忍の盆踊り開催に際してそれぞれの拠点へと飛ばされた佐介たち
そんな中、蛇女もまた他のチーム同様に飛ばされた拠点にて
今後の自分たちの方針を雅緋と忌夢が考えている横で
この状況下の中で悠長に寛いでいる相馬たちや
姉との再会に浮かれている両奈たちのおかげで全くもって調子が狂うといった感じだった
口論になったり仲裁に入ったりと慌ただしい感じに
なんとか皆を落ち着かせたそんな時
雅緋は自分が感じていた謎の気配についてのことを考えていた
やがてその気配が亡くなった自分の母の者でないかと勘づく
母がこの世界のどこかにいるかもしれないという心境に駆られ
自分の様子を見て心配そうな顔を浮かべている忌夢に心配はないと告げるも
その内にある思いは母に会いたいという願いに染まっていたのだった
転移の術によって各忍学生たちが自分たちの拠点に到着した頃のこと
「さて、今頃はあいつらみんな拠点で今後のことを話し合っている頃かね?」
結界内に広がる青い空を眺めながら小百合はぼそりとつぶやく
「お前たちはどうするつもりなんだい?」
すると小百合は振り向くことなく話しかける
「はっ、すぐには動くつもりはなく、暫し様子を伺いつつ行動を起こすつもりでございます」
小百合の背後にはあの獅子と虎の面をつけた2人の忍が跪いていた
「…お前さんたちとは旧知の仲じゃ、好きにさせてやるつもりではいる。しかし、あえて聞かせておくれ、お前たち本当に良いのか?」
「小百合さまのお尋ねしたい気持ちは重々我々も承知しているつもりではございます。しかし、これはいうなれば私たちのせめてものわがままなのです。もう我々にはこれ以外の道はありません故」
そういうと虎の面をつけている忍は不甲斐なさそうに拳に力を込めていた
「確かにな、わしもお前たちと同じ立場だったならばと思う。なればこそもう何も言うまい。せめて後悔なきようにすることじゃ」
「「御意のままに」」
助言を挺した小百合も感謝の言葉を送ると程なくして2人の気配は消え去っていた
「…さて、頃合いじゃな」
2人の気配が消えたタイミングを見計らった小百合は懐からマイクを取り出し印を結び術を発動させる
<「あ~…あ~…聞こえるかのお前たち?」>
小百合が口を開くとマイクから放たれる声は大きく響き渡る
拡張したその小百合の声は現在拠点にいる忍学生たちの耳に届いていた
<「長らく待たせてしまってすまなかったの、これより忍の盆踊りの開催を宣言するぞ」>
そして小百合は忍学生たちに向け、忍の盆踊りを始めることを宣言する
<「お前さんたちの健闘を祈る。思う存分己の死ノ美を燃やせ、わしからは以上じゃ」>
開会の言葉を言い終わると小百合は術を解いた
「さて、これで全ての準備は整った。あとはこの先の流れはお前たち自身が切り開くんじゃ…ふぅ~」
皆の健闘を願いながら小百合は手にしている煙管を一口吸うのだった
一方そのころ、小百合から開会の言葉を受けた忍学生学生たちはというと
各それぞれの陣営は行動を開始し始めていた
「さて、どうやら本格的に忍の盆踊りが始まったようだ。全員気持ちを切り替えていくぞ」
「え~…もうちょっとだらけてたいのに~」
「ぐぅ~、雅緋とひと夏の思い出が遠のいていく気配を感じる」グヌヌ
「お前らな~」ジド~
忍の盆踊りが開催されたというのに未だ不満げな仲間たち一同を前に雅緋は頭を抱えたいと思えるほどだった
『「ソウ、ソウ!」』
「うわっ!?なんだよアオ?いきなり?」
『「すまないが体を借りるぞ!」』
「ちょ、いきなり呼びかけておいてなんなんd…ぬぁぁぁ~!?」
その瞬間、相馬が意識を失うかのようにだらんと上半身を崩した
「…っ!」
刹那、閉じられていた目がぱっと開かれ、すかさず身を起こす
「その様子?お前、蒼馬だな?」
「あぁ」
雰囲気からしてさっきと違うところから忌夢が問うとすぐに返答が来た
今目の前にいるのは相馬であって相馬ではない存在、彼の中にいるもう一人の人格である蒼馬だった
「はう~ん♪蒼馬く~ん♪」
「あら、あの子、雰囲気が変わったわね?」
「あれはあいつの中にいるもう一つの人格で蒼馬っていうの。でもって両奈にとってはお気に入りの存在なのよ」
「へぇ~そうなの?なんだか私と似た人みたいね?それに両奈ちゃんがこんなにもなついているだなんて、きっといい人なのね」
事情を知らない両姫は何事なのかわからずにいたが両備からの説明を聞いて状況を理解した
「どうしたんだ蒼馬?急に入れ替わったみたいだが?」
雅緋が蒼馬にどうしていきなり入れ替わったのかを尋ねると
蒼馬はそれに返答することなく視線を別の場所に向ける
「隠れてないで出てきたらどうだ?そこにいるのはわかっているぞ?」
「「「っ!?」」」
すかさず蒼馬は向けた方向のほうに声をかけてきた
蒼馬のその発言を聞いて他の皆も彼が見据える先に警戒を向ける
「な~んだ気づいてたんだ?」
「「「「「「っ!?」」」」」」」
観念したようにその場合から現れたのは四季だった
「誰かと思えば四季じゃないか?」
「や、やっほ~雅緋ちんにみんな~♪」
いつものような感じに振舞ってはいるがその総巣からして焦りが見えてるのは明らかだった
「残念だったな?大方俺たちの拠点の偵察に来たみたいのようだが失敗に終わったな?」
「えっ?いや別にあたしは」
「なるほど、先手必勝ということか?いい手ではあるが詰めが甘かったな」
自分の登場によって戦闘体制に入る蒼馬たちに何やら動揺を隠せない様子の四季だったが
蒼馬たちのほうは既にやる気十分の様子だった
「…さて、おしゃべりは終わりだ。拠点に攻め込まれた以上、このままのうのうと帰れるとは思うな?」
このまま四季を野放しにしてヤグラを破壊されるわけにはいかんと蛇女メンバーが四季を取り囲む
「な、なんか様子を見に来ただけなのに?…結構ヤバヤバなんですけど?」アセアセ
取り囲まれてしまったこの状況に四季は焦りを感じる
そうこうしてる間にも雅緋たちが臨戦態勢を取ろうとする
「まて、ここは俺がやる。みんなは手を出すな?」
「蒼馬?」
「四季を見つけたのは俺だ、こいつとは俺が勝負する」
「いいだろう、譲ってやる」
皆の了承も得て蒼馬が四季の前に立つ
「ちょ、なんでそうなるの!?蒼馬ちんと戦うことになるなんてまじついてないっしょ!?」
「覚悟しろ、オレが相手をする以上は手加減は千、全力で行くぞ」
四季に対して蒼馬は勢いよく宣言するのだった