佐介と光牙の合体した
皆が歯が立たないほどの圧倒的な力をもった存在とも思えた道元を逆に圧倒し
勝利への活路という希望を抱かせた
途中、形勢逆転を図る道元の攻撃に手こずりを見せるも
光牙の持つ抜き足を使った
状況は再び
もはや道元が如何なる小細工を使おうとも
それほどにまで力の差を見せつけられてしまっていた
認めたくなくても認めざるを得ない
ついにそのことを道元は自らの口で告げる
しかしその直後、すかさず道元が光弾を放ち、
だが、それはおとりであり、その間に道元は自身の体に宿る強力なエネルギーの全てを集約させ
次なる技として繰り出そうとしており
さらには自身に向けられている
自分が避ければ飛鳥たちが危ないと知った
これに迎え撃つ覚悟を決めるのだった
圧倒的優位にたった
彼らが見据える先には強大なエネルギーを今にも放たんとしている道元の姿が
もし道元がこの角度からそのようなものを放とうものなら自分ならともかく飛鳥たちが消し飛ぶことは明らかだった
『「光牙くん、何としてもみんなを救いましょう」』
『「わかっている」』
佐介と光牙の意思は互いに意を決めてこれを迎え撃つ覚悟を決める
『「…光牙くん。今度は僕がメインで行きます。力を貸してください」』
『「いいだろう。お前をしっかりと支えてやる」』
『「ありがとうございます…では、行きます!」』
互いに意を決した2人はすかさず構えを取る
「あ、あれは…あの構えは!」
飛鳥はその瞬間ハッとなる
それもそのはず、
『「「はああぁぁぁっ!」」』ギュィィィン!
身構えた
【「ふん、何をしようともう遅い…消え去るがいい!!【デウス・エクス・マキナ 滅式】!!】
キュピン!…ビュオオォォォォォォォォ!!!
ついに道元が蓄積させていた膨大なエネルギーを両腕から繰り出した
巨大な光線のごときそれは
「っ!?」
「ま、まずいぞ!?」
「逃げようにもあの規模じゃ!?」
「くぅっ!?」
迫りくる光線の大きさは仮にこの場から退避をしようが意味をなさないというほどだった
押し寄せる恐怖と絶望感が彼女たちを襲う
『「…大丈夫だよ」』
「…っ」
だが、刹那にささやかれたその言葉に飛鳥はハッとなり
『「飛鳥ちゃんは、みんなは…僕たちが守って見せる」』
「…佐介くん」
『「絶対に、お前たちを救う、約束だ」』
「光牙…あぁ!頼んだぜ光牙!!」
守って見せる
もはや飛鳥たちに恐れも恐怖も絶望さえもない
そして何より性格もスタイルも所属も違う2人が共通することは一つ
たとえこの身に変えても大切なものを守るという意思を持つということだ
故に彼女たちは信じる
彼らの勝利を
ゴオオオオオォォォォォォォ!!!!
刹那、ものすごい轟音とともにすぐ目の前まで道元の必殺技「デウス・エクス・マキナ 滅式」が迫ってきた
『「「…ふぅ」」』
しかし
『「絶…」』
『「秘伝忍法…」』
呟くように唱える2人に「デウス・エクス・マキナ 滅式」がもう目前まで迫った
その時だった
『「「獣波拳・獅竜!!!」」』
ビュゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!
直後、2人の意思の掛け声と同時に
放たれた獣波拳は2人の秘伝動物の姿が融合したような姿を象ったエネルギーとなりて飛んでいく
ヒュゥゥン!ドゴォォォォォォォォォォ!!
力と力のぶつかり合いに発展する
『「「はあああぁぁぁぁぁぁぁ!!」」』
【「おおおおぉぉぉぉぉ!!」】
二つの大技のぶつかり合いによって周囲の地形に影響が起こっているも
両者ともに全力を振るっていた
大技同士の拮抗が激しさを増していく
『「「くうぅぅぅぅぅぅぅ!!!」」』
【「…無駄だ。いくら貴様といえど全力を込めたこの私の最大の攻撃を食い止めることなどできはしない!大切な仲間たちとやらとともに消えてしまえ!!」】
自分の攻撃を押し返そうとする
全力を込めたこの技は防ぐことはできないと自負しながら仲間たちとともに消滅するのだと
『「お、思った以上に奴の技の威力が凄まじい!?」』
『「この、ままでは!?」』
焦り、恐れ、その感情に好悪してか少しずつ獣波拳の威力が下がっていくことによって
それによって比例するようにぐいぐいと押されていく
【「ふはははははは!どうやら悪運も尽きてきたようだな?ならば潔くさっさと消えてしまえ!!」】
道元が
デウス・エクス・マキナ 滅式のエネルギーを全開にして繰り出してきた
技の威力が上がったことでさらに獣波拳の勢いを上回り、押し通していく
『「「ぐぅぅぅぅ!!」」』
もはや万事休す、最悪の状況が
「何やってんだバカ野郎が!!」
『「「っ!?」」』
刹那、自身に向けられたその言葉に
振り向くとそこにはこっちを見て叱咤の言葉を投げかけている疾風の姿があった
『「疾風…?」』
「テメェ、何そんな奴に手こずってやがんだ!何を圧されそうになってやがんだ!ふざけんなよ、忘れたか!何のために蓮が消滅覚悟でお前らに力を与えたと思ってやがる!?お前らが勝つと信じたからだろうがよ!」
『「「っ!?」」』
疾風のその言葉を聞いた
「かぐらを長き呪縛から解き放つ。本当なら誰よりも自分が為したかったその願いをお前らに託して蓮は逝ったんだぞ!なのに託したはずのお前らがなに弱腰になってやがるんだ!そんな腰抜けどもだったのかテメェらは!そんなんじゃ蓮の奴はただの無駄死にしたことになっちまうじゃねぇかよ!」
蓮を思う疾風の言葉が
「佐介くん!」
「光牙!」
『「「っ?」」』
さらにその直後、今度は飛鳥と焔が声をかける
「負けないで!挫けないで!」
「お前たちには私たちがついてるぞ!」
「えぇ、負けちゃだめよ
皆の声援の声が
『「ま、まったく…気楽に言ってくれる!」』グヌヌ
『「…でも、だからこそ!」』
『「「絶対負けない!はあああぁぁぁぁぁぁぁ!!」」』
疾風の叱咤と飛鳥たちの声援が再び