閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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半蔵編 一期のスピンオフ作品です


我、極上の死の美を求むる者なり!

蛇女子学園での騒動を終え、無事に超秘伝忍法書を取り戻し半蔵学院へと戻った佐介たちはいつものように学院に通い、霧夜先生からの授業をうけたりの平和な日々を過ごしていた

 

「ふ~。今日の授業も先生からいい話を教わったな~」

 

「殆ど寝てばかりだったじゃないですか」ジド目

 

「こっ細かいこと言うなって~」アセアセ

 

「いいえ、佐介さんの言うとおりです。いっつも弛んでばっかりなんですから」プンプン

 

佐介と斑鳩に説教されて頭の上がらない葛城を見て飛鳥たちはその光景を見て笑う

 

今、佐介たちはお昼ということもあり、屋上で食事を取ろうということになり屋上に向かっていた

 

「アタイが一番~♪」

 

「階段を走ると危ないよかつ姉~」

 

駆け足で葛城が屋上続く階段をのぼっていく

 

「さ~て、めしめし~♪」

 

葛城がドアを開けて屋上に出ると

 

「えっ?」

 

目の前に1人の女性が仁王たちしていた

 

「かつ姉どうしたの?」

 

「何かあったんですか?……えっ?」

 

遅れて到着した佐介たちもまた前方にいる女性に目を向けた

 

「待っておったぞ餓鬼ども」

 

仁王たちしていた女性が先ほどまで閉じていた目を開く

 

なぜ女性がここにいるのかに皆、驚いていた

 

その中でも一番反応したのは佐介だった

 

なぜならその人は佐介にとって良く知る人物なのだから

 

「師匠!!」

 

「「「「「師匠!?」」」」」

 

「久しいの、佐介よ」

 

佐介が女性を師匠と呼んだことに驚く飛鳥たち

 

「師匠って…佐介くんはこの人と知り合いなの?」

 

「あぁうん。この人は「よい、名くらい自分で言う」承知しました」

 

女性は自らの口で高々と名乗り上げる

 

「我が名は大道寺、強者を求め、極上の死の美を探求するものなり!」

 

大道寺は拳を自分の目の前まで持っていくと強く拳を握り締める

 

「えっ?…まさか、あなたが伝説の…大道寺先輩!?」

 

「いかにも」

 

斑鳩の問いに大道寺は答えた

 

「知ってるんですか?」

 

「名前だけはな。卒業試験には合格してるのに自らの意思で何年も留年を繰り返してる伝説の超強い先輩がいるって聞いたことはあるが…まさかそんな大先輩に弟子がいたなんて」

 

「それが…佐介くんなの?」

 

「そうだよ。僕はこの人と…師匠とともに多くの困難を乗り越えてきたんだ」

 

そう言うと佐介は懐かしき修行時代のことを思いだす

 

険しい谷に突き落とされたり、夜のジャングルに置き去りにされたり、肉食魚がウヨウヨいる海に落とされたりと

 

「どれもこれも懐かしいな~」

 

「いや、喜んでいい話かそれ?」

 

修行の内容を聞いた柳生が佐介にツッコミをいれる

 

「蛇女子学園の一件。見事、素晴らしき死の美であった!うぬらに喝采!」

 

「師匠…ありがたきお言葉です」

 

尊敬する師からお褒めの言葉をもらい佐介は嬉しそうな顔をする

 

「腑抜けた面構えも今や無し、我は見た。今のお前たちなら拳交える価値ありと!」

 

「拳を交えるって誰とですか?……えっ?もしかして~?」

 

「無論」

 

佐介たち全員と、大道寺はその二文字を述べた

 

「ちょっと待ってくださいよ!なんで大道寺先輩と戦わないといけないんですか?」

 

「そうだぜ、無茶苦茶だぜ?」

 

「笑止、我は強者を求むる者ぞ」

 

「そうですね…師匠が僕たちを強者と認めてくれいるのならば、強者と強者。出会うことあらばすべきことそれはただ一つ…」

 

逸早くことを悟った佐介は大道寺に対するように構える

 

「佐介くん?」

 

その行動に飛鳥たちは驚く

 

「みなさん。師匠は僕たちと対するべくここに来たんです。見せてあげましょう、僕たちの全力を…師匠に!」

 

佐介にとってこの1戦はこの半月で、飛鳥たちとの出会いで授かった経験などを師匠である大道寺に見せるいい機会でもあるのだから

 

「佐介くん…うん。わかった!」

 

「そうですね!」

 

「しゃあ!いっちょやってやるぜ!」

 

「誰が相手だろうと俺は負けない!」

 

「ひばりだって頑張っちゃうよ~!」

 

飛鳥たちもまた気合重要

 

「単独では肩ならしにもならぬ。まとめてくるがいい!!」

 

ここに大道寺との1戦が始まる

 

 

 

 

 

 

「やあぁぁぁぁ!!!!」

 

「ぬるい!!」

 

「たあぁぁぁぁ!!!!」

 

「甘いわ!!」

 

飛鳥たちが攻撃を仕掛けるも大道寺にはまったく当たらない

 

「今度はこちらの番ぞ!」

 

地面を蹴り上げ、大道寺の反撃が始まった

 

「でぇぇぇい!!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ひばり!?くそぉぉぉ!!」

 

柳生がひばりの仇を取らんと大道寺に迫るが

 

「ふっ、はあぁぁ!!天轟拳!!」

 

「ぐあぁぁぁぁ!!?」

 

「柳生ちゃん!?」

 

叫び声をあげながら宙をまい、落ちていった

 

「今度はアタイたちが相手だ!」

 

「先輩、お覚悟を!」

 

「ふん。かかってくるが良い!」

 

葛城と斑鳩が大道寺に連携攻撃を仕掛ける

 

「行くぜ!ブラッディドラゴン!!」

 

「喰らいませ凰火炎閃!!」

 

二人の秘伝忍法のコラボレーション技が大道寺を襲う

 

「受けてたとう。はぁぁぁぁ!獣波拳!!!」

 

猛虎を模様した獣波拳を放つ

 

互の技がぶつかり合う

 

その威力は葛城と斑鳩の連携技に引けを取らないものだった

 

「ぐっ!」

 

「ぬぅぅ!」

 

「なかなかの技だ。だが…はぁぁぁぁ!!!!」

 

大道寺が獣波拳の威力を高めると二人の技を消し去ってしまった

 

「そんな!」

 

「嘘だろ!?」

 

驚く二人だったが、そんなことを言ってる場合でもなかった

 

 

ガォォォォォォォ!!!

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

獣波拳の衝撃に巻き込まれ二人もまた大道寺の前に沈んだ

 

 

「はぁ!せい!やあぁ!!!」

 

「もっと攻めてこい!」

 

飛鳥が二本の小太刀で大道寺を攻める

 

それを大道寺はかわし続ける

 

「せいぃ!!」

 

「っ!?」

 

隙を突き、飛鳥の持っていた小太刀を蹴り上げる

 

「ふっ!螺旋脚!!」

 

「がぁぁぁ!?」

 

飛鳥は大道寺の螺旋脚をくらい吹き飛ばされベンチを巻き込んで倒れた

 

「この程度では物足りんぞ!」

 

腕組みをして不満そうにそう告げた

 

「師匠!」

 

「っ!」

 

「はあぁぁぁぁぁ!!」

 

佐介が拳を突き出すと大道寺がそれをガードする

 

「はっ!せい!ハイヤ!!」

 

休む間も与えまいと佐介は果敢に攻め立てる

 

「ふっ、成長して腕を上げたようだな…嬉しいぞ!」

 

「師匠からお褒めを頂き光栄です」

 

「だが、まだまだ我もうぬに抜かれるわけにはいかん!ふっ!はぁぁ!!」

 

「ぐっ、がぁぁ!!」

 

佐介は攻撃を返され大道寺から反撃を食らう

 

「ふっ!」

 

「っ!」

 

「「獣波拳!!」」

 

 

ガォォォォォォォ!!!

 

ガォォォォォォォ!!!

 

 

二つの獣波拳がぶつかり合い、爆発

 

 

「いえぇぇい!!」

 

「ぐっ!?」

 

「ふぁぁぁぁぁ!!」

 

「がはっ!?」

 

だが、爆炎の中を突き抜けてきた大道寺の奇襲に対処が間に合わず

 

豪腕を叩き込まれ地面に叩きつけられてしまった

 

「どうした?もう終わりか?」

 

地面に這いつくばっている6人に大道寺は尋ねる

 

 

「まだ、まだです!」

 

佐介が口火を切った瞬間

 

「私たちは…まだ負けてません!」

 

「先輩の前でお見苦しいところは見せられません!」

 

「アタイの実力はこれからだぜ!」

 

「俺たちを甘くみないでもらおう!」

 

「ひばりたちは諦めない!」

 

他の全員も一斉に立ち上がる

 

「…見事、見事な死の美である。さすれば我、全力の一撃を持って汝らを沈めん!!」

 

大道寺は身構えると体から凄まじい気をあふれだす

 

「みなさん!みなさんの力を貸してください。僕たちの力を一つに合わせて師匠に挑むんです!」

 

「うん!」

 

「承知しました!」

 

「任せろ!」

 

「やってやる!」

 

「ひばりも頑張る!」

 

佐介とともに全員が精神を集中しそれぞれが気のエネルギーをため始める

 

「覚悟はよいか!秘伝忍法・天地戦乱狼虎拳!!」

 

 

ガォォォォォォォ!!!!

 

 

「秘伝忍法!」

 

「「「「「「魂心(ソウル・ハート)!!!!」」」」」」

 

 

ビュウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!

 

 

6人全員の忍としての魂と心をこめた気弾は飛んでいく中で混じり合い美しい色をした光弾に変わった

 

そして両者の技が激突する

 

二つ技はどちらも弾けを取らなかった

 

「ぐっ!」

 

「「「「「「ぐぅぅぅ!!!」」」」」」」

 

凄まじい力があたりに拡散する

 

 

 

 

 

 

 

そして!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄まじい爆発が発生し、屋上は爆煙に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

そして煙が晴れるとそこには衣服がボロボロの状態、いきも絶え絶えながらも立ち続ける佐介たちの姿が

 

「どうなってんだよ?」

 

「私たち勝ったの?」

 

「師匠?」

 

佐介が心配そうに声をかけるとそこには佐介立ち同様衣服がボロボロとなり、黒い髪ではなくその下に隠した本来の髪の毛をさらけ出しながら仁王たちする大道寺の姿が

 

「屈辱…!しかし敢えていわん。あっぱれなり、と!」

 

「師匠」

 

「それってつまり私たちの勝ちってこと?」

 

「無論」

 

大道寺先輩に勝利したことに感極まる飛鳥たち

 

そして大道寺はそれを告げるとその場から去ろうとする

 

「師匠どこにいかれるのですか?」

 

「うぬらの死の美、しかと目に焼き付けた。そして我もまた未熟を悟ったり、我、今一度再び地獄の修行に挑まん!」

 

「そう、ですか…」

 

ひさしぶりに再会したのにまたお別れと聞いて佐介は少々がっかりした

 

「心配無用。我はまた再び舞い戻る。その時、再びあいまみえようぞ!」

 

「師匠……はい!」

 

「うぬらに感謝!また会おうぞ!!」

 

大道寺はそう言い残すとその場から立ち去ってしまった

 

「ありがとうございます。師匠…」

 

「佐介く~ん」

 

「飛鳥ちゃん」

 

喜びを分かち合おうと飛鳥が佐介に近づいてきた

 

「やったね佐介くん私たちあの大道寺先輩に勝ったんだね!」

 

「うん。そうだよ」

 

「わ~い!わ~い!」

 

はしゃぐ飛鳥だったがここでとあるアクシデントが

 

 

ビラッ プルン♪

 

「「えっ?」」

 

衣服がボロボロにも関わらずはしゃいだ結果、胸あたりを隠していた布が垂れ下がり飛鳥の豊満なものが顕に

 

「…ぶっ、ぶぁぁぁぁぁぁぁっ~!!!???」鼻血

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!!佐介く~~~~~ん!?」

 

それを見た瞬間、吹き出した鼻血で宙を回転しながら舞う佐介を驚きながらも追いかける飛鳥たち

 

 

 

 

今日もまた。半蔵学院は平和であった……


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