと悲しまずにはいられなかった

 

「優しいのねひばりは…でもね。私たちはそれを知った上で、受け入れて尚ここに入ったのよ。後悔なんかしてないわ」

 

「そんな…そんなのやっぱり間違ってるよ!」

 

「ならばどうするっていうのかしら?」

 

「春花さんを…ひばりが絶対止める!止めてみせる!!」

 

雲雀はいつにない強い思いを込めた思いを春花に告げた

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

「「「「「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」」」」」

 

「たあぁぁぁぁ!!!」

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」

 

蛇女に乗り込んだ佐介たちは次々と悪忍を蹴散らしていく

 

「おっし、ここら辺はあらかた片付いたな」

 

「ですが入口はどこにもありませんわ」

 

「ひばり…」

 

「どうしたらいいの?」

 

入口を見つけられず困惑する飛鳥たち

 

急がなければ増援が来る可能性もあった

 

「ん?」

 

「柳生ちゃん。どうしました?」

 

柳生が何かを感じたのか一本の木を探ってみると

 

そこに装置らしきものがそれを操作してみると隠し通路が佐介たちの前に出現した

 

「お手柄だぜ柳生~♪」

 

「ひばりの匂いがしたんだ。きっとひばりが俺たちのために…ひばり、お前のおかげだ」

 

「…なら早くひばりちゃんを助けにいきましょう。でも気をつけてください。この先に無数の強大な気を感じます。おそらく光牙くんや他の悪忍の方々です」

 

佐介が気を感知すると多くの強い気を感じ取れた

 

「だからってここで立ち止まるわけには行かないぜ!」

 

「そうだ。ひばりは絶対に取り戻す!!」

 

「柳生ちゃん!かつ姉!」

 

柳生と葛城が我先にと乗り込んでいった

 

「全く…僕たちもいきましょう!」

 

「うん!」

 

「ですわね!」

 

二人を追って佐介たちも敵地に潜入する

 

城内をかける5人

 

だが、その刹那

 

 

ヒュ~~~

 

ボバババババババン!

 

 

突然飛来してきた起爆物が佐介たちの前方に落ちて爆発した

 

「いっらっしゃいませ。半蔵学院のみなさま方」

 

「あなたは!?」

 

前方から聞こえた声に目を向けるとそこには以前、斑鳩を遅い敗北に追いやった金髪の美女、詠がいた

 

さらにその後ろからは手下の悪忍たちが

 

「はるばる遠いとこからよくぞおいでくださいましたわね。手厚くおもてなし致しますわ。半蔵学院のみなさま」

 

詠は持っていた大剣を佐介達に向ける

 

「ふっ!」

 

「斑鳩さん!?」

 

すると斑鳩が瞬時に詠に斬りかかる

 

「おやおや、随分と手がお早いこと」クスリ

 

「わたくしたちは仲間と秘伝忍法書を取り返しに来ました。邪魔だてはさせません!みなさんここはわたくしにお任せを!!忍結界!」

 

「っ!?」

 

斑鳩が詠を連れて結界に転移した

 

「斑鳩さん……ご武運を」

 

「佐介!いくぞ!」

 

「はい!」

 

残りの雑兵を蹴散らし奥へと進む

 

そして内部の中枢に差し掛かった時だった

 

 

ガタン!

 

 

「うわぁぁ!?」

 

佐介と飛鳥が通り過ぎて葛城たちが床を踏んだ瞬間、床のそこがぬけ下に落ちてしまった

 

「くそっ!のぼりけれねぇ!?」

 

「待っててください二人とも、今助けに!」

 

「くるな佐介!!」

 

二人を助けようとする佐介を柳生が止めた

 

葛城たちの前に敵の増援が現れた

 

「俺たちのことはいい…佐介、ひばりを頼む」

 

「柳生ちゃん」

 

「アタイたちはお前らを信じる。お前もアタイらを信じろ!」

 

「かつ姉…」

 

柳生と葛城が佐介たちにことを託す

 

「かつ姉!柳生ちゃん!」

 

「飛鳥ちゃん。いこう」

 

二人に呼びかける飛鳥に先に行こうと佐介はいう

 

「でも!」

 

「…二人は絶対に負けない。みんなのことを本当に思うなら立ち止まっちゃいけない、信じて前に進むんだ」

 

「佐介くん……うん!」

 

飛鳥も納得すると先に進んでいった

 

 

 

そして葛城たちは雑兵たちを蹴散らすと

 

「惜しい、2人逃したわね」

 

「仕掛けが間に合わなかったな~。あの二人、足速いな~」

 

「お前ら!」

 

二人に近づいてきたのは葛城を倒した日影と柳生と戦った眼帯少女、未来だった

 

「あの子たち運が悪いわね、このまま落ちてればよかったのに先に進んだおかげで更なる絶望を思い知ることになるんだから」

 

「ふん、佐介と飛鳥がやられるわけ無い」

 

「そんな余裕も長くはもたないわよ。だってあの二人って…光牙と焔にボロ負けしたじゃない。あの時の戦いだって、どうせ何か卑怯な手を使って光牙を手こずらせたんだろうけど、弱い奴らが何人かかろうとm「はぁっ!」っ!?」

 

未来がそう言った瞬間、柳生が未来に飛びかかる

 

「なに?怒ったの?」

 

あいつ(佐介)が弱いだと…その言葉取り消せ!!」

 

まるで自分やひばりを侮辱されたかのように柳生が未来に攻撃を仕掛け同時に忍結界へと転移する

 

「ほんならわしらもはじめよか?」

 

「おう、望むとこだ!あの時のリベンジ今こそ果たさせてもらうぜ!」

 

葛城と日影も忍結界へと転移するのだった

 

 

 

その頃雲雀たちは

 

「私を止める、ねぇ~…ならやってみなさい」

 

春花が鍵を開けて牢屋の中に入る

 

「鍵を…どうして?」

 

「あなたたちが本当に勝てるか私が試してあげるわ」

 

「春花さん…」

 

「さぁ、遠慮しないでかかってらっしゃい」

 

雲雀を春花が煽る

 

だが雲雀の覚悟は決まっていた

 

「忍、転身!…いくよ春花さん!」

 

「いつでもどうぞ」

 

春花をつれ、忍結界に転移する雲雀だった

 

 

 

 

 

 

 

みんなの思いを胸に先を進む二人、だが

 

「来たな…お前ら二人だけか」

 

「焔ちゃん!?」

 

上に上がる階段に腰掛けながら到着を待っていた焔がいた

 

「もう少し残ってるかと思ったがな」

 

「ひばりちゃんは無事なの!?」

 

「牢屋に入れてある」

 

「牢屋ですって?」

 

雲雀の居場所を知って佐介が驚きの声をあげる

 

「先に進みたくば私を倒してからにしろ」

 

「っ!」

 

「飛鳥ちゃん!?」

 

ガキィィィン!

 

「ほう、お前から攻めてきたか」

 

「佐介くん、行って!」

 

「っ!?」

 

「秘伝忍法書は任せたよ!!…負けないで佐介くん」

 

飛鳥が佐介に先に行くように促す

 

佐介は飛鳥の気持ちを察した

 

「僕も信じてるよ…っ!!」

 

そう言い残すと佐介は先に進んでいった

 

「ふっ、馬鹿な奴だ。この先には光牙がいる。私たちの選抜メンバー最強の存在がな!」

 

「例え最強だろうと佐介くんは負けたりしない!忍結界!!」

 

飛鳥は焔の否定し、彼女ごと忍結界に飛ぶのだった

 

 

 

 

 

 

 

みんなの思いを胸に階段を登りきったその先には

 

「遅かったな」

 

「…光牙くん」

 

「待ちわびたぞこの時を」

 

「僕もだよ」

 

そう言うと二人は目の前まで近づく

 

互いににらみ合う両者…そして叫ぶ

 

「「忍結界!!」」

 

他の皆と同じように結界へと飛んでいった二人

 

今ここに善忍の道を歩む者たちと悪忍の道を歩む者たちの戦いが始まったのだった

 

 


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