姉である両姫の魂を昇天させないために両奈が結界を破って侵入してきた
すかさず姉の元へ向かう両備と両奈だったが、その直後に出現した棺桶の中に両姫は吸い込まれた
どうにかして棺桶をこじ開け両姫を取り戻そうとする2人
佐介に応援を頼み
状況が状況なので迷いながらも協力しようとした佐介だったが
直後に発生した光によって場が包み込まれ、視界が戻ったころには2人の姿は消えてしまった
姉の入った棺桶とともに光に飲み込まれた2人の行方を小百合に問う佐介は
2人が転移の術で別の場所に飛ばされたことを聞かされる
さらには準備ができたとして小百合が術によって転移の力を持ったワームホールを出現させる
事態に困惑する佐介だったが、それを許すこともさせず、ワームホールが佐介を吸引し
結局佐介も転移させられてしまうのだった
「ん…んん…?」
先の発生したワームホールによって吸い込まれた佐介が徐々に意識を取り戻す
「ここは…?」
目覚めたばかりで意識がぼーっとする中、周囲を見渡す
風景からしてまた森の中にいるのだということはだいたい分かった
「もしや、ここが小百合さまの言っていた?」
佐介は小百合との会話で聞いた転移の術によるその先の場所がここであることを認識した
「ということはここに両備ちゃんたちも?」
ここが小百合が言っていた場所だとするのなら自分よりも先に飛ばされた両備と両奈の2人もいるかもしれない
2人の行方を探すためにまずは森から出ることにした
しばらく森をまっすぐ進んでいった佐介はその向こうに光が差し込んでいるのが見えた
「きっと出口だ!」
ようやくこの森から抜け出せると佐介は大急ぎで光刺す方へと向かっていった
「…ここは!」
森の先、光が差し込んでいた方に向かって抜け出した佐介が視界にとらえたのは
ザパ~ン!!!
波打つ海の音が辺り一面に木霊し、周囲には白い砂浜が広がっている海岸だった
「海?…どうやら海岸付近に繋がっていたんですね?」
周りの状況からなんとなくだが状況をくみ取る
「…っ?」
ふとその最中、佐介の視界にあるものが移る
佐介が視界にとらえたもの、それは浜辺で倒れる人影だった
「…えっ?あれって!?」
どういうことかと目を凝らしてみてみると浜辺で倒れているのは自分がよ~く知っている見知った人物たち
訳が分からないまま佐介は大急ぎで駆け付けた
「飛鳥ちゃん!大丈夫!?斑鳩さん、かつ姉!柳生ちゃん、ひばりちゃん!チェルシーちゃんにレイナも…しっかりしてください皆さん!?」
浜辺で倒れていた人影たちの正体、それは佐介の所属する半蔵学院の仲間である飛鳥たちだったのである
彼女たちがなぜ浜辺に倒れているのかが気になるところではあるものの
一先ずは彼女たちを起こすことが先決だと必死にゆすったりして目覚めさせようとする
「ん…んん?」
「っ、飛鳥ちゃん!」
「…さ、すけ、くん?」
「よかった、目が覚めたんだね?」
ここで最初に反応を示したのは飛鳥だった
うんうんと唸り声を上げながらも、ゆっくりと起き上がる
飛鳥が目覚めてくれたことに佐介も安堵する
『「う~ん…」』
「皆さん!」
さらにそれに好悪するかのように他の皆も次々と目を覚ましていった
「…っ?ここどこだ?」
「どうやら浜辺のようですがこれはいったいどういうことでしょう?」
意識を取り戻した他の者たちも自分たちの状況を見て困惑の表情を浮かべていた
「ていうか佐介くんがどうしてここに?今日はたしか両備ちゃんと両奈ちゃんに誘われて出かけていったんじゃ?」
「うんそうなんだ。…実はね」
自分がここにいることに疑問を浮かべている彼女たちに佐介は今までの経緯を説明する
両備と両奈と墓参りに行ったところ、そこで小百合と3人の少女に遭遇し
そこに彼女たちの姉がいたことで両奈が暴走し、事態が激化してしまい
さらには姉を助け出そうと棺桶を開けようとしたら転移の術で飛ばされたこと
直後に自分もワームホールに吸い込まれ、その先であろうこの場所にいたのだということを
「えぇ!?ばっちゃんが!?」
「うん…おそらくみんなをここに呼び寄せたのも小百合さまだと思うよ?」
「なるほど、そういうことだったのですね?」
佐介から事情を聞いて飛鳥は祖母である小百合がこの騒動の発端であることを聞かされて酷く驚いていた
「オレたちもここに来る前までは学院にいたんだがさっきの佐介の話しにあったそのワームホールと同じものが現れてな」
「やはり」
「何だか危なそうだから無闇に近づくのは予想ってみんなで話してたのにかつ姉が近づいて行っちゃうから」
「いや〜、だってよ〜。ひょっとしておっぱいがいっぱいの楽園への入り口だと思ってよ〜」
飛鳥たちも自分と同じようにワームホールに飲み込まれたことを知った佐介はその発端となったのが葛城のおバカな行動にあるのだと知り頭を悩ませていた
「ともかく今わかっていることはここは僕たちがいた場所とは別の場所だということ、そして小百合さまのあの言葉から察するに何かをしようとしてるってことですね」
話し合いによって、双方ともに一通り情報の交換が完了する
「さて、一先ずここにいても拉致が飽きませんから少しあたりを捜索してみることにしましょう」
「ですね。ここにいたところで何があるかということもありませんしね?」
「それに佐介くんの言う通りなら両備ちゃんたちのことも心配だしね」
そうして情報の交換を終えたことで次の行動をとることとなり
あたりの捜索、及び先んじて行方不明になってしまった両備と両奈の捜索をすることとなった
一行が海岸付近から移動を開始して少ししたころだった
「あっ、ねぇみんなあれ、あそこ見て!」
「どうしたひばり…っ?」
ひばりの指さす方に一同が小首をかしげながら彼の見据えるほうに視線を向ける
すると向こうの海岸に人だかりが
「ん?ちょっと待って?あれってもしかして?」
しかもその人だかりを作っているのは自分たちの知る人物たちのような気がした
「ねぇ佐介くん、あそこにいるのってもしかして?」
「まだ決めつけは早いかもしれないけど、ともかく行ってみよう」
「うん、そうだね!」
佐介たちは自分たちの見たものが見間違いかどうかの真意を確かめるため
急ぎ、人だかりのほうに向かっていったのだった