いくつかの会話を交わした末に紫苑と雪泉が巫神楽三姉妹と戦うことになった
しかし前回の対戦で負けてしまっている雪泉と
”とある事情”によって自身の持つ力を十二分に発揮することができずにいる紫苑は
早くも巫神楽三姉妹の巧みなチームワークによって分断されてしまったりと徐々に徐々にと追い込まれてしまった
だが、紫苑は雪泉が集中砲火によって傷つくさまを目の当たりにし
彼女を助け出すべく不調の常態化の中にあるにも関わらず
技とテクニックを駆使して巫神楽三姉の妨害を跳ね除け、雪泉の元にへとたどりつくことに成功するのだった
巫神楽三姉妹を退け、紫苑はどうにか雪泉の元に駆けつけることに成功した
「雪泉、立てるかい?」
「はい、大丈夫です…っ!?」
「ゆ、雪泉!?」
「…申し訳ありません。どうやら先程の戦闘で思いの外ダメージを受けてしまったようですわ」
手を差し伸べるとともにゆっくりと雪泉が立ち上がるのをサポートした
しかし雪泉は先の戦闘で体を痛めたようであり苦悶の表情を浮かべる
「やいやいやい!」
「「っ?」」
「お前、よくも私たちを虚仮にしてくれやがったたな!もう許さないぞ!」
そんな2人の前に態勢を整え直した巫神楽三姉妹が現れ
自分たちのことをそっちのけで相手にしようとしなかった紫苑に怒り心頭の様子だった
「……雪泉、雪泉はそこで休んでて、ここからは僕がやる」
「えっ?」
雪泉に囁くようにそういうと紫苑はゆっくりと歩み出していく
「紫苑、何をなさるおつもりですか!」
巫神楽三姉妹の元に向かおうとする紫苑の表情から何かをしようとしているのだと察した雪泉がすかさず問いただす
だが、そんな雪泉の問いを無視してさらに数歩歩いた先で歩みを止める
「…っ!」
「(あ、あれは…まさか!)」
紫苑の構えを見て雪泉はハッとなる
なぜなら紫苑の取った構えは
自身を強化形態へと転身させる「零子転身」の構えだったのだから
「待ってください紫苑、早まった真似はしないで!」
必死に紫苑を止めようと雪泉は懇願する
通常の常態でも十二分に力を出せない今の紫苑が強化形態へと転身しようものなら
この後に何が起こってしまうのか
それによって紫苑は無事でいられるのだろうか
想像もつかないどころか頭の中には悪い予感が常について回っていた
故に雪泉は紫苑に早まった真似をしてほしくなかった
「…雪泉。ありがとう」
「紫苑…」
気持ちが通じてくれたのかと雪泉はホッとする
「…でも、ごめん」
「…えっ?」
だが、紫苑の口から帰ってきたのは彼女の思いトハ真逆の回答だった
「(リスクは覚悟の上だ。でもそれで君を守れるなら!)」
意を決しながら紫苑は巻物を巫神楽三姉妹の方向に向ける
「零子、転身!!」
刹那、解号の言葉を紫苑が叫ぶとともに
四代元素の光が紫苑を包みこむ
ビリリリリリリリリ!!
「ぐぅ、ぐぅぅぅぅぅぅ!?」
「紫苑、どうしたのですか!?」
いつもと違い、光の中から紫苑の苦しむような悲痛な声が聞こえる
雪泉の心配を他所に光が消し飛ぶとそこには強化形態に転身した紫苑がいた
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
「紫苑…なぜ、なぜなんですか?」
紫苑があれだけなってほしくないと願っていた姿へとなってしまったことに雪泉は動揺を隠せなかった
「うぅぅ…こ、この状況を打開するにはもうこれしかないんだ」
体に負荷を受けながらも雪泉に対して紫苑がそう告げる
「な、なんすかあれ?」アセアセ
「か、変わった」アセアセ
華毘と華風流は初めて見る自信を変化。強化させる転身の術によるその姿とそれより感じる力に恐れ慄く
「お、落ち着け華毘、華風流!いくら姿が変わろうが関係ない、私たちのコンビネーションで一気に仕留めれば倒せない相手じゃない!」
「…そ、そうっすね!うん、よく考えたらそんな気がしてきたっす!」
「蓮華お姉ちゃんの言う通りね。姿が変わったからってそんなのあたしたちが負けるって確証もないしね!」
蓮華の鶴の一声によってハッと我に返った華毘と華風流も戦意を取り戻した
「よし、行くぞ!!」
「はいっす!」
「うん!!」
士気が高まったところですかさず三姉妹が行動を開始し、三角形の陣で紫苑を囲む
「一気にたたみかけるぞ!」
「「っ〜!」」
紫苑を取り囲んだ3人は蓮華の合図で一斉に力を高める
「食らえ!【紫電】!」
「【大玉ロケット華毘】!!」
「【オールレンジ・フェスティバル】!!」
蓮華、華毘、華風流が紫苑を仕留めるべく同時に秘伝忍法を発動させる
「危ない!紫苑逃げて!」
3人同時の秘伝忍法をまともに受けようものならいくら強化形態であろうとも無事ではないと雪泉は紫苑にになるように促す
しかし紫苑は逃げる素振りを見せず、それらを迎え撃つべく構える
「体への負荷が半端ない、悪いけど速攻で行かせてもらいます!絶・秘伝忍法!【
「「「っ!?」」」
刹那、紫苑は自分に向かってくる巫神楽三姉妹にむけて4属性の内、ランダムで放たれる
巫神楽三姉妹は紫苑の繰り出したそれに驚きを見せる
「えっちょ…!?どわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「華毘!?」
「華毘お姉ちゃん!?」
その瞬間、最初に技の先例を受けたのは特攻技を放った華毘だった
水の属性の光線が直撃し大爆発を起こす
蓮華と華風流はそれを見て驚愕する
しかし心配する余裕は2人にもありはしない
残り二つの光線が押し寄せているからだ
二つの交戦は蓮華と華風流の繰り出した技と正面衝突するも
圧倒的な力の差で瞬く間に相殺するとともにそのままその先にいる2人に向かっていく
「くそっ!?ぬぁぁぁぁぁ!?」
「きゃぁぁぁぁぁあ!?」
技を相殺されてしまい、反動から動くことままならない蓮華と華風流も
あっという間に撃破され、華毘の二の舞を演じることとなってしまったのだった
これによりこの戦いは紫苑の勝利へと終わりを迎えたのだった
戦いのけりがついたと同時に結界に形成されていたフィールドが消滅して元の場所へと変える
「……っ」
紫苑に敗れて彼を三角に囲む形で倒れている巫神楽三姉妹を小百合が1人1人と観察した
一通り3人を見終えた小百合は次に視線を紫苑に向ける
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
「紫苑、大丈夫ですか?」アセアセ
「だ、大丈夫。でもやはりコントロールが…」
苦しそうな顔を浮かべながら心配している雪泉に大丈夫だと告げる紫苑だったが
力の制御が未だできないことに頭を悩ませる
だが、その時だった
ジジジジジジ!!
「っ、ぐぅ、があぁぁぁぁぁぁ!?」
「紫苑、どうしたのですか!?」
突如として全身に電流が走るとともに紫苑は苦悶の声を上げる
「うぅぅ…ぐふっ」ドサッ
「紫苑!?」
さらにはその痛みに紫苑の肉体が耐えきれず、強化形態が強制的に解除され
その姿は装束どころか私服の姿にまで説かれてしまい、そのまま気を失ってしまうのだった