その様子を巫神楽三姉妹は伺っていた
勝手に趣旨を変えて楽しくワイワイな行事に変えてしまっている一行の様子に巫神楽三姉妹の蓮華と華毘は呆れたような顔を浮かべる
しかし姉たちのその意見に末っ子の華風流がこれを好機と捉えるべきという
自分たちの目的のためにも佐介たちが勝ってにどんちゃん騒ぎしてくれていた方が自分たちにも都合がいいと
巫神楽三姉妹が小百合に協力してこの忍の盆踊りに参加する目的のためにも時間は多くあってこまることはないからだ
途中考え事のせいで華毘の爆発癖が発症して一悶着あったものの、蓮華、華毘、華風流の3人は自分たちの目的のために動き出す計画を着々と練っていくのだった
華毘の爆発によってごたごたしたが、巫神楽三姉妹はおちつきを取り戻した
「さて、今のうちに探しに行くとするか。時間はそんなにないしな!」
「そうっすね!探しにいこうっす!」
「うん!」
「よーし、早速出発だ!」
蓮華の提案に賛同し、3人は自分たちの目的のために動き出そうとした
「おまえさんたち、何を盛り上がっておるんじゃ?」
「「「っ!?」」」ビクッ
だがその直後、声が聞こえ振り返ってみるとそこにはいつのまにか現れていた小百合がいた
「「「さ、小百合さま!?」」」ビビクン!
「何じゃその顔は?まるでわしが悪霊みたいじゃないか」
唐突に現れた小百合に蓮華たちは顔を真っ青にしてとてつもないほど驚いている様子だった
「えっ、ええっと~~…さ、小百合さまどうしてここに?」アセアセ
「お前さんたちを探して居ったんじゃよ。そしたら何やら盛り上がっておるようじゃったからの?」
「ち、違うんす!う、う、うちらは、べ、べ、べつに何も!?」アセアセ
「華毘お姉ちゃん興奮しちゃだめ!またどっかーんしちゃうって!?」アセアセ
小百合の登場に焦りを見せる華毘を見て華風流がまた爆発を起こしかねないと危惧する
「ど、どどどど…どぉぉっ!」
「うわー!もう間に合わない!?」
急展開のせいで反応が間に合わず、慌てふためく蓮華と華風流
その間にも華毘は爆発寸前まで行きかけていた
まずいと思っていたその時だった
「ていっ!」ポコッ
「ぶっ!?」トテッ
しかしその直前、小百合が一発お見舞いした直後、華毘の爆発は不発に終わった
「どっかーんはさせんよ。うるさくてかなわんからね」
「さ、流石です小百合さま!」
何だかんだで危ないところを小百合に救われた形となった
「そ、それで小百合さま、私たちに何か用ですか?」
この機に乗じて蓮華はすかさず小百合にここに来た理由を尋ね
先ほど小百合に聞かれそうになった質問をうやむやにした
「あぁ、そうだった。あいつらときたらなんぞおかしな行事を始めたりして真面目に忍の盆踊りをする気が内容じゃからな、ここいらで少し喝を入れてやろうかと思っての。悪いが付き合ってくれるかい?」
「は、はい、喜んで!」
小百合からの依頼を頼まれ、蓮華がそれを引き受けることを告げる
「そうかい、それじゃ準備ができたらよんどくれ」
「わかりました!」
用意が済んだら来るようにと告げてその場を離れていった
「…ふぅ、危なかった。なんとか誤魔化せた~」
「ねぇ…やっぱり小百合さまには黙っていた方がいいと思うよ?」
「そうだな。華毘もそれでいいか?」
「う~…わ、わかったっす」
危うく知らせるよりも先に知られてしまうのではとひやひやしたが誤魔化せたことに安堵の表情を浮かべる
「まぁ、ともかく今は小百合さまに付き添うことにしよう、あの件については今は後にして」
「分かったわ」
「了解っす!」
一先ずこうなった以上は自分たちの目的は保留として小百合とともに未だ忍の盆踊りを真面目に行おうとしない忍学生たちに喝を入れに行くことにした蓮華たちだった…
準備を終えた巫神楽三姉妹を引き連れて小百合は忍学生たちの元にやってきた
しかしどうも事態は少し違った様子を迎えていた
というのもやってきた三姉妹を連れてきた小百合の前に紫苑と雪泉がやってきたからだ
「なんじゃい紫苑に雪泉。わしに何か用があるみたいじゃの?」
「はい、その通りです」
「実は小百合さまにお伺いしたいことがありまして」
「ほう、なんじゃ?言ってみろ?ちょうどわしらもお前さんたちを探していたからの、もののついでに聞いてやるわい」
どうやら自分に何か聞きたいことがあるとのことで小百合は紫苑と雪泉の話しを聞くことにした
「では遠慮なく…この世界で生き返った忍たちは全員現世でなにかしら未練があるのですか?」
「未練といっても十人十色、多種多様にあるからの。まぁ、少なくとも成仏できずにここにおることがその証拠といえるの」
「そう…ですか」
確かに納得いく話しではある
小百合が忍の盆踊りは未練を持った忍のたちの魂を成仏させるためのものだといっていたことの意味をこれで再確認した
「…黒影のことかい?」
「「っ!?」」
「何を驚いておるんじゃ、お前さんたちの反応を見てれば容易に想像がつく。わしに聞きたいことがあるというのも黒影のことなんじゃろ?」
何もかもお見通しだというかのように小百合が確信を突く
「流石は小百合様ですね…ここに来てからというもの、ところどころでおじいさまの気配を感じるんです」
「っ…」
見透かされているなら渋っても何の意味もないと雪泉は正直に小百合の問いに頷き、心境を話す
紫苑はそんな雪泉の様子を無言で見守っていた
「ふむ。それでお前たちは黒影に会ってどうするというんじゃ?」
「…もし、おじい様がこの世に未練を残していらっしゃるのなら、その未練がなくなるまでここで一緒に暮らしてもいいと考えております」
「……いやいや、まったくわかってないのう」
「えっ?」
雪泉は自身がしようとしていることを小百合に告げる
そんな雪泉に対して小百合は彼女は全く理解してはいなと突きつける
「お前さんたちはまったくわかっていない、そんな考えを持っているようではいつまでも黒影は成仏することができんようになってしまうぞ?」
「どういう意味…ですか?」
今のその考えていることでは黒影は成仏ができないという小百合の言葉を聞いて雪泉はその言葉の意味を問う
「口で説明するよりも体で教えたほうがいいわい、それがお前さんたちを探してたわけじゃ。おいで巫神楽三姉妹!」
「はい!」
「来ましたっす!」
「参りました」
小百合の呼びかけに応じて待機していた巫神楽三姉妹が姿を表す
「何をなさるおつもりですか?」
「言ったはずだよ。口で説明するより体で教えたほうがいいってね。というわけでお前さんたちには巫神楽三姉妹と戦ってもらうよ」
「「「っ!」」」
その小百合の言葉に好悪するかのように三姉妹も臨戦態勢に入る
「ま、待ってください。どうしていきなりそんなことを」
「言ったはずじゃ、口で話すよりも体で教えた方が早いと、さぁ、ボケっとし取らんでお前さんたちも身構えんか。そうでないと痛い目にあうぞ!」
戦いを拒否しようとする雪泉の言葉に聞く耳持たず、戦いは避けられない状況に追い込まれてしまった