その際に紫苑と雪泉はこの世界に来てからずっと気になっていた黒影の話しを持ちかける
生前に何かしらの未練を残して死んでしまった忍たちの魂が集うこの世界に黒影がいるというのなら
彼が未練を経つまでここに居ようかと考えていると告げる雪泉の発言を聞いた小百合は
間違った考えを抱いている雪泉や、やる気が見えない他の者たちにお灸をすえるためにと
小百合が巫神楽三姉妹に彼らの相手を命じ、最初の標的となってしまった紫苑と雪泉が相手をすることになる
しかし、紫苑は”あのこと”があったことで本調子になることができず、
蓮華と華毘の連携攻撃に追い込まれてしまい、一気に窮地に立たされてしまうのだった
バリィィィィィィン!!
「ぐあっ!?」
「紫苑!?」
ガラスが砕けるかのように紫苑の生成していた防御壁が蓮華と華毘によって粉々に砕けちった
壁が破壊された衝撃によって紫苑は後方に吹き飛ばされてしまう
「よし、これで邪魔な壁はなくなった。」
「これも華風流ちゃんの援護のおかげっすね!」
「確かにな、さぁ一気に行くぜ華毘!」
「はいっす!」
さらには追い打ちをかけるが如く、蓮華と華毘が迫りくる
「やらせません!秘伝忍「それはこっちのセリフよ」っ!?」
プシュン!プシュン!!
「きゃっ!?」
「雪泉!?」
今一度秘伝忍法を使おうとする雪泉だったがそれよりも先に水の弾丸が飛んできた
雪泉は対処が間に合わずその直撃を受けてしまった
「ぐぅぅ、雪泉…」
「う、ぅぅぅ…」
「お姉ちゃんたちに気を取られ過ぎよあんたたち?あたしがいるかぎりそんな小細工使わせるわけないじゃない。はい論破♪」
得意げな顔をしながらドヤ顔を華風流が決めていた
「でかしたぞ華風流!!」
「いくっすよ。とりゃぁぁぁぁぁ!!」
「「っ!?」」
華風流の援護によって大きな隙というアドバンテージを得た蓮華と華毘がそのまま攻撃に出る
これによって蓮華が紫苑と、華毘が雪泉と乱戦に入る
「たぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぐぅ!?」
「とやぁぁぁぁぁ!!」
「うぅっ!?」
体勢が乱れたところを蓮華と華毘に攻め込まれたことによって場面は完全に彼女たちの優勢という形になってしまっていた
「調子に乗らないでください!…ふっ!」
雪泉が技を繰り出そうと身構える
「だからさせないって何度も言ってるでしょ!」
バシュン!シュンシュン!
「なっ!?きやぁぁぁっ!?」
しかしそれを阻止すべく現れた華風流の妨害にあい、攻撃が強制的に無効化されてしまった
「雪泉!?」
「よそ見してんじゃねぇ!お前の相手は私だろうが!」
「ちぃ!?」
2人から集中放火を受けてしまっている雪泉をなんとかして手助けしてあげたいが、それには目の前の蓮華が邪魔だった
「おらおら!どうした!」
そんな紫苑の気持ちなどお構いなしに蓮華が連続で端を振るう
「……っ!」シュン!
「なにっ!?」
「てぇいっ!」バシッ
「うわっ!?」ドサッ!
だが、紫苑は攻撃をかわしながら蓮華の動きを見切り
次の一手を掻い潜ったと同時にしゃがみ込みからの回し蹴りを繰り出し、彼女の支えをなくさせることに成功した
これによって蓮華は盛大に地面に尻餅をついた
「痛てて、尻が~~…よくもやってくれたなこんちくしょうめ!」
「よし…雪泉!」タッ!
「あっ、おい待て!」
蓮華が尻もちをついた隙に紫苑は文句を言っている彼女を無視して雪泉を助けに向かう
「雪泉!!」
「はっ、紫苑!」
「「っ?」」
声に反応した雪泉が返事をすると同時に華毘と華風流も紫苑に気づいた
「あの人こっちにくるっすよ!」
「華毘お姉ちゃん、あいつはあたしが何とかするからお姉ちゃんは引き続きそいつの相手をお願い!」
「わかったっす!」
紫苑が向かっていることを知った華風流が雪泉の相手を華毘に任せ自分は紫苑を食い止めるべく前に立ちはだかる
「蓮華お姉ちゃんを退けたみたいだけど残念ね。これ以上は通らせてあげないんだから!」
バシュシュシュシュン!!
華風流が紫苑に向けて水鉄砲を乱射する
「…っ!」
「っ!?」
これに対して紫苑は自身の反射神経を生かしながら
左右ジグザグに動き回ったり、アクロバティックな動きを駆使して回避したりという芸当を見せながら攻撃を避けていく
「ちいっ!猪口才ね!いい加減に当たりなさいよ!」
攻撃が一向に当たらないことに苛立ちを覚えつつ、華風流は連射を続ける
されど攻撃は回避されるばかりだった
「速すぎ、なんなのあいつ!?」
「ふっ、はあっ!!」
「な、なんですって!?」
紫苑は攻撃をかいくぐり、間合い入った瞬間に勢いよく宙にへと飛び上がった
宙へと舞い上がった紫苑は華風流の頭上を通り抜け、真後ろに着地した
そしてそのまま華風流を無視して雪泉の元に
「あ、あたしのことを無視しようっての!なめんじゃないわよ!お願いルカ!――っ!」
自分が相手をしているというのにそれを無視していこうとする紫苑に対してムッとなった華風流は首から下げている笛をピーっと鳴らした
笛の音が鳴ったその直後だった
雪泉の元に向かおうとする紫苑の前方の地面がまるで水面のように波紋を広げる
ザパァアアアアン!
「ヨウ!オレを呼んだかい!」
「っ!?」
すると波紋の中から現れたのは一匹のしゃべるイルカだった
「ルカ、そいつを止めて!」
「OK!いくぜ!」
華風流がルカと呼ばれるイルカに指示を出し
その指示を聞いたルカが紫苑を妨害せんと向かってきた
「これ以上は通さないぜbaby!」
「…っ、ふっ、はあっ!!」
「ゲフッ!?」
「ルカ!?」
だが、紫苑はここでも紫苑は奇譚を効かせ、接近する直前にスライディングによってルカの腹部に潜り込むとともにそこから変速ドロップキックをお見舞いする
「邪魔!!」
「ぐぅ~…や、やられたぜ…チャオ〜」ポン!
目をくるくるさせ、さよならという意味の言葉を呟きながら煙と共に消えた
「ルカ!?」
「っ―――!!」
ルカを蹴散らした紫苑は立ち上がると共に再び雪泉のもとに
「雪泉、今助ける!」
「えぇっ、華風流ちゃんも!?なかなかやるっすね、だけどそれもここまでっすよ!」
「紫苑、気をつけてください!?」
蓮華、華風流をかいくぐった紫苑の先に最後の1人である華毘が立ちはだかる
「てぇぇぇい、えいや!どっせい!!」
「っ!」
巨大なハンマーで襲い掛かる華毘の攻撃を紫苑はかわす
「なかなかやるっすね。けど、ウチだって負けてられないっすよ!」
その言葉とともに渾身の一発を振りおろした
「はっ!」
「うぇっ!?」
だが、紫苑はそれを読んでいたかのように華毘がハンマーを振りおろしたと同時にジャンプし
そのハンマーの上に着地する
「嘘っすよね!?」
「やあっ!!」
「うわぁぁっ!?」
攻撃をかわされ、気が動転している隙を突いて紫苑がタックルを食らわし、華毘はそれによって地に倒れた
「雪泉!」
「…紫苑」
「大丈夫?怪我はない?」
「えぇ…ありがとうございます」
見事紫苑は巫神楽三姉妹の分断作戦をかいくぐり
再び雪泉の元に戻ってきたのだった