閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

30 / 606
第二十七章 僕らの戦いもこれで終わりです!

最上階にて激戦を繰り広げる佐介と光牙

 

「やあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「甘い!!」

 

「ぬあぁぁぁぁ!!!」

 

しかし、戦いの流れは依然として光牙が掴んでいた

 

秘伝忍法技を喰らわせ多少なりともダメージは与えたものの

 

その程度のダメージでは光牙を倒すことはおろか状況をひっくり返すことさえ出来なかった

 

「こっ、この!」

 

「目障りだ!」

 

光牙は矢を放つ、それが佐介を貫く

 

「ぴょ…ん!?」

 

「ほらほら、まだまだいくそ!」

 

「くはっ!?あぁ!ぬぁ!?」

 

次々と矢を放ち佐介を追い詰めていく

 

「取っておきだ。沈め!秘伝忍法・閃光龍波!!」

 

矢を放つとそれは竜を模様した強大なエネルギー波となり佐介に襲いかかる

 

「っ!?あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

それをまともに喰らい吹き飛ばされ、体は壁に叩きつけられた上に(ソウル)雲雀も解けてしまった

 

そして叩きつけられた体が、ゆっくりと地面に倒れ込む

 

「グッ…クゥゥ…」

 

体を起こそうにもダメージと力の反動により身動きがとれなかった

 

「…貴様はよく頑張った。だが、これで終わりだ」

 

光刃を生成すると逆向きにし刃先を佐介に向ける

 

「さぁ、終わりの時だ!」

 

「(こんなところで死ぬの?…せっかくみんなが身を呈してまで僕をここまで向かわせてくれたのに…まだひばりちゃんも助けてあげられてなにのに…僕は、僕はなんて無力なんだ…)」

 

今の自分を惨めに思い後悔に苛まれる

 

「死ね!!」

 

「っ!?」

 

光刃が佐介の体を貫こうとした

 

 

 

 

 

その刹那

 

 

 

 

 

 

 

 

ドックン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

「………?」

 

いつまでたっても痛みがこないので佐介は恐る恐る目を開けてみると

 

「なっ、なに…?」

 

光牙が驚きと苦しみに満ちた顔をしていた

 

「バカな、まさか?『ドックン!!』っ!?」

 

 

ガウァァァァァァァ!!!

 

 

さらに突然として胸を抑えながら苦しみだした

 

「なっ、なんだと…!?秘伝忍法書の力で抑えこんだはずなのに…まだ抵抗する力が?そんなバカな!?」

 

苦しみとともに力が弱まり始めていく

 

佐介はこの隙になんとか立ち上がる

 

「ええぃ。抵抗するな!お前は俺に力を与えてればいいのだ!」

 

光牙は抵抗する内に秘めし力を再び押さえ込もうとして

 

なんとか力を押さえ込む

 

だが、押さえ込むために少々体力を消耗してしまった

 

佐介は光牙を倒せるかもしれない勝機を見つけた

 

「(…グゥ……お願い、僕の体。今だけでいい…もう一度立ち上がって!)」

 

内心で自身の体に活をいれると

 

ポロポロになった体を気力で起き上がらせるとそのまま光牙に向かっていく

 

「っ!?」

 

(ソウル)転身!!」

 

その掛け声とともに佐介は(ソウル)飛鳥へと転身し、二本の水刃で光牙に斬りかかる

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

「ぐっうぅぅぅぅぅ!」

 

既で光刃を展開してそれを防ぐ

 

「ぬぅん!!」

 

つばぜり合いが続く中、光牙が攻撃を弾く

 

そしてそこから連続攻撃を仕掛けてきた

 

負けじと佐介も受けて立つ

 

鋭い突きをして来た光牙の攻撃をかわし蹴りを仕掛ける佐介だがそれを光刃をクロスさせて防ぐと右手の光刃を振り落とす

 

佐介は間一髪よけると後ろにあった柱を真っ二つに切り裂いた

 

「っ、はぁぁぁぁ!!」

 

今度は佐介が攻めに回った

 

二本の水刃を巧みに駆使していき、光牙も負けじとそれを防いでいく

 

「このおぉぉぉ!!」

 

光牙が力強い勢いで光刃を振り落とす

 

それを力を込め全力で防いだ

 

「なにっ!?」

 

「グッ…せりゃあぁ!!」

 

「ぐおぉ!?」

 

隙をついて腹に蹴りをいれると距離をとる

 

佐介はこれからだす技に己の全てを込める

 

「秘伝忍法・乱れ咲き「杜若」!!」

 

凄まじきオーラをはなち、光牙に向かっていく

 

「っ、させぬ!!」

 

左手の光刃を佐介に向けて投げつける

 

「ぐはっ!?」

 

素早い速度で迫り来る光刃が佐介の左肩を貫いた

 

血を噴き出し左手の剣を落とし転がりながらも佐介は尚も怯まず

 

襲ってきた光牙の攻撃をダイブしながら回避すると同時に腹あたりを掠めた

 

「ぐぅ!はぁぁぁぁ!!」

 

掠めたところを抑えながら光刃で攻撃する

 

「っ!とはあぁぁ!!!」

 

それを左手でガードすると

 

 

ザシュン!!

 

 

痛みに耐えながらも渾身の一撃を光牙に突き刺した

 

「あっ…あぁ…」

 

「っ!」

 

動きを止めた光牙から佐介は距離をとる

 

「…がはっ」

 

光牙は沈黙の後、全身から気が消え、ゆっくりとその場に大の字に倒れ込んだ

 

「はぁ…はぁ…はぁ…うあぁ…」

 

佐介も(ソウル)飛鳥がとけ膝をついて倒れ込む

 

「俺が、負けただと…?」

 

自身の敗北が信じられないと光牙はそう言いたそうな顔をする

 

「くそっ…力が足りなかったというのか?…こいつを押さえ込む力が?」グヌヌ

 

拳を握り締める光牙、だが

 

「それは違うよ光牙くん…」

 

その光牙の言い分を近寄ってきた佐介が否定する

 

「…なに?」

 

「あなたは本当の力というものを知らない」

 

「本当の力だと?」

 

光牙の隣に座り込み佐介は話しを続ける

 

「…力だけじゃなく、他者との絆や思いやる心、それらが合わさった時こそ人は真に強くなれるんです」

 

「…ふん。くだらない。絆や思いやる心だなどと、そんなものは弱いものたちが虚勢をはるための戯言だ」

 

「そんなことない!…僕は幾度となくピンチを迎えたことがある。でもそれを乗り切ることができたのは家族や仲間、大切な人たちとの絆。それがあったからこそ僕はここまでこれたんです。あなたにも本当はあるでしょう、大切な人との絆が?」

 

「…」

 

今までに多くの人たちと出会い、受け継いだもの、学んだこと。それらが今の自分を作っていることを心から感謝している佐介は胸を張るようにそう告げた

 

そして光牙もまたそれを聞いた瞬間、脳裏に焔たち選抜メンバーや母、そして姉の姿が浮かび上がる

 

「それと…あなたの力がなぜあなたを拒んだのか僕にはわかる気がします」

 

「なんだと?」

 

「あなたは恐れからかその力と向き合おうともせず、支配しようとした。通じ合おうとしない限りその力はこれからもあなたを拒み続け、真の意味で力を貸さないでしょう…自分の力と向き合うこともまた絆につながるんです」

 

「向き合う…俺が、この力と…」

 

佐介の言葉を聞いた光牙は腹に手を当てる

 

確かに生まれてこの方自身はこの内に秘められし力の存在を知って以降、恐怖からかこの力を拒絶し、向き合うこともせずいつか力でこの力を支配しようと考え、そしてついに秘伝忍法書の力で無理やり支配した

 

だが偽りの共鳴などこの力が許すはずはない

 

だからこそ、あの時うちに秘められし力は自分に抵抗したのだと

 

「…ふっ、確かに貴様の言うとおりなのかもしれないな。お前にやられた理由がなんとなくわかった気がするよ」

 

「光牙くん…」

 

自分の言ったことに納得してくれたようで嬉しさを感じた佐介だった

 

 

 

 

 

 

「beautiful。素晴らしい勝負でしたよ二人とも」

 

「「!?」」

 

だがその時、天守閣へと続く階段から1人の男が降りてきた

 

「…道元!」

 

「道元?」

 

「この学園の最高権力者だ」

 

「えっ?」

 

道元は階段を織り終えると不敵な笑みを浮かべるのだった

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。