連戦になることを覚悟しつつもここで敗北するわけにはいかないと相馬たちは戦うことを決める
そんな相馬たちを屠るため、響たちはプロトシノヴァイザーで転身するとともに人外へとその身を昇華させ襲い掛かってきた
相馬と虎の力と容姿を得た響との取っ組み合いを皮切りに他の皆も戦闘を開始する
虫の力と容姿を得て襲い掛かる後呂太と両備と両奈が相対し
忌夢のほうは突如として自分の元にやってきた雅緋に驚きをしつつも違和感に気づき
質問を投げかけたことによってその雅緋が偽物であることに気づき
見事カメレオンのごとき正体を現した智美の奇襲を阻止することに成功するのだった
相馬、両備、両奈、忌夢たちが襲いかかる響たちと交戦をしている中、残りの者たちも同じく戦いを繰り広げていた
「…っ!」シャリリリリリ
紫が髪に纏わせている手裏剣をプロペラ代わりに宙を浮かびながら飛んでいた
パキュン!
「あっ!?」
するとその紫に狙いを定める影があり
狙撃するかのこどく遠距離技を仕掛けてきた
それに気づいた紫が咄嗟にガードを試みるもその技の勢いを押し返すことはできず、勢いに負けて尻餅をつくように地面に転げ落ちる
「痛たた……っ?」
尻餅によって痛む尻を撫でながら紫は攻撃飛んできたほうへと視線を向ける
【「…ハート…ブレイク、ショット…っ」】
視線の先にいたのは人差し指を顔の前で立てながらこちらを見ている莉愛がいた
彼女も彼女で人外の姿へと変貌しており、その姿は黒ヤギのようだった
「す、すみません、いきなり撃ってしまって…い、痛かった…ですよね?で、でも私も戦わないといけないから…あなたに恨みは…ないけど、せめて、次こそは苦しまないように一撃で仕留めて、あげます…」
相変わらずおどおどした口調ではあるものの、その内容は明らかに戦う意を示すものだった
「(…言葉ではああいってるけど、やっぱりあの人も、戦いたいとは望んでない…でも、それと一緒に…どこか悲しみや切なさの匂いが、する)」
紫は持ち前の匂いで人を知るのを生かして相対する莉愛の匂いを嗅いだ
すると莉愛からは争う意思を無理矢理に押し込んでこの戦いに望んでいること
それによって自分が悲しみを抱きつつも煮え切らない思いも相まって複雑な感情を抱いていることを
「(やっぱりあの人、どこか私と…似てるかも……しれない)」
莉愛を見るたび紫は彼女がどこか自分に似てるような気がしてならないという感覚に襲われていた
【「射貫け、ハート、ブレイク…ショット!」】
バキュン!
「――っ!?」
再び人差し指にエネルギーを蓄積させ、それを弾丸のように放つ
押し寄せるそれに対して紫は咄嗟に回避行動をとった
「(できれば私も…あの人と、戦いたくはない…だけど…)」
本心では荒らそうことはしたくない、そう思いつつも彼女と戦わないければならない紫は複雑な思いを抱くのだった
皆がそれぞれの相手と熾烈な戦いを繰り広げる中、当然雅緋も自身の相手と対決をしていた
カキキキキキキキキン!!
「っ、~~っ!!」
【「ははははははっ♪」】
雅緋が自分めがけて飛んでくる無数の針を刀で弾き飛ばす
最後の1人である沙希であり、ハリネズミのような姿となったことで自らの体についている針を打ち出していたのである
【「どう?私の自慢の針の威力は?」】
「あぁ、鬱陶しいことこの上ないな!」
【「そう、だったらもっとしてあげるわ♪なんたって私の針は無限に生えてくるんだから!」】
沙希はそういうと意識を集中させ始め、同時に体から針が瞬時に生成された
「なにっ!?」
【「いっけ~!」】
「くそっ――っ!!」
再び再生した無数の針を弾丸の如く撃ちだしていく沙希の攻撃を雅緋は打ち返すしかできずにいた
「ふっ、はあぁぁ……はぁぁぁぁぁぁ!!」
きりがないと悟った雅緋はいちいち打ち返すのも面倒に感じ、愛刀を持つ手に力を込める
黒炎を纏う刀が雅緋の注がれた力によってさらに力を増す
そして十分にエネルギーを溜め込んだ刀を大きく振りかぶった瞬間、黒炎の斬撃が飛んでくる針を飲み込むとともに瞬く間に焼き尽くしてしまった
【「なっ、わ、私の針が!?」】
「ちまちました攻撃なんぞでこの蛇女子学園筆頭の私を倒せるなどと思わぬことだな!」
雅緋はせせこましい技を繰り出している沙希に対して強気に発言する
【「なるほど、やっぱり君は一筋縄ではいかないってことだね?ならお望みどおりにちまちました攻撃はやめてあげるよ…んんんんん!!」】
沙希は雅緋の強さを再確認してこれ以上今のような攻撃をしても無駄と捉え
力を入れるとともに両手に意識を集中させる
すると徐々に両手から無数の針が出来ていき、まるでグローブのような形となった
【「待たせたね。こっからは君のお望みの正真正銘のタイマンだよ!」】
「いいだろう、望むところだ!!」
針グローブを装備した沙希が雅緋に向かっていき
同時に雅緋も迎え撃つべく駆け出す
【「おりゃぁぁぁぁぁぁ!!」】
「はぁぁぁぁぁ!!」
間合いに入った瞬間、雅緋と沙希がほぼ同時に攻撃を仕掛け、ぶつかり合うのだった
♦♦♦♦♦♦
「やああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「おらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バシコォォォォン!
「「っ…!!」」
蛇女のメンバーそれぞれの戦いが激化の一歩を辿る中、相馬と響の戦闘は当初よりも激しいものとなっていた
互いに駆け出すとともに突き出した拳をぶつけ合い、その一撃を両者ともに受け、後ずさる
「やるじゃない、正直ここまで強くなってるなんて思わなかったわ」
「当り前だろ、伊達にあの地獄を生き延びちゃいねぇっての」
「っ……」
相馬の言葉を聞いた瞬間、響はハッとなったような顔を浮かべたと思い木やいきなり俯きだした
「…そう、そうよね。あんたはあの地獄から唯一生き延びた。死んでしまった私たちと違ってね……っ!!」
ゴオォォォォォ!!!
「っ!?」
すると響の体から湧き上がる何かおぞましいものを感じた
そして次の瞬間だった
「…‥っ!!」
ビュゥゥゥゥゥン!!
「なっ、ぐぅぅ!?」ザザァァァ!!
呆気に取られていたがために響が瞬く間に間合いに侵入することを許してしまい、彼女から繰り出される攻撃を咄嗟に防ぐことが精一杯だった
「ッツ~~……ひ、響のやつ、怒ったと思ったら急に動きが」アセアセ
唐突なことに何が起こったのか理解が追い付けなかった
「っ!!」
しかしそんな暇も与えまいとするかのように響が再び目にもとまらぬかのように高速移動を繰り出し相馬に迫っていく
『「ソウ、俺も戦うぞ」』
「わ、わかっ…うわっ!?」
相馬は間一髪で攻撃をかわし、よろけそうになりながらもシノヴァイザーに巻物をセットする
「双・転身!!」
シノヴァイザーのボタンを押すと相馬の体が輝きを帯び、やがて自身の隣に蒼馬が現れる
「気をつけろソウ。今の響はさっきとは明らかに違う」
「あぁ、わかってる」
前方でこちらを睨みつける響を見ながら相馬たちは油断してはいけないという思いを抱くのだった