しかし彼らに休息を贈らせるほど運命というのは優しくはなかった
団欒の最中にいつのまにか紛れ込んでいた莉愛とそれに続くように相馬たちの前に響たちが現れた
響たちは復讐のために現れたことを告げると共に相馬たちに戦いを挑んできた
連続の襲撃に疲弊が懸念されるもせっかく守り抜いたヤグラたちを壊され、負けてしまえば今までの努力が水泡に化してしまう
それだけはなんとしても避けなければならないと相馬たちも受けて立つ構えを取る
相馬たちが戦う意を示した様子を見て響たちは本気で彼らを叩き潰すべく所持していたプロトシノヴァイザーを使い転身する
人外の姿と力を経た響たちが相馬たちを獲物を狙うが如く睨みすえるのだった
佐介たちを退けて間もないというのに現れた響たちがプロトヴァイザーにより変身を遂げたことで事態はより困惑する
【「ふふふふ」】
プロトヴァイザーを発動させ、人外の姿へと昇華した響たちから禍々しいものを感じていた
「こ、これが奴らの真の力を解放させた姿か?」
「相馬たちが転身する時の姿とはまるで別物じゃないの」アセアセ
シノヴァイザーを使って転身する相馬たちはあくまで装甲を纏い戦うだけでほぼ人の成をしている
しかし真の姿を見せた響たちは逆に人としての姿を辛うじて保っているだけで体のあちこちは毛や鱗、甲殻などの皮膚に覆われていたりして
外見はもう完全に”化け物”といっても差し支えないといった様子だった
【「どうした?怖気ずいて声もでないか?」】
変貌したことによる作用なのか響の口調が荒々しいものに変わっていた
【「貴様らが来ないなら…こちらから行くぞぉぉぉ!!」】
「来る。気をつけろみんな!!」
飛び込んできた響たちを前に蒼馬が注意を呼びかける
「蒼馬くん!?」
【「シャァアア!!」】
「っ!?」
ドドォォォォン!!
だがその直後に間合いに入ってきた響とぶつかり、大きく後方まで後退されながら取っ組み合いに発展する
【「オォォォォォォ!!!」】
「ぐっ!?ぐぬぅぅう!!??」
【「ふっふっふっ、どうした蒼馬?そんな程度の力しか出ないか!!」】
「ぐぐぐっ!?」
力一杯に互いに押しあうも、プロトヴァイザーによって変化を遂げ、虎のような姿と力を手にした響によって徐々に押し込まれる
『アオ、替れ!お前じゃ力勝負は不向きだ。ここは俺がなんとかする!』
このままでは押し切られてしまうことを危惧した相馬が意識の交代を要求する
「(ソウ…わかった。頼む!)」
『おう!任せろ!』
一瞬蒼馬は任せて大丈夫なのかと思ったが先程のことを思い返し、任せることを決めた
蒼馬が目を閉じて秒も経たないうちに見開いた瞳の色が赤に変わっていた
さらに青の装甲は消失し、瞬時に赤の装甲に切り替わる
【「っ?」】
「ちょ…調子に乗んのは…早ぇぞ響ぃぃぃぃ!!」グググ
【「なっ!?ぐぅっ!!」】グヌヌ
「うおらぁぁぁぁぁぁ!!」
意識がバランス型の蒼馬からパワー型の相馬に変わったことによって押しつぶされそうになっていた体制を持ち前の馬鹿力で徐々に五分に持ち直していった
【「ぐっ!馬鹿力め!?」】
「うっせ、今のお前にだけは言われたくねぇっ…てぇぇぇぇの!!」
【「ほざ…くなぁぁぁぁぁ!!」】
五分に戻した状態のまま、互いに相手をおちょくるような言葉を吐き捨てながらにヘットバットを決め、距離を取るのだった
相馬と響が戦闘を始めるとともに雅緋たちのほうも他の4人との戦闘に発展していた
ザザァァァ!
「…っ?」キョロキョロ
後ろに後退するとともに両備は周囲を警戒する
「両備ちゃん危ない!!」
「っ!?」
すると突然両奈が声をかけてきた
そうして両奈が視線を向ける宙のほうを見た瞬間だった
【「だばぁぁぁぁぁぁ!!」】グワッ!
視界に入ったのはこちらに向かって口を大きく開けるとともに中から巨大な異形な4つに割れたもう一つの口を展開させて今にも両備を丸のみにしようとしている後呂太の姿があった
「両備ちゃんはやらせないよ!!」
ババババババババ!!
【「がぼっ!?ぐぼぼぼ!?」】
だがその直前両奈が弾丸を連射させたことで直撃を受けたことによって後呂太は弾丸が飛んでいく方にへと自身も吹き飛ばされた
「大丈夫両備ちゃん!」
「えっ、えぇ、助かったわ」
間一髪を救ってもらったことで両備が安堵の表情を浮かべる
【「痛い…痛い…痛いよ~!!」】
「「っ!」」
【「もう、おこっだ!おでお前ら食う!ぜったい食っでやる~!!」】
自分の邪魔をした両備と両奈に対して怒りを見せ、襲い掛かる後呂太だった
「はっ、はっ、はっ、はっ!」タタタタ!
別の場所では忌夢が駆け足で移動をしている
ビュ!シュルルルル!!
「っ!」バッ!
しかしその直後、奇々怪々な音ともに忌夢に向かって飛んでくるものがあり、間一髪でよけると地面にまるで鞭で叩かれたかのような跡が残った
叩きつけられた跡は唾液のような滑っとしたものがついていた
ビュ!シュルルルル!!
直後、またしても先ほどの奇妙な音が聞こえきたので忌夢は避ける
「くそっ、どこにいる!姿を見せろ!」
隠れて攻撃を仕掛ける相手の先方が気に入らない忌夢は隠れてないで姿を見せるように怒鳴りつける
するとそのすぐ後、忌夢は背後に気配を感じ、すかさず振り替える
だが忌夢はぽかんとした表情を浮かべる
なぜならそこには雅緋がいたからだ
「忌夢、無事か!?」
「み、雅緋!?もう、それはこっちのセリフだよ。相手はどうしたの?」
「あぁ奴か?それならとっくに倒したさ、私を誰だと思ってるんだ?」
「そ、そうなんだ。さすが雅緋だね……っ」
敵を倒したと告げる雅緋に賞賛の言葉を送る忌夢だったが、何故かいま目の前にいる雅緋には違和感を感じている自分がいた
故にこの気持ち悪さを払拭するために忌夢は行動に移すことにした
「……ねぇ、雅緋。ボクの好きな食べ物覚えてる?」
「っ……あ〜、あぁ、お前の好きな食べ物だろ?もちろんわかるさ…ば、バナナだったかな?」
「――っ!」ブゥン
「なっ!?」
好物の質問に対してバナナと答えた瞬間、忌夢が棍で突きを繰り出した
「何をするんだ忌夢!私だぞ雅緋だ。わからないのか!?」
攻撃をギリギリで避けるとともに忌夢にどうしてこんなことをしたのかと問いかける
すると忌夢はくすりと笑みを零す
「さっきの質問の答えだけどね。ボクの好きなのはおいなりさんだよ。本物の雅緋なら当然知っていることさ、それを間違えた時点でもうアウトなんだよ。残念だったね偽物さん?」
「…図られたわけね」】シュゥ~
嘘を見破った忌夢の指摘に何も言えなくなった瞬間、雅緋の姿は霞のように消滅し、中から別の姿が現れる
現れた正体はまるでカメレオンのような容姿に変貌を遂げた智美だった
【「迂闊だったよ。まさかかまをかけられるとはね?」】
「ふん、ボクと雅緋はちっちゃいころから一緒に過ごしてきたんだ。ただ真似したくらいでボクたちを欺けると思うなよ!」
自分と雅緋には幼き頃から育んできた絆があるのだと忌夢は強くそう告げるのだった