巫神楽三姉妹を引き連れ小百合が現れた
その手始めとして巫神楽三姉妹が紫苑と雪泉に戦いを仕掛けてきた
三姉妹は長年のチームワークを発揮して紫苑と雪泉を追い込んでいった
苦戦を強いられていく中、雪泉の危険を察知した紫苑が
自身が今不調にあるにもかかわらず、雪泉を守るために力を解放し、強化形態へと転身をする
これによって形勢は逆転し、見事勝利を収めた
だが、勝利を得た紫苑たちに小百合が不合格というかのようにダメ出しをしてきた
あくまでもこの試合に勝てたのは紫苑の持つ並外れた力の恩恵にあり、それがなければ勝つことなどできなかったと
さらにはその場にいる者たちが何かしらの迷いを持っていることを突きつけ
その言葉を聞いて紫苑たち同様にこの場にいた両備は逃亡し、それを追いかけるように両奈が後を追う
迷いについてを問うた小百合が今一度
甘っちょろい考えをぬぐい切れていない忍学生たちに喝を入れるべく、全身の召集をすることにしたのだった
紫苑と雪泉が巫神楽三姉妹と一戦やらかしてからしばらく経った
今、忍学生たちは小百合からの招集を受けて指定されたところに集まった
「はぁ…バカンスでスパリゾートに来たはずなのにどうしてこんなことになってしまったのでしょうか?なんだかいろいろ疲れてしまいました」
集合場所に集まって早々に雪泉が愚痴をこぼす
雪泉に至っては先のゴタゴタで紫苑ともどもいろいろ偉い目にあってしまったが故にだった
本当なら自分たちは元の世界でスパリゾートを堪能している頃のはずなのにと
「雪泉と紫苑に同感だ。私もいい加減くたくただ」
雪泉に同意するという言葉を雅緋が告げる
「ならそろそろ帰るとしよう、このままではさらなる戦いになるやも知れんしな?」
続くように焔が口を出し、いい加減元の世界に戻ろうという提案をする
このままこの世界に留まっていると何やら嫌な予感もするからということからだった
「まって!」
「どうした飛鳥?」
「まだ帰るわけには行かないよ!」
するとここでまさかの飛鳥が異議を唱えて来た
「どうしてですか?」
珍しいこともあるものだと雪泉が理由を訪ねてみた
「だってこのまま帰っちゃったら……私の活躍が少なすぎるよ!?」
「……はぁ?」
飛鳥の帰れない理由を聞いて雅緋が思わず口から出てしまうほどぽかんとする
「みんな最低でも一回は活躍しているのに未だ私だけまだだし、みんながそうしてるせいで私の活躍がどんどんと減ってるんだもん!このまま帰っちゃうなんて納得できないよ!?」
未だ活躍の機会に巡り合えないが故に、このままでは帰るに返れないんだと若干涙目になりながら駄々をこね始める
滅多にない飛鳥の行動に雪泉たちは苦笑いをしながら困り果てていた
「おいおい、なんか飛鳥の奴キャラ崩壊してねぇか?」アセアセ
「えぇ、ここ最近活躍できてないことをかなり気にしてる様子でしたからね」アセアセ
そんな4人のやり取りを見ていた佐介たちはというと
相馬が普段の様子からはらしからない飛鳥の態度を見て感想を述べ
ここ最近、何かと自分の出番が少ないことを悩んでいる様子を見せていたと佐介が語るのだった
「安心せい飛鳥、お前のその悩みもすぐに消し飛ぶことになるからの」
「ば、ばっちゃん!?」
「小百合さま!?」
刹那、飛鳥たちのやり取りに介入するかのようにこの場に自分たちを集めた張本人たる小百合が現れた
「にしても召集したと思ったら何やら好き放題して楽しそうにしているようじゃな?…まったくお前さんたちときたら」
招集をかけた先でも変わらず弛んでいるような態度の忍学生たちに半端呆れた様子でそうつぶやいた
「それで、私たちをここに集めた理由はなんだ?」
雅緋が少しムッとした顔で鋭い目を見せながら小百合に問うた
「雅緋、ここ最近自分が思ったほどの結果を出せずでイライラしているようじゃな?」
「な、なんだと!?」
小百合の指摘に雅緋はカッとなる
しかしながらなまじ本当のことであるが故にそれ以上強く出れない歯痒さもあった
「雅緋ちゃん落ち着いて!…それでばっちゃん、私たちみんなを集めてどうするの?」
「僕もそれについてお尋ねしたいと思っていました。小百合さま、いったい何をなさるつもりですか?」
飛鳥と佐介が皆をこの場に集めたことを小百合に尋ねた
「なに、腑抜けたおまえたちにいいものを見せてやろうと思っての」
そういうと小百合が空に向かって手をかざす
「究極秘伝忍法【異空透視】!!」
術が発動した瞬間、小百合を中心に突如として突風が巻き起こる
同時に空にかかっていた雲が風に流されていった
「さぁ、空を見な!」
小百合が一同に空を見るように促し
皆の視線が空に向けられた
雲が消えた空はまるで巨大なスクリーンのようになっており、そこに巨大な何かを映し出していた
もぞもぞと暗闇の中から何かが蠢く様子が見えた
「なんかお腹の中の赤ちゃんみたいだね?」
映し出されているそれを見て飛鳥がまるで母体の中で胎児が動いているようだなといいだし
彼女のその例えに皆も納得したようにうんうんと頷いていた
そんな風に飛鳥たちがきょとんとしている中、佐介たちは焦りを感じさせる顔を浮かべていた
「…まさか、あれは?」
「光牙?」
おもむろに呟いた光牙の言葉を聞いた焔が小首をかしげていた
しかしながらいつも冷静沈着な彼が取り乱している様子を見てすぐに今目の前に写っているものがただごとではないのだということを物語っていた
空に浮かぶそれを眺めて数秒後、他の皆もようやくそれがなんなのか理解し、同時に全身から血の気をひかせていた
「おいおいおい、あれってもしかして?」アセアセ
「そのまさかだ。あれは妖魔だ!」
『「っ!?」』
そのワードが出た瞬間、一同は騒然とする
自分たちが見上げる空に写っているものの正体、それは間違いなく妖魔だったのだ
しかもただの妖魔ではない
実際にこの場にいるわけでもないのにどこか禍々しいものを感じさせる
これだけであれがそんじょそこらの妖魔とは違うというこの上ない証明となる
「あれが妖魔…それにしては」
「あぁ、何という大きさだ。それにこの嫌な感じ、
そんな
「ちなみにあれが原寸の大きさじゃ」
「げ、原寸!?あれが!?」
原寸、つまり実際の大きさであることを告げる言葉
とどのつまり空に写るあの妖魔はあのままの大きさを誇っており、とてつもなくやばい存在であるということが今、小百合の言葉によって確信に変わった
「この巨大な妖魔はな、今はまだこの世界と元の世界を繋ぐ次元の狭間にいる。しかし、いずれはその狭間を突き破ってお前たちの世界に現れることになる」
『「っ!?」』
さらに小百合は追い打ちをかけるようにこの妖魔がもうじき、元の世界に解き放たれることになると告げてきた
「僕らの…世界に?」アセアセ
小百合の言葉を聞いた佐介たち一同はその事実を知って一斉に息を呑むのだった