いきなり小百合から忍の盆踊りに参加を促され、困惑の表情を浮かべる佐介たち一行
そんな彼らに発破をかけるが如く蓮華が名乗りを上げ
デモンストレーションとして出現させたヤグラをどちらが先に破壊するかという模擬戦を行うこととなった
蓮華との模擬戦に雪泉が挑むこととなり
果敢に攻める雪泉だったが、そんな彼女を圧倒するほどの蓮華の実力を皆に知らしめる形になってしまう
さらには戦いの結果は圧倒的に追い込まれながらにヤグラを破壊されてしまったことによって雪泉の敗北という形で決着がついた
波乱の展開を刻んで模擬戦は終わりを告げ、それを見届けたとともに小百合がすかさず次なる行動に移した
新たに印を結ぶとともに結界内の空間を歪ませて行き、一同は困惑する
そして次に彼らが意識を取り戻した際に見た光景は自分たちの拠点であり
いつの間にかそこに転移させられるという形で飛ばされてしまうのだった
これを受け、半蔵、紅蓮竜隊、月閃のそれぞれの思いや考えの元、忍の盆踊りに参加することになったのだった
≪『蛇女・拠点』≫
他三校が軍勢の拠点に飛ばされたように当然相馬たち蛇女メンバーたちも拠点に飛ばされてた
「どうやらあの小百合とかいう飛鳥の祖母にまたしてやられてしまったようだな?」
「だね。ボクもいいようにされっぱなしでなんだか気分良くないよ?」
雅緋と忌夢はこの世界に飛ばされたことといい、拠点に飛ばされたこといい
小百合の手のひらで踊らされてるかのような自分たちの今の立場に不服と不甲斐なさを覚えていた
「まぁまぁ、お二人さんよ、そ~んな難しく考えちまうと気が滅入るぜ♪」
「お、お前に言われたくはないわ!?」
「ふぇ?」
声をかけられた方に視線を向けるとそこにはサングラスしてヤシの実のジュース片手に持って
ビーチチェアの上に腰掛けてすっかりくつろいでいる相馬がいた
「ていうか紫、お前まで!?」
「あっ…その…えっと~…」アセアセ
さらには隣で紫も一緒にヤシの実ジュースを飲みながら寛いでいるではありませんか
2人はあまりのことに頭がおかしくなりそうだった
「お前ら、我々が今どんな状況に置かれているのか忘れたのか!?何この状況でくつろいでるんだ!というより良くまぁくつろげられるな!?」
いきなりこの結界内に飛ばされたり忍の盆踊りをやることになってこれから他校の皆と戦うことになるというのに
ものの数分でこの世界に順応している相馬たちにある意味感心すら覚えられてしまうほどだった
「そうカリカリしなさんなって~、他の連中も今の状況を整理してるだろうから早々攻めてこないだろって、故にそれまではクールタイムってことでのんびりしようぜ?…ぷは~♪」
「…相馬くんの、いうことも…一理あると、思いますよ?」
「いやお前らただ単にだらけたいだけだろ!?そんな態度でどうするんだ!もっとシャキッとしろ!」
全く持って緊張感のかけらもないような2人に忌夢が説教の如くがみがみといってくる
「んも~、そんなこと言うんならあれはどうなんだよ?」
「あれ?…あっ」
相馬の指さす方に視線を向けてみる
「両姫お姉ちゃ~~ん♪」
「あらあら、相変わらず甘えん坊さんね♪」
するとそこにはなぜか一緒にここに飛ばされている両姫とその彼女と楽し気にしている両奈と両備の姿があった
両奈に至っては両姫に抱き着いてその胸に顔を埋めながら甘えているようで、両姫のほうも自分に甘えてくる妹を愛おしそうに宥めている
何と仲睦まじい姉妹愛が繰り広げられている
「で、どうなんすか雅緋さんに忌夢さんよ~?見てみんしゃいよ?久しぶりに死んだ大好きだった姉に会えてうれしそうにしているあいつらに、やれ盆踊りだヤグラだ他校のこととか言って水を差すおつもりで~?」
「ぐうっ」グヌヌ
久方ぶりの再会に心晴れ晴れとしている両奈たちを見せられ
さらには憎たらしくそれをネタに揺さぶりをかけてくる相馬の口説き文句に忌夢はぐうの音も出せずの状態に陥っていた
あと無性にこの場で相馬を殴ってやりたいという衝動にも駆られていた
「…家族、か」
一方の雅緋はというと仲睦まじそうにしている両奈たちを見てどこか羨ましさを感じていた
その時だった
「っ?」ピクッ
「どうしたの雅緋?」
「ん?」
いきなり明後日の方向を向ける雅緋に相馬と忌夢はどうしたのだろうかという顔を浮かべていた
「…あっ、いや。何でもない」
心配そうな忌夢を見て慌てて何事もないと雅緋はふるまう
「そう?それならいいんだけど?」
「いちいち大げさに気にし過ぎなんじゃねぇかお前、気っと気のせいかなんかだって?」
雅緋のことが心配で仕方ない忌夢に相馬が茶々を入れる
「うるさいぞ、能天気なお前と違って雅緋は繊細なんだよ」
これにムッとなった忌夢もまた反撃するかの如く相馬を能天気と称して貶す
「おい、誰が能天気だコラ!?」
「お前以外に誰がいるっていうんだよ!」
「んだと!?やるかこら!」
「上等だ!今日という今日はお前のそのひん曲がった今生をボクが叩き直してやる!」
当然結果はこのような事態になるのは自明の理
その様子を見ていた紫はあまりの気迫に仲裁に入ることもできず
べべたん抱えてビーチチェアの陰で縮こまっていた
「やめろ2人とも!こんな状況だというのに仲間通しでやりあってどうするんだ!」
「ご、ごめんよ雅緋」アセアセ
「わ、悪かったよ。すまん」アセアセ
一触即発しそうな2人を見て考え事してる余裕もないと
雅緋は2人を一括して仲間同士で争おうとするのを止めた
「まったく、しっかりしろお前たち、そんなことでは悪の誇りがけがれてしまうぞ」
「そうだね。ボクもちゃんとするよ。ありがとう」
「相馬、お前も程々にしとけよ?たるんでばかりでは困るからな」
「へいへい、わかりましたよ」
何とかして2人を説得し、この場を収めた
「(しかし、この感じる…今も感じるこの懐かしい感じ、これは…間違いない。これは母さんの気配だ)」
雅緋は先ほどからどこからともなく感じられるこの妙な気配の正体について考えていた
感じれば感じるほど懐かしい気配であることに雅緋はこの気配が亡き母のものだと確信を持つ
「(もしかしているのか?この世界に?)」
気配を感じるということはひょっとして母がいるのかも知れないという期待が雅緋の胸を震わせる
「雅緋?どうしたの?ぼーっとして?」
「……いや、なんでもない」
忌夢の声に我に帰った雅緋はいつもの冷静さを見せた
「(もし、もしこの世界にいるというのなら……会いたい、母さんに)」
しかし、態度とは裏腹に頭の中をよぎるのは今も母のことだけだった