ここ最近連戦が続いてしまっている蛇女子学園の面々を両姫がピクニックに誘った
美味しいお弁当や他愛ない会話で盛り上がりを見せる
さらには両奈が両姫に自分と相馬が仲良しなところを見せたりもしていた
しかし始終和やかだったと言われるとそうでもなかった
団欒の中、両備が早々にその場から立ち去ろうとし
それを止めようとする形でいざこざが起こる
だが、いくら引き留めようとしても聞く耳を持たない両備にしびれを切らした両奈が両姫の輪っかを触る
次の瞬間、輪っかにタッチしたことが引き金となり、性格が豹変した両姫が烈火のごとく怒号を聞かせる
これに対し両備が両姫を止めるよう促したことによって他のみんなも標的にさせられてしまい
結果的に全員で両姫を止めることになるという散々なものになってしまうのだった
両備と両姫のごたごた騒動となってしまったピクニックからしばらくの時が経った
現在、メンバーは全員拠点に戻っていた
…両備を除いて
「…両備ちゃん、どこに行っちゃったのかしら?」
「両姫、気持ちは分かるけど落ち着け、そんな顔したところで両備が帰ってくるわけでもないんだから」
あれから一先ずの騒動は収まりを見せたものの、話自体に決着はついておらず、両備と両姫との言い争いが続いていた
『両姫ちゃん、どうしてお姉ちゃんを避けるの?』
『…わかるでしょうそのくらい』
『分からないから聞いてるんですよ?』
『姉さんへの最後の言葉…両備が酷いこと言ったの覚えてるでしょ?』
そんな中、両備が両姫がこんなことになってしまった”あの日”に自分が酷いことを言ってしまったことについてを語る
『酷いこと?そんなこと言われたかしら?…いえ、なんとなくだけど記憶が記憶があるけど、でもお姉ちゃんは怒ってないし、気にしてないからお姉ちゃんのことを避けなくていいのよ』
『…そっちが気にしなくたってこっちはずっと引きずってたのよ!死ねって言われて気にしないとか、それじゃ両備が思い悩んでたこれまでは無駄だったっていうの!ふざけないでよ!…お姉ちゃんのそういうところ、大っ嫌い!』バッ
『あっ、両備ちゃん!?』
慰めようとした両姫の言葉がさらに両備の癇に障ってしまったようであり、その言葉を最後に両備は失踪してしまったのであった
一先ず雅緋が両姫の傍にいることになり他の皆で探しに行くも結局見つけられずだった
そうして今に至ると言う訳だった
両備が失踪してから捜索は両奈と相馬が継続する形となり他のメンバーは待機していた
「大丈夫さ、きっと両奈と相馬が見つけてきてくれるさ」
「…えぇ、ありがとうございます…でも、待ってばかりじゃダメなんです。私も探しに行ってきます!」
「あっ両姫!?」
忌夢から慰めを受けた両姫は自分も両備を探しに行くといって静止の言葉も聞かず走り去ってしまったのだった
そんな2人の様子を近場からこっそりと雅緋が覗いていた
「…っ」
2人のやり取りを見ながら雅緋は立場こそ違えど死して尚、妹のことを思っている両姫の想いに心来るものを感じていた
『雅緋…』
「っ!?」
今一瞬、亡き母の声が脳裏に響いた気がした
「(この声…もしかして?)」
最初は気のせいかととも思った
『雅緋…』
だがやはり気のせいではなかった
「(いや、間違いない、この声は!)」
聞こえてくるこの声は気のせいでも勘違いでもない
この声は間違いなく大好きだった母の声
どこからかは分からないが確かに聞こえてくるのだ
「――っ!」バッ
声を聞いた雅緋は居ても立っても居られず独り拠点を離れていった
「う~ん。困ったな~雅緋どうしよう?…あれ?雅緋?どこ行っちゃったの雅緋!?」アセアセ
雅緋がいなくなっていることに気づいた忌夢は必死にあたりを見渡したがそこに雅緋の姿はなかった
一方、ところ変わってここは紅蓮竜隊の拠点
「……っ」
そこでは光牙が拠点にあるカウンターの方で腰掛けながら難しい顔を浮かべていた
『おやおや…何を物思いに老けておるんじゃ?我が主人様よ?』
「……お前か?どうかしたのか?」
『カッカ♪…お前さま、随分と釣れないではないかお前様よ?物思いに更けすぎて心がしおしおになっておるんじゃないかの~?』
「うるさい、ていうか話しを脱線させようとするな」ムスッ
刹那、光牙に向けて語り掛ける声が
声の主は彼がその身に宿している光の竜だった
『ちょっとした冗談じゃよ、そう怒るでない。何やらお困りの容姿じゃった様だったからの、わしも今暇で暇でしょうがないから少し話しでも聞いてやろうかと思ってな』
「お前…」
『単なる暇つぶしの気まぐれじゃ』
「…ふっ、もの好きめ」
思い悩んでいても誰にもそれを言うことができずにいるであろう光牙に
暇つぶしと称して話しに乗ると言ってくる光の竜に光牙は少し気持ちに嬉しさを抱いたようだった
「…あれから姉さんの言葉が頭の中に残って離れないんだ」
『やはりな。お前様、姉であるあの女にその質問をされてものすごい動揺しておったからの~?あの時のあの顔は傑作じゃったな♪』
「話しを聞くと言っておいて…馬鹿にするつもりならもうやめるぞ?」
『うやん、相変わらず短気じゃのお前様はw』
話しに乗ると言っておきながら痛いところを突いたり小馬鹿にしてくる光の竜にムッときた光牙はこれ以上お茶くるなら話しを止めると言う
それを聞いた光の竜はわざとらしく塩らしい顔をして白々しく受け答えする
「……俺とて姉さんの気持ちがわからないわけじゃない。本当なら俺だって…」
『ならば遠慮する必要なかろう?この世界なら死者と会うことが叶うことはお前さまとてわかっておることなんじゃし』
「分かっている…わかっては、いるんだ…」
別に母に会いたい気持ちを殺す必要はないだろうと光の竜は言う
ごもっともな問いにぐぅの根も出ないとはまさにこのことだった
光牙はそれによって言葉を詰まらせてしまった
その時だった
『光牙…』
「っ!?」
思い悩んでいる光牙の元に聞こえる声が
「この声…まさか?」
『そのまさかのようじゃな?お前様にとってもわしにとっても懐かしい声じゃな、もっともわしからしたら忌々しくもあるが、この声は間違いなく操の声じゃな』
声を聴いた光牙と光の竜は即座に反応を示しながら声がどこから聞こえたのかを探す
『光牙…』
「っ、あっちか!」
研ぎ澄ませた感覚により声の位置を特定する
「…読んでいるのか。俺を…母さんが…」
語り掛けてくるかのようなこの声は明らかに自分を呼んでいるようだった
『まさに噂をすれば何とやらじゃな、お前さま、いい機会じゃ、行ってみれば良いのではないか?』
「いいのか?俺はともかくとしてお前は?」
『お前様の中に閉じ込められてしまっておるわしがどうやってお前様を止められるっていうんじゃ?…そんなこと気にせず好きにすればいいじゃろ』
「…すまない、っ!!」
光の竜の後押しも受け、光牙は声のする方にへと駆け出していく
『(まったく、相変わらず変なところで不器用な奴じゃな我が主さまは…カッカ♪)』
そんな光牙の様子を見て光の竜は呆れながらも優しく見守るのだった