閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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国立半蔵学院物の語り、二の巻
第一章 飛鳥ちゃんとタイマンです!


季節は冬、外に広がるのは雲ひとつない空に周りを白一色に染めるほど積もった雪が

 

そして今日もまた半蔵学院の生徒たちの1日は始まりを告げる

 

 

ガッシャン!…ポイ ガッシャン!…ポイ

 

 

「ふぅ~…こんなものでしょうか?」

 

そんな中、1人誰よりも早起きして寮に積もった雪を雪かきをする少年の姿が

 

彼の名は佐介、国立半蔵学院の2年生で忍学科の生徒だ

 

つい数週間前、彼や彼の幼馴染の飛鳥たち半蔵学院と佐介にとってライバルの存在、光牙たち蛇女子学園が超秘伝忍法書をかけて壮絶な戦を繰り広げた

 

『はあぁぁぁぁぁ!獅子の爪!!』

 

『甘いぞ!喰らえ聖剣クラウソラス!!』

 

『『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』』

 

互いに熾烈を極め、互いに生気尽き果てるまで戦ったあの日

 

佐介にとっては今も記憶に新しいほど鮮明に蘇る

 

「元気かな。光牙くんたち…」

 

静かにそうつぶやきながら再び雪かきにせいをだす佐介だった

 

 

 

 

 

 

「ただいま戻りました」

 

「おかえりなさいませ佐介さん」

 

「斑鳩さん」

 

雪かきを終えた佐介を出迎えてくれたのは半蔵学院の3年生でクラス委員を務める斑鳩だった

 

「雪かきお疲れ様です。でも、言ってくださればわたくしもやりましたのに」

 

「いえいえ、まだ寝てらしたようでしたので起こすのも野暮と思いまして」

 

「それはそれは、心使い痛み入りますわ」

 

斑鳩は佐介に感謝の意味を込めてぺこりと頭を下げた

 

「さて、そろそろ登校の時間ですね」

 

「あっ、僕みんなを起こしてきますよ」

 

「お願いします。1名確実に寝てらっしゃる人がいらっしゃいますから」プンスカ

 

「アハハハ…じゃ、じゃあ行ってきます」

 

そう言うと佐介はみんなをお越しに行った

 

 

コンコン…

 

 

「柳生ちゃん。起きてます?」

 

「ん?佐介か…あぁ、起きてるぞ」

 

柳生の部屋に訪れると、すでに起き、髪を整える柳生が

 

「もうすぐ時間ですので準備しててくださいね。僕は他のみんなをお越しに行きます」

 

「わかった。あぁ、でももうすぐで終わるからひばりは俺が起こすからお前は他のやつらを」

 

「わかりました。ではひばりちゃんはお任せしますね」

 

そう言うと柳生の部屋をでると残りのメンバーをお越しにいく

 

そして問題っ子の部屋へ

 

 

コンコン…

 

 

「かつ姉~。起きてますか?」

 

部屋に入ってみると

 

「か~Zzz~……こぁ~Zzz~……」スカピ~

 

案の定寝ていた

 

「……う~ん」モヤモヤ

 

すると佐介はゆっくりと眠る葛城のほうに近づくと布団をがしっと掴む

 

そして

 

「起きてくださいかつ姉!!」バッ!!

 

「うが~!?さみぃ~よ~!!!??」

 

勢いよく葛城の布団を奪い去ると葛城は体をガクガク震え上がらせる

 

「ダメです!…もうかつ姉ったら!もうこんな時間なんですよ!?いつまで寝てるんですか?」

 

「だってよぉ~寒みぃし眠みぃし~」目ゴシゴシ

 

眠たそうに葛城は言った

 

「たるみ過ぎです!…それよりも早く着替えておいてくださいね。そろそろ行かないと遅れてしまいますから」

 

「う~い」

 

「絶対にですよ」ギロ

 

「わっ、わかってるって、そんな怖い顔すんなって」アセアセ

 

念押しして佐介は部屋を後にし、残るは飛鳥のみだった

 

コンコン

 

「飛鳥ちゃん。起きてる?入るよ」

 

「えっ!さっ佐介くん!?ちょ、ちょっとまって!!」

 

「ふぇっ?」

 

あわてふためく飛鳥の声がするももうとき既に遅し

 

部屋に入ってみるとそこには今まさに乾布摩擦の真っ最中でパンツを除けば生まれた時のまんまの姿の飛鳥の姿が

 

「……ぶふぉぉぉ~~!!!!」ブシャーー!

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!?佐介くうぅぅぅぅぅ~ん!!!???」

 

朝からラッキ~スケベに遭遇

 

飛鳥の裸を見てしまい、佐介は鼻から勢いよく鼻血を吹き出し

 

廊下でノックアウト状態になってしまうのだった

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって半蔵学院

 

 

 

 

「ふぅ~…なんとか、間に合いましたね」頭クラ

 

「そうだけど…もう、佐介くんのえっちぃ」真赤

 

「ごっ、ごめんなさい。でも、ふっ、不可抗力ですぅ~」アタフタ

 

あれから鼻血でぶっ倒れた佐介はなんとか意識を取り戻し時間内に到着はできたものの

 

飛鳥とは気まずい雰囲気になってしまうのだった

 

 

そして現在佐介たちは霧夜の授業を受けている真っ最中

 

 

「それでは本日の修行を始める」

 

「「「「「「はい、霧夜先生!」」」」」」

 

全員そろってお辞儀をする

 

「よし、今日も張り切って修行頑張ります!」

 

「佐介くん。やる気満々だね」

 

「はい、強くなるため日々精進、そのためにも修行はかかせませんから」

 

「そうですね。わたくしもそう思いますわ」

 

佐介の志に斑鳩も共感していた

 

しかしそんな真面目な二人をよそに

 

「きっしっし~。今日もまた程良くぷるんぷるんしてますな~飛鳥のおっぱい~♪」

 

「ちょ、やめてよかつ姉!?」

 

「それに聞いたぜ。飛鳥、乾布摩擦やってたんだろ。健行なことはいいこと。ということでアタイがもっと健行にしてやるためお前のおっぱいをもみもみしてやるぜ~」キシシシ

 

「ちょっと、健行とセクハラは関係ないでしょ!?」アセアセ

 

おふざけ大好きな葛城は飛鳥をからかって楽しんでいた

 

そんな中、霧夜が話しをもとに戻すため口を開く

 

「さて、おしゃべりはそこまでだ。本日の修行は組み手だ。互いに選ばれた二人で思いっきり戦ってもらう。日頃の成果をみせてもらうぞ」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

話がまとまったところで霧夜は対戦する二人を決める

 

「本日の最初の対戦は……よし、佐介」

 

「はい!」

 

「相手は飛鳥!」

 

「はっ、はい!」

 

選ばれた佐介と飛鳥が前にでる

 

そして向かい合うと互いに構える

 

「双方、もてる力を全力でだして挑むように、いいな?」

 

「はい!」

 

「はっ、はい…(佐介くんが相手か…勝てるかな~?)」

 

「では…始め!!」

 

霧夜の合図で試合は始まった

 

 

「先手必勝!いくよ、佐介くん!!」

 

「うん!望むところだよ!」

 

先に仕掛けたのは飛鳥、二本の小太刀を駆使して攻め立てる

 

それを佐介はかわしていく

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

「っ!?」

 

飛鳥は勢いよく小太刀を振り下ろす

 

「ふっ、はぁぁぁぁ!!!」

 

「なっ!?」

 

しかしそれを佐介が両手で受け止めた

 

「グッ…ぐぅぅ~~!!!」

 

「ぬっ、ごぉぉぉ!!!」

 

互いに力をこめ迫り合いを繰り広げる

 

「ぬぇぁぁぁぁ!!!せい!!はぁぁぁぁ…やぁぁぁぁ!!」バッバシッ!

 

「きゃあぁ!?」

 

迫り合いに押し勝ち、正拳突きを繰り出し飛鳥を吹き飛ばした

 

「っ、ぐっうぅ!!」

 

負けじと受身をとり体勢を立て直しながら飛鳥は小太刀を鞘に収め

 

「秘伝忍法・二刀繚斬!!」

 

必殺技、二刀繚斬を繰り出す

 

「っ、ぐぁぁぁぁぁ!?」

 

一瞬にして切られた佐介は宙を舞い床に激突、しかしそれでもなんとか立ち上がり、頭をくらくらさせながらも佐介は立ち上がる

 

「ほう、見事だな」

 

「はい、いい勝負ですわね」

 

「いいぞ~佐介~飛鳥~!」

 

「二人とも~がんばって~!」

 

二人の戦いを皆が応援する

 

「やるね飛鳥ちゃん」

 

「佐介くんを相手にするならこれくらいしないと!…まだまだいくよ!!」

 

「そう来なくっちゃね!!」

 

そう言うと佐介と飛鳥は一気に加速し、間合いにはいる

 

「秘伝忍法・古式半蔵流乱れ咲き!」

 

「せい!!アタタタタタタタタタタタタ!!!!」

 

飛鳥の秘伝忍法技と佐介の繰り出すものすごいパンチの連鎖(ラッシュ)が激突

 

互いに譲らぬ攻防

 

「アタタタタタタタタタタタタ!!!!!!」

 

「ぐぅぅぅぅ……なぁぁ!?」

 

しかし佐介連鎖(ラッシュ)によって飛鳥の技は崩れた

 

「今こそ好奇!秘伝忍法・真・螺旋脚!!」ブンブンブン!

 

「きゃぁっ!!?」

 

佐介の放った真・螺旋脚で上に飛ばされ

 

「はい、セイヤァァァァ!!!!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

そして佐介は止めの蹴りを落ちてきた飛鳥にきめた

 

「そこまで、勝者は佐介!!」

 

勝負を勝ち取ったのは佐介だった

 

「う~。やられちゃった~」

 

「すねないで飛鳥ちゃん。僕もさっきのは危なかったよ。飛鳥ちゃん強いね」

 

「佐介くんだって」

 

「「ふふっ」」ニコ

 

互いに笑い合う二人

 

「な~にニヤニヤしてんだよ~?」ニヤ

 

「「かっ、かつ姉!?」」

 

いつのまにか自分たちの目の前に現れた葛城に二人は驚く

 

「お二人ともいい試合でしたね」

 

「なかなかだったぞ」

 

「うんうん。ひばりめいっちゃったよ~」

 

自分たちを称えるみんなに照れくさそうな顔をする二人だった

 

「お前たち、次もあるのだから早くしろ」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

霧夜の呼びかけで佐介たちは授業へと戻るのだった

 


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